「はあはあはあ」
俺は荒い息を吐きながらその店にやってきた。
ここは寂れた田舎町。
この村で唯一の賑わいを見せているその店に俺は連日足を運んでいる。
「いらっしゃいませ〜」
今日は珍しく店内に人の姿は見当たらず、店主であるヴィオたんがつまらなそうにカウンターでにんじんをほうばっている。
どこの町にでもいる普通のヴィオたんファンの俺は、この店に通うことで毎日癒されているのだ!
当然、俺の目当ては・・・・ヴィオたんに会うことである。
「お客さん、最近良く見かけますね〜」
ヴィオたんが眩しい笑顔を俺に向けてくる。
心の中で湧き上がる欲望と葛藤しながら、俺は爽やかな笑顔で言ってみた。
「いやあ、この店は品揃えがいいですからね!(何よりヴィオたんがいるし・・・はあはあ)」
「本当ですか?うれしぃ〜」
「それに、ほら、品質も最高ですよ!(何よりもヴィオたんの品質が・・)」
誉められて気分が良くなったのか、彼女はポケットからにんじんを取り出すと幸せそうに食べ始めた。
(ああ、にんじんを食べる姿もかわいいなあ〜・・)
「え!な、なにか!?」
思わず声に出てしまったらしい、ヴィオたんはきょとんとした目で俺を見つめていた。
「い、いや何でもないですよ。あれ?今日はお兄さんはいないんですね?」
慌ててごまかす俺。ナイスだ!
「ああ、うちの兄さんは外に出歩くのが趣味なので・・・」
困ったような笑顔を見せながらヴィオたんが付け足した。
「もう諦めてますけどね。」
ヴィオたんがついたため息が俺の顔を優しくくすぐる。
誰もいない店内にヴィオたんと二人きり・・・。俺の中の理性が音をたてて崩れていった。
「え?きゃあ!」
驚いた様子で俺を見つめるヴィオたんを構わずカウンターに押し倒す。
「な、何するんですか!?」
「はあはあ」
俺は高鳴る心臓の鼓動を抑えながら、ヴィオたんの柔らかい胸を揉みしだく。
「楽しいことさ♪」
俺はヴィオたんの唇を奪うと、ねっとりと舌を絡めた。
ねちゃねちゃという音が店内に響き渡る。ヴィオたんは俺を突き飛ばすと、大きな目に涙を溜めて言った。
「こ、こんな事して許されると思ってるんですか!?」
ヴィオたんは売り物のフラムに手を伸ばすが、俺はその手を軽く捻りあげた。
「痛っ・・・」
苦しげに顔を歪めるヴィオたん。頬を伝った涙が、店の床に落ちた。
「心配するな、これからもっと痛くしてあげるから。」
ヴィオたんの顔に恐怖が広がるのを見て、思わず笑みがこぼれた。