「し、知っていたの?」
「一応は」
「…………」
「言い訳はちょっと出来そうにないので……お嬢様」
「ロゼ、あなたって人は……ん、むうっ」
収まりかけたリリアがまた暴発しそうになったので。ロゼも、どうにか手段を繰り出す。
三度目の口付け。ただ、今回はそれだけではない。
「ん、むう、んっ!?」
「……っ」
戸惑うリリアの唇を割り開いて、ロゼは自らの舌を差し込んだ。
呆然として、留まっている彼女の舌を、ロゼの舌が探り当てる。
そして。
「ん、んん、んっ!?」
「……んっ」
一方的に、ロゼの舌がリリアのそれを嬲る。
いいように踊らされ、自らの唾液を舐め取られるリリアは、されるがままにそれを受ける。
くちゅくちゅとした淫猥な音が二人の口に響き、それは確かに互いの耳へとも届いた。
「んー、ん、んっ……!」
リリアも反撃をしようと試みてはいるのだが、どうにも力すら入らない様子で、弄ばれるのを甘受している。
そしてロゼは、この状況下でこそ自由に彼女を嬲れると知って、いささかのやる気を出していた。
「……っ、!」
「んむ、む、むう、んんっ!?」
少年が、己の唾液を流し込む。
拒否することすら出来ずにそれを喉へと流し込まれて、リリアは酔ったような感覚を覚えた。
絡み合わさる舌と舌は、艶かしくも口内で踊る。
やがてリリアが完全に弛緩したのを見計らい、ロゼは舌と唇を離した。
刹那に、二人の間に糸が引いて、そして途切れる。
「はあ……はあ、ああ……こんなの……わたくし……はあ、あ……」
「……ん」
完全に潤ませた瞳で、リリアはロゼをぼんやりと見つめている。
その目線に少年が帰すと、荒い息のままリリアは強がりを見せた。
「こ、こんなことで、ごまかされないわ……で、でも……しばらくは、保留、してあげる、から……
ロゼ、続き……続きを、して?」
「かしこまりました……っと」
ロゼも、こみ上げてくる衝動に従うまでだ。
既に下着を脱ぎかけていたのが幸いした。
今のキスでも、リリアの秘所は完全に潤ってしまっていたのだ。
履いたままであったなら、溢れ出る液がパンツを汚していたことだろう。
その光景を見たロゼも、思わず息を呑む。
「お嬢様、ちょっと凄いことになってます、これ」
「ど……どういう、ことよ」
指で一度慰めたのも功を奏しているのだろう。
未だ男を受け入れたことのないそこは開いて、どうにかはじめてを捧げようとひくついている。
そうしてロゼが見ているだけでも、まだとろとろと愛液が零れているのだ。
「これなら、すぐにでも出来そうですけど」
「……だ、だったら、すぐになさい。……すぐに、して、わたくしも……
「……ですけど」
彼女の懇願を、ロゼは中途で遮った。
え、と戸惑う顔を見せるその前に、少年は舌を突き出して、その溢れ出る場所へと顔を近づける。
「な、何をするの、ロゼ!?」
「大丈夫そうに見えても、お嬢様はか弱いですから。ちゃんとほぐさないと」
「……っ、な、な、何を言って、あなた、そんなとこっ……!」
ロゼの舌が淵に触れた。
「ひぃっ!?」
それだけで、リリアは背筋を反らす。
その反応を見て、ロゼは自信を深めた。実は、先ほどまでのキスは、ある手段だったのだ。
――お嬢様の弱点は、責められること……だな。
すなわちアナライズである。
このような状況下で応用をきかせてこその戦闘技術なのだ。
それを発揮したロゼは、既にリリアの弱点を見抜いていた。
膣口の周囲を、なぞるようにゆっくりと舐めてやる。
「あひ、ぃ、ロゼ、そんな、そこまでしてくれなくてもよくてよっ、や、だって、見ないっ……
見ないで、そんなところっ」
「ちゃんとほぐさないと、お嬢様が辛い思いをするはずですから……んっ」
「な、舐めちゃダメえっ!」
