「先生!今まで、ありがとうございました!…それで俺、先生に贈り物があるんですけど」
「…あら、ありがとう(くっ…ダメよ、イゾルデ!ここで泣いてしまってはこの子達に迷惑だわ!…でも、本当になんて良い子達なの…ああ、涙腺が…)」
「…先生?」
「…な、何…かしら?」
「いや、俯いたままだったんで…もしかしてそういうの嫌いでしたか?」
「でも、この人が卒業後ず〜っと考えて選んだから多分良い物だと思いますよ〜(私は中身知らないけど)」
「ば、バカ野郎…余計な事言うんじゃねぇ!」
「…くっ!(フイッ)」
「あ…先生…」
「…何でもないわ、私はまだやる事があるから、貴方達も乗り遅れない様にしなさい」
「先生…本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました〜!」
「(最後までなんて良い子達なの!もうダメ!こんな顔はこの子達には見せられない!…本当はもう少し話てたいけれど、行かなくちゃ…振り返ってはダメよ!(ブワッ)」
「あの子達は一体何をくれたのかしら…(ワクワク)」
「(シュルシュルパカッ)……え?」
「ねぇ〜、結局先生に何をプレゼントしたの?」
「…知らねえ」
「…へ?今なんだか変な言葉が聞こえた気がしたんだけど…」
「…俺は知らねえって言ったんだよ!結局何贈っていいか分かんねえし、かと言ってお前は全然手伝わねえし…」
「そりゃあ先生はライバルだもん、手伝いたくないのが普通だと思うけどな〜」
「な、な何恥ずかしい事真顔で言ってんだよ!」
「はいはい…で、どうしたの?」
「…知り合いに選んでもらった」
「知り合い〜?あんたに知り合いなんてグンナ――」
「グンナルの野郎を数に入れんな!」
「え……じゃあロクシス?」
「違う…」
「じゃあ誰よ〜、言いなさいよ〜!」
「……パメラ」
「……あちゃ〜」
「くちゅんっ」
「どうした?風邪か?」
「違うわ〜、幽霊は風邪なんてひかないわよ〜」
「じゃあ噂されていたんだな…お前ほどこの時期に噂される人物はおるまい」
「そうね〜。今年はいっぱい驚かすわよ〜!」
「オレ様とヴェインが作ってやった魔法ステッキを使えば例年以上は確実だ!」
「ああ、あれはあげちゃったわ〜」
「なんだとっ!?」
「だって、私はあんなに恥ずかしいこと出来ないんだもの〜」
「(パコッ)……ふぅ…、落ち着くのよ、あの子達が私をからかうはずが無いわ…そんな事をした事なんて一度も無いもの。
…木を燃やしちゃったり、人質を取ったりしたけど根は純粋で良い子だったもの…これは何かの間違いコレは何かの間違……い(パカッ)…じゃなかった…」
「何故こんなファンシーなショッキングピンクの杖が……あら?一緒に本も入っているわね
『ラブリーでキューティーな魔女っ子に必要なスキル大ぜ』
(バタンッ)……何なのこの本は…もしかして嫌がら…せ?私は実は凄く嫌われていたのかしら……少し目眩がしてきたわ」
「ほうほう、魔女っ子に一番必要なのはノリの良さじゃと、お前さんに一番足りんモノじゃな」
「なっ……貴方、いつの間に居たの?」
「儂はお前さんのマナじゃ、いつでも側で観察しておる」
「気持ち悪い言い方しないでちょうだい。
いつもは戦闘時しか出て来ないくせに」
「ほっほっほ、それよりもイゾルデ、魔女っ子には偽名が必要じゃと…何にするんじゃ?」
「私は魔女っ子になんかならないわ!」
「そう言うても、コレはお前さんが貰ったのじゃろ?」
「確かに貰ったけれど、多分何かの間違いよ」
「うむ…、魔女っ子とやらは学園の悪を倒すのではなく更正させるのか…ふむふむ」
「相変わらずのマイペースね…いいわ、ソレは貴方にあげるわよ」
「おお、手紙も入っておるぞ――」
「かしなさい!(ヒュッパシッ!)
