「…はっ!…ハァ…ハァ」
まだ外はまだ暗く、起床時刻には早過ぎる時間に目が覚めてしまった
私は荒い息を抑えつつ額の汗を拭った…全身に汗をかいてしまっている
「もう…これで三日連続かぁ…」
思わず溜め息が出てしまう…三日も同じ夢を…しかもあんな夢を見てしまうなんて…!
夢でのあの人はいつも通り優しく、いつもとは少し違い逞しく感じた
微笑みを私に向け「アンナ…」と優しく声をかけ、私の頬にそっと手を添える
私は見えているのに目を瞑る感覚を覚え、次第にあの人の手は後ろに回され、あの人の顔が近付く
そして私が催促する様に少し背伸びをして唇を重ねる…
その初めての感触が伝わり、やがて私があの人の口に舌を入れ、あの人もまた私に侵入してくる
しばらくお互いを侵しあい、そっとあの人が離れる
私達はお互いに一糸纏わぬ姿で、そこで起きる行為を妨げるモノは無かった…
私は意識があったがぼんやりしていて、ただ体が起こすその状況を感じているだくだった
あの人の手が私の乳房に触れ、指に入った力が私に伝わり、一つ一つが私を刺激してくる
私はその刺激により、呼吸が乱れ、体が熱くなり、胸が切なくなる
それを感じ取ったのか、あの人が私にもう一度微笑み、空いていた手を私の性器へと這わせる
あの人に触れられた所全てが敏感になり、その手が私の性器へ到達する頃には全身が凄く熱かった
あの人が私の性器に触れる…私は時折息を止め、背をピンと張り、足全体に力をこめた
しかしあの人は優しく首を振り、そっとキスをしてきた
私の意識はとろけそうになり、あの人はもう一度私の性器を優しく、撫でる様に、ほぐす様に触れてきた
その刺激は、私の呼吸を更に荒げ、気持ち良い様な…くすぐったい様な…切ない刺激だった
私はその行為より更なる刺激を得る為にあの人を思い切り抱き締める……と、抱き締めた相手が布団になり目が覚めた事を確認する
初めてこの夢を見た三日前は、あまりの恥ずかしさに初めて朝稽古が出来なかった…あの人に会うのが辛かった…
三日経つ今日でも思い出すだけで顔から火が出そう…
そんな日々のせいで、あの人を変に意識してしまうし、少し寝不足になってしまうし…
「あ〜…こんな夢を見る様になるなら、二人で朝稽古なんて始めるんじゃなかった…でも今日は流石に休めない…先輩の為にも、私の為にも!」
「ふあぁ〜」
「にあぁん」
まだ少し寒さが残るものの、日が暖かになったこの季節は朝から日向ぼっこするのに向いている
僕は、テオフラトゥスの息子ヴェイン・アウレオルス……名前だけは父さんの息子
僕は父さんと違ってこの卒業間近に必死で自分の研究を終わらせるでもなく、ただのんびりしていた
父さんだったらこんな少しの間にも新しい事を発見したりするんだろうけど…僕は父さんとは血も繋がってないし、同じ人間でもなかった…
でも今はマナとしての力は無くなり、彼もあれっきり声も姿も見せない
「あれ?もしかしたら今の僕は普通の人間らしいから、父さんが生みの親だから……父さんが母さんでサルファがお父さんになるのかな?」
「にあぉん…」
僕が普通の人間になった証拠に、サルファの声は聞こえなくなっていた……だけど言葉は分かる、この場合は「馬鹿な事言ってんじゃない」だ
そう言うと、隣りの元・宿主のサルファは眠ってしまった
今日も早くに目が覚めてしまったから、日向ぼっこに付き合ってもらったけど…限界みたいだ
僕は父さんと違う、でも同じ人間だ
だからこうしてのんびりゆったり過ごしていても僕は父さんの息子でいられる
だけど実は最近はあまりのんびりしていなかった
いろんな研究者達が僕を調査しに来たからじゃない
…最近変な夢を見る…僕の正面にギラつく鋭い目、不気味に歪んで笑う口…それはまるで獣だった