とうとう悲鳴にまでなった。が、ロゼは止めようとはしない。
むしろ強めるように。舌先で、肉襞をかきわけてみる。
「かは、ああ、だめ、だめよ、ロゼ、だめなの、そこっ、わたくしの……
わたくしの、そんな、恥ずかしいところなんて、だめ、なのに、だめっ……あふ、あふああっ!?」
制止しようとはしているが、リリアは逃げようとはしない。
逃げることも出来ない、のが正しいかもしれないが。それでも。
「……ん?」
「だめ……だめなの、ロゼぇ……恥ずかしいもの、だから、やめて……え、おねが……」
「……お嬢様、腰、押し付けてきてます」
「そ、そんなことぉっ……ひあ、あうっ!」
力を込めた舌で、リリアの膣肉を掘り返すように嬲る。
そんなことをしているうちに、リリアは自然と、自らのそこをロゼの顔に押し付けていた。
理性はともかく、体はこの激しい快感をもっと貪欲に求めようとそているという、それだけのことだ。
指摘してやるのも、相手によっては気の毒なのかもしれないが、ここにいるのはリリアである。
「こういうの、言われた方が嬉しくないですか、お嬢様?」
「ち、違うもの……違うわ、わたくし、ふしだらな女ではないの……
ロゼがそんなことをするなら……や、やあ、あ、ひ、痺れちゃ……ひあっ」
自らが読み取った弱点が効果的に作用している。
更なる確信を深めながら、ロゼはリリアの膣肉と愛液を、存分に味わった。
何度も何度も、リリアは悲鳴をあげる。
既に涙を零しながら、それでも本気での苦痛は叫ばない。
ロゼによって、隠すべき女性そのものをまじまじと見つめられ。
そしてロゼによって、誰にも触れることを許さなかった場所を、よりによって舌で嬲られている。
それが、リリアの胸を熱くする。
夢見心地で、ようやく通じた思いを信じられずにいた彼女に現実を刻み込んでくれる。
「ああ……あ、あ、あうっ……み、認めるわ、ロゼ、わたくし、わたくし気持ちいいの、だから……だからぁっ……」
「……こっちも、そろそろです」
舌を突き刺している間は悶えて身をよじるリリアだが、離れればもう体さえ支えられない。
その様子に、ロゼもまたベッドの上にあがる。
自らも下半身に纏うものを脱ぎ捨てて、少年と少女は互いに性器を突き合わせた。
「……き、来なさい、ロゼ、わたくしが、受け入れてあげるから」
「こんな時までそんな、強がらなくてもいいと思うんですが」
「つ……強がりでは、ない、わ……」
こうだからこそ。ロゼとしても、彼女を愛せるのだと、そう思う。
しかし、まさにその直前という状況下であるのだが、ロゼはしばし止まる。
受け入れる覚悟を決めて、覆いかぶさろうとする彼を見つめていたリリアは、若干の不審を覚えた。
「ど、どうしたの、ロゼ?」
「あ、いえ。……その、生はまずいかな、と」
「それは……」
盛り上がった勢いのままに繋がりあう――と、それはいいのかもしれないが。
何しろ、ロゼもリリアもそういう行為をして、その結果を作り上げるのに最適な年齢であるのだ。
考えなしに最後まで至れば。そう、リリアの膣奥に向けて、精液を注ぎ込むなどとしてしまえば。
そうなれば、結果としてヴェーレンドルフにお世継ぎ誕生、という未来が待ち受けるのは想像に難くない。
「……そ、そんなのあなたが気にすることではないわ。
そういうのは、ええと、だ、大丈夫なんだから、堂々と来なさい!」
「大丈夫、って……あの」
「大丈夫なの! もう、こんなところで焦らすだなんて、意地悪なんだから」
大丈夫、と、それをリリアは呟いているが、ロゼとしてはどうするべきか。
少年は考え込んで、何かを決めて改めてリリアを見る。
「わかりました。お嬢様が大丈夫っていうんなら、大丈夫なはずですから」