『この手紙を読む者よ!もし貴様の心に正義が燻っているのならば…今こそ燃やす時だ!この学園を救えるねは貴様だけなのだ!!』
……これは…何処かで聞いた様な台詞回しね」
「ほっほっほ、とにとか言う青年もなかなか熱い男じゃな」
「違うでしょ!これはどう見ても……おかしいわね、あの子はあんなに嫌っていたのにこんな手紙をわざわざ書いてもらうなんて…」
「うむ、恐らく恥ずかしからいつもと違う書き方をしたのじゃよ」
「そんなことは…でもそうだと一番…いえ、でも…」
「相変わらず本能に従えん奴じゃな。コレはお前さんに宛てた物!これで全部解決しておるのは分かっておろうに…」
「でも、それだとあの子達は私に…こ、コレになる事を求めていると言うの……そんなの…認められるわけないじゃない」
「あ奴等はお前さんの為に三年頑張ったんじゃ…次はお前さんが頑張る番じゃろ?」
「それを言われると……ふぅ、仕方ないわね。あの子達の望みだもの…分かったわ」
「じゃあまずは名前じゃな」
「それはここに書いてある通りでいいじゃない」
「そうじゃと…
『ラブリーキューティー魔女っ子イゾルデ』
かのう?」
「それはダメよ、断じて却下よ!」
「そうじゃのう、お前さんは『キューティー』や『魔女っ子』と言う歳じゃないから
『ラブリービューティー魔女っ娘いぞるで☆』
なんてどうじゃ?」
「だからその恥ずかしい名前から離れなさい!大体本名を言ってしまってるじゃない!」
「じゃが『ラブリー』と『魔女っ娘』は付けんとそのマジカルステッキは効力を発揮せんらしいようじゃが」
「こんな杖使わなくても、不良生徒を更正させるくらいできるわ」
「なんと、そのマジカルステッキには人間の認識能力を少し麻痺させる効力があるそうじゃ……つまりじゃな、そのマジカルステッキを持っておれば、素顔を見られてもバレんそうじゃ」
「……別に隠す必要ないじゃない」
「夜な夜な愛する教え子を光の当たる場所へと引摺り周る陰険教師…教頭にバレでもしたら一発でクビじゃな」
「嫌な言い方しないで!…でも、確かに相手が生徒だと良いイメージでは無いわね…」
「じゃあ決まりじゃな
『ラブリービューティー魔女っ娘…』
何にするんじゃ?」
「そこは本に書いてある名前でいいんじゃないかしら」
「じゃあ『マナミリア』じゃ」
「急に変な名前がきたわね…」
「次は服じゃが…魔女っ娘はスカート限定じゃと」
「そこは大丈夫よ。前にレーネから貰った学園の制服があるから」
「なんと…こすぷれの趣味があったとは…」「サイズが大きいからって渡されただけよ!」
「じゃが、大事に保管しておったのじゃろ」
「忘れてただけよ!…もうその話題いいわ、サイズが大丈夫か着替えるからカーテンを閉めて」
「(シャッ)…全部閉めたぞ」
「そう……で、貴方はいつまで居るつもり?」
「なんじゃ、お前さんの着替えなどいつも覗いておる、気にせず着替えるのじゃ」
「いいから消えてなさい!」
「随分と長かったの……おや?本にはツインテールが基本と書いておったが」
「…いいのよ」
「う〜む、その歳でツインテールはやはり厳しかったようじゃな」
「…別にいいじゃない」
「苦肉の策でポニーテールかのう?ほっほっほ、可愛いのうお前さんは」
「五月蠅いわね」