その獣が僕の前にいるだけの夢……マナ力を失ってからはその夢しか見ていない
更にもう一つ気掛かりな事がある……アンナだ
アンナはあの時僕を救ってくれ、時に剣の先生時に可愛い後輩…なんだけど、ここ数日は避けられてる…
何もした覚えは無いんだけど…あんなにしっかりしたアンナが、昨日一昨日と一緒にやってた朝稽古を休むほど
「ねえ、サルファ。僕ってやっぱりアンナの気に障るような事しちゃったかな…?」
「………」
「ねえ、サルファ…って寝てる……ハァ…」
思わず溜め息が出てしまった
僕は朝稽古をしたいわけじゃないけど…アンナにはいつも通り間違ってる事はハッキリと言って欲しいし、考えた事を直ぐに行動出来る様に戻って欲しい……時々考え過ぎて暴走しちゃうけど…
「先っ輩ーーー!」
ほら、あんな感じで……
「って、アンナ――うわわわ!ちょっといきなり何を…」
凄い勢いで現れたアンナに僕は掴まれ、そのまま何処かへ引摺られていった
アンナが僕を引摺って着いた先は高台の釣り場だった
「アンナ…一体何のつもりでこんな所に来たの?」
「なっ――ななな何って、あ、あ朝稽古に決まってますっ!そそそれ以外に何があるって言うんですかっ!」
「アンナ……休日の朝稽古は個人に任せるって言ったじゃないか…」
「ふぇ?」
「今日は休みの日だよ」
「ええー!?」
「それにここじゃあまりモンスターも出ないだろうし、僕は武器すら持ってきてないよ…」
「あっ、あうぅ…」
「おまけにアンナ……その格好で来たの?」
「…えっ?……あ、ああー!」
僕が指摘したアンナの格好はいつもの制服姿ではなく、着物に小さい帯でとめ、その上に少しぶかっとした羽織を着た格好だった
アンナの顔は、みるみる赤くなったと思ったら今度は青ざめていき
「…ああ〜、私としたことが……せっかく…折角決心したのに…」
僕はその言葉をあまり深く考えず、僕に背を向けて必死に何かを考えこむアンナが冷静になったらイカロスの翼を使って帰ろうと、僕はただアンナを見守った
そしてふと…考えこむアンナの健康的にほんのり焼けた横顔に見入ってしまい……何を思ったのか…僕は…
「あうぅ…せっかく来たんだからやっぱり稽古をして気を晴らして……でもこんな寝間着の格好で稽古なんて…ましてや先輩と……ひやぁぁっ!」
「あ、あれ…?」
「せ、先輩っ!?何をするんですか!」
僕自身も分からなかった…
ただ、アンナの声で気が付くまでは、まるで吸寄せられる様にアンナの耳元へ……ふぅっと…
「せ、先輩っ…?」
「…えっ?ああ!…えーっと…ほら、アレだよ!アンナの所じゃ隙あらばーって言うじゃないか」
「それは師弟関係の人だけで…」
「でもほら、僕はアンナにいろいろ剣のことで教えてもらって…るし…」
「それは……そうですけど…、でもいきなりは卑怯です!」
アンナは少し赤らんで怒った顔で僕を見てきた
でも本気で怒ってるわけじゃなくて…上手くは言えないけど、いつものアンナに少し戻ってきた気がして
「いきなりじゃなかったら隙なんてそうそう生まれないよ…」
「そうですけど…」
「そっか…アンナは普段は隙だらけなんだね」
「そ、そんな事はありません!…今日はたまたま…次からは絶対成功しません!」
「ははは…」
更に追い討ちをかけると、いつも通り…いや、いつもより可愛いアンナになっていった
ぷくっとむくれてそっぽを向くアンナを見て、僕はそろそろ帰ろうとイカロスの翼をポケットの中で探した……
けど…
「ふ〜ん…次は絶対成功しないんだ…」
自分でも何を言っているんだろうと思った…
「はい、もう何時如何なる時も隙は見せません!」
アンナはそっぽを向いたまま僕の変化に気付かず言った…
「じゃあ…アンナに隙を見つけたら…」
僕の口が勝手に動く…
「ええ、いいですよ!その時は何をしてきても、絶対避けて見せますから」
