その日、クレインとリイタは涼しい木陰でのんびりと休息をとっていた。
リイタはゾンビのように蘇るGuts持ちの敵を殴り疲れたか、猛暑でバテたか、遠慮も警戒も無く寝ている。
まさか盗賊も通る街道でそろって寝るわけにもいかず、クレインは仕方なく見張りと化していた。
「俺、MANAが20しか残ってないんだけど・・・」
大樹にぐったりと背を預け、ため息つきつつリイタを見やると、リイタは小さく呻いて寝返りをうった。
体をひねるような格好になり、胸元に大きく隙間ができる。
「あ・・・」
胸の先が見えそうで見えないくらいに服がずれて、
今まで女性に興味を持ったことさえろくに無かったクレインも思わず目を引かれた。
その先が見たい、その白磁のような肌に直に触りたい・・・。心臓が早鐘を打ち始める。
原始的欲求が沸き起こり、錬金術士らしい探究心もあいまって、
彼は思わず彼女の胸元にそうっと手を伸ばし、ゆっくりとブラを引きおろす・・・
支えになっていた布がどけられて、ぷるん、と乳房がこぼれる。
乳首の幼い淡紅色に誘われ、クレインはとうとう直接、胸に触れた。
・・・・・・むにぃ。
指先が白い肌に埋まり、胸を包みこむように上にむかう。
「ん・・・」
小さく息が漏れるのにも構わず、クレインは乳房を掌で包み・・・
「・・・クレイン?」
・・・案の定、リイタは目を覚ました。
いまさら我に返っても遅い。彼の手はしっかりと彼女の胸を捕らえている。
クレインは言い逃れできない状況にあせりつつも、できるだけ平静を装ってリイタに返事を返した。
「・・・!り、リイタ、まだ寝てていいよ。疲れてるだろ?」
「ふぁぁ・・・うん、まだ・・・眠いかも」
幸いリイタはまだぼんやりとしていた。
今のうちに元に戻さないと、気づかれて殺される・・・。
恐怖に突き動かされ、ゆっくりゆっくり手を動かし、ずらしていく。
「んあっ!・・・な、っ・・・」
リイタが突然あげた声にクレインの背がびくりと震える。
・・・慎重に動かしたつもりの指先が、乳輪の中央あたりを掠めていた。
おそるおそるリイタを見るが、クレインを見上げ顔を顰めつつもまだぼんやりしている。
胸をみると、目の前で掠めたあたりがぷくんと突き出し、しこりの様になった。
再び好奇心が沸き、彼は感触を確かめるようにそのしこりをこりこりとひねった。
「ああっ!・・・やぁ!だめぇ・・・」
ひくひくと背を振るわせるリイタの頬はうっすらと紅潮してきていた。
「は・・・ぁ、なんでクレインがこんなっ・・・もしかして、これ、夢・・・?」
「どうして・・・夢だって思うんだ?」
「だってクレインにこんなことする勇気あるはずないもん」
「・・・・・・」
クレインはその語意にショックを受けたが、
リイタが夢と勘違いしていることで少し余裕がでてきたようだった。
「・・・こんな夢を見てるなんて、カラダが欲求不満か?」
「そ、そんなこと・・・っっ!?」
片方の胸の先を口に含みチロチロとなめると、リイタの口から反論のかわりに熱い吐息が漏れ出す。
ムネは小さい方が良く感じるなどとデルサスが言っていたことを思いだしたが、
リイタの目の前で言ったら殺されるな・・・などと考えて、口には出さずにおいた。
「あっあぁ・・・だめ・・・だめぇ!クレイン、胸はやめてよ・・・!」
「ほんとにやめていいのか?だって・・・」
言うなり手を短いスカートにつっこみ、下着の上から陰部に触れる。
甘い悲鳴を聞きながら浮かび上がった溝をなぞると、溢れた液体が湿った音を立てて纏わりついた。
「・・・こんなに濡れてるのに?」
リイタの頬がはっきり紅潮し、目もとにじわりと涙がうかぶ・・・
ぐしょぐしょになった下着に手をかけるが、抵抗が一切ない。
ただ、体が震えているのを感じる。
(・・・やりすぎた、か?)
