「やめて・・・」
「何故だ・・・」
私の拒否の願いも、彼は一言放っただけで却下してきた。
突然後ろから抱きすくめられた私は、なす術も無く彼の愛撫を受けつづけている。
2度と抱いたりしない、そう誓ったあの感情。あの悦び。
だが、今、こうして彼に抱きすくめられ全身に愛撫を施されると、そんな誓いもバカバカしく思えてきてしまう。
―――あなたは、国のために生きているのではないの・・・?
―――・・・私も男だということだ。
無言の会話。音が立つ口付け。
私は今夜も、魔界の王から一人のオンナへと成り下がる。