真紅のアゾットを所持する男との2度目の対決。
私たちはまた、やつを逃がしてしまった……。
しかも、シルムシルトのリーダー、マックスはアゾットの術により石化してしまう……。
そして、彼が石化する際に、私に告げた言葉……。
「そんな……急に信じられるわけがない……」
私が……スレイフ王家の者だなんて……。
確かめたかった……。
一刻も早く……。
正直……怖かった。
女王になることよりも……。
フェルトと一緒にいられなくなるかもしれないことが……。
「……ィー……フィー、聞いてた?」
「あ、す、すまない……何の話だった?」
アルテナ教会に向かう私とフェルト。
フェルトは、真実を確かめたい、と無茶をいう私に一人ついてきてくれたのだ。
「……いや、フィーは女王様になるのがいやみたいだったけど、何でかなって思って……」
少しだけドキッとなってから、いつもどおりの口調で答える。
「女王なんかになっても、うれしいことはないし、それに……」
女王は好きな相手とも結ばれることはできない……。
まして、別の世界の住人なんて……。
「それに?」
「なんでもない……いくぞ」
照れ隠しにずんずんと歩き出す。
「なぁ、フィー……」
「なんだ、まだ何か言いたいことでもあるのか!?」
なぜかイライラをフェルトに当ててしまう。
本当に……私はひどいやつだ。
「俺は女王様になってもフィーはフィーのままだと思うけどな……」
「……」
その言葉を聞いて、ほんの少しだけ心の積荷が落ちるような気がした。
「そう……だな」
「だから、何も心配しなくったっていいと思うよ」
彼は、そう笑顔で言ってから、また歩き始めた。
その日の夜。
もうすぐアルテナ教会というところまで来ることができたが、夜の森は危険だ、というグレイの教えに習い、今日はキャンプをすることにした。
「……」
フェルトは日記のようなものに、エデンで彼の帰りを待つ少女、ヴィーゼへのメッセージを書いているらしい。
「ふぅ……こんなところでいいかな……」
「……なぁ、フェルト……」
2人きりということもあって、つい声をかけてしまった……。
恥ずかしいが、いつかは聞かなきゃいけないことだ。今、聞くしかない……。
「……その……ヴィーゼって……フェルトにとってどんな存在なんだ?」
我ながら、見事に遠まわしな質問だ。
「……大切な家族……かな」
「そ、そうか……」
顔を真っ赤にしてうつむきながら答える。
「でも……」
「……?」
フェルトは少し間をおいて、話してくれた。
「フィーも大切な家族なんだけどな……」
「……え?」
あまりに突然の、そして自分の中で最もうれしい発言に彼のほうを思いっきり見つめてしまう。
「……フェルト、それじゃあ……その……私とヴィーゼ、どっちのほうが大切なんだ?」
「え?」
単刀直入に言ったすぐ後顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
何を言い出しているんだろう、私は……。
「やっぱり、今大切なのは……」
「……」
そこで少しの間が入り、私の心臓は壊れるんではないかと思うくらい高鳴る。
「フィー……かな」
「ほ、ホントにか!?」
「う、うん……」
あまりに突然大声を出した私にびっくりしつつ答えるフェルト。
「だって、大切な家族である前に、フィーはオレの好きな人だから……」
優しい笑顔で私のほうを見るフェルト。
いつも、笑顔をいろいろな人に向けているフェルト。
でも、それはいつもの笑顔より、もっとやさしく感じられる笑顔だった。
「なぁ、フェルト……」
「なに?」
「フェルトは、もしもエデンを完全に修復させて、この戦争が終わってしまったら……どうするんだ?」
今までずっと聞きたかったこと。
2人きりになって、そしてくらいテントの中で横になった状態でフェルトに語りかける。
火も、いつの間にか消えてしまっていて、そのときのフェルトの顔は、私には見えなかった。
「やっぱり、エデンに帰ろうと思う。いつまでも、錬金術師がこの世界にいるわけには行かないからな……」
「だったら!」
上半身を起こしながら、叫ぶように言う。
「だったら……今、もっと私のことを……愛してくれ……」
涙がぽろぽろと流れ落ちる。
きっとフェルトにはその涙は見えていないのだろうが、この声の振るえで、ないていることに気づかれているであろう……。
(何、わがまま言っているんだろうな、私は……)
そう思っていたときに、一度燃え尽きていた火がもう一度燃え上がった。
フェルトが、火のマナを使ってつけたか、道具を使ってつけたかであろう。
「フィー、泣かないで……」
「……」
フェルトは、私のことを抱きしめてくれた。
