「・・・う・・・」
アイゼルはまるで夢見の悪い朝を迎えたように目を覚ました。
身体がだるく、椅子に座られていたのだが、立ち上がる気力もない。
「目が覚めましたか? お嬢様?」
聞き慣れない声なのに馴れ馴れしく語りかける男の声にアイゼルはやっと顔をあげた。
その男の顔を見てもアイゼルは親しげに語りかけられるような見知った顔ではなかった。が、生理的にその顔つきと声、話し振りがアイゼルに嫌悪感を抱かせる。
「・・・あなた、誰?」
アイゼルの当然な問いに男は気に障ったのか、少し顔をひきつらせた。しかしすぐにまたニヤリと嗤う。
「知らないのかァ・・・。でもひょっとしたら世界で一番近いところにいたかもしれない男だよ。アイゼル=ワイマール」
「なぜ、私の名前知ってるの?」
男はフフンと鼻で嗤った。
「未来の花嫁だったかもしれない人の名前ぐらい、ちゃーんと知ってるさ。君だって知ってるはずだよ、僕の名前を」
アイゼルはやっとその人物が誰かわかった。
「あ、・・・あなたは!」
身体が重くて、ろれつも上手く回らないが、アイゼルは叫んだ。
「あなた、ローネンハイムの・・・」
男は今度は満足げに笑って、背を向けたまま後ろ手にドアの鍵を閉めた。
ガチャリという音にアイゼルはこれから起こることを嫌でも想像させたが、気丈に振舞う。
「あなたと私はもう、関係ないでしょう。それに、ここはどこ? 私は工房にいたはずよ」
「そうさ。工房にいたさ。あのガキのような錬金術士と一緒にな」
「ノ、ノルディスに何かしたの!?」
アイゼルは彼も同じ目に遭っているのではないかと恐ろしくなって訊いた。
「いいや。彼が帰るのを見計らって、君をここへ連れて来たんだ。ダメだなァ・・・女の一人暮らしはきちんと鍵をかけなきゃ」
男はいちいち癇に障る言い方でアイゼルに言う。
「・・・でも私、全然ここへ連れられてきた憶えがないわよ。あなた、どうやって私をここに!」
「僕は錬金術で作られたモンが好きでね。そういうモンを使えばいくらだってやり方なんて、あるもんさ。君らが一番良く知ってんじゃない? 特にこれはよく使わせてもらってるなァ・・・」
男は生きてるナワを二本取り出すと椅子に座ったままのアイゼルに向かって放った。
「なっ、何するのよっ!」
生きてるナワはシュルシュルとうごめいてアイゼルの左手首と左足首、右手首と右足首を括って巻きつく。
「・・・い、いやっ!」
「フフ・・・イイ恰好だね・・・」
椅子の上でアイゼルは両脚を立てて開いた恰好にされた。アイゼルは膝を閉じようと懸命に力を入れるがナワはギリギリと背中の方へいこうとする。
ミニスカートの中が丸見えの状態でアイゼルは恥ずかしさで涙が出そうになりながらも、必死で男を罵倒し抵抗する。
「あ、そうそう! これとコレもよく使わせてもらってるよ」
睨んでいるアイゼルの眼前に男はふたつの瓶を取り出した。
アイゼルは片方の瓶を見て青ざめた。
それは強力な惚れ薬「君しか見えない」だった。が、もうひとつの瓶はわからない。それが余計に不安を煽った。
男はアイゼルが怯えるのを必死で隠そうとしている前で、得意げにそのふたつの薬を混ぜ合わせた。
「な、何よ! その薬はっ!!」
「フフ、大丈夫さ。一緒に飲んでも死なないよ。立証済みだからね・・・さあ、その可愛いお口を開けて・・・」
アイゼルは歯を食いしばって口を閉じていたが、男はそのアイゼルの頬を一発叩いた。
「な、何すん・・・」
ちょっとひるんだ隙に男はアイゼルの鼻をつまみ、あまりいい匂いのしないその液体を彼女の口を開けて流し込んだ。
そして男はアイゼルの髪をひっつかみ後ろへ彼女をのけぞらせ、薬を吐き出さないように液体が胃に流れていくのを促した。
アイゼルはあまりに手慣れた男のやり方に抵抗する間もなく、その怪しい薬を飲まされてしまった。
「・・・何? なんなのよ・・・これ・・・」
