いつもなら枕を並べてお互いに触れるか触れないかの距離で
眠りについている時刻であった。
しかし今日は違う。部屋に響くのは安らかな寝息ではなく、
荒々しい息づかい、色づいた吐息。
衣擦れの音に混じって卑猥な水音が聞こえる。
(体が宙に浮いているようじゃ......)
篤姫は薄明かりのなか家定の愛撫に身を任せていた。
本当なら婚礼の夜に済ませてある筈のこの行いも、
お互いの愛を確かめ合った今行われるからこそ意味がある事に思えた。
家定は先ほどまで身を固くして震えていた篤姫が
今は完全に自分に身を投げ出して心地良さそうに目を閉じていることに気付いた。
激しくその柔らかい唇をむさぼるように吸いながら、
着物の裾をはだけてほっそりとした足首からふくらはぎを撫でる。
少しずつ自分に体を開いてくれていることに喜びを感じつつも、
心地よさを超えた快感を与えてもっと乱れさせたい欲が首をもたげた。
口付けを深くしながら、舌を滑り込ませる。
篤姫のかわいい舌の感触を己の舌で味わいながら絡めていく。
荒々しい口付けまではついていった篤姫の心も、
今まで味わった事のない舌が絡み合う感触に思わず動揺し声が漏れた。
「んっ.....う、うえさま、んん.....っ」
「どうした?苦しいか?」
篤姫が初めて味わう感覚に溺れていく様を家定は楽しそうに眺めた。
「いえ.....でも、私なにか.....変なのでございます」
はあはあと息を漏らしながらそう訴える篤姫は家定には官能的に映る。
「どこが変なのじゃ.....?」
家定の低く陰のあるいつもとは違う声色に篤姫は余計に動揺していた。
「わかりませぬ......息がうまくできませぬ。変なのです.....」
ふいに、家定が篤姫の首筋に顔をうずめた。
「ここが、息がでないのか?」
いいながら、ちゅっと音をたてて白い首筋に跡をつけた。
「..........っ!あんっ」
不意打ちに思わず可愛らしい声を漏らした。
家定は内心その声にかなり煽られつつも平静を装いながら
今度は篤姫の鎖骨の辺りを吸った。
「ここかのう......どうじゃ、治ったか?」
「やっ、んっ、ああっ.....」
首を振りながら喘ぐ篤姫を目を細めて見つめた。
(なんと可愛らしい御台なのじゃ.....)
そのまま鎖骨から首筋に唇を動かし時折吸い、耳朶をかんだり舐めたりして
篤姫の反応を楽しんだ。
「はっ.....あん、やっ....ああっ」
首筋をゆっくりと堪能した家定は両方の手を篤姫の胸元にやり、
ぐいと襟をひっぱり裸の肩と胸を露出させた。
「あっ.....!なりませぬ、上様........」
篤姫は急に家定の目の前に無防備な上半身を晒され、抵抗した。
「何を焦っておる。そちが息が出来ぬというから体を調べておるというのに」
家定はイタズラな眼差しをむけつつそううそぶいた。
両腕で必死に自分の上半身を隠そうとする篤姫の手首を掴み横にやった。
男の力強い腕に抗える筈もなく篤姫は真っ赤になりぎゅっと目を閉じた。
家定の目の前に篤姫の白く眩しい乳房があった。大きくはないが形の整った乳房。
そして見られている事で固くなりツンと上を向いている可愛らしい桃色の乳首。
家定はその美しさに圧倒されていた。
(女人の裸は見慣れているはずじゃが......)
愛しい篤姫の初めて見る乳房だからなのか、感動がこみ上げた。
(この可愛らしい乳房に触れることができるのはこの世で儂ただ一人なのじゃ.....)
「上様......恥ずかしゅうございます......」
ずっと見られている事に耐えられず身じろぎした。
「動くでない....今、調べておるのじゃ。」
そういってやわやわと手のひらで乳房に触れた。
その柔らかい感触に今すぐ唇で味わいたくなるのを押さえて、両手で乳房を掴んだ。
「ああっ......」
「御台、まだ治らないのか?」
そう言うと可愛らしい乳首をつまんだ。
「やっ、あんっ.....」
くりくりと指を動かして次は乳房を手のひら全体で揉み親指で乳首を弾いた。
「ああん、やぁ.....っ、上様.......っ」
次々あがる嬌声に家定も余裕がなくなってくる。
「御台.....そちはなぜにそのように可愛らしいのじゃ.....」
もう体を調べるなどと言って篤姫をからかう余裕もなくなり、白い胸に顔をうずめた。
「あん、や....っ、ああん、あぁっ......!」
急に家定の吐息を無防備な胸に吐かれ、篤姫の上半身は弓のようにのけぞった。
その背中に手を回し抱きしめながら、自分の目の前に差し出された
色づいた桃色の乳首を口に含んだ。
「はぁっ......やっ、んっ、んっ、やぁっ.....」
ちゅっと音を立てて何度も角度を変えて舌で乳首を転がされる。
唾液を含んだ舌で乳房全体を舐め回され、両方の乳房を交互に愛撫される。
「あん、あっ、あっ、やっ、んん...あんっ」
もう篤姫は熱に浮かされ何も考えられなくなっていた。
部屋の中の灯りがゆらゆらと揺れて
篤姫の白い肌を美しく浮かび上がらせる。
目で初々しい妻の姿を楽しみ、舌でその妻の滑らかな肌の質感を堪能していた。
初めて男からの愛撫をうけ恥じらいを見せつつも
白い体をうねらせあえぐその様は家定を煽り続ける。
いつのまにか家定は篤姫の足の間に体を滑り込ませ、密着させていた。
両手を篤姫の背中にまわし、体が反って同時に突き出された乳房を
飽く事なく愛撫し続けた。
「あっ.....あっ......」
もはや息も絶え絶えになり吐息とも声ともつかぬ声が漏れる。
乳首のまわりをじらすように舌でなぞり、そのあと口に含んで
ちゅっと音をたてて吸い上げる。
その間もう片方の乳首を長い指で嬲られる。
波のように押し寄せる快感に篤姫は喘ぎ続けた。
自分の足が大きく開かれその間に家定の体があり、
ももの上の当たりに家定のかたい部分が当たっている。
予備知識が全くなかったわけではない篤姫はそれがなんなのか
理解することができ、体が熱くなった。
そこに気をとられているといつのまにか上に上がってきた家定に
唇を吸われている。そのまま頬に口付けられ次は首筋をなぞるように
優しく唇で辿られる。
初めて男と交わるであろう篤姫を怖がらせないように
家定は優しく体全体を唇で愛撫した。
しかしそうしている間にも早く目の前であられもない姿をさらす妻と
ひとつになりたい自分自身の猛る想いが固くなりぐいと
篤姫に押し付けずにはいられなかった。
「..........っ、御台.......!」
固いものを篤姫のももにすりつける。
ももが濡れる感覚に篤姫はもうどうしてよいかわからなかった。
しかしひとに触れられるのが嫌だと言った上様が、
今は積極的に自分に大事な所を触れさせている。
そう考えると思わぬ感動を覚え、そっと白く細い指を伸ばし
固くなっているものに触れた。
(あたたかい.......)
