「リエナはおらんか?」
移動式レストラン、キャットカフェで今日もどこかの街中でにぎわっていた。
最初からこの移動式を利用したわけではない。ビーダワールドを救うために旅立ったヤマトたちを見送るために作動させたのだ。
まぁ、ミエの母性本能というかなんというか。
その彼女が料理している厨房にビーダ仙人であるアルマーダが入ってきた。
体調は2メートルくらいのブヨブヨと柔らかくて太いネコではあるが、れっきとした仙人なのだ。
そんなアルマーダの問いにミエは野菜を切りながら答える。
「リエナ? 今手伝ってもらってるけど?」
と、ミエが見た方を目で追うと、確かにリエナは注文を承っていたり、料理を運んでいた。この店の看板娘だ。仕方が無い。
「そうか、じゃああとででも―――」
とアルマーダが身を翻した時、目の前に先程材料を切っていたミエが料理皿を持っていた。
いつの間に、とアルマーダがさっきいた所と交互に見ていたら―――。
「この料理をあそこのテーブルまで持っていってくれない? 今人手足りなくて」
アルマーダは皿に乗った料理を見た。人参やほうれん草などを使った野菜炒めだ。
「しかしワシはこれからビーダマンの研究を―――」
「い・ま、い・そ・が・し・い・の」
笑ってる、笑っているけど、目が笑ってない。
アルマーダは料理を受け取る。
「じゃあよろしくね〜」
アルマーダの横を通って、今度はお玉で鍋をかき回し始めた。
ワシは仙人なのに、とため息をはき、言われた通りに料理を運んだのだった。
解放されたのは昼時をかなりすぎ、影が少し長くなった頃だった。
ただでさえ歳を取っているのに無理な労働をさせたもんだから、少し腰を痛めたようだ。
キャットカフェの裏で腰を下ろすアルマーダ。体を壁に預け、もう一度ため息をつく。
街から少し離れていたため、街の入り口に店を開けた反対側は、人もいなくて静かだった。中の喧騒とは程遠い。
と、そんなアルマーダへ声がかけられた。
「アルマーダ様」
少し引っ込めたようなか弱い少女の声。アルマーダは顔を向けると、立ち上がる。
「おぉリエナ、店のほうはもういいのか?」
「少し楽になったので、休憩をもらいました」
「うむ」
「ところでアルマーダ様、私に用があるみたいなんですけど・・・」
「そうじゃ」
アルマーダは懐から何かを取り出した。それをリエナに見せる。
「ビーダマンのパーツ・・・ですか?」
「そうじゃ、リエナ専用のな」
すると、リエナの表情が歓喜に溢れていた。
「ありがとうございます、アルマーダ様!」
しかし、リエナの見たアルマーダの表情は、僅かに曇っていたのをリエナは見逃さなかった。
「アルマーダ様?」
「しかしな、リエナ。それを扱うのは至極困難な事じゃぞ」
「どういうことですか、アルマーダ様?」
「つまりじゃな」
アルマーダは顎を撫でる。
「並大抵の実力ではそれは扱えん。もちろんリエナも例外ではない」
すぅーっとリエナの顔色が悪くなる。
「それじゃあ、どうすればいいんですか!?」
「それはじゃな・・・ついてきなさい」
そういうとアルマーダは今自分が使っている部屋へ案内した。
中へ入ると、机やテーブル、そしてベッドまでもが、ビーダマンのパーツで埋め尽くされていた。
「まぁ、ベッドにでも腰掛けなさい」
言われた通りにリエナは座ると、それを確認したようにアルマーダは語りだす。
「さて、このパーツは連射力を高めるためにある」
アルマーダは先程見せたパーツを掲げる。
「連射力? それでしたらそんなに力を入れなくても―――」
「力ではない。持続力じゃ」
アルマーダは顔をしかめる。
それからアルマーダは、『連射をするには一定のことを連続で〜』とか『それを続ける事で削られる体力が〜』とか説明していく。
そして、アルマーダが考えた結論が、『これを扱うには、体力をつける』という事になった。
「わかりました。体力をつけるように、毎朝走ります」
「ただ体力をつけるだけではだめじゃ」
「じゃあ・・・一体どうすれば・・・」
「大丈夫じゃ、こういうときのために、ワシがリエナ用の特訓を作ってきた」
「本当ですか!?」
