まったく気付いていなかった
「まあ、いいか。ノルンが起きる前にもう少し触っておく・・・」
まだ背後にいる(と思っていた)ノルンのほうに視線を戻しながら呟いていたはずのセリフも、振りむいた瞬間に体にもふっとした感触と、いつのまにか天井を見上
げていた事、突如唇をふさがれた事のせいで最後まで言い終わる事ができなかった・・・
(???なんだ、いきなり何が起こったんだ?)
先程の杖のこともあいまって、余計に混乱しつつも、自分の身体の上になにがのっていて入るのか確認しようと視線を天井から自分の体の上に移す。
その先には、
(??????なんで、ノルンが俺の上に乗ってそのうえにキ、キスをしているんだ!?)
そんなことを考えようとしたが、そのまえにノルンの唇がクレインの唇から離され、自由になった口で驚いたばかりで息を止められたおかげで乱れた呼吸を正した。
「ノルン!何でこんな事を突然したんだ!」
自分がさっきまでしていた事など棚に上げつつ、顔を真っ赤にしながらなかば叱るような口調でノルンにこんな事(キス)をした理由を聞いてみた。だが、ノルンは答え
ずにクレインの身体の上に乗ったままクレインの首筋に噛み付いてきた。
「うわっ」
さすがに、自分が噛まれようとしているうえに動けない、とすると数少ないできることは痛みに対して覚悟を決める事と目を瞑る事ていどしかなかった。
カプカプカプカプカプ
そんな音が聞こえてきそうな甘噛みだった。訪れるはずだった痛みは無く、むしろ心地よいくすぐったさだけが首筋を伝わってきた。そんな感覚にクレインが別
の世界にもってかれそうになっている中で、不意に耳元にノルンが口を寄せて、ささやいた。
「クレインはノルンのこと嫌いニャ?」
「なっ!?」
「ノルンはクレインのことが大好きだニャ、ブレアの作ったざんぱんよりも好きニャ、だから一緒にいて欲しいんだニャ・・・ダメかニャ?」
「ダメなんかじゃないけど・・・じゃあノルンが寝るまで一緒にいてやるよ、それでいいだろ?さ、早く俺の上からどいてくれないか?」
「ダメニャ!ノルンの聞いた事にちゃんと答えるんだニャ、人にものを聞かれたらちゃんと答えるんだニャ、ゼルダリア様もよく言ってるニャ」
「いや、答えたじゃないか。寝るまででいいなら一緒にいてやるって」
「違うニャ!クレインはわかってないニャ!ノルンが聞きたいのはクレインはノルンのことがすきなのかどうかニャ!」
微妙に目がすわってるノルンに今にも噛み付かんばかりの勢いで質問されたクレインは、
「そりゃ・・・まぁ・・・嫌いじゃないけど・・・」
と呟くようにいっただけだったが、それだけでもノルンは嬉しいらしくもう一度
「本当かニャ?クレインはノルンのこと好きなのかニャ?」
と確かめるように聞き、その質問にクレインはやれやれといった感じで答えた。
「ああ、そうだよ。おれはノルンが好きだ、だから早く俺の上からどいてくれないか?」
「ダメニャ〜♪ゼルダリア様に教えてもらったんだニャ、『もしもノルンに好きな人ができて、その人もノルンのことが好きだってわかったら
押し倒して、あとは少しがんばればずっと一緒にいられる』って」
(ゼルダリア・・・一体ノルンになにを教えてたんだろぅ・・・)
ゼルダリアのあまりの言い分を聞いてクレインはそっと胸の中だけで溜息をついた。
「それじゃクレイン、ノルンと一緒にがんばるんだニャ」
「いや、なにを?それにがんばるにしてもノルンが俺の上からどいてくれないとがんばれないと思うんだけど・・・」
「決まってるニャ♪子作りニャ〜」
「はぁ!?いやいやいやいや、子作りって・・・」
そうクレインが言い終わらぬうちに、ノルンは自分の服を脱ぎ、自らの杖でクレインの腕を縛りクレインのズボンと下着を脱がし、
上着の前のボタンもすべてはずしていた。
「なぁっ!?ノ、ノルンこういうことはどこでならったんだ?」
そんなノルンのテクニックに動揺しつつもとりあえず聞いてみる、答えは半ばわかっているのだが聞いてみる。