「うわぁぁー!」
「「!?」」
「悲鳴がしたわ!」
「早速お勤めじゃな……どうした?早ういかんのか?」
「…私が行く必要があるのかしら?私の目的は不良生徒の更正であって」
「お前さんが正義を示さないと生徒達を更正なんて出来んじゃろ。そんなことを言っておっては、今はなきあの二人に報いることは出来んぞ?」
「死んだみたいに言わないで!あの二人はいつも私の心の中にいるわ!」
「(お前さんこそ殺しているではないか…)」
「そうね…あの子達の願い、私が必ず愛と正義でこの学園を救ってみせるわ!」
「おお…なんじゃかノってるのう。儂もお供するぞ」
「貴方は目立つからダメよ」
「安心せい、マナとは外見をある程度は思うままに出来るのじゃ。こんな感じにの(チュンチュンチュン)」
「そんな便利な能力があったのね…」
「それよりも早く行くぞイゾルデ」
「今はラブリービューティー魔女っ娘マナケミアよ」
「うわぁーん」
「……えっと…どうしたの?」
「さっきのノリの良さはどうしたんじゃ」
「まだ子供とはいえ、男性がこんなに声をあげて泣いているのを見てしまうと…」
「うわぁーん」
「…大丈夫?何があったの?」
「…ひっく、ぐずっ…お姉さん誰ですか?」
「私は…愛と正義で学園を救う、ラブリービューティー魔女っ娘マナミリアよ!長いからマナでいいわ」
「……(ポカーン)」
「……(くっ、やっぱりかなり恥ずかしくなってきたわ…!)」
「お姉さんはマナなんですか?」
「マナと言う名前なだけでマナではないわ。
いえ、でも名前がマナだからマナと言う認識も…いいえ、やっぱり間違ってるわ!…でもやっぱり…」
「…結局どっちなの?」
「私の事はどうでもいいわ!それより貴方の泣いていた理由を言いなさい!」
「じ、実は…僕…うぅ…彼女にフラれちゃいました…」
「……恋愛の悩みであんなに泣いてたなんて…でも私には対処不可能よ(ボソボソ)」
「なあに、話を一通り聞いた後にその持ち前の包容力を使って慰めれば一発じゃて(ボソボソ)」
「私に包容力なんてそんなにないわよ(ボソボソ)」
「顔の下に二つ大きいモノがあるじゃろ(ボソボソ)」
「………」
「うおっ!やめるんじゃ、踏むんじゃない!こらっやめい!」
「あのー…一体何をやっての?」
「気にしないで。
でも、貴方も男なら一度や二度フラれてもいじけずに、良い男になって見返すくらいしよう思わないの?」
「お前さんは二回断られたらすぐ諦めてしまったがの…って痛い痛い、踏むんじゃなない」
「でも、僕には…もう時間が無くて…」
「まだまだ時間があるじゃない」
「でも…コレで最後だったんです…」
「…(純愛だったね……(グスッ)」
「彼女で最後だったんです!この学園で僕がまだ告白してない美人は!」
「………」
「僕の…いえ、男子の目標たる『学園卒業と共に童貞も卒業』が果たせないなんて…でも皆にフラれちゃったし、これ以上の妥協は出来ないし!」
「……ねえ、帰っていいかしら?(ボソボソ)」
「このまま放って置くと、強姦魔になりそうじゃな(ボソボソ)」
「うわぁー!苦節十八年、まだチェリーライフを送れと言うのか!惨い、惨過ぎる!」
「……貴方、女の子達になんて告白したの?」
「もちろん
僕の童貞を奪って下さい!