「しかし、この特訓はかなり厳しいものとなるぞ。それを耐えられる体力と精神があるかどうか・・・」
アルマーダは顔をしかめた。
「大丈夫です。私、頑張ります!」
一瞬の迷いも無いリエナの返事にアルマーダは少々驚いた。
迷いの無い目、それは、これから先の事を覚悟しているような、そんな目だ。
アルマーダは頷くと、リエナに覆いかぶさるように顔を近づけた。
「なら、はじめるかのう」
リエナの返事も聞かずに、そのまま唇を重ねてきた。
「!!!」
突然の事でリエナは動けなくなった。
苦しくなって口を開けると、アルマーダの太い舌が入り込んできた。
リエナの口内で何かをまさぐり、リエナの舌に触れると、それを絡めてきた。
やがて口が開放されると、リエナは腕で口をぬぐった。
「な、なにするんですか、アルマーダ様」
「特訓じゃ」
悪びれも、そういうのは一切無く答えた。
「言ったじゃろ、厳しい特訓だと。体力とかを一気に向上させるにはこういう方法が一番じゃ」
「で、でも・・・」
リエナはこの先されることが分からないわけが無い。だから戸惑い、拒絶する。
「・・・やはりリエナには無理じゃったか」
アルマーダは体を離した。
「しかし、この特訓を乗り越えなければ、決して強くなる事は無い」
リエナは見上げる。アルマーダは振り向き、止めといわんばかりの真面目な口調でリエナへ詰め寄る。
「このまま戦えず、足手まといのままになるのじゃな」
リエナの肩がはねた。
確かに、今のリエナの実力じゃ、一緒に戦えるどころか、背後でサポートする事すら叶わない。それはリエナ自身も知っていたが、避けていた。
だけど、自分はもう、守られてばっかじゃダメだ。例えアルマーダの特訓がどんなに恥ずかしくても、それが強くなるためだったら、それを乗り越えなければいけないから。
リエナは、自分からアルマーダへ体を広げる。
「ごめんなさい、もう・・・大丈夫です」
「・・・」
アルマーダは何も言わず、リエナの胸に手を置く。リエナは震えたが、避けなかった。
「もう一度確認するが・・・いいんじゃな?」
リエナはハッキリと頷いた。
アルマーダはリエナの服の中に手を入れ、直接胸を揉み始める。
「うっ」
すぐにリエナの反応が返ってきた。
もう片方の手で下半身を防護しているものを全て取り外し、リエナの秘所を露にさせた。
リエナの頬に赤みが帯びてきた所で、揉むのをやめ、上半身の服も器用に脱がせた。これでリエナを守るものは何も無く、生まれたままの状態になった。
「ふぉっふぉ、綺麗な肌だのう、リエナ」
「そ、そんなに・・・見ないでください」
アルマーダは早速リエナの秘所に触れる。そして、中へ入れずに入り口をかき回す。
アルマーダの手は体格に見合った猫手なので、中へ入れる事ができなかった。だがそれでもリエナにとっては充分に快感が得られる。
「ん・・・あっ」
思わず声を出すリエナ。
やがて肉を押す柔らかい音に、液体の音も混じる。
「もう感じておるのか、リエナは相当な淫乱だと見える」
「ち、ちがいますっ!」
口の端をあげるアルマーダにリエナは反論したが、アルマーダは聞いていないだろう。
「・・・そろそろいい頃合じゃな」
指を離し、自分の股間をまさぐった。
「リエナを気持ちよくしてあげたんじゃから、今度はワシも気持ちよくしてもらわなくてはな」
頬を赤くして肩で呼吸しているリエナの前に、アルマーダのモノが出された。
「リエナ、これを舐めるんじゃ」
「えっ?」
リエナはアルマーダのモノをまじまじと見る。アルマーダのモノも体格に相違ない大きさであり、人間、特にリエナのような少女にとってはとても大きなモノだった。これにはリエナも『お・・・おおきい』と呟いてしまうほどだ。
もちろんリエナはこの男性器は普段何に使われているか知っているので、あまり触ったり、あまつさえ舐めたりなんかはしたく無かったのだが、これも特訓のうち、と自分に言い聞かせると、アルマーダのモノへ顔を近づけた。
両手で優しく包む。アルマーダの体より暖かい。
舌を出して、先を撫でるように舐め始めた。それだけでアルマーダのモノはビクッと動く。アルマーダ自身も体を震わせた。
