「それで、私にお願いってわけ…?」  
 
傍らのベッドに腰掛けたまま、1人の女性が視線を上に向けながら答える  
その先には…立ったまま俯く女性…いや、少女とも言えるくらいの年頃の女の子  
その子をじっと見つめていると、ぼんやりと景色が歪んで見えるようだ  
ベッドに腰掛けた女性の視線の先…少女の身体からその向こうにある机が見えてしまうように…  
 
「いや、ヘルミーナさんならこういう事でもお願いできるかなぁって…」  
恐る恐る、少女が上目使いにベッドに腰掛けた女性を見つめる  
じーっと…お願いというより、おねだりとも取れる意思表示  
女性…ヘルミーナと呼ばれた女性は溜め息混じりにこう答える  
「別に教えられない事もないんだけど…あなた、自分の身体に触れる事すらできないんでしょう…?」  
ビクッ、っと…  
自分の長所でもあり、短所でもある点を指摘されて…少女は苦笑いするしかできないようだ  
「ま、まぁ…そうなんだけどねぇ あは、はははは……」  
「だったら、オ○ニーなんて諦めなさいな」  
再び、ビクッ…  
間髪入れさせないヘルミーナの返答  
恥じらいもない直接的な表現のせい、というのもあるだろうが…  
少女は固まったまま、ヘルミーナの顔を見つめる事すらできなくなってしまう  
(赤くなってたら可愛いのに…)  
「肉体を持たない者」はいつも蒼ざめて見えるというのが常人の意識なのだろうが  
少女のおぼろげな姿、その表情をよくよく見てみると…心なしか真っ赤になってるようにも見える  
ヘルミーナから顔をそむけ続ける少女…その仕草が、本気にさせていく…  
 
「いいわ、教えてあげる…」  
これで3度目 少女の身体がビクッと反応した  
 
少女に触れようとしても、それは決して叶わない  
なぜなら…彼女は「自らの肉体を持たない者」 言うなれば幽霊である  
少女自身にも自覚はあったし、今となってはそれを苦とも思う事は少なくなってきた、はず…  
それでも、幽霊は幽霊なりに苦悩はあるという事だ  
 
「さて、と…」  
ヘルミーナが少女に身体を寄せても、決して触れ合う事はできない  
少女の手を握ろうとしても、するりと虚空を掴んでしまう わかっていた事ではあるのだが…  
改めて認識させられると不思議なものであり、  
手を握る事も、頭を撫でる事も、「こちらからのアクション」は全て少女には通用しない  
それでも、ヘルミーナには策があるといえばある そうでなければ本気になったりはしないから…  
 
「や、やっぱり無理だよねぇ…」  
少女が自分の両手の指先を合わせるような仕草…それもスカスカと、指と指が通り抜けている  
言うなれば、自分の指で自分の手の「中身」を探っているような仕草にも見える  
ヘルミーナにはそれが面白く見えるのだが…一般人が見るとそうは思わないだろう  
「無理だったらあなたのお願いなんて聞かないわよ」  
「!?」  
少女が自分の指先を弄ぶ(こういう表現も正しいとは言えないだろう)仕草を止め、  
再びヘルミーナの方をじーっと見つめる  
さっきまでもじもじしていたくせに…  
ヘルミーナの言葉を聞き、現実味が増してくると…覚悟を決めたのか、興味が勝ってきたのか…  
それでも表情は心なしか赤く見える、ような気がする  
その可愛らしい表情を見つめるのも少しだけおあずけ…  
 
ヘルミーナは立ちあがり、両腕をだらんと脱力させて…目を閉じた  
「はい、私の身体に乗り移ってみて…」  
「……えぇっ!?」  
まぁ、幽霊にとって自らの身体に乗り移らせてくれるという人間は珍しく見えるのだろう  
少女の反応も別におかしいものではないはずだ  
 