「そ、そう……分かればいいの、分かれば……」
改めて。
ロゼは己のものを、自らによる愛撫と、そしてロゼの舌によって開かれたリリアの膣口へと当てる。
今度こそその時が来たのだと、彼女は身を硬くする、が、ロゼはその頬をそっと撫でた。
「あまり緊張するとかえってよくないらしいですよ?」
「え、ええ……そういうものなの?」
「聞いた話ですけど」
「……わかったわ」
つとめてリリアは力を抜くようにする。
それでも、無意識のうちにどこかこわばっているようで、力の抜け切れていない様子は垣間見れた。
そうかといってこれ以上彼女を慣らすほどには、ロゼも熟達はしていない。
やむなく、そのまま秘裂に押し入るように。腰を突き出して、リリアの入り口をくぐる。
「いきます、お嬢様……!」
「う、ん……っ」
そうして。
ロゼは、今までに一切、誰の侵入も許したことのない場所へと。
正しく聖域とでも呼べるようなその中へ。リリアの膣肉を咲くように、挿入をする。
リリアの唇から押し殺すような吐息が漏れた。
ロゼは、まだそれに気づくことはなく、そのまま突き進む。
「……お嬢様、なんか、凄く、ここ……キツいです」
「そ、そんなの自分ではわからない、わよ……ふ、ぅっ」
まだ、入り口を僅かに過ぎたところである。
それでもロゼの先端は、進むのに大きな抵抗を受けていた。
はじめて、というのもあるのだろうが。それにしても、引っかかるような感触が大きい。
「くあ……ん、くっ」
それでもどうにか進めると、リリアの顔色が変わる。
自然体で置かれていた両手が、シーツを掴むようになっていた。
「や、だ……凄く、これ……ん……」
呻きを漏らした彼女に、ロゼは懸念を覚える。
抵抗を超えて進んでいくと、その狭さがかえってペニスを締め付ける歓待の有様へと変わる。
だから、ロゼとしても強引にでも押し破りたいくらいだったのだが、しかしながら。
リリアが堪えているような目をしているのに気づいて、なんとか欲望を止める。
「大丈夫ですか、お嬢様?」
「だ、大丈夫だけど、ちょっと、予想外にあの……ロ、ロゼのがいっぱいすぎるんだもの……」
「そ……れは、その」
「で、でも、まだそんなに痛くはないわ、まだ……」
そう言うから、ロゼもまた奥へと進む。
と、途中でどうしても進むのに引っかかる、そんな様子が感じられた。
同時にリリアも、シーツを掴む手に力を込めて、体を硬くさせている。
僅かに逡巡したロゼだったが、むしろそのリリアの様子に、思い切ったことを決める。
ゆっくりと進んでいたものを――一気に。
「……お嬢様っ!」
「え、ロゼ……あ、つあああっ!?」
よく鍛錬された腰から繰り出される、痛烈な突き刺し。
それはリリアの儚い肉の抵抗など、簡単に打ち破ってしまう。
「あう、あ、あ、痛……や、すご、うあ、んあっ」
リリアが絶え間のない呻きをあげる。
しかし、今の一撃によって。どうやら。
「……もらいました。お嬢様の、はじめて」
「つう……ん……ん、そ、そうね……そうなのよね……」
ロゼは、リリアのはじめて、を。奪い去ったのだ。
もう少し、奥に進む。
その間もリリアは、打ち破られた痛みを耐えているようではあった。
が、何故だろうか。その彼女の顔が、妙に嬉しそうに歪んでいる。
「んあ……ロゼのがいっぱい、いっぱいになってる……
それに、それに……あ、う、あ……ん、もっと、奥……来て、ロゼ……」
「……はいっ」
そう簡単に痛みが消えるものでもないはずだ。
それでも誘うリリアの言葉のままに、ロゼは奥へと貫いた。
そして。
「ここ、ですね? お嬢様っ」
「ん……ああ、うあ……そう、凄い……わたくし、ロゼに奥の奥まで……ふふっ」
ほんの僅か、ロゼが押し付けた肉襞の先に、異なる感触の部位がある。
