中原翔太の独り言  
 
美咲のやつ、最近付き合い悪ぃ。。。  
仕事の帰りにタンメン食いに行こうって言っても、ここんとこずっと  
「先約がある」って。。。  
まさかとは思うけど、男でも出来たのか・・・。  
 
そういえば、こないだ指輪してたなぁ。今までのあいつならしない  
ような女っぽいやつ。。。誰かにもらったのか???  
つーか、俺なんでこんなにあいつのことばっか考えてんだ!!  
俺は・・・美咲のことが・・・あぁぁちくしょう!!誰だよ、ほんと  
確かめてやる。  
 
俺は美咲が帰りそうな時間を待って、声をかけた。  
(毎日同じ時間じゃないから、空振りの日もあったけど、今日は  
やっと会えた)  
 
「メシ、食いに行かないか?」  
「わりぃ、翔太・・・急ぐんだ。」  
「最近、付き合い悪いよな、お前。男でもできたのか?」  
単刀直入に聞いてみた。  
 
「お、おとこって・・・。いや、、、おとこは出来てないけど  
そうだなぁ。。。」  
美咲のやつ、なんだかにやにやしてやがる。やっぱ男か。。。  
 
「わるいな、翔太、ほんと急ぐんだ。人待たせてんだ。  
メシ、また今度な!」  
「今度今度っていつ行けんだよっ。俺、ずっと待ってたんだぜ。  
俺はなぁ・・・お前のことが・・・」  
 
「翔太、その先は言うな。お前とあたしは・・・ずっと、  
友達だろ。」  
 
美咲は、俺に告白もさせてくれなかった。あいつが誰かと  
付き合い始めたことは確かだ。だけど、一体誰だ?  
まさか、カラス?んなわけないか。。。  
探ってやる。俺は美咲が好きだから・・・。  
 
 
美咲洋子の独り言  
 
翔太、ごめんな。お前の気持ちに答えてやることはできないんだ。  
お前の気持ちは、痛いほどわかる。人に告白する時って  
勇気いるよな。・・・けど、逃げてしまって本当に悪かった。  
 
あたしには、たまきさんという恋人がいるんだ。  
今はまだ誰にも話すことはできないけど、いつか正々堂々と  
この人があたしの恋人です!って紹介できる日が来ると  
いいな・・・。  
 
翔太、ほんとにごめんな。  
お前のことは、親友だと思っている。これからもずっとだ。  
 
 
若村弥生の独り言  
 
中原さんのバカっ!  
「食事でも」って誘ってくれたから、めちゃくちゃ浮かれて  
たのに・・・。  
結局、美咲さんのこと聞きたいだけだったなんて・・・。  
ヒドイ〜!!  
最近、美咲さんが付き合い悪くないか?とか、もしかして  
彼氏できたのか?とか・・・・。  
 
・・・けど、私はてっきり、美咲さんは中原さんと  
付き合い始めたのかと思ってた。最近、綺麗になってるし、  
妙に浮かれてる時があるし。  
 
けど、違うのか。(よし!)  
でも〜、中原さん・・・そんなに美咲さんのことが気になる  
のか。。。(駄目だな、私なんか;;)  
 
中原さんじゃないとすれば、美咲さんの彼って誰だろう??  
聞いてみたけど、「いやぁ〜、おとこなんかできてないよ」  
って返されるばかり。  
 
どさくさに紛れて、指輪を見てみた。  
「かわいい指輪だね〜。もしかしてその彼にもらったとか?」  
「彼〜?そんなのいないってば!」  
 
私は、はっきり見てしまった。指輪に刻まれた文字を!!  
「T to Y」  
 
 
中原翔太の独り言  
 
弥生ちゃんには悪いことした。最初すげーテンション高かった  
のに、美咲の話をし始めたら、テンション下がったみたいだ。  
そりゃーそうだよな。俺が鈍感だったんだな。  
 
けど、さっき弥生ちゃんからこんな話を聞いた。  
 
「イニシャル T を探せ!」  
美咲の指輪に刻まれた文字らしい。女っていうのは、そんな  
細かいとこまで見てるからすごい。  
 
「T」とは誰だ??カラスの名前はたしか・・・  
「堤修介」・・・つつみ・・Tだ!!  
けど、弥生ちゃんが言うには文字は「T to Y」と刻まれて  
たらしい。「Y」は洋子のYとするならば、「T」だって  
当然ファーストネームになるだろう。  
カラス・・・いや、堤だとしたならば、「S to Y」だろ、普通。  
カラスではない。ないと思いたい。  
 