アイゼルは恐ろしくなって必死に薬をもどそうとするが、口に手を突っ込もうにも自由が利かないように縛られている。
「ひとつは知っているよね? 錬金術士なら誰だって依頼をされたことがある薬だよ。もうひとつは、なかなか手に入らないからお抱えの奴に作らせたやつさ。君にとっても悪い薬じゃないはずさ。・・・今から起こることを、きれいサッパリ忘れちゃうクスリ」
「・・・この、この悪党!」
「君は貴族の令嬢のクセに威勢がいいなァ。まあ卑しい錬金術なんかやってる娘だから口も悪くなるんだろうけどさ」
「あ、あなたこそっ、・・・貴族のくせにっ・・・品性の・・・かけらも・・・な・・・・・・」
アイゼルは自分の動きが極端に鈍くなり、頭がぼうっとしてくるのを自覚した。
「結構、効くのが早いクスリでね・・・」
アイゼルはおかしなことに目の前の卑しい男がノルディスに見えた。
何度、目をしばたかせても、声はさっきの男なのに目に映るのはノルディスなのだ。
「・・・な、なん・・・なのっ・・・」
アイゼルは残った正気で事態を理解しようとするが、薬で無理矢理、思考を押さえ込まれている感じだった。しかも―――
「・・・どうだい? そろそろ身体が熱くなってきただろう?」
語りかける男の声はそのままなのに、アイゼルには脚を開いたその恰好がノルディスに見られているような気がするのだ。
それにアイゼルの身体は男の言うように、汗ばむほど熱くなって、丸見えのショーツが濡れていくのを感じる。
「・・・んぅ・・・」
アイゼルは何か訳のわからないまま、うめいた。
「もう、グショグショじゃないか・・・。相変わらず君たち錬金術士の作る薬の威力には恐れ入る」
男はそう言いながらアイゼルの下着を面倒臭そうに、貴族がよく持っている護身用のナイフでブツッと切った。
露わになった濡れた部分に、男は今度はハチミツを取り出してきて、そこへ垂らす。
「・・・はっ!・・・あ、あつ・・・っ!」
どうやら薬のせいで、身体が敏感になりすぎて熱く感じるらしい。
男はそのことも知ってやっているようで、アイゼルのドレスの前を開け、彼女のつぶらな胸もはだけると、そこにもハチミツを垂らす。
「・・・んぁっ・・・あぅ・・・んっ・・・」
アイゼルは熱さとその刺激がもたらす感覚に声を漏らす。
男はまだ彼女の身体に触れないで、その悶える姿態をゆっくり愉しんでいるようだった。「・・・そろそろ、限界なんじゃないの?」
男は悶え苦しむアイゼルに、意地悪に訊く。
「・・・はぁ・・・はぁっ・・・」
アイゼルは顔を紅潮させ、ハチミツと彼女自身の液が混ざったものを椅子の上から垂れ流し続ける。
「でも、まだだよ。・・・少し、こっちで我慢してもらおうかな。コレも結構、イケるみたいだよ」
男は今度はホウキを取り出した。アイゼルは残った意識で次にされることに怯える。
「・・・い、いや・・・!」
男はホウキの柄の部分を液がしたたるアイゼルの秘所に突っ込んだ。
「・・・ひぁっ!!」
生きてるホウキは男の手を離れても、ずぶずぶと彼女の深奥へ入っていく。
「・・・んぅっ・・・はぁっ・・・」
アイゼルはたまらずに声をあげてしまう。快感に身をまかせるとその行為はノルディスにされているような錯覚に陥るのだ。
しかし残った正気で声を最小限にとどめようとする。この男に聞かせまいとアイゼルは懸命に唇をかんだ。
男はまだアイゼルの痴態を眺めていたが、なかなか肉欲の虜になるように薬が効いて来ないアイゼルに業を煮やして、指をパチンと鳴らした。
「・・・あああ!」
生きてるホウキの動きが急に激しくなり、アイゼルの中をかき回し始めたのだ。
・・・ジュクッ・・・ズチュッ・・・グプッ・・・
ホウキは液にまみれ、彼女の中を激しく出入りする。
「・・・アアッ、ア、アアアァーッ!!」
男はやっとアイゼルに艶かしい声を出させ、屈服させたという笑みを浮かべた。
「フフ・・・、僕に恥をかかせるからだよ。でも、気持ちいいだろ?」