そこを擦ると、リリアはもがくような反応をした。
恐らくは、ここが一番奥の場所。彼女の子宮口なのだろう。
「い、一番奥までロゼに侵入されたわ……やだ、なんだかお腹の中が全部ロゼで埋められたみたい……」
「……はあ」
そうして、全てがリリアの中に入ったことで、ロゼのペニスは縦横に締め付けられる。
ただ入っているだけで、動いてすらいないといのに。
狭いリリアの肉壁は、それだけで背筋を駆け巡る電流を生み出すのだ。
「っ……お、お嬢様。本当に大丈夫……なんですか?」
「まだ……痛いわ、凄く痛い……」
リリアの呼吸は荒い。
こういう行為をしているのだから、そうなるのも自然とはいえ、今はそれまで以上の荒さだ。
目元には僅かに涙も浮かぶ。先ほどの号泣とはまた別口の涙か。
「体の中がじんじんとするわ……痛くて、痛くて……もう、たまらないんだから……
でも、でもね? ……ふふっ、ん……だって、これ……」
シーツから手を離して、リリアは自分の下腹部に――
丁度、ロゼのものが貫いている部分をなぞるように、指を走らせた。
「ロゼ……入ってるのよね、ここに……ん……はぁ……」
「はい……っ、俺も、それは間違いなく……」
「……ゆ、夢じゃない証拠だもの、この痛さは。……う、嬉しくてもう……わたくし……」
苦痛をむしろ喜びへと変えている。
そんな彼女の表情に、ロゼは――また、唇を奪った。
「ん、むっ」
「ふあ、ん、んっ」
リリアも、その痛みを変換させてくれるかのように、食らいついてきたロゼの唇、そして舌を貪る。
そして僅かにリリアの気が逸れたのを見計らい、ロゼはゆるやかに腰を引く。
引き裂いた処女肉は、やけにぷりぷりとした質感で、抜かれようとするペニスを撫でさする。
「んああっ!」
それが傷に触れたのか。リリアが、悲鳴をあげた。
その声にロゼは動きを止めようかと考えたが。
「い、いいから……痛いのなんて、当たり前でしょう……?
当たり前でぇっ……も、もう、さっさと……わたくしの中を、慣らしなさい、ロゼ……っ」
「……わかり、ました!」
「そうよ、それで……いあああっ」
はじめてで強引に行えば、痛みが減少するはずもない。
のだが。リリアは、それをむしろよしという。
「さ、最初は痛くても慣れれば平気って、よく言うでしょ、わたくしその程度は耐える……から、うあ、んっ!」
理屈として筋は通っていないこともないが、それにしても無茶ではあろう。
それでも無茶なのはこのリリアの。お嬢様の専売特許のようなものとロゼも承知している。
だから、いつも通りに。彼女の無茶を受け入れるのが、ロゼの役目だ。
そうして少年は答えるように、膨れた亀頭で肉襞をこそぎながら抜いていき――
再び、突き刺す。
「ぐっ、お嬢様、やっぱり狭くてキツいです……」
「そ、そうよ、そうなんだからぁっ……だから、もっと味わいなさい、ロゼぇっ」
それは完全に悲鳴なのだろう。
悲痛さを含んだ声は、そうだとしてもロゼを止めない。
むしろ、勢いづける。
「……お嬢様っ」
「あう、うああ、あっ、痛……も、もっと痛くなさい、今は……痛い分、後で埋め合わせてもらうんだからぁっ……!」
それを受けて。
ロゼは、がむしゃらに動いた。
狭いリリアの膣肉を、引き抜いては突き刺し。貫いて、蹂躙する。
そうして動き続けていれば、当然、ロゼは高まってくる。
「お嬢様っ……お嬢様っ、俺も、凄く……いい感じですっ」
「わ、わたくしの中なんだから、と、当然、よっ……ひあ、あっ」
気づけば、リリアの名kから徐々に溢れる蜜があった。
生理的反応によるものか。苦痛を回避しようと、滑りをよくする為に溢れてきたのかもしれない。
