夕暮れのアーランドは、白い石畳に太陽が反射してオレンジ色に輝く。美しいその光景は、まるで人々の一日の疲れを癒そうとしているようだ。
「おわっ!?」
そんな中、清らかな景色には不釣り合いな、すっとんきょうな声が響く。
「あーびっくりした。なんだロロナか…」
「イクセく…ん。」
声の主は食堂の店主であるイクセルで、彼の視線の先には、幼馴染みで錬金術のアトリエの店主である、ロロナが膝を抱えていた。
「お、お前…泣いてるのか?」
昔は泣き虫で、危なかっしかった彼女も、今では弟子を持ち、最近まで独りで旅をしていた。
もう誰かの助けもいらない位に、成長したと思っていた彼女。前のように涙を流している姿を見て、イクセルは驚く反面に、不本意ながらも安堵する。
「どうした?話してみろよ?」
「私がっ…駄目な先生だからっ…」
嗚咽を漏らしながらロロナは、イクセルに事情をぽつりぽつりと語り出す。
愛弟子のトトリが、ずっと行方不明の母親を探していたのにも関わらず、もう亡くなっていたことが分かったということ。そして、自分は側にいてあげるしか出来なかったこと。
「トトリちゃん泣いてたのに、何も言えなかった…私、先生なのにっ…」
全てを話し終えた後、ロロナが再び激しく泣き出す。こういう頼りない所は、変わっていない様だ。
「だからって、お前が泣いてどうするんだよ。」
イクセルが手を延ばして、ロロナの帽子を取るれば、驚いて顔を上げた彼女と目が合う。前よりも長くなったロロナの髪をわしゃわしゃと撫でれば、彼女は少しだけ落ち着きを取り戻し出す。
「おっ、そうだ!ロロナ、今からお前のアトリエ行っていいか?」
「え?私の?どうし…」
「そうと決まれば、早く行こうぜ!」
半ば強引に、イクセルはロロナを引っ張ってアトリエへ向かう。彼もまた、こういう所は変わってはいない。
ただ流れで手を繋いだ時に、2人は頬を赤く染めていた。あの頃は、気づくことのできなかった胸の高鳴りから目を逸らすように、彼らは暗くなりかけた街を静かに歩くのだった。
「ふぁー美味しかった。ご馳走様。
「そりゃあ良かった。」
満足そうなロロナを見て、イクセルも得意げにニカッと笑う。
「でも、お料理するなら…食堂の方が良かったんじゃない?」
「お前、俺が料理人になった理由覚えているか?」
「えーと。小さい時に、お腹空かせて泣いていた私に、作ってくれたんだよね?」
以前聞かせれた時は忘れていたけれど、これはロロナにとっても大切だと言える思い出だった。今のイクセルが、自分をきっかけに料理をやるようになったと思うと、すごく嬉しい。
「そうソレ。あの時のお前が喜んだ顔が忘れられなくてな。でも…今思うとそれだけじゃないと思うんだよ。」
「?」
「なんつーかさ、お前の笑顔には人を動かす力があると思うんだ。」
小さい時も今も、変わらないロロナの笑顔。イクセルが何かを始める時は、いつもこの笑顔が側にいた。前に料理をしたのも、食材探しを手伝ったのも、最初はほっとけなかったからという理由でも、いつしか「コイツの笑顔をもっとみたい」という欲求に変わっていた。
「だから笑ってろ。」
そう言うと、イクセルはロロナの頭をポンッと叩いて、食器を下げ始める。
「イクセ君…うん!ありがとう!」
ニッコリと笑うロロナは、ようやくいつもの調子が戻ったようで、「手伝うよ。」と台所へ向かうイクセルの後を追うのだった。
食器を洗うイクセルに、ロロナは手伝う事がないか問う。
「いいって。もう後は水気を拭き取るだけだし。」
「なら、それをやるよ。」
「いいや、これは俺の仕事だ。」
ロロナがイクセルの手からフキン取ろうとするので、ひょいと彼が手を上にあげる。彼女も負けずとピョンピョン跳ねて、フキン争奪戦が始まるが、不意に何かにつまずく。
「ゎわっ!?」
「おいっ…!」
、後ろへ倒れ込むロロナの腕を、間一髪でイクセルが掴む。
「あっぶねーな。大丈夫か?」
「うん、ありが…と。」
ドクン、ドクン…と2人の心臓が大きく共鳴する。とっさに引き寄せたせいで、ロロナの身体はイクセルの胸板にすっぽりと納まり、まるで抱き合っているような体勢だった。
「ロ…ロナ」
「イクセ…君」
やっと顔を見合わせれば、お互いに同じ気持ちであることが、痛いくらい理解できた。
どちらからともなくキスを交わす2人は、もうあの頃の少年と少女ではなかった。
散らかったアトリエの隅で、口づけをする2人の男女。舌と舌を絡める深いキスに、思わずロロナが甘い声を漏らす。
「んっ…」
あの頃と比べると、かなり背が伸びたイクセルを見上げるような体勢でキスを交わすために、唾液は全て彼女へ流れ込む。
ごくんっ…
ロロナが小さく喉を鳴らすのと同時に唇は離れ、イクセルの手が、またも大きく成長した彼女の胸にそっと触れる。
「はう!」
アストリッドやメルヴィアなどの同性に触られるのとは、また違った感覚がロロナを襲う。
「んあ、ぁうっ、ひゃぁん!」
イクセルが両胸を大きく揉む度に、ロロナはびくん、びくんと身体を震わす。思わず壁にもたれ掛かかった彼女を見て、イクセルは苦笑する。
「お前、感じすぎ。」
「だ、だって、こんなの初めてだもん…」