男はアイゼルのハチミツでべとついた胸を揉む。
「んあッ・・・、ハァッ・・・はん・・・っ!」
アイゼルにはそれがノルディスにされているように感じ、声をあげつづける。
・・・ズリュッ・・・ヌクッ・・・ズプッ・・・
いやらしい音を立てて、まだホウキは彼女を犯しつづける。
しかも柄のフシがアイゼルの感じる部分を捉えたのかアイゼルは身体をひくつかせる。
「・・・ああっ、はあぅっ!・・・だ、だめ、・・・ノ、ノルディスっ・・・!」
薬のせいであたかもその行為が彼によってされているようにアイゼルは達しそうになっていた。
「・・・チ!」
男が忌々しげに声をあげた。
「どうもこの惚れ薬は好きな奴がいる人間に使うとそいつに見えちゃうみたいだな・・・」
ならば、と男は自分のいきり立っているものをアイゼルの前に曝け出した。
「これでも咥えてろよ!」
男は黙らせるつもりでアイゼルの口におのれを突きたてた。
「・・・んぐ!」
「これでもう、あの憎ったらしい錬金術士の小僧のことなんかしゃべれないだろ・・・」
アイゼルは下半身をホウキで突かれながらも、その咥えさせられた男さえもノルディスに感じられてしまって、夢中でそれを積極的に口に含む。
「・・・ふあっ・・・あぐ・・・」
「はは・・・、あの小僧、ガキみたいな顔しやがって、こんなことまでお嬢様に教えてやがったのか・・・」
薬のせいで、導かれるようににアイゼルは男を咥える。その間もホウキで下半身はかき回されていた。
・・・ジュプッ・・・ヌプッ・・・グチュッ・・・
「・・・あ、ああ・・・」
アイゼルは下半身に響く動きに耐えられず、男から口を離し、しびれているような声を漏らした。
「ほらほら、お口が休んでるよ」
男が再び、アイゼルの口にそれを突っ込もうとした瞬間、アイゼルの中の感じる部分にホウキの柄の節目が当たった。
「あああぁ! ・・・ノルディス・・・っ!!」
どうやら、アイゼルはついに頂上に達してしまったらしく身体をガクガクさせ、そのまま意識を失ったようだった。
「・・・くそ! どこまでも!!」
男はアイゼルが自分に陥落しなかったのが、さらに彼女に憎しみを覚えることとなった。
アイゼルが気を失ったのをいいことに彼はドレスだけを脱がし、タイツとアクセサリーだけにして今度はテーブルの上に彼女を横たらわせた。
そして先ほどと同じように生きてるナワで彼女の手足をテーブルの四隅に括りつけた。
アイゼルは両手両足をテーブルの上で大の字にさせられた状態で縛り付けられたのだ。
そして男は喘ぎ声が聞こえなくてもいいから、忌々しい錬金術士の名を呼ばせないためにアイゼルに猿ぐつわをした。
彼女の脚を開かせ、犯しやすいように男はナワに結びなおさせた。
薬がまだ効いているおかげでアイゼルの身体はまだ潤ったままでテーブルの上に淫らな液を垂らし、光らせていた。
「フフ・・・今度は本当に愉しませてもらうよ。お嬢様」
男はそのままアイゼルに彼自身を押し込んだ。アイゼルはまだ目覚めなかった。
「・・・っく・・・! すげェ・・・、ハッ・・・寝てるのにこんなに締りがいいとはね!」
男はアイゼルをそのまま犯し、突き上げた。
「僕はね・・・、お前ら錬金術士が大嫌いだっ・・・。 ・・・はぁっ、・・・随分と恥をかかせてくれやがっ・・・て・・・」
ローネンハイムの息子は婚約破棄になったのが、ノルディスの活躍によるものだと後で知って怒り狂った。
男はアイゼルの中の感触に快感をえながら、怒りをぶつけるように彼女をかきまわした。
そのうちにアイゼルが目を覚まして、一瞬ぎょっとしたような顔をした。
「・・・! ・・・・・・!!」
「・・・惚れ薬の方が切れてきたのか。まあ、いい。今度はこれでも嗅げ!」
ローネンハイムの息子は魅了の粉をアイゼルにふりまいた。
アイゼルの抵抗する力が弱まるが、「君しか見えない」ほどには効かなかった。