幽霊、霊体の類の「憑かれた」人間の症状は文献で見た事がある  
脱力感から、次第に身体の内側から拘束されていく…  
金縛りに似た症状であるのだが、どこまで「拘束」するかは「拘束する側」がコントロールできる  
身体はピクリとも動かないのに、意識ははっきりしている 今のヘルミーナがまさにこれだった  
 
(さすがに…体験するしないじゃ全然違うわね…)  
かつて神童と呼ばれていようと、心霊現象なんてそうそうお目にかかれるものではない  
ましてや、霊に身体を乗っ取られるなんて一生に一度あるかないか、だろう  
『大丈夫ぅ…? そんなに深くに入り込んだつもりじゃないんだけど…』  
『これくらいなら、ね…』  
意識の中で声をかけられ、意識の中で返答する  
今は指1本を動かす事はおろか、口を開ける事すら一仕事となるのだ  
しかし、全身を拘束されているからといって痛みや不快感があるわけではない  
不思議な感覚…自分の身体が自分のものではなくなるような感覚…  
まるで夢の中の世界のような、そんな錯覚、というのがピッタリのようだ  
 
『え、っと…それじゃあ、教えてもらおうかな…』  
ベッドに腰掛けていた「ヘルミーナの身体」が横になる  
丁寧に頭を枕に乗せて…毛布を被って、隠れるように…  
『どう教えたものか…まぁ、初めは好きにやってみるといいわ…』  
『す、好きにって…えーっと……ここ、とか……?』  
毛布の中の「ヘルミーナ」の手が、不意に股間に忍び寄る  
『ば、馬鹿…! いきなりするものじゃ…』  
慌てて止めようとしても、遅い 自分に主導権がない事を忘れていたのだ  
「くうぅっ…!」  
どちらのものか? 声が漏れるのと同時に、「ヘルミーナ」の手がぱっと離れる  
『触れば何でも気持ちよくなるってわけじゃないわよ…』  
『ご、ごめんなさい…』  
手を離したのは少女の方だ 主導権はそちらにあるのだから  
 
『ここじゃなければ…どこからすればいいの…?』  
「ヘルミーナの手をウロウロさせながら」、少女が意識の中に問いかける  
『誰だってそうだと思うけど、オマ○コは敏感なのよ…』  
「……っ!?」  
思わず声が出てしまいそうになったのは、きっと少女のせいだろう  
 
『いい…? どこを触る時でもそうだけど…初めはソフトにやるものよ…』  
『ソフト…って…?』  
『ったく…』  
意識の中とはいえ、呆れかえっているのがよくわかる  
同時に、ヘルミーナから見れば少女が困り果ててるのもよくわかっている  
『私の中に入ったままでいいから…主導権を返してみなさい…』  
『う、うん…』  
一瞬、それだけでヘルミーナの身体に力が戻る  
腕から指先まで…力が戻ってくるのがはっきりとわかるようだ  
ためしに指先から拳を握ってみると…先程までピクリともしなかったのが嘘のようだ  
『私の指が動いているのがわかる…?』  
『わかるよ 今、グーでしょ?』  
『感覚は共有できてるみたいね…それでいいわ…』  
手のひらを動かし、身体の上を運ばせ…胸元にピタリと当てる  
『あっ…』  
『ふふ、これくらいで声をあげてたら話にならないわよ…』  
服の上から胸に指を這わせ…自分自身の胸の先を撫で上げていく  
決して乳首には触れないように…周りから、丁寧に、触れるか触れないかのタッチで…  
『あ、あぁ…そこ、そういう風に…』  
『あら、おっぱいが弱かったの…? 可愛いものね…』  
自分の身体を弄るだけで、自分じゃない他の子が喘いでくれている  
自分はまだ全然感じていないのに、不思議なものだ…  
自分では前戯でも、少女はどうなってしまうのだろう? こういう事を考えるのも面白い  
 
『く、くうぅ…はあぁ…』  
胸の先から乳首の周り、その辺りをウロウロさせるだけで喘ぎ声を出してくれている  
(私は全然感じていないのに、おかしなものね…ふふっ…)  
自分自身のツボは知っているつもりだ 感じているのは「獲り付いている」少女だけ…  
 