初めて触れる事を許された事が嬉しくて、
そのまま指を撫でるように動かした。
その瞬間、家定の愛撫が激しさが増した。
優しく体を這い回っていた唇は、まるで肌にかみつくかのような動きになり
篤姫の肌は家定により余される事なく濡らされていく。
急な激しい愛撫に驚きつつも必死でついていこうと身をよじる篤姫。
家定は息を荒くして篤姫に口付け舌をからめていく。
「ん、んんっ」
息が苦しくなり声を漏らす篤姫を新たな感覚が襲った。
激しい口付けを受けながらも自分の一番敏感な場所を家定の手の平が包まれている感覚。
そのまま全体を撫でられる。
じわじわと濡れてくる秘所にすべりがよくなってゆく。
「あっ、上様そこは.....」
少し怖くなり身を引く篤姫。
しかし家定が篤姫の耳元で「御台.........」とささやけば
たちまち体中の力が抜けた。
家定の手はしばらく優しく全体を撫でたあと指を割れ目の中へ忍ばせた。
「!あっ.....」
新たな刺激に声をあげるとぴちゃぴちゃと耳を舐められる。
更に濡れている箇所をひろげ指を上下させ、指を2本に増やし
中につぷっと入れられた。
「あんっ!や.......上様、恐ろしゅうございます......」
篤姫の目に涙が溜まる。
その涙を唇で吸い取りそのまま瞼に口付ける。
その優しく慰めるような家定の愛撫に安堵する。
「大丈夫じゃ........儂はそなたに喜んで欲しいだけじゃ.....」
そう言って中に入れた2本の指をなめらかに動かして篤姫をよがらせた。
そのまま出し入れしてかき回す。
たまらなくなり身をよじり背中を反らせて官能的に突き出される胸に
舌を這わせる。舌で胸の先端を嬲りつつ指の動きを激しくしていく。
「あっ.....ん!あぁっ.........上様.......っ!」
乳首と敏感な場所への同時の愛撫をうけもうよがり続けるしかない。
今までに見た事のない篤姫の可愛らしく悶える姿に
もう我慢が出来なくなった家定はそそり立つ自分自身を篤姫の秘所にあてがった。
「御台.......これでそなたは一生儂のものじゃ........」
そう言うやいなやそのまま中にゆっくりと腰を進めていった。
「あぁあっ......上様、ぃやぁっ.....!あぁっん!」
生まれて初めて男の侵入を許した篤姫は、痛さに目を閉じて耐えた。
家定は妻の苦痛を少しでも和らげようと唇をついばむように優しく吸い、
胸の頂きを口に含むとやわやわと舌で触れるか触れないかの愛撫を繰り返した。
そのもどかしい感覚に篤姫の秘所は濡れて痛みが弱くなっていく。
家定は自分自身を奥まで進めると、はぁと息を漏らす。
その初々しい妻の狭い入り口が固いものをしめつける。
再び優しくなった愛撫にうっとりと目を閉じている篤姫に口付けをひとつ落とすと、
「大丈夫か、御台.....」と声をかけた。
ふわりと微笑んで家定を見上げる篤姫。
「.......上様、これで私たちは本当の夫婦になれたのですね......」
そういって満足げに微笑む篤姫に愛おしさがこみ上げてくる。
思わずゆっくり動かしていた腰が激しさを増してくる。
激しく上下に動かし、胸の先端を舌で嬲る。
「あぁっ!あんっ!あっ、あぁんっ......っやぁっ......!」
急に激しく求められ、次々と声が漏れてしまう。
舌で胸の先端をぺろぺろと舐められ、濡らされる。
あらゆる刺激で自分の体が快感の波に飲まれて高みに連れて行かれる。
「御台......っ!御台...........っ!」
苦しそうに息を吐いて果てる家定。
「んんっ.......上様...........ぁ」
その瞬間篤姫の体も小刻みな震えと共に
果てたのであった。
ことが終わり、疲れ果て眠ったしまった篤姫。
その体を優しく抱きしめ、頭を撫でながら満足げに瞳を閉じる家定。
「そなたに手を出せるのは、儂だけじゃ......」
初めて心から愛した女の寝顔に口付けすると、
将軍は深い眠りについたのであった。