「ごめん、もうちょっとだけ待って!」  
パン、と両手を顔の前で合わせて『お願い』の仕草をする。  
ガヤガヤと騒がしい街の中であってもよく通るその大きな声は  
その明るく朗らかな性格を現しているかのようだ。  
「え〜〜、またかよ?前回の護衛料もまだ貰ってないのに!」  
とんがり帽子のような可愛い屋根を携えた一軒家の前で  
男は腕組みをすると、懇願する彼女に膨れっ面を返した。  
まだ幼さの残る少年のような面立ちだが、頬に残る傷が  
彼を勇敢な戦士に見せている。  
「今日取ってきた材料で依頼されたものを作れば、お金できるから!  
 ね、だからお願い!後少しだけ!」  
その女の子はひたすら下手に出て拝み倒している。  
まるで神様に最後のお慈悲を戴くかのように。  
「マリー、いくら顔なじみだって言ってもさぁ……そりゃないだろ?  
 俺だって生活苦しいんだからさ。こんなんじゃいつまで立っても  
 金なんか貯まらないよ……。」  
「だぁってぇ……エンデルクさんの護衛料、高くってさ……。  
 ほら、あの人融通利かなそうじゃない?だからルーウェンにこうやって  
 頼んでるんじゃないの。」  
ルーウェンと呼ばれた少年は、ふぅと溜息をつくと  
目の前の無計画な彼女に対して愚痴をこぼした。  
 
「俺の安い料金すら払いないようじゃ、いつか破産しちまうぞ。  
 大体、今回だってエンデルクさんを連れていくほど危なくなかったじゃないか…」  
「そ、そんなの結果論じゃない!最近ヴィラント山は物騒だって聞いたから!  
 それにルーウェンも今回はあんまり働かなかったでしょ!?  
 楽して儲けようなんて虫が良すぎるわよ!」  
自分の事を棚に上げて、開き直ったマリーが説教をたれて来た。  
ルーウェンは自分が責められる理由がわからず、強い口調で言い返す。  
「そ、それこそ結果論だろうが!そりゃエンデルクさんみたいな人がいれば  
 俺なんて必要ないよ!あの人全部自分でやっちゃうんだからさ!」  
2人の話に度々名が挙がるエンデルクというのは、  
ここザールブルグの王室騎士隊長だ。  
無愛想な人柄は周りの人を寄せ付けないが、  
こと強さに関してはその役職に恥じない凄まじさを誇る。  
そのエンデルクと比べられるとはルーウェンも可哀相に、  
自分の言葉にいささかショックを受けているようだ。  
「俺だって護衛なんだからマリーの役に立ちたかったさ……。」  
己の非力さを思い知ったルーウェンが、ポツリとそんな事を呟いた。  
見ているこちらが落ちこむぐらいに肩を落とすルーウェンを見て  
マリーの頭に登っていた血は急激に消え失せ、彼を立ち直らせようとするものの。  
「あ……そ、そんな事無いわよ、うん。ル、ルーウェンは十分役に立ってる。  
 ホントよ?私、あなたがいると安心して材料探しができるの。嘘じゃないよ?  
 エンデルクさんが凄すぎるだけだから、そんな気にする事ないって!」  
「……フォローになってないよマリー。  
 それじゃエンデルクさんが凄いって言ってるだけじゃないか………。」  
 
どうやら最後に余計な一言をつけてしまったらしい。  
ますます落ちこむルーウェンに、マリーは頭をフル回転させて言葉を捜す。  
「あ、あ、あ、ほ、ほら!ルーウェンはまだ若いじゃない!  
 大丈夫!あなたも将来はエンデルクさんみたいに、いえ、それ以上にスゴイ  
 腕の立つ冒険者になれるわ!!」  
それはとても苦しい励ましだったが、騎士隊長に唯一勝っている『若さ』を  
示され、ルーウェンの顔にわずかではあったが生気が戻った。  
「……そうかい?本当にそう思う?」  
「ええ、もちろん!私が保証するわ!」  
この突き抜けた性格は天性のもので、ルーウェンもいつもは彼女の  
『後の事を気にしない性格』にはほとほと困らせられていたが、  
今回ばかりはこの根拠の無い言い訳(?)に助けられたようだ。  
「……そうだよな。俺もこれから頑張れば良いんだ。よーし、強くなるぜ!!」  
「頑張れルーウェン!」  
「マリー、それじゃ、はい。」  
「ん?」  
すっかりいつもの調子を取り戻したルーウェンが掌を広げてマリーの前に差し出す。  
マリーはそれの意味することが判らず、彼の顔を見つめた。  
「何?」  
「金だよ。金。今回は待つから、前回の分を払ってくれ。」  
すっかりお金の話は済んだと思っていたマリーは  
再び話を蒸し返して来たルーウェンに苦渋の表情を浮かべて諭す。  
「だ、だから今は無いって言ったでしょうが!」  
 