先を舐めたら、今度は中間から先までを舐めあげた。
「あ、アルマーダ様、どうですか?」
「き、気持ちよすぎるぞ」
アルマーダは甘い声を出した。少しぎこちない舐め方が快感へと及ぼす。
「つ、次は咥えるんじゃ」
リエナは少し戸惑ったが、意を決して口を開けて先を咥えた。
(やっぱりすごい大きいよ・・・)
大きく開けても中心までしか入らない。仕方ないのでそこで舌を使ってあいなでする。
「くあっ、イイッ、すごくイイのぉっ!」
アルマーダは体をそらした。このまま行くとすぐに果ててしまいそうだ。
舐めてもらってからまだ少ししか経っていないが、リエナの頭を掴んでモノから離した。
「リエナの中で果てたいからのう」
アルマーダはそのままリエナをベッドへ押し倒し、自分のモノをリエナの秘所にあてがう。
「行くぞ」
腰を沈め、モノを秘所の中へと入れていく。
「んああっ」
リエナが声を上げる。
奥へ入れていくうちに、周りの壁がアルマーダのモノを締め付けていく。
(くぅ、この締め付け具合がいいのぉ)
これだけでもう果ててしまいそうだ。だがそこをアルマーダは我慢し、一番絶頂になる所で果てたかったのだ。
結局、アルマーダのを全ては咥えてくれず、3分の2程しか押し込む事が出来なかった。
そこからゆっくりと腰を動かす。
液体が絡み合う音が卑猥に感じ、性欲をそそらせる。
腰を前後させるのにあわせてリエナの声もリズムになっていた。
(も・・・もう、無理じゃ)
中からこみあげたものを一気にリエナの中へ叩き込んだ。
「んあああああああぁぁぁぁっっっっ!!!」
老いても止まらない白濁物は、やはりリエナの中に全て入りきらなかった。
リエナは、今まで無かった快楽に身を委ねながら、その中へ意識を沈めた。
「う・・・ん」
リエナは目を開ける。まだ眠気が覚めない。
起き上がろうとするも、体に力が入らない。体力が尽きてしまったのだろう。
(きつい・・・こんなにも特訓が厳しかったなんて)
リエナはある程度は覚悟をしていたのだが、それでもこれほどまでとは思っていなかったので、リエナは自分自身の甘さを憎んだ。
体は動かせなくても、頭ぐらいなら力が入る。
とりあえず頭を動かす範囲で周りを見る。するとすぐに別の人物を見つけた。
机に向かってビーダマンのパーツなどを組み立てたり、パーツの細かい所などを見てひたすら研究をしているアルマーダの姿が映った。
(アルマーダ・・・さま)
その心の声に反応するかのように、アルマーダはリエナのほうを向いた。
「気がついたか、リエナ」
アルマーダは微笑んで呼びかける。
「ア、アルマーダ様・・・その―――」
「すまなかった」
「え?」
突然の謝りにリエナはおどおどしてしまう。
アルマーダはイスから降りて膝をつく。
「例え厳しい修行だといっても、あんな事をやってしまうなんて・・・。本当にすまない」
「え? え?」
リエナは何を言っているのか分からず、混乱していた。
「反省しとる。もう遅い事だって分かっとる。だけどワシはこの位のことしか―――」
「アルマーダ様、何を謝っているのかイマイチ分からないのですが」
それを聞いてアルマーダは間の抜けた声を出した。
「・・・全然、分からないのか?」
「はい」
「ワシが・・・リエナと・・・交尾をしたのがか?」
「はい―――って、え? 交尾!?」
リエナは顔を真っ赤にし、アルマーダに背中―――というより『後頭部』を向けた。
「え、えと、アルマーダ様としたことって・・・交尾だったんですか!?」
交尾、という言葉はさすがのリエナも知っていた。子供を生むためにオスがメスと・・・その・・・くっつく事だ。
「じゃ、じゃあ、修行とか、体力や精神がつくのとか、全部嘘だったんですか!?」
「いや、それは本当じゃ。体力も毎回使い切るまで続けるものじゃし。それに精神とは言っとらん、『持続力』じゃ。するうちに快楽を求めてどんどん長くなっていくし―――」
「今日はもう出てってください!!」
アルマーダは追い出され、閉めたドアに体を預けてため息をついた。
「ここ、ワシの部屋なのに・・・」
終