「……何をしているのですか、マルローネさん」  
クライスがアトリエのドアを開けると、輪の形に結んだ生きているナワを  
両手で持ち、椅子の上で危なっかしくバランスを取っているマルローネがいた。  
「あ、クライス。丁度良かった、あんたにお別れの挨拶を。ばいばい」  
悲しそうな顔で手を振ってみせる。  
「はあ? 何を言っているのですか、あなたは」  
使いっぱなしの機具機材、錬金術の材料や参考書が散乱しているほこりっぽい  
部屋の中を、器用に足場を探しながらマリーに歩み寄る。  
「あんまりに研究が進んでないからって、今週中に高レベルのアイテムを作って  
 提出しないと問答無用で落第だってイングリド先生にお説教されたの。でも  
 あたしには無理よ、もう死ぬしかないんだわ」  
「いいから椅子から降りて下さい、首を吊る前に椅子から落ちて骨でも折ったら  
 どうするつもりなんですか」  
「あっ、そうか。危ないよね」  
死ぬ前に骨折の心配をするのも変だとは思ったが、マリーは素直に椅子を降りた。  
そもそもマリーが本気で自殺などする訳ないとは分かってはいるが、クライスは  
その様子を見て安心する。  
「それに何も死ぬ事は無いですよ。高レベルなアイテムの作り方だったら  
 私がアドバイスできます。それを聞いてからでも遅くない」  
「本当? クライスってイヤミな奴だけど、こういう時には優しいよね!」  
バカにされているようにしか聞こえなかったが、マリーにしてはかなりの  
褒め言葉だった。  
 
「まあ、もちろんタダと言う訳にはいきませんが」  
「あ、やっぱり裏があるんだ」  
がっくりと肩を落とすマリーを抱き寄せ、彼女が手に持っていたナワを椅子の  
背もたれに放る。  
「もちろんですよ。情報を得るにはそれなりの対価が必要です。まああなた  
 みたいな貧乏暮らしをしている人からお金を取ったりはしませんが」  
「んっ……!」  
いきなりのくちづけに一瞬身をよじったマリーだったが、やわらかなくちびるの  
中に尖らせた舌を滑り込ませるとすぐに大人しくなる。  
「だ、だからって、何?」  
すでに固くなっている中心をわざとらしく擦り付けてくるクライスの目的は  
分かっていたが、マリーはあえて理解できないふりをする。  
「私なりに満足できる情報料を頂いたら、あなたに有益なアドバイスを  
 差し上げようと思いましてね」  
「あっ」  
マリーの耳元に手を伸ばすとそこを軽くくすぐる。指を滑らせマリーのたわわな  
乳房を手のひらで覆うと、その弾力を楽しんだ。  
「何するのよ」  
マリーの頬は赤く染まっているが、クライスの手の動きは拒まない。  
「課題の提出が今週末と言う事ならあまり時間もありませんよね。すぐに  
 済ませますから大人しくしていて下さい」  
「すぐに済ませるってそんな言い方、ん……」  
首を傾けた深いキスに抵抗できず、マリーは目を閉じた。  
 
「相変わらずいやらしい胸ですね」  
「あんまり見ちゃ、やぁ」  
ビスチェを下ろし、ぷるんと弾む乳房の中心ですでに固くなっている乳首を  
指の先でいじり回す。  
「そもそもこんな布の少ない服でこんなに大きな胸を隠そうと言うのが間違い  
 なんですよ。隠すどころか余計に扇情的に見えます」  
マリーの肉体は自分の物だと分かっているからこそ、街の男達の視線を釘付けに  
するような服装は気に入らない。その反面、自分に媚びる美事な雌肉をあえて  
他人に見せつけたい衝動に狩られる事もある。  
「意地悪言わないでよ、クライスのばか」  
立ったままで愛撫を与えられ続け、足の力が全て抜けてしまいそうだった。  
それを隠す為に出てしまう強がりだったが、震える声では説得力がない。  
「胸を触られた程度でおもらしするような人に言われたくありませんね」  
「おもらしなんかしてないわよ」  
「そうですか? ……おや、ではこれは何でしょうか」  
腰布を払いのけ、スパッツの上から股間を指でなぞる。  
「ぐっしょりですよ」  
肌にぴったりとフィットしている布の上に染みだしている水分を指の先に感じた  
クライスは、わざとマリーの瞳をのぞき込んだ。  
「そ、それは」  
目をそむけるマリーにもう一度キスを与えると、クライスは先ほど彼女が  
踏み台代わりに使っていた椅子に手をつかせた。  
 
