「きゃああああーっ!!」  
部屋の中にヴィオの黄色い悲鳴が響いた。  
「えっ、あっ」  
開けたドアの取っ手を握ったままで、呆然と立ちつくしているバルテル。  
「おっ、お兄ちゃんのスケベ!」  
 
美味しいシチューを作ろうと鍋をぐるこんしていたヴィオは、未だにその技術の  
片鱗さえ見いだせずにいる錬金術、ちっとも軌道に乗らないお店の経営の事などを  
ぼんやりと考えているうちに煮込んでいた野菜をうっかり焦がしてしまった。  
煙で焦げ臭くなってしまった服を着替えようとして二階の部屋に上がり、上着を  
脱いだところでバルテルにドアを開けられてしまったのだった。  
 
「いや、これはその」  
「スケベスケベ、スケベーーっ!」  
「これは事故だって、別に俺は」  
しどろもどろになって言い訳をする程に立場は悪くなっていく。  
「いいから早く出てってよ!」  
脱いだ上着を両手で押さえて胸元を隠し、顔を真っ赤にして怒鳴りつける。  
「信じられないわ、お兄ちゃんが妹の着替えを覗くなんてっ」  
覗き呼ばわりされて、さすがにかちん、と来たバルテルが言い返す。  
「誰もお前の貧相な裸なんか見たくねえよ、不幸にも、偶然ドアを開けちまって、  
 仕方なく目に入っただけだよ」  
「貧相、ですって!?」  
ヴィオがぐっ、と息を飲む。  
「ああ。そんなぺったんこの胸見たって、面白くもなんとも……」  
そこまで言ったバルテルは、ヴィオの目に涙が滲んでいるのに気が付いた。  
「ええ、ええ、悪うございましたね、どうせあたしはぺったんこですよ」  
自分の胸元にちらり、と目を落とす。  
「貧相で、そんでもって出来が悪くてしなびてて、身長に至ってはミジンコサイズなんだわ」  
 
「おい、ヴィオ」  
頬に涙がひとすじこぼれる。ヴィオはそれを手の甲で乱暴にぬぐった。細い腕が  
動くと前を隠している服も揺れ、しなびた、などと言う形容詞からはほど遠い、  
ふっくらとした胸のラインが目に入る。  
「何も泣く事ないだろ」  
子供の頃は、ただ単にヴィオが騒ぐのが面白く、意味もなくからかって泣かせては  
一緒に遊んでいたロードフリードに怒られたものだった。お互いに大きくなってからは  
そんな他愛のないじゃれ合いも無くなっていただけに、久しぶりに見たヴィオの涙に  
どうしていいか分からなくなってしまう。  
「えーっと」  
とりあえず、貧相、とは反対の事を言えば機嫌も治るかな、と焦りつつ適当な言葉を探す。  
「その、言い過ぎた。お前は豊満でムチムチしてるよ。これでいいか?」  
「何よそれっ!まるであたしをデブみたいにっ」  
人には腹が出てきたのなんのと好き放題言うくせに、自分の事になると嫌になる程  
デリケートになるんだな、とバルテルはため息を吐いた。  
「お兄ちゃんなんか大っキライ!」  
つかつか、とバルテルに歩み寄り、拳でどん、と彼の胸を叩く。  
「おっと」  
服から片手を離した拍子に、先ほどはちらっと見えただけだった乳房がぽろりと  
こぼれてしまう。  
「嫌い、嫌い嫌い」  
ヴィオはそれに気付かずに何度もバルテルを叩き続ける。  
「おい、ヴィオ」  
その度にやわらかそうな胸がぷるぷると揺れる。手触りの良さそうなきめの整った白い肌、  
つん、と上を向く可愛らしいピンク色の乳首。目の前にあるなめらかな女性のラインの  
誘惑に負け、バルテルはついついそのふくらみに手を伸ばしてしまった。  
 
「……?」  
乳房を手のひらで覆われ、驚いたヴィオの動きが止まる。  
「……き、ぁ」  
悲鳴を上げようとして息が詰まったのか、かすかな声が漏れる。  
「お、おに」  
軽く力を入れると、ふにっ、とたわむ。その感触があまりに心地よく、胸を触って  
いるのとは反対の手でヴィオの細い背中を引き寄せる。  
「おに、ちゃ……?」  
今までそんな風に見た事は一度もなかったのに、バルテルはヴィオの肉体に  
欲情している自分自身に気が付いた。腕の中でかすかにもがく彼女を  
放さなければならない、頭ではそう思っている筈なのに、気が付くとバルテルの  
くちびるは、ヴィオの紅くふっくらとしたそれに重なっていた。  
「うっ……うぅ」  
ヴィオが弱々しくバルテルの腹を叩くが、きつく抱きしめられて密着した状況で、  
その拳には何の威力もない。  
「や、やだ」  
何とか顔をそむけるが、バルテルに追いかけられてすぐにまた口をふさがれる。  
やわらかくしっとりした肌をもっと感じたい。緑色の服に隠されている全てを見たい。  
隠されている場所を、触りたい。  
バルテルは、抱きしめたままのヴィオを自分のベッドの方まで押していく。  
後ろ向きで歩かされてバランスを崩したヴィオがベッドにあおむけに倒れてしまうと、  
その上にのしかかった。  
「じょ、冗談やめようよ、お兄ちゃん」  
彼女の手にかろうじて引っかかっていた上着をむしり取る。ヴィオが両手で乳房を  
隠すと、その隙にバルテルは彼女の脚をなでながらスカートをまくり上げる。  
「安心しろ、お前はぺったんこでも貧相でもねえよ、こんなに」  
そこから先は何を言いたかったのか自分でも分からず、左右に身体をよじる  
ヴィオの腰を無理に持ち上げて下着を脱がせた。  
 
