その日はミルカッセとクライスさんとのパーティ(万年金欠な私たちには欠かせない)でヘーベル湖へと採取に行っていました  
マリーさんは彼女が受けた依頼をやっちゃうからといって工房に残りました  
正直クライスさんは最初苦手だったのですが、錬金術のことも聞けばちゃんと教えてくれるし、  
頻繁に採取に行くうちに会話も増えていきました  
ミルカッセはアカデミー時代から急な採取でも快く来てくれるし、ありがたいです  
ホントはルーウェンに頼みたいんだけど錬金術士の護衛で忙しいみたい  
ルーウェンとは、つきあおうと言われて合間をみては逢瀬をしている間柄でした  
間柄でした…あの光景を見るまでは  
 
採取を終えて、ミルカッセと教会で別れてクライスさんと工房に戻った時、工房がめちゃくちゃになっていました  
「マリーさん、失敗したんでしょうか…」  
今回は派手に散らばっているので心配でマリーさんの安否を確認しようと部屋に踏み込もうとした時  
「エルフィールさん待ってください」  
後ろからぐいとクライスさんの方へ引き寄せられ、何事かとあわてふためくとハンカチで口と鼻を覆われ工房の外にだされた  
「魅了の粉の調合をしていたようですが充満している」  
クライスさんは私の顔を覗き込むと魅了されていない…言うと、粉を吸い込まないように、窓を開けはなった  
一階にはマリーさんの姿はなかったので、私が先に二階にあがり  
物音がしたのでドアを開けると裸で抱き合うマリーさんとルーウェンの姿が目前に飛び込む  
絡み合うマリーさんの豊満な体と、ルーウェンの体  
 
もちろん正気ではなく、魅了の粉の影響だとはわかるんだけど、ショックで私は膝の力が抜けてがくりとへたり込んでしまった  
 
「どうした」  
と、少し遅れてあがってきたクライスさんはこの状況を見たものの、持っていたズスタフ槍の水で二人を眠らせる  
「気持ちは分かるが服を着せるのを手伝ってくれませんか?」  
私はマリーさんを、クライスさんはルーウェンの服を着せた  
 
「大方、マルローネさんが魅了の粉を作って失敗したものの効力が強すぎて充満したところ彼が運悪く入ってしまったんでしょう」  
「朝には効果が切れているはずですから」  
淡々とクライスさんは言うと黙々と片づけてる  
私も割れたガラスや飛び散った薬剤を片づける  
クライスさんも、私も終始無言で片づけ終わる  
 
「あの…片づけまでしてくださってありがとうございます」  
後ろを向いたままのクライスさんに言うと  
クライスさんは自分の服をはたきながらこちらをむく  
「散らばった部屋をそのままにして帰るほど無神経ではありませんから…それに貴女…」  
私の顔を見て言いかけた言葉を続けないまま、また背を向け  
「彼を宿屋まで連れていきますから…念のために言っておきますが、  
魅了の粉を浴びたときの記憶はないので」  
ルーウェンを肩に担いでそのまま言った  
 
「…大丈夫ですアカデミーで習いましたし、わかっています」  
私だってもう20歳すぎたし、そういう配慮だって聞かなくたってわかるのでそう答えた  
それを聞くとクライスさんはルーウェンを連れて工房を後にしました  
 
翌朝、マリーさんは何事もなく目覚めました  
「ごめんエリー!失敗して爆発させたみたい片づけしてくれたんだねホントごめん」  
申し訳なさそうなマリーさん  
記憶も残っていないようだった  
「工房入ってすごかったから心配しましたよ」  
心配かけまいと笑顔で答える  
 
でも不慮の事故とはいえ、マリーさんと顔あわせるのは辛いなぁ  
ルーウェンとも…  
 
「残りの魅了の粉私作っておいたんで飛翔亭に置いてきますから」  
半ば逃げるように工房をでた私  
飛翔亭で、依頼の品を渡すとルーウェンの姿が見えたけど、気がつく前に外にでてしまう  
ずっとこのままって訳にもいかないのに…  
 
気がつくと、アカデミーに足が向いていた  
階段を上り、着いたのはクライスさんの部屋  
ノックをすると  
「どうぞ」と声がした  
鍵はかかっておらず、ドアを開けると、クライスさんは法衣を脱いだ下の服のままで、メガネは外されていた  
私は意を決して口を開く  
「あの…記憶を消せる薬ってあるんでしょうか…」  
突飛な質問だったけど、だまって聞いてくれている  
昨日もそうだったけど、どうして平然としていられるのかな  
「クライスさんはなんで冷静でいられるんですか?  
仕方のないことだってわかっているけど…私は…  
ごめんなさいクライスさんにぶつけたって困りますね…」  
今までだまっていたクライスさんの口が開かれた  
「記憶を消す薬は難しいですね  
都合良く忘れたいことだけを消すなんて  
失敗したらすべての記憶が消えてしまうことだってあるでしょう  
 
