子が欲しいと自ら手を重ねる妻の色香にくらくらし、家茂がしばし呆然としていると、寄り添っていた和宮がそっと手を家茂の中心に這わせた。  
「………っ!!そ、そのようなことしなくてよい!」  
驚いて拒もうとするが、「わたしも公方さんをお喜びさせたい」と潤んだ瞳で言われれば我慢できるはずもない。  
その間にも、和宮の恥じらいながらも夜着の上から中心を撫で回した。  
もう家茂のそこは、夜着の上からでも輪郭を辿れるぐらい膨らんでいる。  
 
 
和宮は静かに家茂の衿の間に手を入れ、胸元を撫でた。  
この四ヶ月間、狂おしいほどに求めていた妻にいやらしく触られ、家茂は自分でも驚くほど感じていた。  
そのままはだけさせていき、やがて家茂が生まれたままの姿になると、和宮は躊躇しながらも、天を向いて汁を垂らしているそこに直に触れた。  
 
 
「ああっ………!」  
 
 
びくんと家茂が反応すると一瞬止まったが、その反応に勇気をもらったのか指を上下にすべらせる。  
和宮は恥ずかしかったけれど、同時に嬉しくもあった。  
いつも落ち着いて聡明な夫が、いまは自分にすべてを預け、自分の拙い愛撫のひとつひとつに感じてくれている。  
そこから彼の愛情を痛いほど感じて、和宮はまだ一切触れられていない股をひそかに濡らした。  
 
 
和宮がふとももをかすかに動かしていることに気付いた家茂は、和宮の手を一旦止めさせ、彼女の夜着を脱がせた。  
四ヶ月ぶりに目にする妻の白い裸体に、家茂自身がびくんと跳ねて興奮したことを和宮は感じ、いっそう股を濡らした。  
 
 
布団の上に座ったまま二人は抱き合い、くちづけあった。始めは優しく、互いの味を思い出すかのように。  
やがてどちらからともなく舌を差し出し合い、激しく絡ませた。  
くちゅくちゃと淫らな音が響く中、家茂は和宮の中へ指を差し入れる。  
負けじと和宮も、握ったままだった家茂の中心を強く擦り始めた。  
家茂が和宮の花心を指で捉えたかと思えば、和宮は家茂の先端に指を食い込ませる。  
「ふっ……う………ん…………」  
「はあ………公方さん………」  
 
激しいくちづけと愛撫に息を切らせながら、和宮は堪らなそうな表情で家茂を見つめた。  
そして彼の分身へ目をやる。先程よりもさらに硬さと太さを増し、家茂の腹に付きそうなぐらい反り返っているそこ。  
大量の先走りの汁は和宮の白い手を濡らし、今にも放出したそうにぴくぴく震えていた。  
(楽にしてさしあげたい…)  
そう思った和宮は、家茂の指をそっと止めさせ、自分の中から抜く。  
その際、体が震え、無意識に「ぁん……」といやらしい声が出た。  
不思議そうに自分を見つめる家茂の視線を感じながら、和宮は勢いよく夫の大切な所に吸い付いた。  
 
 
「あ、宮!?あ、あああああああ!!」  
 
 
背をのけぞらせて家茂は悦びの声をあげた。  
側室を娶らず、京でも差し出された女に見向きもしなかった家茂にとって、口淫など初めての経験だった。  
もちろん知識としては知っていた。しかしこれほどの快感だとは思わなかった。  
 
 
熱い和宮の舌が形を確かめるかのように輪郭をなぞり、唇で愛撫する。  
汁を舐めるかのように舌を上下されると、家茂は腰が動くのを抑えることができなかった。  
 
 
ちゅる…ちろっくちゅぬちゅっ  
 
 
「はぁっ…!ん……………!ふぅっ……!ふ、くぅっ!」  
歯をくいしめて快感に耐える夫を見上げると、和宮は家茂自身を口にくわえ、勢いよく吸い上げた。  
「あ……!だめじゃ、もうっ、もう………!み、や、あ、あああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」  
 
 
家茂は耐え切れず、和宮の口の中に精を吐き出してしまった。その勢いは激しく、一度では収まらず二度、三度と吐精した。  
その激しさに和宮は全てを飲み込むことができず、口元と顔は溢れた子種に白く濡れた。  
 
口の中に精を吐き出すという初めての感覚に呆然としていた家茂だったが、和宮のむせる声に我れに帰る。  
「す、すまなかった…!」  
内親王たる妻の口を子種で塞ぐなど、謝って許されることでもなかろうが、家茂は懸命に妻の顔の白いものをぬぐった。  
 