「いや、いやだぁっ」  
兄にされている事を未だに信じられずに、抵抗らしい抵抗もできない彼女の  
太ももに手を当てて大きく開かせてから身体を下げ、中心に顔を近づける。  
「きゃ……っ!」  
まだ幼い閉じた割れ目をぺろり、と舐められてびくん、とヴィオの身体が弾む。  
自分の脚の間に顔を埋めているバルテルを押しのけようと彼の頭を手で押しやるが、  
「だ、だめ」  
そこを両の親指で開かれ、薄い皮の下に縮こまるように隠れている小さな突起を  
舌先で転がされると全身から力が抜けてしまう。  
「あ、あぁ」  
ちろちろ、と舐められたり、くちびるを付けて吸われたりしながらすぐ下の  
きつい入口にそっと中指を差し込む。  
「な、そこ、ええっ!?」  
少しずつ動かしていると、じんわりと蜜が滲み出してくる。ちゅくちゅく、と  
湿った音が響くようになるとバルテルは指を抜いた。  
割れ目に更に唾液を塗りつけるようにしながらズボンを脱ぎ、  
「おにい、ちゃ」  
顔を上げ、身体を起こすと固くなっているモノをヴィオの入口に当てる。  
「何、なにするの」  
「大人しくしていれば大丈夫だからな、ヴィオ」  
自分の股間に当てられた太く、大きいかたまりを見てヴィオが息を飲む。  
彼女の抵抗が一瞬途切れた隙に、バルテルはぐいっ、と腰を押し出した。  
「ひ……っ」  
軽い抵抗を押し破るようにして一気に腰を進める。  
「あ、あぁ」  
ずぶずぶ、とめり込んで来る熱く固いモノに与えられる激痛にかすれた息が漏れる。  
それ以上に今兄にされている行為を認めたくなくて弱々しく首を振る。  
 
漠然と期待していたよりも遙かに強い快楽に導かれ、熱い胎内の奥まで自分自身を  
沈めると、ヴィオの身体の上に重なるようにして、きつく彼女を抱きしめる。  
「や、あ、ぁ」  
汗にまみれた細い肩に手をかけ、ゆっくりと腰を引く。  
「いた、いたい、いたい」  
ぼろぼろと涙をこぼしているヴィオを可哀想だと思うと同時に、より激しい快感を  
求めて腰を前後させる。  
「嘘……こんな、嘘、いやだよおっ!」  
痛みに顔をしかめながらもバルテルの下でヴィオが暴れる。  
「お兄ちゃん、だめえっ!いやっ」  
「うっ」  
ヴィオの身体がねじれると中がぎちぎちと締め付けられて、バルテルは急に  
登り詰めそうになる。慌ててはちきれそうになったモノを抜き、ヴィオの  
おなかの上でしごくと、どぷどぷっ、と熱い液体がほとばしった。  
「……」  
白濁液にまみれ、呆然としてただ涙を流す事しかできないヴィオの髪をそっとなでる。  
「……焦げ臭い、でしょ」  
ぽつり、とつぶやくヴィオの頬にキスをする。  
「そんな事、ねえよ」  
ふと気が付くと、窓とカーテンの隙間から細い光が差し込んでいる。光がベッドに  
流れるヴィオの長い髪の端に当たって、そこだけが明るく見えていた。バルテルは  
その色を見て自分がカロッテ村に残った本当の理由を思い出した。妹の保護をする、  
という口実の下に隠した思い人の存在。バルテルは首を振って、淡い色の髪を持つ  
その人の顔を頭の中から払うと、小さくすすり泣いているヴィオの身体を抱きしめた。  
 
 
それから数日、ヴィオはほとんど部屋に閉じこもったきりで、たまに店に  
降りてもバルテルに顔を会わせようとはしなかった。さすがに声もかけづらく、  
彼女がいる部屋に入っていくのもためらわれ、夜は仕方なしに雑然とした  
小間物が散乱している店の隅に寝ていたバルテルだった。  
 
「……お兄ちゃん」  
自分で作る単調な食事にも飽き、他に食べ方はないかとキッチンに転がっていた  
しなびたにんじんを眺めている時に急に声をかけられ、バルテルは飛び上がった。  
「ヴ、ヴィオ?」  
「二階。見て」  
それだけ言うとすたすたと階段を上がっていく。あわてて追いかけるバルテルが  
部屋の中を覗くと、  
「うわ」  
そこにあった筈のベッドやたんすは取り払われ、床一面は滋味豊かそうな土で  
埋め尽くされていた。  
「家庭菜園。クラーラさんに教えてもらったんだ」  
良く見ると、ヴィオのスカートの端は茶色い土で汚れている。  
「菜園、って。おい、俺のベッドは?寝る場所どうするんだよ」  
「そんなのどうにでもなるよ……お兄ちゃんのベッドなんか無くてもいいもん」  
拗ねたように小さくつぶやく。  
「えっと、ヴィオ」  
そのつぶやきを聞いて、謝ればいいのか、それとも何も言わない方がいいのかと  
戸惑っているバルテルの胸をどん、とヴィオが肘でこづく。  
「あたしたち、兄妹二人なんだからがんばらなきゃね」  
「ああ、そうだな」  
ヴィオは一瞬顔を伏せてから、思い切ったように顔を上げて元気に微笑んだ。  
 

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