「はぁ、はぁ、はぁ………」  
 
身体中が熱い。 もう焼けてしまうほどに熱かった。  
もう顔には汗がダラダラと流れている。 おまけに汗で服が背中へピッタリと張り付いてきもちが悪かった。  
 
 
私は必死になって足を動かす。 もはや何度も通いなれたその道を、けっして早いといえないスピードで歩いていた。 あの子の家への距離がこうまで遠く感じたことはなかった。  
本当は走りたい。 今すぐにでも全速力で走ってあの子のアトリエのドアを叩きたかった。  
 
 
……けれどもそれはできない。  
なぜなら下半身ではあいかわらずブルブルとした振動が止むことは無く、私のお腹へズクズクと突き刺すように熱さを送り込んでいるからだ。  
 
 
……無理だ。 こんな状態では走ることはおろか、こうして歩くことすらロクにままならない。  
さっきから脚がガクガクしている。 知らない人が見たらこんな変な歩き方をしている私を変な子だと思うだろう……。  
 
「んん……もうちょっと……あ、あと少し……」  
 
そうして私にとっては針のむしろに立たされているような試練を過ごしていくと、やがて――ようやくあの子のアトリエが見えてきた。  
頂上の煙突からはあいかわらず煙がモクモク上がっている。 おそらくまたロクでもないモノでも作っているにちがいない。  
 
…………そう。 私の身体に取り付けた『コレ』と同じようなものを。  
 
私は少し早足になる。 お腹の中はグリグリとかき混ぜられる様に好き勝手にされていて、もはや一刻も猶予もないといった感じだった。  
ヒョコヒョコと変な歩き方になってしまっていることは気にしない。 どのみちあのアトリエのドアの中に入ってしまえば、とりあえずは人目を避けられるのだ。  
そうしてようやく辿り着きたかったあの子――トトリのアトリエにまで辿り着くと、私は入り口のドアを開いていった。  
 
――ガチャンッ。  
 
本当は乱暴に開けたかった。 あの子への怒りを表す為にも。  
けれども私の身体は今力を入れることすら難しいので、そんな軽い開く音しか響かせることしかできなかった。  
けれども中にいるトトリにはそれでもちゃんと聞こえたらしい。 彼女は私がドアを開けていくと、満面の笑みで出迎えてくれた。  
 
「あ、いらっしゃいミミちゃん。 どうしたの?遅かったね」  
 
トトリがニコリと笑う――まるで天使のような笑顔で。 それが私の心をグラリと揺さぶった。  
 
今までもそうだった。  
一緒に冒険に出たとき、この子のこの笑顔に何度元気付けられたことか。 それは今も私の頭の中に鮮明に焼きついていた。  
 
「く……ど、どうしたの、じゃ、ないわ…よ……」  
 
けれども今はちがう。 私にとってトトリの笑顔はまさに悪魔の微笑みそのものだった。  
さきほど心が揺さぶられたというのは良い意味ではなく、悪い意味でだ。 おまけにすっとんきょうな声で場違いな言葉なんてかけてくるものだから、私はおもわず背中の得物を握ろうと手を伸ばしてしまう。  
 
「くぅ……も、もぅ……ダメ……」  
 
……けれどもそれもできない。 背後に回そうとした手はダランと下へと落ちてしまった。  
どうやらもう身体が限界のようだ。 もとよりこのアトリエにまで歩いてこれただけでも奇跡だったのだ。  
私は床へ視線を落としていくと、その場にガクンと両膝を付いていってしまう。  
 
「え……ど、どうしたのミミちゃん! ど、どどど、どこか具合でも悪いの?」  
 
トトリが慌てた様子で駆け寄ってくる。 手元には何やら小さなケースと書物を持っていたが、今の私にはどうでもいいことだ。  
私は自分の身体をぎゅぅぅぅと抱きしめていく。 そうでもしないと今にでも……声を出してしまいそうだったから。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ……ん、んぅぅぅ……」  
 