フェルトの胸の中は大きくって、暖かくって……。
「フェルト……」
「フィー……」
少しの間、見つめあった私たちは、口付けを交わした。
「その……ホントに俺なんかでいいのか?」
「それが以前、湖で私を襲った男が言う台詞か?」
下着姿になった私を見たフェルトが言った言葉を聞いて、小悪魔のような口調で答える私。
「ところでフィー、今日は先にトイレ行かないでも大丈夫?」
「う、うるさい!」
仕返しとばかりのフェルトの言葉に顔を真っ赤にして答える私。
後、どれくらいの間、こんなやり取りができるのか……。
そう思うとつらくなってくる……。
モアしかしたらその気持ちを紛らわすために、こんな行為を始めたのかもしれない。
「フィー、もう濡れてるぞ……」
「お、お前がそんななってじっと見つめてくるからだろ!」
「でも、いやじゃないんだろ?」
「……〜っ」
フェルトは顔を真っ赤にして頭の上で湯気を立てている私の陰部を下着越しになでる。
「あっ……」
「下着、もうグショグショだよ」
「……お前だって、勃ってるの見えるぞ」
「お互い様だな……」
そういうとフェルトは私の下着を脱がし、じかに舌で愛撫をする。
「ひゃんっ……」
「相変わらず敏感だな……」
「うるさい……そういうお前はどうなんだ」
私はフェルトのズボンと下着をを下ろすと彼のモノを舐める。
「ふ、フィー……誰にこんなこと教わったんだよ」
「この間、ポウが持っていた本に書いてあった……」
ちなみに、その本を読みながら、フェルトと自分のそれをする姿を想像しながら自慰をしたことは内緒である。
ペチャクチャと私が彼のモノを舐める音が続き、どんどん大きくなっていく彼のモノはそのときの想像以上のものであった。
(大きい……こんなの私の中に入るのか?)
そう思ったそのときだった。
「フィー、出る!!」
フェルトのモノが白く苦った液体を私の口の中にぶちまけたのは。
「んぐっ!」
驚いたすぐ後、それが喉のあたりにたまる。
とてつもなく苦しい感覚だったが、何とかすべて飲み干した。
「これ、飲んでも大丈夫だったか?」
「絶対に全部飲まなければいけないと、本に書いてあったから……」
息が整わず、はぁはぁ言いながら答える。
「そろそろ……いれてくれ……」
「……わかった」
私の陰部のところにフェルトのモノが押し当てられる。
いつかの湖のときと違いすんなりとフェルトのモノを受け入れる私の陰部。
「んっ……」
「痛かったか?」
「……へい、き……あっ!」
どうしても声が漏れてしまう。
でも、痛くて声を漏らしているのではなく、気持ちよくって声を漏らしているのだ。
「フェルト……フェルトォ……」
「フィー、俺たち、今つながってるんだな……」
「うん……うれ、しい……」
陰部の中でフェルトのモノが擦れるたびに大きく体が揺れてしまう。
「もう……イきそう……フェルトッ……!」
私は少し早く絶頂を迎えてしまう。
「俺も、もうっ!」
ドクッと腹の中に熱い感覚が広がる。
「はぁ……はぁ……」
「……中にだしたな……」
「ご、ごめん……」
14歳とはいえ、中に出されては妊娠してしまうかもしれない。
でも……。
「でも、これで子供ができれば、お前と私の愛の形が残るんだから、それでもいいがな……」
「……そうだな」
私たちは、体をきれいにしてから服を着なおすと二人並んで眠りについた。
そして、その日からも何度か、フェルトとそういう行為を交わしていたが、ついに運命の日が来てしまった。
「このままエデンに帰ろうと思う」
「そうか……寂しくなるな」
「ヴィーゼにもよろしくね」
「あぁ」
ついに戦争が終わりフェルトは仲間たちと別れを告げる。
「フェルト……」
涙があふれそうになり、声も出なくなってしまう。
「フィー、フェルトを困らせるものではない」
「……」
グレイに言われるが、涙はこみ上げてくるばかりだった。
そんな姿を見せたくなくて、彼がいるのに、別れも言わず自室に走る。
「フィー」
「……」
部屋の前に、彼がいるのが分かったが、答えようとは思わなかった。
「入るよ……」
「……」
フェルトは泣いている私のところまで来ると静かに口付けをした。
「……フェルト……行かないでくれ……フェルトがいないと……私は……」
「大丈夫。きっとまた合えるから……」
「……絶対、だぞ……もし、帰ってこなかったら……」
「大丈夫だよ、絶対会いにくる」
「……」
「それじゃあ、さよならじゃなくて……また会おうな」
「うん……」
それから大体1ヶ月が過ぎた頃だった。
彼の世界、エデンの住人ヴィーゼに出会ったのは……。
それはまた、いつか話したいと思う……。
続く