興奮していた頭が急激に落ち着いていく。
クレインは体を起こし手を引く。
瞬間、震える手がクレインの手を掴みとった。
「・・・リイタ?」
うつむいていて、表情は見えない。
「・・・・・・でっ」
「・・・何?」
「・・・こんなっ、中途半端でやめないで・・・」
リイタが下着の淵に手を導くのをみて、
せめて最後までは行くまいと思っていた事も、
リイタが夢だと思っているという事も、クレインは忘れてしまった。
ずるりと下着を脱がすと、自分の硬くなったそれを押し付けた。
「やっ、熱・・・」
「リイタ・・・痛いかもしれないけど、あとでリフュールポット作るから」
少しおいてこくんと肯くのを見て、クレインはやや強引に押し入った。
引っかかった何かがそのままびり、と裂ける。
「ああああっ!?・・・いった・・・・ぁい!」
なおも進めようとすると、内部はこれ以上ないほど熱くぬかるんでいるというのに、
狭さにくわえ強烈な絞めつけで動けなくなってしまった。
リイタを伺い見ると、よほど痛かったのであろう、涙を浮かべぐっと歯を食いしばっていた。
「・・・大丈夫か?」
「はあっ、あぁ・・・う、動かない、で・・・痛いってば」
「ゴメン」
クレインは被さるように抱きしめて待った。
こわばっていた細い身体が少しづつ緩む。
「クレイン・・・キス、して」
潤んだ瞳に見上げられて、初めてのキスをする。
最初は触れるだけ。徐々に、深く。
体を繋げて、それから初めて口付けるなど。
乞われるまで気づかなかったことをクレインは恥じた。
(・・・足りなかった分は、これから埋めよう)
最奥に押し入ったまま、体のあちこちに口付け、触れて、揉み解す。
固かった表情もやわらぎ、あまやかな声を上げはじめ、
彼女の内側が馴染み綻んだ頃には、クレインは既に我慢の限界だった。
「・・・もう、いいか?もちそうにないんだ」
「うん・・・平気、いいよ。して・・・」
額の汗を白い手に拭われ、それに誘われるように再度口付ける。
リイタのいつにないほど儚げで従順な態度に、クレインは自身がさらに硬直するのを感じた。
痛い思いをさせることのないように、ゆっくり動き出す。
溢れきった潤みを内壁に擦り付けるように、じっくりと。
その動きに呼応するようにリイタは息を漏らした。
辛そうな顔をしていないのを確認すると、強く動き始める。
腰を引くたび、リイタの奥は飲み込むように蠕動した。
「――だめだ、もう出るっ」
「あぁっ!な、中に・・・」
抜こうとした動作を絡めた足で止められて、勢いのついていたそれは暴発した。
正気に戻ったクレインが、内心ビビリながら服を直し、後始末をして、待つこと10分。
リイタは寝ぼけ眼でゆっくり体を起こした。
「おはよう、リイタ。やっと起きたのか」
「うん、ごめん、寝すぎちゃって」
リイタは服をはたきながら、差し出された手をとって立ち上がる。
「そろそろ行かないと街に着くまでに暗くなっちゃうな」
「うん・・・あっ」
小さく声を上げてリイタはびくりと体を震わせた。
「どうしたんだ?」
「や、やだ・・・えぇっ?!」
リイタが下着がチラリと見えるか否かまでバッとスカートを引き上げると、
太ももに赤白い液体がつたっていた。
「うわっ」
「・・・クレイン、タオルかして」
このことを眼を覚ましたリイタにいつ言うのか・・・結論はでていなかったが、
とりあえずいずれ降るであろうメテオストライクに対する覚悟だけは決めていた。
清潔なタオルを渡すと、リイタは意外にも平然とした顔でそれをふき取っていた。
「そういえば、出されてそのまま寝ちゃったんだ、あたし・・・」
「え」
クレインの驚いた顔をみて、リイタは困ったような笑顔を浮かべた。
「途中までは夢かと思ってたけど、中に熱い物が弾けるような感覚初めてだったから」
たしかに、そこまでされて気づかないわけもない。
「・・・やっぱり、怒ってるのか?」
リイタは小さく首を横にふった。
「あたしがしてって言ったんだから気にすることじゃないでしょ。
・・・こうなったのは夢じゃないって、証拠がほしかったから」
「リイタ・・・」
「まあ、そういうわけで証拠もあることだし。
もちろん処女の肌に触れた上奪った責任、とってくれるよね?クレイン」
リイタは無表情から一転、極上の微笑みを浮かべる。
クレインには、その姿にかぶって悪魔が見えた気がした。
「・・・ハイ・・・」
クレインは今さらながら、思い出していた。
そういえば、自分は寝込みを襲ったのだということを・・・。
今後どうおちついても尻にしかれるのは目に見え、クレインは項垂れた。
おわり