熱い吐息が漏れていく。 うめき声に甘いものが混ざっているのが自分自身許せなかった。  
私はなんとか力を振り絞り顔をあげていく――そこにはトトリの心配そうに見つめる瞳があった。  
 
「ミミちゃん!ミミちゃん平気!? ああこんなに汗かいてる……ど、どうしよう……」  
 
「く……トトリ、あ、あんた……」  
 
「調合の分量、まちがえちゃったかな? ど、どうしようどうしよう……」  
 
トトリは私の顔を見ると少し慌てた様子を見せる。 そして手に持っていた書物をパラパラとめくっていくと、何かを熱心に確認していく。  
おそらくレシピが載っている書物だろう。 それを一通り見ながらブツブツと呟いていくと、トトリはそれをパタンと閉じた。  
 
「あー……ご、ごめんミミちゃん。 私ちょっと多目に塗りすぎてたみたい……おクスリ」  
 
「う……お、おおめにって、あ、あんた、そういう問題じゃ……」  
 
「う〜大失敗……ごめんね? だってミミちゃん処女だったんだもん。 そしたら私ついビックリしちゃって……えへへへ、ほんとにごめんね♪」  
 
トトリはふたたびニコリとした笑顔を向けてくる。 そして自分の頭をこの悪い子!っとでもいうようにコツンと叩いた。  
一見するとそれはとても可愛らしい仕草でもある。 けれども私の下半身に埋め込んだコレのことを考えると、この子の異常さ――狂気とも呼べるものをより引き立たせる恐ろしい仕草だった。  
 
私の下半身――ホットズボンの中でそれはずっと蠢いていた。  
 
取り付けられたのはちょうど今くらいの時刻。 目を覚ますともうお腹の中でそれは踊り狂っていた。  
私もそういう器具のことはあまり詳しくない。 けれどもトトリが言うには、これはバイブレーターとかいう名前の代物らしかった。  
もちろん取り付けたのはこの目の前でえへへ♪と笑顔を向けている少女だ。 虫も殺せないような子と思っていたのに、すっかり油断していた私が馬鹿だった……。  
 
昨日のことだ。 トトリにおいしそうなパイを振舞われた私は、それを何の疑いもなく口にしてしまったのだ。  
――そしてそれがもうチェックメイト。 それにはしびれ薬でも混ぜられていたのか、私の身体は途端に動かなくされていた。  
……もちろん抵抗しようとはした。 けれどもかなり強力な薬だったらしく、指一本すら動かせなくなった私はその後トトリにベッドへと運ばれた。  
 
 
私は服を脱がされた。 今まで誰にも見せたことのない裸体をあらわにされ、恥ずかしい格好もたくさんさせられた。  
おまけに口止めとして映写機で裸を撮られていた。 それさえなければ今もこうしておとなしくしていないのに……。  
 
 
――そして私は初めてを奪われた。 ただの無機質なバイブレーターに大切な処女を散らされたのだ。  
 
 
ちなみにトトリは驚いていた。 私がすでに経験済みだとでも思っていたらしく、私の膣にバイブを出し入れしながら、うわーうわー血がいっぱい出てるー♪などと黒い愉悦を浮かべていたのを今でも鮮明に憶えている。  
 
 
あとはもう最初のとおり。  
どうにか一晩を家で過ごした私は、この咥え込まされた毒蛇をどうにか外してもらおうと、なんとかこのアトリエまでやってきたというわけだ……。  
 
「お腹ど〜おミミちゃん。 きもちいい? 昨日はすっごく痛がってたけど、そろそろ慣れてきたんじゃないかなぁ?」  
 
トトリは私のお腹――子宮のあるあたりをスリスリと擦ってくる。  
膣の中でブルブル震えているコレにはこの子が調合した媚薬が塗りこまれているらしく、それがさきほどの分量間違いがどうのこうの言っていたものというわけだ。  
 