それは少々乱暴な言葉ではあったがこのままでは埒があかないと考え、  
マリーはここでこの話の決着をつけなければならないと思った。  
「そんな言い訳は通用しないんだ!今日金貰えないと俺、明日のパンさえ買えないんだぞ!」  
「それなら私の家に泊まれば?勉強の邪魔しないのなら食事くらいなら出すわよ。  
 なんなら依頼料が入るまで居てもいいわ!」  
腰に手を当てて『名案でしょ!?』とばかりにマリーはルーウェンを見る。  
「ババッカ野郎!そ、そんな事できる訳ないだろ!ひ、1つの家に……」  
年頃の男女が衣食住を共にする意味、きっとマリーはいつものように  
深く考えてはいなかっただろう。  
しかしルーウェンはその言葉の意味に敏感に反応し、慌てふためいている。  
「?何よ…なにか問題あるの!?」  
そんな彼を他所にマリーは口調の勢いを和らげる事もせず、  
やや怯んだ様子を見せるルーウェンに詰め寄った。  
「よ、よせ!近寄るな!」  
必要以上にたじろぐ彼にマリーは怪しさを感じ、おかしくなったルーウェンの  
原因を探ろうと、今までの会話の流れを頭の中で整理していく。  
そこで初めて、目の前のルーウェンがうろたえている理由が判明したのだった。  
「………。ふ〜ん、ルーウェンったらヘンな事想像してたでしょ。  
 なぁに?一緒の家で寝たりしたら何か起こると思った?」  
目を細めて、マリーはルーウェンに問いただす。それはからかい口調のようで、  
彼女が精神的に優位に立っている事を如実に物語っているようだった。  
「うっ…」  
 
不本意にも如何わしい想像をしてしまったルーウェンは、  
顔を赤らめて口篭もってしまう。  
それは顔なじみのマリーに対して破廉恥な考えを起こしてしまった罪悪感からか。  
それとも行きすぎた想像を知られてしまった恥ずかしさからなのか。  
どうやら彼の一言で、この話題は雌雄を決したようだった。  
「なんだったら護衛代……身体で払いましょうか?」  
ニマニマと笑みを浮かべて彼の反応を確かめるように、  
マリーは羽織ったローブを軽く開いて剥き出しになった白い肩をルーウェンに提示する。  
その瞬間、ボッと顔を火が吹き出んばかりに真っ赤に染め、  
ルーウェンが物凄い形相でマリーを睨みつけた。  
「おっ、お前なぁ!!そんな、そんな事できる訳…」  
ふと、マリーの白い肩が目に入る。  
さんさんと陽光を浴びたそれは一層肌の白さを際立たせており、  
首からのなだらかなラインは昨日まで、つい先ほどまでは彼女からは  
全く感じることのなかった色っぽさを醸し出していた。  
そしてその下に位置する、黒い胸当てに隠された大きな乳房。  
マリーに対して”女”を感じた事など無かったはずなのに  
その2つの膨らみはやけに大きく突き出ているように見え、  
ルーウェンに『女性』である事をまざまざと教えつける。  
くびれた腰は一端の女の子に負けないくらいに細く凹凸しており、  
脚のラインは素晴らしい脚線美を描いていた。  
「どうしたの?」  
「ばっ…」  
「ば?」  
 