となると、誰だ?俺の知らないやつかもな。弥生ちゃんは  
隠すくらいだから、会社のやつだと言ってるけど。  
わかんねーよ。  
 
こうなると、美咲をつけるしかない。って何考えてんだ、俺。  
ストーカーじゃないか。そういうのは、嫌いだから、もう  
探るのはやめるしかないな。  
 
そんな風に考えてた時、俺は見てしまった。  
 
仕事の帰り、美咲がある人と一緒に歩いているのを。。。  
なんでその人と一緒に居るんだろう??  
ずいぶん仲が良さそうだ。美咲はその人の腕につかまろうと  
してたけど、その人はやんわりと美咲の腕を離す。  
そのしぐさを美咲は笑って見ている。  
美咲のあんな笑顔みたことがない。  
 
その人は・・・訓練部の・・・教官。。。  
名前は・・・三神・・・下の名前は思い出せない。  
 
その時、美咲がその人の名を呼ぶ声が聞こえた。  
 
「たまきさん!」  
 
その人の名は・・・三神たまき。  
イニシャルTだ!  
俺は確信した。  
 
 
三神たまきの独り言  
 
迂闊だった。中原翔太に見られていたなんて・・・。  
 
「美咲のことで話があります。」彼はまっすぐ私に向かってきた。  
「単刀直入に聞きます。三神さんと美咲がどういう関係なんですか?」  
 
なんてストレートな子なんだろう。  
「どういうって?彼女が訓練生の時、教官は私だった。彼女が  
 何かしましたか?」  
 
「俺こないだ見たんです。品川で三神さんと美咲が一緒に居るのを」  
 
見られていた。  
いつも品川か浜松町で待ち合わせる。本当は家に直接来なさい  
と言っているのだが、「一秒でも長くたまきさんと居たいんだ」  
などと言われると断れなくなる。  
それに、人混みに紛れて会社の人から見られることもない  
だろうと思っていた。迂闊だったのだ。見られていたなんて。  
 
「ああ、もしかしてこないだの火曜かしら?偶然美咲さんに  
 会ってね。昔話していたんですよ」  
見え透いた嘘をつく。きっと彼はもう解っているだろう・・・  
私と洋子がどんな関係か・・・。  
 
「その指輪・・・、同じの美咲もしてましたよ」  
 
指輪のことに触れてくるなんて・・・なんという鋭さ。  
私は咄嗟に取り繕った。  
 
「そう・・・美咲さんもこの指輪を・・・。バーゲンで  
 買ったのよ。美咲さんも同じバーゲンで買ったのかしらね」  
 
「ごまかさないで下さい。その指輪、イニシャルが彫って  
 あるんですよね!」  
この子は・・・どうしてそこまで知っているの?  
 
「あなた・・・何をどう勘違いしているのかしら?美咲さんと  
 私が何か深い関係にあるとでも言うのかしら?」  
「違うんですか?」  
「冗談言わないで!これはバーゲンで買ったのよ」  
 
決してバーゲンでなど買っていない。洋子と2人で銀座に  
買いに行ったのだ。けど、この際、嘘をつきとおすしかない。  
私たちは約束したのだ。2人の関係は、秘密にしておくと。  
半ば強引に、私が洋子に言い聞かせたのだ。  
 
中原翔太がなんと言おうと、洋子は私のただの教え子。  
指輪はバーゲンで買った。イニシャルなんて知らない。  
 
嘘をつくのは辛いけど、洋子との約束は破れない。  
 
「最後に言っておきます。俺は、美咲のことが好きです。  
 本気で好きです。  
 あなたも本気かもしれない。けど、美咲のことを  
 幸せにできますか?女同士の関係のこと、俺はよく  
 わかりません。けど、ずっと、一生、美咲を幸せに  
 できるんですか?」  
 
「何を言ってるの?勘違いしないで!私と美咲さんはそんな  
 関係じゃないの!」  
 
「わかりました。けど、美咲の今後のこと、ちゃんと考えて  
 やってください」  
 
正直、ショックだった。洋子の今後のこと・・・なんて。  
これまでだって、ずいぶん悩んだ。このままでいいのか?って。  
けど、他人から言われると本当に実感してしまう。  
女同士、歳の差・・・。  
 
洋子の今後・・・。どうしたらいいのだろう。  
 

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