「うくぅ……あぁ、や、やめ、やめてトトリ……さ、触らないで……」  
 
「どうして? あ〜わかった、ミミちゃんやっぱりきもちいいんだね。 よかった、多めに塗ってても平気だったね?」  
 
「ど、どこが平気……ん、あ、あんッ!」  
 
突如、私の口から喘ぎ声のようなものが漏れていく。 トトリの指先が私のホットパンツの上に這わせられたのだ。  
ちょうどバイブが填まっている股の間。 割れ目を刺激してくるように指先がいやらしく動いていく。  
 
「ん、んんッ! ちょ、ちょっと、どこ触ってんの、よ……あッ!」  
 
「どこって、ミミちゃんのおまんこだけど。 バイブを咥え込んでヨダレ垂らしちゃってる、エッチなお股だよ?」  
 
「ち、ちがう! よ、よだれなんて垂らして……ない!」  
 
私は声を荒げて否定する。 いまだにそんな体力が残っている自分に驚いた。  
なぜそんなに必死になったかは自分でもわかっていた。 トトリの言うとおり、私のそこはダラダラとヨダレを垂らしていたからだ。  
 
もはや熱でぼやけてきた視界で自分の下半身を見ていく。  
するとそのホットパンツの間は見事にビショビショになっていて、ちょうど股のところが布の色を濃い藍色に変えていた。  
おまけにふとももには透明な液がドロリと伝い落ちていて、白いニーソックスにまで淫らな液の架け橋を作ってしまっていた。  
 
私がいやらしい女の子なのではない。 トトリの調合した媚薬とこのバイブレーターのせいだ。  
錬金術のことはあまり詳しくはないけれど、まさかこんな危ないクスリまでもがレシピとして存在する危険な合成術だったなんて……。  
 
「こ、こんなクスリ……ど、どうやって作ったの……よ」  
 
私はトトリに質問していく。 それは彼女の指を止める為の時間稼ぎと、この身体の疼きを失くすための糸口を掴む二つの目的があった。  
トトリはニッコリと笑っていく。 そしてまるで私と遊んでいるかのようにそれを語りだした。  
 
「うん♪ えっとねえっとね、まず黒の魔石と闇の雫でしょ。 それにマーメイドの涙と剣先アロエ…だったかな。 あ、あとはサキュバスの淫液も入ってるんだよ? これが一番手に入れるの苦労したかなぁ……」  
 
「く……………」  
 
トトリが嬉々としてそれらの材料を語っていく。  
たしかにこの前私と冒険に行ったとき、やたらと今羅列された材料をたくさん集めていた気がする。 いったい何に使うのかまるでわからなかったけど、あの時からトトリは私をこうすることを目論んでいたというわけだ……。  
 
しかも最後に彼女が口にした、サキュバス。 今でも世界の男の行方不明者の三割は、彼女達による被害者だと言われているほど危険な人型モンスターだ。  
そんなものの淫液など使えば、たしかにこんな媚薬なんて簡単に作れそうだと納得せざるを得なかった。   
 
そして最後に、トトリは重要なことを言い忘れたようにポンっと手のひらを叩いていく。  
何やら私の顔をモジモジと恥ずかしそうに見てきながら、とても恐ろしい一言を告げてくるのだ……。  
 
「あ、あとね、あとね……私の血液とかも入ってるんだよ? これはレシピとは関係ないんだけど、ミミちゃんが早く私のペットになってくれますよ〜に♪っていうおまじない。 えへへ♪」  
 
「……あ……あんた……」  
 
私はそのトトリの狂喜ともいえる表情を見た途端、背筋にゾクリと鳥肌が立った。  
――おかしい。 この子はどこか頭のネジがおかしくなっている――そう感じたのだ。  
 
トトリはまだ錬金術師としては見習いだ。  
だからきっと自分の実力に見合わない難しい調合かなにかをしてしまって、その失敗でどこか頭がおかしくなってしまっているのだと思った。  
 
だ、だってそうじゃなきゃ、私にこんな馬鹿なことをするはずないでしょ? あ、あのトトリがよ?  
私の処女をむりやり散らし、おまけにペットにするなどというイカれた発言をするはずがない……。  
 
――だからそう。 これも私の見ている幻。 悪い夢なんだ。  
トトリが今手にしている『それ』も……ああ、ちょ、ちょっと、ウ、ウソでしょ……?  
 