…それに私とて冷静ではないですよ、今だって調合に失敗したところです」  
ヒビの入ったメガネを置くと、クライスさんはゆっくりとこちらに来た  
 
「エルフィールさん…昨日の事忘れたいですか…?」  
不意に抱き寄せられて、唇を奪われる  
片手は髪をかきあげもう片方の腕は私の腰に  
突然の事に放心状態になっていると  
ぬるっと舌が入って私の舌に触れる  
「んっ…」  
頭を離したいけど頭を押さえられて離せられない  
脇にある仮眠用の簡易ベッドへと倒される  
身をよじってあらがうが両腕を押さえられ、足ものしかかられ抵抗できないぎゅっと目を閉じる私  
「忘れないのなら忘れさせてあげます」耳元でそう言われる  
くすぐったいような甘い囁き  
閉じた目を恐る恐るあけると銀髪から覗かせるクライスさんの目  
眼鏡を外すと目つきがきついと思ったけど今は優しげな眼差しを私に向けていた  
視線がぶつかってしまい思わず抵抗を緩めてしまうと、耳に湿った感触がする  
舌が耳を這って耳の穴を犯す  
「ぁあっ!」  
直接聞こえるイヤラシげな音と何とも言えぬ感触で思わず声が漏れる  
耳からおりて、首筋を伝っては軽く啄むようにキスをする  
感じてしまい、私は思わずクライスさんにしがみついてしまう  
「あ…ごめんなさい」  
なんだか恥ずかしくなって手クライスさんの首にまわしたをぱっと離す  
 
「かまいませんよ」  
そういうと、クライスさんは私の法衣を全部取り去り、自身の着衣を脱ぎはじめていた  
服着ていると、か細い印象があるけど、意外に筋肉がついている  
そういえば冒険に行っているときもグラセン鉱の杖を片手で軽々振り回しているし  
 
その腕で私を抱きしめ、  
胸をつかみ、もみしだくと指で突起をつまみあげ、もう片方を舌で転がす  
満遍なく膨らみにキスを降らせ、手は徐々に下にのびていく  
抵抗していたことが嘘みたいに私は自ら足を開く  
「触る前からもうこんなに濡れていますよ」  
愛撫で熱くなった私の中心はクライスさんの指を難なく受け入れる  
肉壁を擦るように指が動くと、奥から蜜があふれ出てくる  
「ひぃ…あっ」  
ぬめりの着いた手で芽に触れると痛いような強い快感に仰け反ってしまう  
クライスさんは脚の間に顔を埋め、芽を舐めては吸い上げ、器用にも指はリズミカルに肉壁を刺激する  
「ぁ…あぁ クライス…さ…ん」  
押し寄せる快楽に耐えようと太股でクライスさんの頭をぎゅっと挟み込み脚はびくんびくんと大きく震え放心状態になる  
 
「イきましたか?」  
後から波のように押し寄せる余韻に、問われた答えにやっと頷く  
クライスさんは僅かに微笑むと、クライスさん自身を当てがった  
それは蜜が滴る花弁を押し分け奥まで埋まっていく  
「ん…っあ」  
ゆっくりとした腰の動き、先ほど達してしまったので一突きするたびに感じてしまう  
突きながらも芽を刺激するので膣がクライスさん自身をぐいぐい締め付けるのがわかる  
「だ めぇ…ああっあんっ」  
抜き差しされ肉壁を擦るたびごりごりとカリが中を引っかく  
「エルフィールさん…イきますよ」  
クライスさんは息を切らせながらピッチがあがっていき、小さく呻くと中から引き抜き私のおなかの上に放った  
 
気がつくと寝てしまっていた  
腕に触れる温かい感触はクライスさんで、二人とも裸で寝ていた  
ゆっくり起きあがると、クライスさんも気がついて身を起こす  
「あ…すみません、起こしてしまって」  
私はそう言うと、身なりを整えはじめる  
日は傾いて少し肌寒い  
「一番忘れたかったのは私のほうだったのかもしれません」  
ぽつりと、哀を帯びた表情でクライスさんはつぶやいた  
私は身支度の手を止めクライスさんの方へ向き直る  
「私はクライスさんと、こうなってしまった事、後悔していませんよ」  
まっすぐ目を見つめる  
 
クライスさんは私を抱きよせると深く口づけをした  
 
 
終わり  
 

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