「いやだから!君たち!」
慌てて立ち上がったステルク。ふたりの視線がそちらへ向く。
「ステルクさん、それどうしたんですか?」
無垢な少女が、指差す。それは少女にないモノ。
「あ、ひょっとしてヌシに張り付かれたせいですか!?」
「いや、そういうわけじゃ」
「だって、すごく腫れてますよ!昔お父さんとお風呂入ったときとは全然違うしっ」
ステルクは困惑した。説明しづらい上に、また父親と同視されたことによる追加ダメージを食らってしまった。
「トトリちゃん、大丈夫だよ?あれは、生命の水が出そうになってるだけなんだから」
ロロナの言葉に、心配そうな表情が変わる。
「え?ちむちゃんのもとですか!?」
が、代わりに浮かんだのは期待。瞳がきらきらと輝いていた。