「それじゃあミミちゃん、次の調教ね? はい、お口あけて…………あ〜ん♪」  
 
トトリが手元の『それ』を私の顔に近づけてくる。 てっきり腕にでも刺すのかと思ったけど、どうやらちがうらしい。  
え……じゃ、じゃあどこに刺すのよ? だ、だってだって、そんな……『注射』なんて普通は腕にするものでしょう? お、お口あけてってなによッッッ!!!  
 
私は彼女の手元を見る。 そこには小型のシリンダーが取り付けられた注射器が握られていた。  
ガラス状のそれの中には紫色の液体が詰まっていた。 昨日、このバイブレーターに塗りつけていた液体と同じ色だった。  
……つまりこれはあの媚薬。 さきほどトトリが自慢げに材料を語っていたそれが今度は私の身体の中へ直接送り込もうとしているのだ。 その注射器によって……。  
 
「い、嫌、いや……や、やめてよトトリ……そんなもの……近づけないで」  
 
「あ〜……ミミちゃん可愛い〜♪ すごいね、そんな怯えた顔、ミミちゃんでもするんだ? ねえもっともっと怖がって? わあわあ可愛い〜♪」  
 
「ひぃ……」  
 
……恐ろしいと思った。 心底自分という人間が震え上がっているのがわかった。  
今まで色んなモンスターと戦ってきたけど、私は一度として恐れなど感じたことなどなかったのだ。  
けれども目の前で天使のような笑顔で注射器を近づけてくるトトリに、私はおそらく人生で初めて恐怖という感情を憶えていた。 こんな生き物がこの世にいるのかというくらいに……。  
そしてその恐怖を更に煽ってくるように、彼女は私のあごをガシっと掴みあげてくる。  
 
「ほら〜ミミちゃん、いい子だからお口あけよう? だいじょぶだいじょぶ、痛くないから、ほらあ〜ん♪」  
 
「い、いやぁ……んんんッ!」  
 
私は身体に残っていたわずかな力を振り絞り、必死になって口を閉じていく。 もしその注射を受け入れてしまったら、もう終わりだと思ったから。  
けれどもトトリにはそれすら私のいつもの意地っ張りだと感じられたようだ。 掴んだあごをグイっと上に引き上げると、ほっぺを鷲づかみにするようにしてむりやり口を開かせていく……。  
 
「嫌じゃないでしょ、ミミちゃん。 これからは私がご主人様になるんだから、ちゃんと言うこと聞いてね? はい、ブチュー♪」  
 
チュプリッ!!!  
 
「……ッ! ふんんんッ!ああ、ひ、ひやぁぁぁぁぁ……!」  
 
私の舌にチクリとした痛みが走る。 針自体はものすごく小さかったので、その痛み自体は大したことはなかった。  
けれどもそれだからこそ逆に恐ろしい。 もし痛みがものすごければ、私はもっと必死になって抵抗できたかもしれないのに……。  
 
「ひぃ……と、とと、りぃぃ……」  
 
「はい、ミミちゃんいい子いい子♪ そのままジっとしててね? 動くと危ないから……」  
 
トトリの指が注射器のシリンダーを……ぎゅうぅぅぅと押し込んでいく。 中の紫の液体がドクドクと注がれていくのがわかった。  
舌先がジクジクとした熱さに囚われていく。 それが舌の中を通り、顔の中――身体の中に染み込んでいくのがわかった。  
 
