「三神教官〜。」
「私はもう教官ではありませんよ。」
「あ...そうっすね〜。じゃあ、こ、恋人...。なんつって!アハハハ」
大げさに笑う洋子に、三神は
「あなたがそれで良いなら、かまいませんよ。」
「ハ?」
洋子の動きが止まる。
「今、何て?」
「...あなたが、恋人って呼びたいなら、それでも良いと言ったんです。」
三神は少し頬を赤くして、ぷいっと洋子から視線を逸らした。
『恋人でもいい』
洋子の頭の中でリピートされる。
つまり...教官も私の事を?
「え、じゃあ、恋人って認めて...」
「別に嫌なら結構です。」
三神は乱れてもない髪をかき上げると、洋子に背中を向けて歩き出した。
「あ、待って!」
洋子は三神の腕を掴んだ。
「私、まだ返事してないじゃん!」
三神がゆっくり振り返る。
「私も、あんたの事大好きだあぁ!!」
洋子が叫ぶと、三神は慌てて周りを見回す。
「美咲さん、声が大き過ぎます。」
「だって...」
洋子が口を尖らす。
次の瞬間、フワッといい匂いがしたと思ったら、三神に抱きしめられていた。
「み、み、三神教官!?」
本気で慌てている洋子に、三神は
「そのウルサイ口唇は塞いでしまいましょう。」
そう言って、洋子に口付けた。