「砂漠の夜は、冷えると言っておいただろう?」  
 
アンワールにそう言われ、少し凹む。  
今まで昼にしか砂漠へと来たことはなかった。  
砂漠=暑いとしか頭になかった自分をティアは少し恥じた。  
 
「えへへ…ごめん。へっくっしゅ!」  
 
いつもの服で来たのが間違いだった。  
寒い。  
こんなに冷えるものだとは思いもしなかった。  
 
「…テントに戻るか。少しは、暖かいだろう」  
「うん…」  
 
『砂漠で星を見よう。周りに明かりがないから、満天の星空が見れるんだ』  
そうアンワールに誘われて来たものの、正直寒すぎてそれどころではない。  
テントに入ると、幾分か寒さが和らいだ。  
 
「うー…予言書にコートでもあればいいのに」  
「そうだな」  
 
アンワールが毛布を投げてくれた。  
 
「とりあえずそれでも羽織っておけ」  
「…ありがと///」  
 
ぶっきらぼうだけど、優しいアンワール。  
私は、彼のことが、その…好き、だ。  
 
「くしゅっ!」  
「まだ、寒いか?」  
「うん、少し…」  
 
アンワールは顔を赤くして何か考え事をしている。  
いったい何を考えているのだろう?  
 
「ティア…」  
 
アンワールに抱き寄せられる。  
暖かい。  
 
「俺は…ティアを愛してる。…ティアは、その、」  
「愛してる、アンワール。大好き」  
 
不意を突いたキス。  
アンワールの驚いた顔。  
ああ、やっぱり私はアンワールのことが好きなんだ。  
 
「ティア…」  
 
今度はアンワールから唇を重ねてきた。  
長い、長いキス。  
ティアの口に、アンワールの舌が入り込んでくる。  
初めての経験。  
熱を帯びたアンワールの舌はとても気持ち良くて。  
私も舌を絡ませた。  
 
「っはぁ…」  
「あ、その…ごめん」  
 
申し訳なさそうなアンワール。  
なんでそんな顔をするの?  
 
「アンワール…」  
「ティア?」  
「…もいっかい」  
 
そうして何度も唇を重ね合わせた。  
暖かいアンワール。  
幸せって、こういうことなんだろうな…  
段々体が熱を帯びてくる。  
アンワールも、同じみたい。  
 
「アンワール…もっと、あっためて?」  
「えっ、それはその…」  
「アンワールの肌を感じたいの」  
 
再びキス。  
アンワールが声にもならない声をあげている。  
私、キス上手になったのかな?  
 
「アンワールになら、私、いいよ///」  
 
戸惑うアンワール。  
そんなとこも、私は好き。  
 
「嫌になったら、すぐに言えよ。止めるから」  
「うん…」  
 
毛布の中で、アンワールの手が私の胸に触れる。  
まだ成長途中な胸は、少し、恥ずかしい。  
ちっちゃいって、思われないかな…?  
キスをしながら、アンワールは私の服を脱がせていく。  
 
「白くて、きれいだ…ティア」  
 
褒められるとなんだか照れる。  
下着姿で毛布にくるまってるって、なんだか変な状況だな。  
 
「アンワールも、脱いで?それとも、脱がしてあげようか?」  
 
ちょっとした悪戯心。  
アンワールは慌てふためいて、自分でするから!と服を脱ぎ始めた。  
お互いに下着姿で、毛布にくるまって、肌の温もりを感じて。  
温かさが、幸せを感じさせてくれる。  
アンワールは、私の胸を優しく、撫でてくれていた。  
 
「ティアの胸、きれいな形してる…」  
 
ブラを取られ、アンワールは赤ちゃんみたいに私の胸に吸いついた。  
 
「アンワールっっ…」  
「ティア、ごめん、止められそうにない」  
 
太ももに当たる熱いモノ。  
少しびっくりしたけど、アンワールが私に欲情してくれて、それで…///  
考えるのも恥ずかしくなってくる。  
アンワールの手が、ショーツごしに触れてくる。  
 
「ティアも、同じだな」  
「同じ…?」  
「俺と一緒で、感じて、濡れてる」  
「えっ///」  
 
恥ずかしいのか、よくわからなくなってきた。  
ただ、私はアンワールとひとつになりたい。  
その意思だけは絶対だった。  
 
「脱がすぞ…」  
 
そう言うとアンワールは私のショーツを脱がし始めた。  
小さい頃、パパとママが生きていたとき、一緒にお風呂入ったりしたっけ。  
その時から、もう何年経っただろう。  
人前で裸になるなんて。  
 
「可愛い…」  
 
アンワールは私のそこに口づけてきた。  
 
「あっだめっ…汚いよぅ…」  
「ティアに汚いところなんてどこにもない」  
「ピンク色して、すごく、綺麗だ」  
 
体中が火照って、熱くなる。  
初めて、なんだけどな…  
私、えっちな子なのかな…  
 
「ティア…」  
「ひゃぁっ…アンワール…」  
「いいか」  
 
最終確認。  
妙に律儀な彼。  
だからこそ、愛おしい。  
 
「うん、いいよ。きて…」  
 
アンワールは下着を脱ぐと、そそり立ったものをティアの秘部へとあてがった。  
それだけで、アンワールの熱が伝わってくる。  
 
「いくぞ…」  
 
ぎゅうぎゅうに締め付けられたソコをこじ開けるように、アンワールは突き進む。  
 
「ひゃぅ…っああ…ぁんっ」  
 
破瓜の痛みよりも、ひとつになれたことが嬉しかった。  
温かいアンワールを感じることができたことが嬉しかった。  
 
「っアンワー…ル…すき」  
「ティア…愛してる。ずっと、これからもずっと」  
 
なんどかピストン運動を繰り返しているうちに、アンワールが絶頂を迎えた。  
私は、全てを受け入れた。  
例え赤ちゃんができたって、それでもいい。  
私たちがつくったこの平和な世界で、幸せに暮らせるのだから。  
疲れたのか、私は急激な眠気に襲われた。  
 
「寝るか」  
「うん…アンワール、くっついて寝よ?」  
「えっ///」  
「だって、あったかいんだもん」  
「う…わかった」  
 
そうして私たちは眠りについた。  
冷たい砂漠の中で、このテントの中だけは暖かかった。  
 
「アンワール…」  
「ティア…」  
「ずっとずっと、あいしてる」  
 
 

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