フニフニフニフニフニ
(おお、予想よりも柔らかい上に結構温かいな・・・)
「それじゃ、こっちの方も」
と、いいつつ左のネコ耳へも手を伸ばし、触って見る。
クニクニクニクニクニ
(こ、これはかなり癒されるな・・レクターさんが触りたがるのも当然だよなあ)
そして、ネコ耳に触るのに夢中でノルンには気が向かなかったせいだろうか
段々とノルンの顔が赤みを帯び始めた。
フニフニクニクニフニフニクニクニ
そして、クレインがネコ耳触りに没頭してると不意にノルンの口から、妖艶とでも言うのだろうか?
「ニャァ・・・フニャ・・・ん、ニャア」
そんな嬌声が漏れた。そんな声が耳にとどき、おもわず脳髄まで響き、体が芯から震えたような
錯覚すらした。
(たしかノルンって13歳だよなぁ・・・こんな声出していいものなのか?)
そう思いながらも、まだ耳を触り続ける。
「う〜ん、こんな事してる時にリィタやデルサスが戻ってきたり、ノルンに目を覚まされたときには、大変だろうなぁ」
そんな考えが頭をよぎったが気にしない事にした、すでにノルンは目をひらいて、クレインのことをじっと見つめているのにも気付かないで・・・
そのとき、突然クレインの背中を何かが突付き始めた。慌てて背後に目をやるが誰もおらず、あるのは
ただの装備品の山である。気のせいだろうと思い、またネコ耳を触る、がすぐにまた背中に先程と同じくなにかに突付かれる。こんどは背後には目を向けずに体をほんの少しだけひねり、いっきに背後の何者かに手を伸ばす。
(よし、つかまえた)
そう思ったものの、その感触は人ではまずありえないもので、モンスターにも思い当たるものがない、だが確実に以前にさわった事があるものと言う認識だけはできた。
(?、なんだ、これは)
その、奇妙な感触の主がなんであるのか確認する、ということと自分のネコ耳エンジョイ時間を妨害した者の姿を確認するために背後に目をやった・・・
その答えはすぐにわかった、常日頃から目にしている物だった。
「これは、ノルンの杖?なんでオレの背中を・・・?」
その杖に気をとられていたからなのだろうか?クレインは自らの背後にいた、ノルンが既に起きていて自分の背中に獲物を見つけた虎のような視線を向けていることに・・・