「俺はもう直に触りたいんだけど。」
顔を真っ赤にさせてうつむくロロナ対し、イクセルの欲望は更に駆り立てられていた。
「……ぅん。」
ロロナが小さく頷いたのを確認すると、イクセルは彼女の、ブラウスのボタンに手を掛ける。
ゆっくりと一つ一つ外していけば、段々とお互いの身体がほてっていくのが分かった。
「イクセ君…やっぱり恥ずかしい。」
ついに露出された胸は、豊かな白い膨らに桜色の点があり、まさに理想的な代物だった。恥ずかしさを感じたロロナが手で遮る前に、イクセルが彼女の腕を壁に抑え付ける。
「隠すなよ。“夢見る王冠”みたいに真っ白で綺麗だぞ。」
「それって、トリュフの名前…全然嬉しくな……ひゃあん!」
その美しい胸に、そっと口をつければ、キメが細かく、まるで豆腐やゼリーのように柔らかい。
「や…だ、口!?吸って…るの?」
イクセルが、胸の突起を舌で上下に動かせせば、服越しに弄られた時とは比べ物にならない、快感がロロナを襲う。
「やぁ!らめ…もう立ってられないよぉっ!!」
ガクガクと足を震わせ、ロロナはやっと解放された両手で、必死にイクセルの肩を掴んでその快感に耐える。
「んんっ!イクセくんっ…私、もう…ぁ…あ…ぁぁああッ!」
一度身体を大きく反らすと、ロロナは軸が折れたように崩かける。間一髪の所をイクセルが支え、彼女たちはそのまま座り込んだ。
肩で呼吸するロロナを、優しくイクセルの腕が包み込む。
「おーい、大丈夫か?」
「ダメ、死ぬぅ…」
泣きそうな表情でそう告げるロロナに、イクセルは思わず吹き出す。
「俺は、最後までやりたいんだけどなー。」
「あう…頑張ります。」
イクセルはまだグッタリとしているロロナをカーペットの上まで運ぶと、そのまま服を丁寧に脱がし始める。
「すげー濡れてるな。」
「もう…恥ずかしいこと言わないで。」
びしょびしょのショーツを脱がせば、今もなお蜜が溢れ続けているロロナの秘部があらわになる。
「よっしゃ、入れても大丈夫そうだな。」
「ええ!??いきなり入れるの?」
「仕方ないだろう。お前胸だけでイクような奴だし。それに…」
そう言うと、イクセルはパンパンに膨れたズボンのジッパーを下げる。
「限界なんだよ。俺も。」
「あ…うん。ごめん…」
勢いよく飛び出したイクセルのそれは、大きく脈打っていた。
「あんまり見るなよ。」
照れながら、イクセルがロロナを見るが、彼女は首を横に振る。
「イクセ君の全部が見れて嬉しいの。触ってもいい?」
「何でここで上目遣いするんだよ……」
イクセルは「しょうがねぇな」と呟くと、腰を下ろして、ロロナの目の前にそれを向ける。
「熱い…ね。」
怖ず怖ずと、そしてためらいながら触れるロロナの手つきに、イクセルの欲望はよけいに掻き立てられる。
「くっ…」
ただてさえ射精寸前なのに、触れられることで、イクセルも声を漏らす。これ以上、我慢出来ないと判断したイクセルは、慌てて腰を引く。
「イクセ君?」
「痛いらしいぜ…初めては。」
心配そうに覗き込むイクセルにロロナは、「私はイクセ君と、一つになりたい。」と微笑んだ。
強い眼差しを向けるロロナに押され、イクセルも覚悟を決める。汗ばんだロロナの額にキスをすると、彼女の下腹部に自身を移すのだった。
トプッ…。ゆっくりと確実に繋がっていくのが、お互いの体温と初めての感覚で知ることが出来た。
「んんっ…」
「やっぱキツイなぁー。大丈夫か、ロロナ?」
返事を聞く前に、彼女の表情で、かなりの痛みがあるということイクセル悟る。
「少し、我慢しろよ。」
「うん……ひゃぁぁあん!??」
苦痛が長引かない為に、イクセルは一気に突き破ることにした。ロロナの中で何かが壊れた音がして、赤い鮮血が床を汚す。
「んあ!痛ッ!!ぁぁああ!」
少しばかり手荒い気がしたが、イクセルは泣き叫ぶ様な声のロロナに構わずに、動き出す。
パンパンと身体を打ち付ければ、ロロナの胎内はイクセルを強く締め付けた。
「ふぁあ!あっ…ぁん!ぁ…」
次第にロロナの喘ぎも、甘さを取り戻し、大分楽になったことをイクセルに知らせる。
「ロ…ロナ、どうだ?まだ痛いか?」
「ぁふ…イクセくんっ…気持ちいいよぉ…」
ヒクヒクと痙攣を始める膣は、更にイクセルを離さないと言わんばかりに締め付ける。
「んぁあ!はぁあん!あたし、また…またイッちゃうよぉ!」
「ぐっ…俺も、そろそろだ。」
涙目を通り越して、ロロナの頬を涙がつたう。そんな彼女をイクセルは、更に激しい攻め続け、空いた手で胸を揉む。
「…ぁぁ…ひゃあぁぁあああん!」
イクセルが熱いもので、ロロナを満たすのと同時に、身体をのけ反らして、彼女は再び果てた。
2人の若者は、今までに経験したことのない疲労を感じながらも、とても幸せそうな表情で、抱きしめ合っていた。
夕暮れだった空はとっくに暗くなり、採取へ行った彼女の弟子が戻って来る前に、後片付けをしなくてはならないのに、しばらくは動けそうになかった。
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おまけ
スケ「こんな所でどうした?入らないのか?」
トト「いえ、入りずらくて…///」
スケ「?」