どうあれそれは助けになる。ロゼはそのままリリアを味わって。そして。
「中に……出します、お嬢様……大丈夫なんですよねっ!?」
「だ、大丈夫なの、そう言ってるで、しょっ……だから来なさいっ、来て、ロゼ……来てぇっ!」
そんなことを言われてしまっては、ロゼももう引くことなど出来はしない。
思い切り、奥へと貫き進み。
そのまま、押し付けるように一番奥の部分――子宮口へと先端を置く。
――そして。
「お、嬢……様っ」
「え……あ、うあっ、ふあっ!?」
溜め込まれていたロゼの精液が、一気に溢れ出た。
そして飛び出た先にある。リリアの子宮の奥へと、流れ込んでいく。
「……っ……はあっ」
「あ……ん、ロゼ……ぇ……」
時折、びくんとロゼのペニスが跳ねる。
と同時に、また新しい精液が、ロゼからリリアへと伝えられるのだ。
やがては子を為し、育てるための部分であるといっても、今はまださほど広くもない子宮に、ロゼの精液は充満する。
そして溢れ出て。散々、ロゼによって嬲られた膣内を通って、入り口から僅かに逆流さえ見せる頃。
ロゼとリリアは、ようやく――力を抜いて、折り重なった。
「……はぁ、はぁ……お嬢様」
「ん……ロゼ……」
軽く、キスを交わす。
そうして改めてお互いを見るに、リリアはどこか心ここにあらずという様子で、目線を泳がせていた。
ロゼとしても、射精した後の若干の冷静さで彼女を見ると、なんというか。
「……ロゼ」
「は……い」
「……ロゼ、あの……もう一度だけ聞くんだけど、これって現実……よね?
「そうだと思います……が」
リリアの顔が――ここに来て。
泣き出した時も、そして交わっていた時も見せなかったような。急激な赤色に染まっていく。
「……ロ、ロゼ?」
「はい?」
「ど、どうしましょう、わたくし……ロゼと結ばれてしまったわ!?」
「はあ」
「ねえロゼ、聞いてるの!? ロゼと結ばれたのよわたくし!」
「それを俺に言われても……」
コトが終わってみて。それでようやく舞い上がってきた、らしい。このお嬢様は。
「凄く痛くて、でもロゼは確かにわたくしの中で……ああ……もう……
……ロゼも、わたくしのこと好きなのよね? そう言ったのよね?」
「……はい」
「……ああ〜……」
とてもいい笑顔だ。
ニヤケていると言えば聞こえは悪いが、今のリリアは本当にいい笑顔をしている。
こんな顔を見たのは、ロゼもそうはない――いや、幼い頃にあった、か。
「うふ……ふ……ふふ……」
そんな様子にロゼは引かなくも無い。が、まあ、今まで放置していた負い目もある。
これくらいは可愛いところだと、そう思ってロゼはリリアを見ていた。
「それにしても不思議よね。今だって、こうしてロゼがわたくしの中に入っているだなんて……
……ちょっと、小さくなっているわね」
「出しましたから、それは、当然……」
「……ん……」
リリアが少しばかり、腹部に力を入れてみた。
すると、力を失っていたロゼのペニスに、ざわめく肉襞が撫でるようになる。
「あうっ」
射精直後の敏感な状態である。
そこに不意をつかれて。
「……あうっ……あ、あの、お嬢様、そんないきなり……」
「……今のロゼの顔、ちょっと可愛かったわよ?」
「は……え?」
悪戯めいた瞳で、リリアはロゼの顔を見ている。
それを眺めているうちに。ロゼも。
「……うわ、また、か」
「……ま、またみたいね?」
むくむくと力を取り戻していく。
二人ともそれに気づいて。ロゼは困ったような顔になるが、リリアは目を輝かせた。
「……早く、慣れないといけないんだから。ロゼ、まだ出来るんでしょう?」
「でも……痛いですよ、お嬢様。きっと」
「……それがいいの。何度もしたら気持ちよくなるかもしれないけど……