「ばっかヤロ―――――――――――――ッ!!!」  
街道の隅から隅まで届くぐらいの怒号と照れを含んだ声をこだまさせて、  
ルーウェンは風のように賑やかな商店街の方へ走り去っていった。  
ビリビリと揺れる鼓膜を押さえながら、マリーは一仕事終えたような満足げな表情で、  
「ふっ……勝ったわね!」  
と可哀相な少年が走り去った先に向かって呟いた。  
 
あれからルーウェンは何も言ってこない。  
食料や日用品の買い出しに出かけると街の中で彼と目が合う事があったが、  
ルーウェンはマリーからスッと目を離すとそのまま雑踏の中に消えていくのだった。  
マリーはそんな彼の事は気にもかけず、依頼された品を作ることに時間を費やしていたのだが。  
 
それは5日立ったの夜だった。  
辺りはすっかり静けさに満ち、街は明日へ備えて眠りに就こうとしている。  
そんな中でもマリーの家は灯りが消える事が無く、  
今日もなかなか上手くいかない調合に悪戦苦闘しているようだった。  
 
コンコン。  
力無いノックが聞こえる。  
「ん?こんな時間に誰かしら……はぁ――――いぃ。」  
手に持った三角フラスコを調合台の上に置き、マリーはドアに向かう。  
ノブを回してドアを開けると、そこには苦悶の表情を浮かべた彼が立っていた。  
「あら、ルーウェンじゃない。こんな夜更けにどうしたの?」  
「マ、マリー……。」  
目の下にクマを携えてルーウェンはマリーに視線を渡す。  
「私今忙しいの。用件があるなら早く済ませてよ。」  
調合材料達が気になるのか、後ろをチラチラと見やりながら、マリーは早口でまくし立てた。  
ルーウェンはそんな彼女に多少押されながら、ぎこちない言葉を一生懸命に吐き出す。  
「あ、あのさ……その…料金、貰いに来たんだ。」  
「料金?あぁ、護衛料の事?今それをつくるために頑張ってるから、もう少し…」  
「もう、待てないんだ。」  
いつもの元気良さがまるで感じられない。  
睡眠不足はおろか、食事も満足に取れてないような覇気の無い声だった。  
見た事の無いルーウェンにうろたえ、いつもの声も小さくなってしまう……。  
「待てないって……そんな事言われてもお金ないから払えないわよ……。」  
「別にお金じゃなくていいよ。マリー、この間言ってたじゃないか。」  
「え?この間……?」  
マリーは雲のかかった記憶を探し出す。  
この間のルーウェンとの言い争い。家の前での記憶。最後に私、何て言ったっけ……?  
 
「も、もしかしてあれの事?私の身体がどうとかって話……」  
まさかね、と思いながらマリーが口に出した台詞に、ルーウェンは真摯な態度で頷きを返してきた。  
どこか様子がおかしい彼にマリーは戸惑いながら、  
「あ、あはは!あんなの冗談に決まってるじゃない!ルーウェンったら本気にしたの?」  
とわざと大きな声で誤魔化そうとしたものの、今の彼には通用しなかった。  
「それじゃ、払ってもらえるよな?お金。払えなきゃ、マリーを貰う。」  
「ル、ルーウェン……」  
その瞳に嘘はなかった。  
その抑揚の無い声は自分の意思を隠すためだったのか。  
マリーはそんなルーウェンに怖くなり、後ずさり始めた。  
そんな彼女との距離を離すことなくルーウェンは家の中に足を踏み入れていく。  
その踏みこみは力強く、逃げるどころか距離を離す事さえ難しいのではないかと思わされる。  
マリーはどうして良いか判断できないまま、壁際に身体を追いこんでしまった。  
逃げ場所の無くなった彼女の手首を取り、ルーウェンはその豊かな胸に顔を埋めてきた。  
「やっ…やめてルーウェン!大声出すわよ!?」  
焦るマリーを他所に、ルーウェンは胸一杯に彼女の匂いを吸いこむ。  
それはいつもの焦げ臭く、ミルクのような甘い匂い。  
ルーウェンは胸に顔を埋めたまま、ポツリポツリと言葉を紡ぎ出した。  
「マリー……この間君がああ言ってから、俺は街中でマリーを見る度に  
 嫌らしい目で見てしまっていたんだ。以前まではこんな気持ちには  
 絶対ならなかったのに……。」  
「え……?」  
 