ですよ!」
「……帰りましょうか」
「…待つのじゃ、あの男子からとても邪悪なマナを感じるぞ」
「…そう?私は感じないけど…」
「恐らくあの男子は闇のマナの一種と契約しておるのじゃろう…このまま放って置くと大変じゃぞ!(ププッ)」
「そうなの…?」
「うわぁー!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
「確かに暴走してるわね…じゃあ今の内に始末を――」
「待つのじゃ!それじゃあの子を救えないじゃろ」
「…あんまり救いたくないわ…」
「お前さん…さっきの台詞を忘れてしまったのか?」
「うっ……私にアレをどうしろと言うのよ」
「簡単な話じゃろ…ヤっちまえば良――(バキッ)」
「ふざけないで!」
「うう…」
「(治まってきたみたいね。今の内に話を終わらせておこうかしら)…ねえ」
「うう…お姉さん、何ですか?」
「まだ卒業までは時間もあることだし、外見は気に入らなくても中身がとても綺麗な子が学園にはたくさんいるわ…だから頑張ってみなさい。それじゃあ…って、聞いてるの?」
「……お姉さん、よく見ると美人だね…」
「え……まさか…」
「お姉さん、僕の童貞を奪って!(ガバッ)」
「い、嫌っ!やめなさ――きゃっ!(ドカッ)」
「ぎゅわっ!……ヒドいよお姉さん…」
「あっ…ごめんなさい」
「僕は純粋にエッチしたいだけなのに…うぅ…」
「だからソレが問題なのよ…って泣いているの!?(……本当に元は純粋な子なのね…今は取乱しているからこんな風なだけかしら…だとすれば…でも…)
分かったわ…一回だけ抜いてあげるわよ」
「えっ?本当ですか!」
「立直りが早いわね――きゃっ!」
「お姉さんありがとう…ありがとうございます(ギュッ)」
「えっ…ええ(あんな風にならなければこんなに可愛い子なのに…、それにしてもやっぱり教え子に頼られると言うのは良いものね…(ギュー)」
「うわっ、苦しいよ…」
「ふふふ……きゃっ!い、いきなり舐めなちゃ…あっ、んっ…」
「お姉さんの胸柔らかくて…温かくて気持ちいい…あむっんむんむ」
「ちょっと…噛んじゃ…んっ…」
「…ハァ…ハァ、お姉さんも気持ちいいですか…?…ここが…湿ってると…気持ちいい証拠なんですよね?」
「ひゃっ!ちょっと何処触っ…んぁっ、あっ…あぁっ!」
「もう辛抱堪りません!」
「ちょっと!だからやっ…んっ、くぅっ…ふぁっ…そんな…所、舐めちゃ…んっ…だ、ダメ…」
「……んはぁ…ハァ…ハァ…お姉さん…そろそろ入れますね…」
「…ふぁ…?…だ、ダメよ!…抜いてあげるとは、言ったけど…そんな…」
「大丈夫です!予習はバッチリで、死線のメガネで急所も分かってます!」
「全然大丈夫じゃな――んあぁっ…っ!」
「うっ…これが女の人の中…うぐっ…すごく、熱くて…気持ちいい…!」
「んくっ…はぁ…はっ、んんっ」
「気力集中、気力集中…精神を保て、僕!よし…いきますよ!」
「…はぁ…は…へ、ふぁっ!やっ…あっ、ふぁっ…あぁっ!」
「ふおぉぉー!今にも出そうなくらい気持ちいいです!」
「嫌っ…ふぁ、んふぅ…んくぅ…出したり…んあっ…したら…ダメよ…くぅっ」
「分かってます!…ハァ…ハァ、クライマックスはこれからだー!」
「ちょっと…ふあっ、ああっ!んあっ…はあっ…んああぁっ」
「もう限界ですっ、出ます!」
「やっ…ひゃぅっ、んあっああぁっ!……はぁ…はぁ…」
「お姉さんありがとうございます、奪・童貞してくれて!」
「そう…(ああ…何故こんな事に…でもこの生徒はもう大丈夫そうね)
それじゃあ今度こそ帰るわ…さよなら…(トボトボ)」
「お姉さんも頑張って下さーい!」
「…儂を置いてんじゃなーい…」
「かくして、学園七不思議に裏七不思議の一つとして、助けを呼べば50%の確率で流されやすい美女が現れてエッチなお願いを聞いてくれる、と言う噂が出来た事は言うまでもあるまい…
しかし、あ奴も毎度毎度儂が即席で作った嘘も見抜けんとは…情けない奴じゃ…ほっほっほ」