こうしてロゼので痛みがあるのは、そんなに……き、記念なんだもの、はじめての……」
それは。
ロゼとして、答えずにいられない台詞だった。
滑りは少しだけ良くなっている。
ロゼの白濁で、リリアの中は少しだけ、慣らされたようだ。
それに、緊張もほぐれたのだろう。最初ほどに固くは無い。
それでもやはり、狭さは変わらないままなので。
「……く、う」
ロゼは、なかなか油断の出来ない気持ちで、リリアの膣肉を味わう。
「ん……だ、段々……痛いんだけど、でも……なんとか……ん、んっ」
苦痛の悲鳴が薄れている。
耐える彼女も愛らしかったが、悶える姿も見たいのはロゼとしても当然だ。
最初に激しくしたからこそ、二度目の今はややゆるやかに。
肉襞を擦る速度を落として、優しく交わる。
「ああ……ん……も、もっと激しくしてくれても……いい、のに」
「使い分けてるんです、お嬢様」
「……そ、そう」
念入りに。
ロゼは、腰を動かしながら、時折リリアの唇を奪う。
そうして、彼にとっても余裕が出てきたのか、はだけた胸にも手をやった。
「あ……ロゼ、そこ……」
「……可愛いと思いますよ、それは」
「か、かわいいとか、そう……んっ」
膨らみとしては、やはりそれほどではない。
が、そうだとしてもやはりリリアの乳房は、ロゼにとって愛しい部分だ。
乳首を軽く舐めてやると、それでも彼女は反応する。
「ん……あ、あ……う……」
そうやって、あらゆる要素でリリアを嬲ってやっているうちに。
よくなってきた反応を見計らい、ロゼは腰の動きを強める。
「ひぁ……また、ロゼ、わたくしの中にっ……こんなに固くて、熱くて、やあ……」
感じる余裕も出てきたようだ。
それでこそ、ロゼも気力が高まるというもの。
徐々に徐々に力を込めていって。最初のような激しさになる頃には――
「んあ、うあ、あ……これ、知らないわ、ロゼ、何……わたくし、き、気持ち、いいみたいっ」
「よしっ……!」
効果は確かに発揮された。
最初の激痛と、二度目の緩やかな愛撫のギャップがこれを育てたのだろうか。
あるいは、リリアがはじめから、ロゼを受け入れる心構えを全開にしていたのもあるのかもしれない。
いずれにせよ、リリアは感じ始めている。
「お嬢様……この調子で、いきますっ」
「ん、お願い、ロゼ……痛みも気持ちいいのも、みんなちょうだい、ロゼっ」
リリアの膣肉に、更なる蹂躙を行う。
時折、奥を小突くように小刻みに動いて、彼女の子宮を揺さぶる。
「ふぁぁ……あぅ、ああ……」
リリアの口からよだれがこぼれた。
それを見て、ますますロゼは昂ぶっていく。
「くはあ、ロゼ……ぇ、ロゼ、わたくしの中、どう……ロゼは、いいの……?」
「……当たり前です、お嬢様っ!」
「う、嬉しっ……ひぅあ、ああっ!」
絡みつくには膣肉だけではない。
気づいてみれば、リリアの両足がロゼのにまとわるように動いている。
同時に。為されるままだったリリアの腰も、ロゼが押し付けるのと同期して、少しだけ動いている。
「お嬢様もっ、俺と一緒に……してます、ねっ」
「あ……う、ん、わたくしも、わたくしもっ……はあ、ひあ、あうっ!」
激しい抜き差しによって、先ほどの精液がリリアの膣口から溢れ出る。
そこからは、純潔の証たる赤も毀れていたが、二人には目に入らない。
それよりも今もなお。処女を奪われた直後のこの時でさえも、存分に精を受けようと、リリアは身を任せる。
そんなけなげな思いの甲斐あってか、やがてロゼが呻きヲ漏らすとほぼ同時に――
「……ま、また、お嬢様っ、出します……っ」
「ん……そう、もっと、もっと来て、ロゼ……また、わたくしのなか、いっぱいにして、ロゼぇっ」
「……っ!」
「んあ、わたくしも……ひう、ふあっ!」