僕の心とは違う事を考える…
「へ〜…じゃあその時はアンナに…」
アンナに僕はずいっと近付く
「せ、先輩……?」
アンナは不思議そうな顔をし、ムクッと立上がり僕と正面を向く
「ふふふ…」
僕はアンナ笑みを向ける…僕のモノじゃない笑みを
「先輩…どうしたんですか…?少し…怖いですよ?」
そう言いながらアンナは僕と距離をとる様に後ろへ下がって行き…
「きゃっ、えっ…」
後ろにある木にぶつかる
アンナを不安にさせない様に伸ばした手は僕の意思を無視してアンナの後ろの木に置かれた
僕と木に挟まれたアンナはいつもの様に切掛かってこず、その場で更に赤くなり僕を見つめて動かなくなった
いつもの凛とした態度と違い、情けなく八の字に下がった眉、少し怯えた目、半開きにぽけっと開いた口、赤みを帯びて微動だにしない体…
そのどれもが僕を狂わせていった…
最近いつも見る夢……そうだ…あの時僕を見ていたのは鏡だったんだ…獣は僕だったんだ…
ギラつく鋭い眼光、不気味に歪んだ口…その先にいるアンナを喰わんとする獣は僕だった…
僕はアンナの両肩を掴み、だんだん顔近付けていく
アンナは近付いていくと目を閉じてしまったが、僕を拒む素振りはみせない
僕はそのまま唇を重ね、アンナの柔らかく潤んだ唇を味わう間もなく舌を入れて彼女を侵していく
アンナは驚いた様に目を開け、両手で僕の胸を押して僕を離そうとするが、その手に込められた力は弱々しく次第に目も少しずつ閉じていき手も力なく垂れる…
クチュクチュと音を立ててやがてお互いの唾液を交換する様に舌を絡め合う
僕はアンナの両肩に置いていた手を少しずつずらして行き、鎖骨に触れ、着物の中へと侵入して行く…
「ん〜ん〜」
するとアンナはビクッと反応し、目を少し開き涙ぐみ、首を振る
僕はその抵抗を無視してアンナのすべやかな肌を這って行き、アンナの控え目な胸へ辿り着く…
唇を重ねたまま僕はアンナの乳房を揉み上げる
そして時折乳首を刺激した
刺激する度にアンナはピクッと反応し、唇を離す時には、ただされるがままだった
アンナは後ろの木にもたれかかり徐々に下がってはまた上がったりしていた為に、アンナの着ていた着物はすっかり乱れて、片方の乳房は既に露になっていた
僕は動かしていた手を止め、そのまま口を乳房に付けて乳首を回す様に舌先で転がした
アンナはさっきよりも反応を示し、息も荒げ、力を込められていない両手で僕の頭にしがみつく…
「や…やめて下さい…!…ハァ……先輩…!そんな…そっちばっかり…くぅっ……や…いやっ…」
それを聞いた僕は口を止めて
「でも、アンナが離してくれないんじゃないか…」
「…ハァ…ハァ……え?……ひゃっ!」
アンナは驚いた様に自分の両手を僕の頭から離し、無意識に自分がしていた事を自覚して、その両手で顔を隠した
僕は頭を離し、そしてアンナの性器へと手を運ぶ
「ひゃぁっ!……先輩…お願いですから…ハァ…ハァ……もうっ…やめて下さ――ああぁっ!」
アンナが言い終わるより早く、僕は膣内へと指を侵入させた
「せ、先輩…ひゃぅっ!」
中指を一本だけ入れ、親指と人差し指で周りを撫で回した
そこは既に愛液が溢れていて、僕はためらわず二本目の指を入れ、中で擦る様に動かす
「あぁっ!…ダメ、先輩っんぁっ!……ハァ…ふぁっ…きゅぅ…!」
僕の指を溢れ出る愛液でビチャビチャにしたアンナは、言葉で拒み、両の手で顔覆い隠して羞恥心を紛せようとする
そしてアンナは一瞬ビクッと大きくのけ反った形で止まり、全身の高まりを口から抜けさせるように喘ぎ、力なく崩れた…
その姿を見て、僕はそっと手を離し、体を起こした…
「アンナ……アンナが嫌だって言うんなら僕はやめるし、アンナが続けてて欲しければ続けるけど…アンナは僕にどうして欲しいの…?」