 
「いいえ…初めて味わう公方さんのお味。嬉しゅうございました。とても濃くて……たくさんお出になって…」  
「そ、それは…これだけ長い間そなたに触れないなど初めてのことだったから…」  
真っ赤になりながら家茂がそう言うと、和宮はじっと家茂を見つめて小さな声でたずねた。  
「……京で、おなごをお抱きになったのではあらしゃいませんか?」  
「な……!?馬鹿なことを!断じてそのようなことはない」  
家茂は断言した。妻を思って自分で自身を慰めたことはあっても、他のおなごなどに指一本触れなかった。  
「わたしが感じるおなごはそなただけ。抱きたいと思うのもそなただけじゃ」  
 
 
真摯な瞳でそう告げる家茂に、和宮は喜びの涙が止まらなかった。  
「嬉しい………」  
そんな妻を愛おしそうに見つめていた家茂だったが、まだ口元や髪に白いものをつけたままの和宮の姿に、自身が再び膨らみ始めるのを止めることはできなかった。  
 
 
そんな家茂自身を優しく包み込むと、和宮は「綺麗にしてさしあげます…」と言って丹念にそれを舐める。  
 
 
ちゅくちゅるちゅるっ  
じゅる、じゅぶっじゅっぶ  
 
「あ、あーーーーー!!宮、そんなにしたらっ、またっ、」  
先程イッてからまだ間もなく敏感なそこに、その愛撫は激しすぎた。  
 
 
「はあっ、はあっ、あっ、あっあっあっあっ!!!あーーーーーーーーー!!!!!」  
 
 
再び吐き出された精を、和宮は今度は綺麗に飲み込んだ。  
「ぁ…………ぁ…………」  
いくら若いとはいえ、間断なく精を吐き出したことにより家茂の頭の中は白みがかっていた。  
 
家茂がふと気がつくと、自身の上に和宮が馬乗りになっていた。  
「公方さんお許しください。わたくし、わたくし……」  
恥じらいで真っ赤になりながらも和宮が腰を家茂のふとももにこすりつけると、ドロドロに濡れほぐれているのがはっきりわかった。  
(和宮…)  
愛おしさを込めて頬を撫で、了承の意を伝えると、和宮は再び硬さを取り戻した家茂自身をじゅぶりと中に取り込んだ。  
 
 
じゅくじゅくと熱い粘液が自身を包み込む。  
久方ぶりに味わう妻の体内に、家茂は掠れた声をあげた。この四ヶ月間、夢にまで見た瞬間だった。  
一方和宮の方も、四ヶ月ぶりの夫の肉棒に意識が飛びそうなほど感じていた。  
久しぶりだからだろうか、常にもまして和宮の体内はきつく家茂をしめつけ、快感の渦へ彼を押し上げた。  
体内でますます長大に膨れあがり反り返る家茂を感じ、和宮はたまらず腰を押し付けた。  
 
 
「す、すごい………!く、ぼうさん、の、お、大きい………!!」  
「ああっ、ああっ、和宮………っ!!」  
 
 
堪らず互いに腰を振り合う。  
じゅぶっ、じゅっぷじゅっぷぐちゅ、ぐちゃぐちゃぐちゅちゅうぅ………  
 
 
「あぁっ、深い!!すごいっ、あ、あ、あ、あ、ぁん、」  
「んっ!あっ、あっ、あ……っ!!くぅ、ふぅん………!!!」  
 
 
和宮が上になっていることによって体重がかかり普段よりも深い結合となり、二人はもはや頂点に向かって激しく腰を振り合うのみであった。  
 
 
「あっ、あっ、出る、で、るっっ、くぅぅぅぅぅ!!!」  
「あ、ああああああ!!!」  
 
 
子種が和宮の中に放出された。その刺激に震える和宮を、家茂はやや乱暴に組み敷いた。  
 
「あっ!」  
繋がったままのそこがぐちゅりと音を立てる。  
荒い息をつきながらも、家茂は久しぶりの妻の体を一度味わっただけで手放すつもりはなかった。  
そのまま激しく突き上げる。  
 
 
ずぶ、ずぶっぐしゅぐしゅくちゃっ  
 
 
「あっ、あっ、あ、あ、あ、あっあっあっ!!はぅつ……!」  
「宮っ、愛しいっ………!!!そなたが、誰よりもっ!!!」  
「はぁっはあっ、ぁ、あ、んーーーーーーーー!」  
突然和宮は背をのけ反らせると、絶頂の極みを越えた。  
「ぐぁ、は、あぅっ……………!!!」  
引き搾られるまま、家茂も四度目の吐精を終えた。  
 
 
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「御子は…」  
「ん?」  
ふたり寄り添いながら事後の余韻に浸っていると、家茂の腕の中で和宮がぽつりと呟いた。  
そして自分の剥き出しの下腹をそっと撫でる。  
「御子は、授かったでしょうか……」  
不安げにそう言葉を落とす和宮を見遣り、家茂は身をかがめてなだらかな下腹にくちづけた。  
 
 
「公方さん?」  
家茂は優しく微笑み和宮の頬を撫でる。  
「きっと授かる…これほど想い合っている私たちなのだから」  
その言葉に和宮は嬉しそうにうなづいた。  
 
 
 
 
END  
 

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