「ふあ……あぁ、ぁ、ぁ、ぁ……」  
 
私はふたたび恐怖に襲われる。 その注射の恐ろしさというものをこの身で体験したのだ。  
 
――きもちよかったの。 てっきり舌が焼けるほどの痛みが襲ってくると思っていたのに、トトリがしてくれた注射は頭の中がおかしくなるくらいきもちがよかったの……。  
 
舌がとろけそう。 まるでプリンでも食べた時のように甘い感じが舌の中から感じられた。  
 
頭もとろけそう。 脳みその中をマッサージされているみたいに優しくほぐされていた。  
 
そして身体も至るところがとけてしまいそうだった。 そして下半身では媚薬バイブがブブブと音をたてながら快感を送り込んできている。  
   
だ、だめ……だめだよ、こ、こんなの……私、お、おちる……堕ちちゃう……トトリのぺットにされちゃうよ……。  
 
「はぁ……あぁ、ぁ、ぁ、ぁ……♪」  
 
「ほ〜ら、きもちよくなってきたでしょ? 最初からそういう顔してくれれば良かったのに。 ミミちゃんあいかわらず意地っ張りなんだから〜♪」  
 
「ひ、ぃ……や、ぁ、やぁ……ぁ、ぁ、ぁ♪」  
 
「ん、なぁに? きもちいい? きもちいいならイイって言っていいんだよミミちゃん?」  
 
トトリの優しい囁きに私はおもわずコクンとうなずきたくなる。 けれどもそれだけはしてはなるまいと顔を背け我慢していった。  
それは私、ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラングの中に残っていた最後のプライドだった。  
 
「ん……い、いわらい、ぜ、ぜったいにいわらいんらからあぁぁぁ……♪」   
 
「あれ? ……残念。 絶対言ってくれると思ったのに、ダメなの?」  
 
「ゆ、ゆるはない。 ろろり、あ、あんらのこと、れっらいにゆるはないんらからぁぁぁ……♪」  
 
私はいまだ身体にとろけるような甘さを感じながらも、トトリに強く反抗していく。  
もっとも口のろれつが回らない状態だったので、それにはいまいち迫力がなかったけど……。  
そうしてトトリの手元の注射器が最後まで押し込められていくと、それが私の悪夢の終わりを告げ……ることはもちろんなかった。  
 
「あはははは、すごいねミミちゃん、さすがだよー。 お姉ちゃんはすぐに堕ちたのに、やっぱりあんなのとはおおちがいだねー♪」  
 
「…………へ?」  
 
ようやくクスリの投与が終わったというのに、トトリは衝撃的な言葉を吐き出してくる。  
お姉ちゃん……今トトリは、お、お姉ちゃんって言ったの? そ、そんなまさか……。  
 
「あのね、お姉ちゃんにも昨日、このお注射したんだ? 私がお願いしたらすぐ受け入れてくれたの」  
 
「そ、それって……な、な……」  
 
「そしたらね、お姉ちゃんすぐブタになっちゃった。 私無しじゃ生きていけないメスブタさんになっちゃったの。 う〜ん、ちょっとお薬が強すぎたのかなぁ……」  
 
「は……? ちょ、ちょっと……う、うそ、でしょトトリ……」  
 
「ううん、ウソじゃないよ。 なんなら見てみる? ほら、そこにいるから……」  
 
トトリがその場所を指差していく。 それはアトリエ内の隅っこ――ベッドの上だった。  
そこには真っ白なシーツがかぶせてあった。 そしてその中にはあきらかに人一人が入っているであろう、こんもりとした盛り上がりができていたのだ。  
 
……しかもそれは蠢いている。 まるで子供がシーツにくるまって遊んでいるように動いていたのだ。  
 
トトリは私をひとまず放置し、そのベッドにまでトコトコと歩いていく。  
そしてそのシーツをグっと掴んでいくと、それを勢いよく舞い上がらせるようにして開いていった……。  
 
 

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