さっきまでの怖いくらいの冷淡さは無くなり、  
人間らしい、ルーウェンの心の奥をそのまま言葉にしているような感じ。  
マリーは黙って彼の言葉に耳を傾ける。  
「俺、こんな気持ちになった事がなくて……どうしたらいいのか解からないんだよ。  
 マリーに会えば何か解かるんじゃないかって来てみたけど、余計解からなくなった。」  
冗談まじりのマリーの一言で、ルーウェンは自分の気持ちさえ掴みきれなくなってしまった。  
年頃の男がごく普通に感じる異性への興味。  
仲間内でそういう話をした事はあっても、素直に、真っ直ぐ生きてきたルーウェンには  
初めての体験だったらしい。  
「マリーの事、好きかどうかなんて解からない。解からないけど……気になって仕方ないんだ。  
 寝る時も、食う時も、あの言葉が頭に浮かんできて……。」  
あの言葉。  
『なんだったら護衛代……身体で払いましょうか?』  
それは年下の彼を半ばからかうように、マリーが口にした言葉。  
だがその方面の経験は少なそうなルーウェンの脳裏には  
他の事を受け付けなくさせるほど焼きついてしまったらしい。  
「ルーウェン……。」  
いつもの勝ち気な性格はどこへやら、押し寄せてくる激情にただ怯えるルーウェンなど  
マリーは見たくなかっただろう。  
どんな強い敵にも立ち向かっていく勇気。  
傷だらけになりながらも、モンスターを倒した後に見せる爽やかな笑顔。  
そのどれも今目の前にいる彼の中に見つける事はできない。  
マリーは事の重大さに震えながらも、この事態を引き起こした理由は自分にある事を認識した。  
責任は取らなければならない。  
いつもはそうは思わないだろう。トラブルを起こしても、どこか他人の目でそれを見ていた。  
しかし今回は違う。自分の言動のせいで友達を不安にさせてしまったのだ。  
 
「……わ、わかったわよ……。」  
その声はとても小さく弱々しかったが、ルーウェンの耳には確かに届いた。  
胸に埋めていた顔を上げて、ルーウェンはマリーを見る。  
「さ、触るだけ!触るだけだから!そ、それ以上はダメだからね!」  
「………」  
ルーウェンは何も言わずマリーの顔を少し見てから、  
再び彼女の胸元に顔を埋めた。ぐりぐりと顔を左右に振って、より深く潜り込もうとする。  
マリーの豊かな双丘は彼の顔をすっぽりと埋め、  
その柔らかな感触をルーウェンの頬にダイレクトに伝えた。  
マシュマロのような肌触りと心地良い彼女の体温に、ルーウェンは息を荒くしていく。  
「ハァ、ハァ、ハァ、マリー………!」  
彼女の手首を掴んでいたルーウェンの手が、丸みを帯びたマリーの臀部に伸びた。  
乳房と同様にたっぷりと肉を携えたお尻を強く掴み、ぐにぐにと揉みしだく。  
「んっ……!」  
くぐもった声がその濡れた口から漏れる。  
これ以上ない異性との密接に戸惑いながら、  
マリーは”男の匂い”を発散し続けるルーウェンに奇妙な感覚を覚え始めていた。  
(な…何よコレ……!)  
他人に身体を触られているのに、どこか気持ち良い。  
それは1人で慰めている時と同じ快感。  
マリーも、その快感を異性から与えられている事に驚いている。  
「マリーのお尻、大きい……!胸も、スゴイ……」  
「なッ……何言ってんのよ……!!」  
 