しかしここでまたあの薬を飲ませるには猿ぐつわもとかねばならないので、男は面倒になってそのままアイゼルを犯した。
今度は絶望的な瞳でアイゼルはされるがままになっていた。
魅了の粉の効き目は彼女の呼び覚まされた正気を少しだけ残すという残酷な効き目だった。
男はまたハチミツを持ち出してアイゼルの胸に塗り、そしてそれを舐めあげる。
「・・・っ!!」
アイゼルはひくつく。
「僕は痩せた女が好きでね・・・、太った女も肌がすべすべで気持ちいいが、やっぱ痩せてる女の方が感度がいいからね。ほうら、ちょっと刺激を与えると・・・」
と、ローネンハイムの息子はアイゼルのちいさな胸の突起を舌で転がした。
「・・・っ・・・」
アイゼルは目を潤ませ、身体をひくつかせた。
「フフ、例にもれず、いい反応してくれる・・・。ねぇ、お嬢様。一度、君の友人の錬金術士を連れてきてくれよ。あの娘、前からいいと思ってたんだ。
イイ声で鳴くと思うんだけど、あの娘には例の武闘大会で優勝した護衛がついてるし・・・何とか連れて来られないかなァ。
以前、『愛人になれ』って依頼をしたのに見事に断ってくれた・・・。錬金術士のくせに・・・! 君も生意気だ。
貴族なのに錬金術で食ってくなんて・・・女なんか、黙って男に抱かれてりゃいいんだ! 錬金術士が食ってけるのだって、僕みたいな貴族が依頼をするからだろう?
その恩も忘れやがって!!」
男はべたべたになったアイゼルの身体中を舐めまわしながら、憎しみをこめてつぶやいていた。
「ああ、乾いてきちゃったなァ」
アイゼルの秘所は先ほどの熱が冷め、乾いてきてしまっていた。
そこへまたハチミツを塗られ、男にこじあけられ、アイゼルはまた男に中まで入り込まれる。
「・・・・・・!」
アイゼルは涙を流して、男がする行為を甘んじて受けつづけなければならなかった。
「・・・ふぅ・・・、さっきよりやっぱり良くないな」
男は魅了の粉に何かをまぜてアイゼルにまたふりかける。
「・・・っ! ・・・・・・っ!!」
アイゼルは猿ぐつわをされたまま、くしゃみをした。
そう、男は魅了の粉に胡椒を入れたのだ。
「・・・っく・・・締まる・・・っ!」
アイゼルは涙とくしゃみが止まらなかったが、ローネンハイムの息子は彼女の身体が震えるたび、悦に入って何度もイキそうになった。
「どうせ、君らも薬とか使って何かヤッてんだ・・・ろうッ? ンハァッ・・・、是非ともおすすめするよ、この使い方ッ、まァここで言ったところで憶えてない・・・、だろうがね・・・」
「・・・! ・・・・・・!!」
アイゼルは必死に頭を振って、下卑たことを言う男の言葉を否定しようとした。
そのうちに男は限界が来たのかアイゼルを貶めるような言葉を吐くのをやめ、息だけが荒くなっていった。
「・・・ウッ!!」
男は射精直前に彼女の体内から、自分を抜き出し、肉欲と憎しみにまみれた汚らわしい液体をアイゼルの身体にかけた。
「・・・ふぅ、こんなに液まみれになって・・・お嬢様のお顔が台無しだな。僕と素直に結婚してりゃ、もっとかわいく抱いてやったのに・・・」
ローネンハイムの息子は満足したのか、今度は安眠香をアイゼルに嗅がせ、眠らせた。
彼は自分の服を着込むと部屋を出ていき、おそらくアイゼルを拉致してきたらしいお供の者達に、いつも通りにやっておけと命じた。
男たちがアイゼルの身体を拭いてドレスも綺麗にしているところをローネンハイムの息子は、また部屋に戻ってきて言う。
「お前たち、妙な気を起こすんじゃないぞ。これ以上、やったらバレるからな。あくまで慎重に『元に戻して』おくんだ。お前達には違う女をあてがってやるから、くれぐれも! そのまま返しとけよ」
ローネンハイムの息子はきつく彼らに言い渡して、もう一度眠っているアイゼルの白濁した液にまみれた顔を見てニヤリと嗤った。
(・・・僕に逆らうからさ。顔もカラダもよかったのに、惜しいね!)
そうしてアイゼルに一瞥をくれると彼は部屋を出て行った。
〜おわり?