「目覚め」
エリーがダグラスに処女を捧げてからしばらくの時が過ぎていた。
己の体に男を迎え入れることにも慣れてきたが、同時にエリーは新しい自分が生まれつつあることも感じていた。
アカデミーショップに買い物に行くと、どうしても店員の豊かな胸元に目がいってしまう。
(いいなあ。おっぱい大きくて。あたしもあんなだったらいいのに・・・)
同級生と話していても、錬金術の話をしているはずなのにいつのまにか頭は下半身のことを想像している。
(ノルディスにも・・・あれあるんだよね。男の人だもん)
飛翔亭にいったらいったで、にこやかな笑顔をむける看板娘に罪悪感を感じずにはいられない。
(フレアさんも、ハレッシュさんとしてるのかなぁ。きっとそうだよね)
今までこんな淫らな想像はしたことがなかったのに。どんどん自分が穢れていくような気がする。
恋人に対しても、そうだ。
ダグラスのあの蒼い瞳で見つめられただけで、体の奥がじんわりと熱くなる。
話をするだけじゃ、キスをするだけじゃもう満足できない。
時に優しく、時に強引に、押し倒される時を待ってしまっている自分がいる。
そして、夜一人でいるときも・・・。
「んっ・・・はあ・・・ああ・・・ダァグ、ラスゥ・・・」
最初は恋人に抱かれる夢を見たときだった。
甘美な夢の続きが見たくてたまらず、知らず秘所に手を伸ばしていた。
それ以来、体が甘く痺れるときは、自分で慰めるのが習慣になってしまったのだ。
「あっ・・・うぅん・・・くっ・・・いやぁ・・・はぁん・・・」
今は10月。ダグラスは魔物討伐の遠征に出かけており、一ヶ月は会えない。
ザールブルグを、自分を守るために危険な任務についているというのに、一体自分は何をしているのか。
頭でたしなめればたしなめるほど体は反対に疼き、高まる快感に手を動かすのをやめられない。
体の奥に泉が湧き、指を動かすにつれてぴちゃぴちゃといやらしい音をたてる。
「ああっ・・・ダァグ、ダグラス・・・んん・・・あっ・・・もう、だめっ!」
遅咲きの欲望がエリーの中で艶やかに咲きほこっていた。