『ほら、乳首が立ってきてるのがわかる?』  
自分の乳首を指先で優しく摘みながら、ヘルミーナは意識の中の少女に問いかける  
『あっ…! 乳首、大きくなってる…』  
『あなたが感じるからこうなったのよ…』  
『私、が…くううぅ…』  
言葉が途切れるのは、ヘルミーナが指を動かしているからである  
『そうよ これくらい優しくしてあげれば乳首も反応してくれるってわけ…』  
『ああぁっ!? わ、わかったぁ…だから、ダメッ…』  
『ダメなの? それじゃ、私はもう止めるわ…』  
不意に指先から力が抜けて…ヘルミーナの乳首が解放される  
『はい、続きはあなたが自分でやってみてね』  
『はあぁ…自分で、って…?』  
『主導権をあなたに渡すから、あなたの好きなようにおっぱい弄ってみなさいって事』  
『……っ!?』  
 
再び…ヘルミーナの身体が拘束される…  
指先1本も動かなくなり…主導権が少女に移った事がわかる  
『私の方も大分慣れてきたし…ほら、今度は好きにしていいのよ?』  
『う、うん…』  
指先が乳首に戻り…不意に、きゅっと締めつけられる  
「くっ、ああぁっ…」  
声を出しているのは少女である それが「ヘルミーナ」の口から出てくるわけだが  
クニクニと乳首を弄る度に、「ヘルミーナ」の声で少女の喘ぎ声が漏れ続ける  
「あ、ああぁっ…これ、気持ちいいんだね…」  
『自分のおっぱい弄るのって気持ちいいでしょう? もっと激しくしてもいいのよ…』  
自分の、とはいえ…ここではヘルミーナの身体を借りているわけだが  
少女はヘルミーナの身体を借りて、本格的に自慰に耽る事とした  
 
「身体、変になっちゃいそう…おっぱい触るの気持ちいい…」  
ヘルミーナの口から、普段の彼女らしからぬ口調で喘ぎ声が漏れ続ける  
端から見ると不思議な光景ではあるが…「声を出しているのは取り憑いている少女なのだ」  
 
『ほら、乳首ばっかりじゃなくて…そろそろオマ○コも弄っていいわよ』  
「えっ…? オマ○コ、って…」  
『それだけ可愛い声出してれば濡れてるでしょうし…触ってみたら?』  
かく言うヘルミーナには、自分が濡れているのかどうかすらわかっていない  
感覚から身体の操縦まで、主導権は全て少女に渡しているためである  
(まぁ、濡れてるとは思うけど…オ○ニー初めてみたいだし、どうかしらね…)  
自分で自分の身体の様子がわからないのもある意味もどかしい  
視線の先、自分の指が自分の胸を這い回っている様子を確認できているとはいえ、  
「今の少女」には触感があっても、「今のヘルミーナ」には触感がないのだ  
 
「ここ、だよね…やだぁ、何これ……んんっ……」  
『触ってみた感触はどう?』  
「グショグショになってる……これ、触るの……?」  
(あぁ、ちゃんと濡れてるみたいね…感覚がこの子にあるとはいえ、敏感すぎるわ…ふふ…)  
『触りたくないのなら触らなくてもいいけど?』  
「……触る、ね……」  
『どうぞ 今度は少しくらい激しくしても大丈夫だと思うわ』  
下着の上から、恐る恐る…割れ目に宛がわせるように、指先が触れられる…  
「ひゃううぅ…」  
『あら、気持ちよくなかった?』  
「ヌルヌルしてるのが気持ち悪いけど…気持ちいい、と思う…」  
『オ○ニーってのは、本当は直に触るものだけど…ふふっ、まだ慣れない?』  
 
指が、下着の中に忍び込んでいく  
(あらあら、積極的なのね…)  
下着がずらされる感覚もヘルミーナには伝わらない 次の瞬間、直接触れた事すらも…  
 
「や、やだ…ここ、どうなっちゃったの…?」  
おそらくは今現在も、指先が秘部に直接触れられてるのだろう  
ヘルミーナ自身の腕と下着の陰になってるせいで「ヘルミーナ」にはわからないのだが  
 
