「ちょっ…三神教官」
三神は洋子の細い体を抱き締めた。
突然のことに驚き一瞬抵抗しつつも、優しく頭を撫でる三神の手が温かく、洋子はそのまま腕の中に収まった。
「涙と化粧で制服汚れちゃいますよ…」
「だったら早く泣き止みなさい。」
珍しく優しい三神の声に、洋子はますます涙が止まらなくなる。
「…あたしホントは三神教官が好きなんだ。OJTに進んだ後も見捨てないで面倒みてくれますか？」
「…当たり前でしょう。」
三神は抱き締めていた腕を緩めると、洋子の目を見つめ微笑んだ。
洋子はその顔を見て、涙顔のままニッと笑う。
「じゃあじゃあ！訓練が終わっても、一人前のCAになった後も一緒にいてくれますか？」
洋子は少し照れ臭そうな顔で三神を見つめた。
しばらくの間の後
「考えておきます。」
三神もまた照れ臭そうな顔でそう答えた。