指をぐにゅぐにゅと動かし、顔をぐりぐりと動かし、  
ルーウェンはより大きな快感を得ようと必死だ。  
年の割には大きめ胸とお尻、マリーはやや成長し過ぎだと気にしている事を言われ、  
顔を真っ赤に染め上げた。  
その間にも身体中をまさぐるルーウェンの動きは激しさを増していき、  
マリーの身体にもじわじわと快楽の波を発生させていく。  
その波に身体を震わせ、マリーは切なげに自分を貪る目の前の”男”を見つめる。  
「ル、ルーウェン………きゃっ!?」  
片手をマリーの股下に入れ、ルーウェンはぐいっと大きく持ち上げた。  
マリーの股間は大きく開かれ、その持ち上げられた脚は彼の肩にかけられる。  
そして、自由になった手はマリーの開かれた股間へ……。  
「ちょ、ちょっとちょっと!ルーウェン、ストップ!スト―――ップ!!」  
真っ直ぐ自分の股間に伸びてくる彼の手に、マリーは少なからず畏怖の念を感じていた。  
他人には絶対に触れられたくない秘密の場所。  
だがその焦りを帯びた声さえ、興奮し切った今のルーウェンには届かなかった。  
「あッッ!!!」  
心の準備も整わないまま、その秘部は異性の指を当てがわれてしまった。  
一際大きな快楽の波がマリーの全身に行き渡ると同時に、  
驚きと官能を感じさせる嬌声を上げてしまう。  
黒いスパッツの上から柔らかい恥丘を撫でつつ、ルーウェンは秘口の部分を指で弄る。  
初めて感じる女の部分。興奮しない訳がない。当てがわれた指はどんどん激しくなっていく。  
 
「あんぅぅ!は、激しいッ……ル、ルーウェンってば、もっとゆっくり……!」  
「マリーのココ、すげぇ柔らかい…!」  
夢中になって秘裂をなぞる。マリーのちょうど真中にうっすらとシミができていた。  
それは卑猥な形をスパッツに残している。  
マリーの身体はルーウェンの激しい愛撫にすっかり感じていたのだ。  
意識では嫌がっていたかも知れないが、身体が素直に反応してしまっている。  
「はッん!んんんっ!!やだぁ……!!」  
「すげぇ……スゲェ!!!」  
クチュクチュと淫水の音をさせて、ルーウェンはスパッツの上から  
マリーの秘部に指をめり込ませる。  
どんどん入っていく指に興奮は頂点に向かって駆け上っていく。  
「ん―――!!ダメぇ!入っちゃう……!!」  
衣服の上から弄るのはもどかしい。  
ルーウェンはそんな思いに駆られ、マリーの股間の部分を引き裂いた。  
ビリッと布を破く音がして、マリーの濡れた女唇があらわになる。  
「なッ!?ルーウェン!何するのよッ!!」  
「マリー、俺、我慢できないんだ、もう、破裂しそうだ……!」  
直に股間に空気を感じマリーはぎょっとしてルーウェンを睨んだが、  
快楽の虜となってしまっている彼は自分のズボンを降ろすことに躍起になっていた。  
ズルッとズボンが床に落ち、ルーウェンの猛々しく屹立したペニスが顔を出す。  
それを目の当たりにしたマリーは顔面蒼白になった。  
「ちょ………、まさか、ねぇ、約束が違うよルーウェン……!」  
 
信じられない。そんな事はきっと起こらない。  
そう思いながらも、マリーの眼は自分の秘裂に照準を合わせた  
ペニスに釘付けになっている。  
「入れたい!ココに、入るんだろ!?マリーのココに、俺のモノが!」  
「ま、待って………!!!」  
マリーの制止を聞かず、ルーウェンは一気に腰を突き出した。  
閉じられた秘肉の抵抗に合いながら、  
ズブズブとマリーの秘部はルーウェンのモノを飲みこんでいく。  
「うぁ……すげぇ……!!この締めつけ………」  
十分に潤っていたとはいえ、かなりのキツさがルーウェンを襲った。  
だが、それはとてつもない快感を彼に与える事になる。  
「マ、マリー、痛いか?」  
ルーウェンは一息ついたところで初めてマリーの顔を見た。  
「イ………ッタイに決まってるわよ!!バカぁ!!」  
目尻に涙を滲ませ、マリーが苦しそうにうめいた。  
今は股間に生じた痛みに絶える事で精一杯のようだ。  
「す、すまん……早く終わらせるから!」  
「えっ!?ま、待って!今はまだ…」  
そう言い終わると同時に腰をガンガン打ちつけるルーウェン。  
もうマリーの顔など見えない。  
視線の先にあるのはがっちりと両手で掴んだマリーの腰と、  
それに出入りする自分のペニス。  
初めて見る男女の挿入部はグロテスクであり、神秘的だった。  
 
