「ステ…ルクさん?」  
 
ロロナの弱々しい声が、しんっと静まり返った森に吸収されていく。押し倒されたせいで、背中がじんじんと痛む。それよりも訳がわからなくて、ロロナは無表情のステルクの顔をじっと見つめる。  
 
「もう限界なんだ。」  
 
ボソリとつぶやくと、ステルクは両手で押さえ付けているロロナの手を、頭の上で片手に持ち替える。  
 
ド天然キャラの彼女も、ここまでされると、流石に自分の身に何が起きようとしているのか理解できる。だからこそ、彼女は必死に抵抗する。こういうのは、好きな人としかしたくない。足をジタバタさせて、顔を背けキスを拒否する。  
 
「やめて下さい!どうしてっ…」  
 
叫ぶように問う彼女の口を、ステルクの手が塞ぐ。怖い、怖い。恐怖心がロロナを支配し、身体がガクガクと震えている。もちろん、それはステルクにも伝わっているはずだった。  
 
「大きな声を出すな。君の弟子を起こしてしまうぞ?」  
 
耳元で囁くステルクが、ロロナのブラウスを引き裂く。  
 
そう告げれたロロナが、視線を移すと、採取に疲れてスヤスヤと眠るトトリの姿。愛弟子にこんなところを、見られる訳にはいかない。教育に悪すぎだ。  
 
「だから声は、出さない方がいい。」  
 
「そんなっ…んうっ!!」  
 
ステルクがブラ越しに、ロロナの片胸を思い切り掴む。ぐにゃりと変形する度に痛みをロロナにもたらす。全然、気持ち良くない。そのことに、ロロナは少し安堵する。  
 
「やはりアイツのことか。」  
 
「え?」  
 
「昨日の夕方…」  
 
ステルク言葉に、ロロナは顔を赤らめる。昨日の夕方は、幼なじみのイクセルと交わっていたからだ。  
 
「私だって、ずっと君のことが好きだ!」  
 
「ステルクさん…」  
 
「どうせ手に入らないなら、もう躊躇する必要はない。」  
 
それだけ言い切るとステルクは、ロロナの白肌を、今度は舌で汚し始める。  
 
「や、やぁぁ!たすけ…イクセく…んっ…」  
 
もしもステルクに、いつもの朴念仁精神が少しでも残っていたら、今のロロナの発言は、かなりのダメージになっただろう。しかし、今のステルクには罪悪感すら生まれない。  
 
ロロナの首筋や鎖骨、谷間を、ステルクはねっとりと味わっていく。  
 
「そう言いながらも、君だって感じ始めてるじゃないか?」  
 
「違っ…!そんなことっ、ないで…す…」  
 
か細い肩を揺らしつつも、ロロナは唇を噛み締め耐える。そんな彼女の清らかな涙でさえも、唾液で濁しながら、ステルクは余裕だった。  
 
 
「違う?それは、もっとして欲しいということか?」  
 
「ひ…ぁっ…!」  
 
不敵にステルクは笑い、舌を胸の突起まで這わせた。  
 
我慢の限界を超えそうになった所で、ロロナは、別の人影の存在にハッとする。  
 
「ト、トトリちゃん!?待って下さい!ステルクさんっ!トトリちゃんが……」  
 
いつから見られていたのだろうか?慌てるロロナを余所に、トトリはじぃっと2人の様子をみている。  
 
「だめぇぇんんーっ!?」  
 
青ざめるロロナを他所に、突然トトリが抱き着くように、彼女に唇を重ねる。  
 
「んんぅー!んっく…」  
 
ゴクンっ…。トトリの口から流れたは、少し苦味のある大量の液体。彼女は、それをロロナが飲み込んだのを確認すると、唇を離し、自分は瓶の水で口をゆすぐ。  
 
どうして、トトリが?そんな疑問を抱くよりも先に、ロロナの身体に異変が起きた。  
 
「…はふ…ぁ……ん…」  
 
さわさわと、自分を通り抜ける風の感触にさえ、身体が敏感に反応を示す。喘ぎ声が止まらなくて、恥ずかしくて、ロロナの瞳からは更に涙が溢れていた。  
 
「すごい効果だな…その薬は。」  
 
「うーん。先生だからじゃなかな?他の人で試した時はそうでもなかったですよ?」  
 
心臓が跳ね上がり、呼吸は荒く苦しい。全身が…特に顔と下腹部が熱い。そんなロロナを尻目に、ステルクとトトリは冷静に会話をする。  
 
「えへへ、どうですか?その薬、私が調合したんですよ?」  
 
「ぅ…トトリちゃ…まで…どうして…」  
 
「そんなに効いてるのに、まだお話できるんですね!さすが先生。」  
 
仰向けにされたまま、上半身裸のロロナを除き込むように、トトリは視線を合わせる。  
 
「昨日のアレ。私も見てたんだす。」  
 
耳に入って来るトトリの台詞から、状況を整理する能力は今のロロナには残っていない。だから、ただ彼女の話を聞き続ける。  
 
「あんなの、ステルクさんが可哀相です。絶対にイクセルさんよりステルクさんの方が、先生の事好きなのに。」  
 
むぅと頬を膨らませながら、トトリは言葉を紡ぐ。  
 
「先生は錬金術を教えてくれました。だから私は、先生にはステルクさんが必要ってことを教えてあげますね。」  
 
にこーと微笑むトトリの横で、ステルクは「そういう事らしい」と肩をすくめる。  
 
肩をくすめたステルクが、ロロナの肩を抱き起こし、再び唇を重ねる。先程は抵抗されたので、今回は彼女の顎をしっかりと固定して逃げ道を奪う。  
 
「…ん、んっ…ふぁ…」  
 
トトリの薬の効果なのか、歯の隙間から舌を絡ませれば、ロロナはキスにさえも、官能的な声を上げる。息苦しいのか顔を歪ませるロロナに、ステルクは更に欲情し、彼女のスカートへ手を伸ばす。  
 