「……あぅ…ハァ…ふぅ……」
アンナは離れようとする僕の手を自分が倒れないように必死に掴み、恥ずかしそうに潤んだ瞳で僕を見てきた
「…ハァ…ふぅ……いや…です……ハァ…ハァ……これ以上はっ…」
アンナは自分の意思を伝えた安心感からか、また全身の力が抜けてその場にペタリと膝を付け、そのまま後ろに仰向けに倒れた…
アンナは荒くなった息を整える間もなく、起き上がろうと腕に力を込めていたが、起き上がれずに不思議そうな顔をした
アンナは困った様な顔をし、何度も肘を立てて腕に力を込めるが一向に起き上がれずにいる
「…へ…?……何で…どうして…!」
アンナはずっと不思議そうな顔をしているが、意識がハッキリとしてきて目に入ってきたモノを見て絶望の色を浮かべる
起き上がれないんじゃない……僕がアンナの服を押え付けて、起き上がらせないんだ…
「……せ、先輩…もう……許して…」
懇願する潤んだ瞳からは既に涙が溢れ、怯えの色をしていた
「ごめんね…アンナ……本当にごめんね…」
僕を救ってくれたアンナ…世話を焼くアンナ…困った事があると小さくなるアンナ…でも、最後には満面の笑みを僕に向けてくれるアンナ……
僕はアンナのこんな怯えた顔は見たくなかった…アンナにはいつも元気で凛として欲しかったんだ……
でもね…もう……遅いんだよ…
「…早く挿入れて欲しかったんだね……ほら、ここもこんなにトロトロしてる…」
僕はそう言って、アンナの膣に手をやった
アンナが倒れている間に僕はズボンを脱捨て、恐ろしいくらいカチカチに反りたった男性器をアンナの膣肉へと当て、入口へと運び、一気に貫いた
「ひゃぁっ――あぐぐぐっ……」
膣内は愛液で滑りやすくはなっていたが、それでもまだ未発達のアンナの中は狭く、奥まで貫くだけでアンナは大きな衝撃を受けていた
アンナの性器は破瓜の血が滴り、強烈な痛みに悶えていたが
僕は構わず腰を動かした
チクリチクリと僕のこの胸の罪悪感の痛みも、狭い膣内で削られる様な痛みも僕には心地良かった…
やがて滑りが更によくなり、動きも激しくなってきた時…不意に眼下のアンナに掴まれた
アンナの両腕は僕の体をガッチリ掴み、涙ぐんで声を押し殺しながらも腰を僅かに動かしてきた
「…ハァ…ハァ……嬉しいよ…アンナ……
僕はね…おかしいんだよっ……胸が…心が締付けられる様に…痛いのに……でも……気持ちっ…いいんだ……ハァ…ハァ……アンナも…血が出るほど痛いけど……気持ちいいんだね……くっ!」
一瞬アンナの締付けが強くなる
そしてアンナは首を振り涙を散しながらも歯を食いしばり、全身をピンと張った
僕も限界になり、膣内の一番奥まで押込み
「ふぁっ……やあああぁぁぁ〜〜っ……!」
「ふぐっ……くぅっああぁぁぁ……!」
二人で一緒にイった…
一番奥に放った精も、十八年分なので抜いた後、膣からドプドプと溢れ出てきていた
アンナはその場で倒れたまま動かなくなり、時折ビクッと痙攣を起こし、横を向いた顔はだらしなく開きっ放しの口に何処にも焦点が合っていないであろう光を失った目からは涙が零れ放心状態だった
僕はその横顔を見て、何かが心の中で渦巻いて
アンナの横顔にそっと顔を近付けて優しくキスをし、耳元で囁いた
「隙があれば、何時でもどんな時でもいいんだったよね…?」
ピクッと反応をしたアンナは弱々しくも目だけこちらを向けた
そして僕は体を起こして笑顔で
「大丈夫、アトリエの皆の前じゃあんまりしないようにするから……卒業までよろしくね、アンナ…」
僕はそう言い、獣の笑みでアンナを見下ろした…
そう……卒業まで後数日しか無いけど…後何回出来るかな?
僕が右手の親指から左手の小指まで折り数えた辺りでアンナはまた目線を何処かに向けた。
〜fin〜