「ミーフィスのことが知りたい?」  
 樽とワインの街、ファスビンダーの酒場である。飲んだくれや、冒険者風情  
の中、浮いた格好のヴィオがカウンターに腰掛けいる。如才なくザヴィットは  
ニンジン酒。オレンジ色のそれを差し出しながら、彼女に聞き返す。  
「ふぅむ、でも、一体どうしてだい。質問があるなら、本人に聞けばいいじゃ  
ないか」  
 グラスを手渡されたヴィオは少し気まずそうに微笑んで、  
「いや、そういう訳にはいかないんです。なんというか、ミーフィスさんを見  
てる、周りの人の評判を聞きたいなぁ、って。実は、今度、うちのお店のお店  
番を、ミーフィスさんに頼もうかなと思ってまして」  
「…なるほど」思慮深げにザヴィットが頷いた。「客観的に、店を任せるに価  
する人間かどうか、聞きたいということだね」  
「まぁ、平たく言うとそうなんですけど……でも、そういうの聞いておけば、  
仲良くなるのにも便利かな、とかも」  
「仲良く、ね」  
「はい」  
「……まぁ、私のほうからとやかく言うのは好まない。が、聞かれたからには  
答えておこう。『ミーフィスは、クラリッサだ』。それが、ファスビンダーで  
の彼女の評判だよ」  
「『ミーフィスは、クラリッサ?』」  
 クラリッサはファスビンダーの名物である、大樽につけられた名前だ。  
「つまりは、そんなにファスビンダーの皆さんに人気があるって事ですね?」  
「まぁ、ある意味では、そうと言えるかもしれない」  
「……?」  
 きょとんとするヴィオ。  
「まぁ、そんなに気になるならば、それがどういうことなのか、実際に確かめ  
るといい。明日の朝にでも、ワイン倉を訪れてみなさい、そうすれば、彼女の  
評判のことは、自ずと分かるだろうね……」  
 
…その夜。  
 ファスビンダーのワイン倉は、熱気に包まれていた。埋め尽くすように殺到  
した男達、その円の中心には差し向かい、座りあっている二人の人物。  
「ごく、ごく、ごく……ぷふぁ、お〜いし〜!いくら飲んでも飽きないわぁ。  
おかわり!次ぎ持って来て!!」  
 ダン!空き瓶をテーブルに叩き付けるだに、ミーフィスが快気炎を上げる。  
途端、周囲の男達がやんやの歓声。  
「うそ、だろ?」  
 差し向かいに座っていた、鎧姿の冒険者、自称この国一の大酒飲みが目を丸  
くした。二人の間のテーブルには、もうかなりの空き樽、空き瓶が積み重ねら  
れていた。  
「さぁ、あんたもとっとと飲む!」  
「うう、くそっ!わざわざハーフェンから足を伸ばして来たんだ!ミーフィス  
を倒して、一番の大酒飲みになるまで、おめおめ帰れるものか!」  
 勢い込んだ冒険者がグラスに注がれたファスビンダーを、ミーフィスに負け  
じと一気飲み!……したかと思いきや、グラスを半ばまで開けたところで、  
「うぅ!」許容量を超え、内腑から沸き上がる衝撃に、思わずうめいた。そし  
て次の瞬間、ゆっくり、スローモーにテーブルへ……突っ伏した。  
「参り、ました」  
 顔も上げられないまま、ぴくぴくと片手を上げて、降参。  
 
「姐さんの勝ちだ!」  
 再び、取り巻きの大絶叫があがる。  
「ざまぁみやがれ!余所者なんぞに、ミーフィスの姐さんが負けるもんか、  
ねぇ、姐さん!」  
「と〜ぜん。こんぐらいで私に勝とうなんて、甘い甘い」  
 いいながら、またワインをグビリ。  
「さ、祝いにみんな、飲みなさぁ〜い!ファスビンダーならクラリッサから汲  
んでくれば、飲み放題!く〜ファスビンダー、さいこー!」  
 あちこちでクラスをぶつける音が響く。戦勝を肴に、ファスビンダーの住人  
達は多いに盛り上がった。  
 しばらく、して。  
「……なんか、暑いわねぇ」  
 人でごった返しているワイン倉の中は、確かに蒸し暑かった。が、この場合  
の原因はそれだけではないだろう。かなりの酒量をこなしたミーフィスは出来  
上がっており、顔もほんのり桜色。すると、  
「やっぱり暑いわぁ。ああん、こんなの着てらんない〜」  
 言うが否や、ミーフィスはみずから着ているものに手をかけた。ワンピースを  
脱ぐというよりは、ずり下げるような勢いで、一気に降ろすと、いきわたったア  
ルコールのおかげで、ほほと同じく桜色に染まった裸身が姿を現した。  
 
 形良いお椀型の胸と、スタイル良く締った腰。同年代の少女に比べると、  
幾分か成熟の度合いの見える裸身を、惜しげもなく男達の前に曝すと、どよめ  
きと、ひやかしの声が沸き上がった。  
「さっすが姐さん、待ってました!」  
 羞恥心もなく、あるがままに樽に腰掛けて、新しい瓶に手をかけようとす  
るが……もちろん、男達が放っておくはずはない。無防備なその裸身に向けて、  
周囲の男達がわらわらと手を伸ばす。  
「ああん、ちょっと、もう」  
 たしなめるセリフを口にしているが、その表情は嫌がっていない。、後ろ手に、  
そして前から伸ばされた手により、ぐにぐにと形を変える自分の乳房を、なんだ  
か困惑したような微妙な表情で眺めていた。  
「ミーフィス姐さんのこの肌、キメ、ツヤ……最高っすね!」  
「あん、勝手なこと言わないで。わたしはまだお酒をのんで……って、そんなと  
こに手を伸ばすな!」  
 下腹部、尻にまとわりりつく手の感食にくすぐったさを感じ、思わず身を躱す  
ミーフィス。だが、のがれた場所にも、男達の手が、視線が……気の早いものは  
股間の戒めを解き、一物を屹立させて誇示してさえもいる。  
「ね、姐さん、俺達……」  
 辛抱が堪らない、と今にも襲い掛かってきそうな男達。かれらをアルコールで  
上気した頬と共に、淫蕩な笑みを浮かべたミーフィスは一瞥。  
「もう、仕方ないわね……でも、その前に!」  
 
