夜遅くまで、錬金術の勉強をしていたフェルトとヴィーゼ。  
「ん〜……今日はこのくらいにして寝よっか」  
「そうだな……もうイリスも寝ちゃってるし……」  
「そういえば、だいぶ前に眠い眠い言ってたもんね」  
「今頃上で、爆睡中だろうな……」  
 少し2階の様子を気にする2人。  
 実験をする音はおろか、足音すら聞こえない。  
「……その……久しぶりにしよっか?」  
「そうだな……最近はイリスが夜遅くまで起きててできなかったし……」  
 そういうと、2人は服を脱ぎ、その行為を始めた。  
 ちょうどその頃2階では……  
「う……う〜ん……おしっこ……」  
 トイレに行きたくなったイリスがたまたま起きてしまった。  
「……あれ? お姉ちゃんもお兄ちゃんもいない……」  
 目をこすりながら、トイレのある1階へ向かいイリス。  
「……あれ、お姉ちゃんとお兄ちゃん、何してるんだろう?」  
 階段から、気づかれないように覗くと、裸になった2人が、まだイリスの年齢で走ってはいけない行為に走っていた。  
(……なんだろう……で、でも2人とも気持ちよさそう……)  
 イリスは、トイレに行こうと思っていたことも忘れ、その行為を目を輝かせながら見続けるのであった。  
 
 
翌日フェルトたちが住む家。  
 今日は朝早くからヴィーゼが町に出かけたため入りすとフェルトが2人でお留守番だった。  
 今は、朝ごはんを食べているところである。  
 フェルトが作れるものは簡単なものだけなので、サンドイッチと紅茶しかテーブルには並んでいなかった。  
「あのね、お兄ちゃん……?」  
「なに?」  
 イリスは思い切って昨日のことを聞くことにした。  
「昨日の夜、お姉ちゃんと何やってたの?」  
「……っ!!?」  
 フェルトは驚きのあまり飲んでいた紅茶を噴出し、咳き込んだ。  
「み、見てたのか?」  
「2人とも取っても気持ちよさそうだったから……イリスもしたいな」  
 満面の笑みを浮かべフェルトを見るイリス。  
「あ、あーゆーのは、好きな人同士でやるものであって……」  
「お兄ちゃんはイリスのことが嫌いなの?」  
 涙目になるイリス。  
「……いいか、ヴィーゼにはナイショだからな。とりあえずまずは服を脱いで……」  
「わかった」  
 また満面の笑みになるイリス。  
 これからどんなことをするのか分かっているのだろうか。  
「脱いだよ!」  
「よーし、それじゃあ……」  
「ただいま……って、フェルトとイリスちゃん、何やってるの!!?」  
 ある意味グッドタイミングで帰ってくるヴィーゼ。  
「ヴィ、ヴィーゼ……これにはわけが……」  
「フェルトのへんたーい!!!」  
 こうしてフェルトのほっぺたには真っ赤な紅葉が咲きました。  
 結局、イリスの初体験はまだまだ先になるのでした。  
 

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