「うぉぉぉぉぉ!!」  
「い、痛い!痛い―――っ!!」  
恐ろしい速さのピストン運動。  
男のモノを初めて受け入れたマリーにとっては拷問以外の何物でもなかった。  
こうなっては男は簡単に止まることはできない。  
マリーはただ、ルーウェンが早く欲望を吐き捨てるのを願うばかりだ。  
「はぁはぁはぁはぁ、マリー………!!」  
「うぅ…!ひ………っん…!」  
パンパンと肉と肉の弾ける音が2人の耳に届く。  
それは男女の交わりを認識させるのに十分な証拠。  
たっぷりと肉の乗ったマリーの尻と太股が、ルーウェンの鍛えられた下腹部に当たる。  
「あぁっ、もう俺ダメだ……!」  
「な、中はダメだよ!絶対ダメだよ!ルーウェン……!」  
もう終わりが近いのか、ルーウェンは歯を食いしばって快楽を噛み締めている。  
腰の動きが小刻みになり、それに伴いマリーの膣が収縮をを始めた時。  
「うっああぁぁ!!」  
ちゅるんっとマリーの膣内からルーウェンがペニスを引き抜くと、  
夥しい量の精液がマリーに向かって飛び散った。  
その綺麗な金髪に、ぷっくりとしたお腹に、大事に来ているローブに、白濁液が降り注ぐ。  
「あ……。」  
そんな情景をどこか遠い目で見つめながら、マリーはルーウェンの放出を眺めていた。  
 
 
 
「マ、マリー、大丈夫か?」  
「………大丈夫じゃない。」  
身体にかかった精液を拭き取りながら、ルーウェンはマリーに聞いてみた。  
案の定、返って来た答えは不機嫌極まりないトーンだ。  
自分でも調子に乗りすぎたと思うから、下手に言い訳などできない。  
「す、すまん………申し訳ない。マリーの事、全然考えないで俺は…」  
マリーはペタリとお尻を床につけたまま、ルーウェンを見上げた。  
本当に申し訳なさそうに、そして今さっきの情事を思い出してかどこか照れ臭げに  
ルーウェンは鼻の下を擦りながらしょぼくれている。  
それは何か吹っ切れたような、いつものルーウェンの顔。  
しょぼくれてはいるが、滲み出る暖かい雰囲気が漂っている。  
マリーはいつもの様子を取り戻しつつある彼を見て、  
自分の行動は無駄ではなかったと思った。  
ホッとしたと同時に、当然の怒りがこみ上げてくる。  
よりによってこんな形で処女喪失なんて……。  
ルーウェンは嫌いではないが、それとこれとは別問題だ。  
確かに事の発端は自分にあるが、それの代償がロストバージンとは  
いくら何でもヒドイではないか。  
メラメラと燃える怒りの炎が、マリーの心を支配していく。  
 
「ま、まぁ、これで護衛料はチャラだよな、うん。ありがとう、確かに貰ったから。」  
そのあまりにも気楽な言葉に、マリーの中に何かが弾けた。  
プチン。  
「…………そうね、これで護衛料は払ったわよ。」  
「あ、あぁ。それじゃ俺は…」  
「……、一生分。」  
「え?」  
あまりに悪い場の空気に耐えかねルーウェンが去ろうとした時、  
マリーがすっと立ちあがった。  
きっとルーウェンに言わせれば、マリーの顔には般若が宿り、  
背には炎のオーラを纏っていたように見えただろう。  
「私のバージン、そんなに安くないわよ!  
 あんたの安い料金じゃ一生かかっても払いきれないぐらいよ!  
 これから私がアカデミーを卒業するまであんたの護衛料はタダ!断る権利は一切なし!  
 いいわね!!?」  
「なっ、なにィ――――――――――――――――――――!!!」  
 
そりゃそうだ。  
                        
   
              完  
 

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