『女の子は気持ちよくなってくるとオマ○コが濡れてきちゃうのよ』  
「そ、そうなの…? よくわからないけどぉ…」  
『まぁ、そのうちわかるわ…オマ○コ触るのも気持ちいいでしょう?』  
「う、うん…」  
『だったら、そっちもいっぱい触ってやれば…もっと濡れてくるわよ』  
クチュリ、という…粘着音  
少女が再び、自分の…いや、借り物の身体の秘部を弄りだしたのだろう  
「あぁ、ああぁっ…また、気持ちよくなってきて…止まらなくなっちゃいそぉ……」  
『それがオ○ニーってやつよ 後は好きにやってればイクんじゃない?』  
「んんっ…わからない、けどぉ……はあぁ……」  
『そうね……好きな人の事なんかを考えながら弄ればわかりやすいと思うわ』  
「好きな、人…?」  
 
衣擦れに、粘着音 毛布が身体の上で揺れ、身体の中心から奏でられる音も大きくなる  
(あらあら、激しくしちゃって…)  
ヘルミーナ自身の身体を弄られてるとはいえ、ヘルミーナ自身は何も感じないのだが  
(意識だけ共有していても…こういう時はつまらないものね…)  
(今度は感覚も共有してもらう、か…いや、この子の指使いじゃ私だけ欲求不満になっちゃうかも…)  
おそらくは、少女自身は自慰に夢中になっているのだろう  
喘ぎ声は止まる事がなくても、意識の中のヘルミーナに声をかける事がなくなってきたから…  
その喘ぎ声も、次第に大きく…事が済むサインを出し始めていた  
「くうぅっ! だ、ダメ…変になっちゃう……私、わたしぃ……!!」  
(あぁ、そろそろイキそうね…ったく、思ったより退屈なものだったわ…)  
 
跳ねる身体、止まる事がなかった指…  
その瞬間を迎える、一瞬……ヘルミーナの意識の中に飛び込んでくる影、異物……  
(ユーディー!?)  
影に目と意識を奪われ…少女が達する瞬間はわからなかった もはや興味もなかったかもしれないが…  
 
「はああぁ……」  
少女の意識と、借り物の身体が大きく息を吐く  
「すっごく…よかったぁ…」  
『それはよかったわね』  
「ヘルミーナさんが上手くアドバイスしてくれたから、かな…?」  
『好きな人の事を考えながらしたからじゃない?』  
ビクッ、と…  
「そ、それは秘密〜、幽霊が人を好きになってもしょうがないじゃない」  
『まさか、ね…』  
「ん? なになに?」  
『そろそろ時間って事よ さすがにこのままじゃマズイでしょう?』  
「いっけない! もうそんな時間!?」  
再び…ヘルミーナ自身に力がみなぎってくる  
軽い脱力感があるものの…特にこれといって問題はないようだ  
 
ドアの向こう、廊下から大きな足音 何者かが走ってきてるのだろう  
「あぁ、丁度戻ってきたみたいね…」  
「さすがに顔合わせ辛いかな…ちょっと時間潰してくるから、あの子にもよろしくね!」  
少女はヘルミーナに微笑みかけながら、慌てて窓の向こう、外へと身を乗り出す  
「はいはい」  
 
ガチャッ!  
「おかえり、今日の採集の収穫はどう?」  
「今日は誤魔化されません! シーツもグシャグシャ、どうして私のベッドで寝るかなぁ…」  
「ユーディーは手厳しいのね」  
 
身体の脱力感はもうない 変な欲求不満を解消するには丁度いい、か?  
「何ニコニコしてるんですか? そういえば、パメラもいないし…」  
「パメラもいないし、調合と実験の邪魔されなくていいじゃない」  
「うっ!? ヘルミーナさんの怪しいお薬は結構です!」  
 
まぁ、錬金術と恋路に、どんな邪魔も入れさせないって、ね?  
 

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