 先ほど、飲み比べで負けて以降、倒れたままの鎧姿の冒険者が、今、仰向け  
に寝かされている。意識は飛んで夢の中、といったところだろうか。  
 ミーフィスは全裸のまま、彼の頭を跨いだ。  
「……んっ」  
 下腹部に手を当てると、力んだ小さな声をだす。  
 程なく、彼女の陰部からほとんど透明の迸りが。はじめはちょろちょろとし  
た勢い、それはゆっくり強さを増していく。孤を描く軌跡が、寝かされた男の  
顔に当る。  
「……!?」  
 顔もとに水の当る感触で、男が目を覚ました。  
「うわ、なんだぁ、水!?」  
 訳も解らずに、慌てた声を上げる。  
「お兄ちゃん、アンタは幸せだぜ、ミーフィスのそれが飲めるんだからなぁ!」  
下卑た歓声。視線を上に移していき、男はモノの正体を知った。あざやかな陰部  
から、迸る液体。不思議と、汚いという感触はなかった。むしろ、  
「ごく、んごく……」  
 口にしたどんなアルコールよりも甘露な存在に思えてさえいた。喉を鳴らして、  
飲む。  
 水流が弱まるにつれ、ミーフィスが近づいてくる。だから最後は、ほとんどく  
っつかんばかりの距離に。男は最後の一滴までのがさんと、自らの口を差し出し  
た。やわらかな塩気を持った陰部に、その舌が掻き入っていく。  
「ん、凄っ」  
 ざらりとした舌の感触に、ミーフィスが喜声をあげた。  
 
 たるに手をつき、四つんばいの姿勢のミーフィス。その、あまりにも無防備  
な尻に、男達は思わず息を飲んだ。片手を秘芯にのばすと、ぱくりと桜貝色の  
中が顔を現す。手を出してこない男達に少し焦れたのか、催促するように腰が  
揺れた。  
「ねぇ〜、早くぅ」  
「……お、俺から!」  
 耐え切れず一人の若者がミーフィスにのしかかった。準備万端に反り返った  
ものを、導かれるように沈めていく。しとどに濡れた膣内は、じゅぷりと淫音  
を立てながら、彼のモノを飲み込んでいく……  
「あはぁ!熱っ。いいよぉ、動いて!突いてぇ!」  
 ミーフィスの眼前に、別の男たちのモノが。躊躇なく、彼女はそれを手に取  
ると、  
「はむ。はぷ、んちゅ……」  
 手でさすりながら、かわるがわる、咥えていく。舌を這わせ、時に深く飲み  
こみ、先端へとくちづける……緩急ある絶妙の攻めに、早いものはもう精を放  
ってしまった。  
「ん……!!ごく、んごく……ごく」  
 一滴も逃さんと、迸った白濁を嚥下する。その喉を鳴らした音すら、いやら  
しい。  
 後ろを突く男の動きが速くなった。肉のぶつかる音のなかに、淫液の奏でる  
水音が混じる。男が腰を強く打ちつけるたびに、ミーフィスは前に押し出され、  
口にしている別の男のモノを、喉の奥まで突き立てられることになる。膣と、  
喉とをサンドイッチに犯される。アルコールでぼやけた頭の中は、そんな激しい  
攻めをすら受け止め、あまつさえ快楽にすらしてしまう……  
「んん!」  
 後ろの男が絶頂を迎える。どくり、どくり。膣内に勢いを持ったそれが打ち込  
まれる。液体に内部を犯される感覚に、ミーフィスは身を震わせた。  
 男がモノを引き抜く。ぬぽり、激しい交わりを証明する様に、白濁、愛液の混  
じった液体はあぶくとなって零れ落ちた。  
 無論、引き抜かれると控えていた次の男が、すぐにミーフィスを突き立てる。  
「す、凄い……凄すぎるよぅ、こ、壊れる、わたし、壊れちゃう……ねぇ、き、  
きもちよすぎるんだってばぁ……」  
 
 歯の根あわぬ歓喜の声。かわるがわる男達がミーフィスの体を貪る。口、手、  
胸、膣、菊座……使える部分は全て使いながら、ミーフィスは何時果てるとも知  
らぬ男達の欲望の渦の中にいたのだった……  
 
 
 翌朝。  
「うわ!」  
 ワイン倉のただならぬ様子に、ヴィオは言葉を失った。  
 全裸の男達がそこらじゅうに寝ているのだ。明らかに情交の後である証拠の、  
あの異臭が、ワインの香り以上に立ち込めている。  
「ミ、ミーフィスさん!?」  
 その中央、白濁に塗れた彼女の姿を見つけ、思わず駆け寄った。  
「だ、だだだ、大丈夫!?」  
「……か、カウント?」  
「カウントって?」  
 むくり、横の男が顔を上げた。  
「123人切り、です」  
「……新記録、達成ね」  
 そしてミーフィスは満足げに微笑み、再び眠りについた。  
(ク、クラリッサって、こういう事だったのね……)  
 
 とりあえず、ヴィオはミーフィスを店番にするのは止めたということだ……  
 
 

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