溢れ出る愛液と、そして激しい前後動によって前の精液が排除されていた。
その膣奥に。再び、ロゼは自らの種を吐き出す。
「……ぐ、うっ」
「や、はあっ――また、またなの、ロゼが、また、来てるのぉっ……!」
ぴたりと、子宮口に押し付けられたペニスの先端から。
まだまだ勢いを失わない精液が、リリアの子宮を穢して染める。
体中、あらゆるものが満たされる感覚に、リリアは途方もない幸福を得ていた。
……流石に、今度はロゼも疲れたようだ。
リリアからゆっくりと離れて、その横に並ぶ。
「あ……あ……」
そのお嬢様は、まだ夢見心地らしい。
乱れに乱れた様子を隠すこともなく、陶然と呼吸を整えている。
ロゼにしても、さして変わるものではない。
全て吐き出した虚脱から、ただぼんやりと天井を眺めていた。
少しの時間が過ぎる。
先に口を開いたのは、ロゼの方だった。
「……結局。二回目も中でしたけど……その、大丈夫という……」
まだ気にしているらしい少年の言葉に、リリアはようやく現実へと帰ってきて。
そして、やはり嬉しそうな顔で、その言葉の主を見つめる。
「ええ、大丈夫よ、ロゼ。わたくしがお願いすれば、お父様だって認めてくださるはずだもの」
「……は、あ」
なんとなく――ロゼは、多分。こうなる予感はしていた、ような。
「赤ちゃんが出来たって……もちろん、大丈夫なんだから……」
「……そっちの大丈夫ですか」
「そうよ?」
にこにこと――ここまで邪気の無い笑顔のお嬢様は、そうは見ないとロゼは思う。
そしてまた。
「そっちの大丈夫なら……わかりました。俺もそれならもう、いくとこまでいきます」
「……な、なんだかかっこいいわね、ロゼ……?」
ふう、とロゼは息をつく。
そして、また。リリアの上に覆いかぶさる。
「え、ロゼ……?」
「……ええと、まあ、俺もあの。光の祝福ありますから」
「あ、ああ、復活するあの……」
既にロゼは臨戦態勢である。それに気づいてリリアは頬を染めたが、また目を閉じる。
「……次も気持ちよくなさい、ロゼ」
「……わかってます。それに、どうせこうなるなら……」
一気に――ロゼは、リリアを貫く。
「ん、ふああっ!」
「この際今日中に子供作るくらいはやりますっ!」
やけを起こした――のかなんなのか。
ある意味では幸せそうな二人ではあった。
「んは、うあ、もっと……まだちょうだい、ロゼぇっ」
「ぐうっ……いきます、お嬢様!」
ロゼの上にまたがって腰を振るリリアに向けて、一気に精を打ち出す。
それで悶えるリリアを、間髪をいれずにロゼは貫く。
……そんな繰り返しが、もうどれくらい過ぎたのか。
ベッドの上は、二人に体液の混ざったもので散々な様相を呈している。
そしてロゼにしても、復活するのは一度のはずではあったのだが――
見るに、部屋の中には飲み干されたエリキシル剤やら、漁船モリローやら……
錬金術の粋を尽くしてまで、このような状況となっているらしい。
「……う〜ん。やっぱり、人間の若い頃って暴走する時はしちゃいますね〜」
扉の隙間から伺っているのは、ウィムであった。
忍び込んだリリアがいつまで経っても帰ってこないので見に来てみれば、これである。
「まあ、お嬢様もロゼさんも幸せそうですからね。これでめでたしめでたしではあるんですけど」
そう言いながらも、ウィムはじっと二人を見つめている。
部屋の扉がこうして少し開けられてるなら、ロゼであれば通常は気づきそうなものだ。
が、そうでないくらい没頭している、と。
「……に、しても、私いつまでこうして見てればいいんですかね。
参加する訳にもいきませんし。……いや、それはそれでアリなんでしょうか?
う〜ん……」
困っているのだかなんなのだか、なウィムであったそうな。