「ぁあ!ふぁあ!んっふ!」  
 
「グシャグシャじゃないか。アイツとヤッた時より感じてるんじゃないか?」  
 
「やぁぁ、言わないで…っ。」  
 
「先生のおっぱい、大きくていいなー。せっかくだし、私も触っちゃおうかな。」  
 
傍観に飽きたのか、トトリはロロナの背後に回って、胸に触れる。トトリの小さな手は、少し冷たく、ロロナの熱い身体を強く刺激した。  
 
「ひゃぁあ!!ふぁぁあ!あっ…やっ…」  
 
 
上と下の両方からの刺激に、ロロナは悲鳴のような声を上げて悶える。  
 
「っ…!もぉ…ムリっ…」  
 
ロロナの懇願を無視し、ステルクはスカートの中へ顔を埋めた。茂みの中にある豆に、舌を滑らせて、左右に動かしてから、吸い上げる。  
 
「あん…っあっ!それだめぇえー!?あぁ、やだぁぁあ!」  
 
ピンッと脚を伸ばし、ロロナは意識が飛びそうな程の快感を堪える。喉の奥が痛く、正直辛い。  
 
そんなロロナを見て、ステルクはズボンのジッパーを下ろす。  
 
「やっ!それだけは…んあ!」  
 
ロロナの叫びはトトリが、愛撫の手を速めたことにより、簡単に消されてしまった。その隙に、ステルクは自身をねじ入れる。  
 
「くっ…さすがに締まるな。」  
 
「ひゃっ!ぁ…う!」  
 
ステルクとロロナが繋がったのを確認すると、トトリは少し離れ、2人の様子を見守る。  
 
「先生ー?どうですか?ステルクさんのとイクセルさんどっちがいいですか?」  
 
「っ…そんなのっ…わかんな…」  
 
「強情ですね、先生も。薬足しますね。」  
 
ニッコリ微笑んでから、トトリは小瓶のフタを開けて、ピンク色の液体をロロナの口元に流す。  
 
「ふぁぁあんっ…はっ…」  
 
命に関わるんじゃないかと思うくらいに、ロロナの身体は快感に包まれる。特に、ステルクと繋がっている部位は、ムズムズとざわめいている。  
 
自然に腰を浮かせるロロナに、ステルクは彼女の大胆を掴んで奥へ突き挿す。  
 
「うわぁぁあ!ステルクさんっ…ステルクさんっ!」  
 
遂にロロナは、ステルクの名前を叫び、彼の汗ばんだ腕をキュッと掴む。  
 
「ぁあ!…いっ…気持ちいいですーっ!」  
 
2人は一心不乱に腰を降る。ステルクが、ロロナに深くキスをすれば、彼女の口元に残っていた薬が舌を痺れさせる。  
 
「くっ…ロロナっ」  
 
「んぁあ!!ひゃうんん!はぁう!」  
 
膣に続いて全身が痙攣しだして、ロロナの限界を知らせていた。対するステルクも、ロロナのきつい締め付けに、とうに限界に達していた。  
 
ステルクは腰のピストンも、キスも続けたまま、自らの欲望の塊をロロナの中に全て注ぎ込んだ。  
 
「ぁぁあ!!ひゃぁぁぁぁあーっ!」  
 
絶頂に達したロロナは、びくんっと身体を震わせて、そのままは失神してしまった。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ……」  
 
残されたステルクは、ゆっくりと身を起こして、汗で頬に張り付いたロロナの髪を撫で上げる。  
 
「私はこれで良かったんだよな?」  
 
そう呟くと、ステルクは意識のないロロナを抱きしめる。熱を帯びた彼女の身体はとても軽いのに、グッタリとしている。  
 
「これで良かったんだ。」  
 
こんなにも細い身体に、あんな負担を強いてしまったことを今更ながら理解する。ステルクの掠れた声もまた、森に消えていく。  
 
ステルクとロロナから、少しだけ離れた場所に、なにやら一所懸命にメモを取る少女の姿があった。  
 
「えへへー。ステルクさんのお陰で、素敵なデータが取れちゃった。」  
 
まさか、あんなに薬が効くなんて思わなかった。先生の悶える姿を思い出すだけで、私は満たされる。  
 
「先生って、結構いい声で鳴くんだなー。」  
 
あの薬は中毒性のある素材をたくさん使ったから、きっと先生はまた同じ状況を求めるだろう。  
 
「これで先生は、ステルクさんの物だよね。」  
 
先生と両想いのイクセルさんには申し訳ないかもだけど、仕方ないと思う。だって、イクセルさんよりも、ステルクさんと先生の方がお世話になってるし。  
 
2人が幸せになれるお手伝いを、私はこれからも、どんどんしていこうと思う。  
 
 
おわり。  

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