「何するの?」  
腰を曲げ、クライスにおしりを突き出した格好。  
「このまま焦らしてもいいんですがね。今は時間が無いのでしょう?  
 することをさっさとしてしまわないと」  
「さっさとってそんな言い方、きゃあっ」  
後ろからスパッツを引き下ろされる。  
「おや、もう少し濡らしておく必要があるかと思ったのですが、そんな手間は  
 いらないようですね」  
むっちりとした肉の中心には粘ついた愛液がたっぷり滴っている。  
「知らないわよ、そんなの」  
恥ずかしさのあまり、マリーの言葉には泣き声が混じっている。  
「本当はもっとゆっくり楽しみたいのですが、今は仕方がないでしょう」  
やれやれとため息を吐きながら、一瞬でも早く彼女を貫きたいと怒張している  
ペ○スを取り出し、彼女の割れ目に先端を当てる。  
「行きますよ、マルローネさん」  
「ん」  
くちゅくちゅと愛液を先端に絡ませてから、中心を探り当ててゆっくりと腰を  
押し出していった。  
「あ……!」  
指や舌でほぐしもしていないのに、マリーの粘膜は嬉しそうにクライスの肉棒を  
飲み込んでいく。  
 
「ああ……、っ」  
「マルローネさん、そんなにおしりを振らなくてもちゃんと入れてあげますよ」  
「だって、きついの。変な感じがして、んんっ」  
クライスの侵入を待ちきれず、マリーがくねらせた腰を押し付けてくる。  
太ももの下に絡まったままのスパッツが邪魔をして満足に足を広げられない  
状態でクライスのペ○スにごりごりと内壁を擦られるのがたまらないらしい。  
「うあっ、クライスの何だかいつもより大きいよ。太くて……、ねえ、もう  
 立ってられないよ」  
「私がいくまで我慢して下さい。途中で座り込んでしまったらアドバイスは  
 無しですよ」  
「ううっ」  
マリーは椅子についた腕をまっすぐに伸ばし、肩に力を入れてこみ上げて来る  
快楽に耐えようとしていたが、  
「あ、も、もうダメえっ」  
後ろからぱんぱんと腰を打ち付けられ、好き勝手に胸を揉みしだかれてたまらずに  
嬌声を上げる。  
「気持ちい……、気持ちいいの。そんなにされたらいっちゃうよ」  
立っていられないと言ったばかりなのに、自分から浅ましく腰を振り出す。  
「いいですよ、いっても。ただし、座り込むのは許しません」  
「ううっ、ひどい、ひどいようっ」  
くびれている腰をつかみ、彼女が好きな角度で突き上げてやると新しい愛液が  
溢れ出し、つながっている部分がにちゃにちゃと音を立てる。  
 
「いく、いくの、クライス好き……、んんっ!」  
汗の滲んだ身体をぶるぶると震わせながらマリーが登り詰める。  
「私もいきますよ。一番奥で味わって下さい、マルローネさん」  
達する時に彼女が自分の名前を呼んでくれた嬉しさと、男の精を欲しがって  
貪欲に締め付けてくる動きに耐えきれずクライスも中で弾けてしまう。  
「ん、んっ、全部……、全部ちょうだい。好き、クライスの」  
どくん、どくんと一番奥に熱い迸りを叩き付けながら、クライスはマリーの  
甘い声に酔っていた。  
 
「で?」  
「はい?」  
身支度を整えたマリーが照れ隠しの混じった目でクライスを軽く睨む。  
「どうしました?」  
「何とぼけてんのよ、アドバイス」  
「ああ。おや、どうしました? マルローネさん」  
落ち着かなそうに腰をもぞもぞさせているのはまだ残っている情欲の為か、  
それとも奥から精液でもこぼれ落ちて来たのか。  
「何でもない。それより早くアドバイス教えてよ」  
「そうでしたね。『転ばぬ先の杖』。分かりましたか?」  
「……は?」  
きょとんとするマリーの前でクライスは大げさに首を左右に振ってみせた。  
 
「この程度の言葉も分かりませんか。『後で困らない為にはあらかじめ準備を  
 しておくのが大切』という意味ですよ」  
「い、意味は分かるわよ、さすがにそれくらいは。そうじゃなくてあたしが  
 イングリド先生に叱られないようにアドバイスくれるんじゃないの?」  
顔を真っ赤にしているマリーにクライスは涼しい声で答える。  
「その件に関してはもう手遅れでしょうね。そもそも教師をそこまで怒らせる  
 前に手を打てば良かったのです。私のアドバイスは落第したあなたの今後の  
 人生の参考として……」  
「うきーっ!」  
マリーがばたばたと振り回す腕に当たらない位置までクライスは退いた。  
「具体的な解決策として、あなたの手持ちの材料で調合できる一番レベルの  
 高いアイテムのレシピを教えて差し上げてもいいんですが」  
そのまま背もたれにかけられたナワに目をやる。  
「いいけど何よ」  
「その分の情報料は別料金で。もちろんアイテムが出来てからの後払いで  
 結構ですが」  
「うっ……」  
もちろんマリーは彼に従うしか無かった。  
 
(おわり)  
 
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!