<夕方:ギルド>
アナ「あ、エッジさん。今日もお疲れ様です」
エッジ「ああ」
イリス「アナもお疲れ様」
ネル「お疲れ〜」
アナ「はい、有難う御座います」
ネル「聞いてよアナ〜、今日のクエストさ〜」
アナ「はい」
エッジ「あまり長話はするなよ」
ネル「わかってるって」
エッジ「やれやれ・・・」
〜数十分後〜
ネル「でね〜、・・・うん?・・・・・・ねぇイリス、これ何?」
イリス「どうしたのネルちゃん?・・・なになに、
『ギルド主催、第八回:今年度ミストルース人気投票祭り・結果発表、詳しくはお近くの受付係まで』・・・アナ、これは・・・」
アナ「はい。これはですね、毎年ミストルースの方々には内緒で街の皆さんに今年度一番人気のあるミストルースを決定する、
というギルド主催のイベントです。結果と合わせて公表するようにしてるんですよ」
ネル「ふ〜ん」
イリス「・・・・・・そんなものがあるなんて全然知らなかった。・・・で、一位は誰になったの?」
アナ「あ、はい。私もまだ確認していないので・・・、今確認しますね・・・。えっと・・・、あ!」
イリス「どうしたの、アナ?」
ネル「まさか、あたしがトップだったりとか!?」
アナ「いえ、そうではなくて・・・・・・。一位の方は・・・、エッジ・ヴァンハイトさん、です」
エッジ「俺が?」
ネル「ええぇぇぇ〜!!」
エッジ「五月蝿いぞネル。そんなに驚くことか?」
ネル「だってエッジが一位だなんて・・・。依頼主に対して愛想が悪いし鈍感だし人の好意に気付かないしそれにそれに・・・」
エッジ「愛想が無いのは元からだ。・・・というかお前の言ってることが全然意味が解からん」
イリス「まあまあエッジ。ネルちゃんだって本気で言ってるわけじゃないんだし、ね、ネルちゃん?」
ネル「うん、多分・・・」
エッジ「多分ってなんだ」
アナ「あ、でも理由があるみたいですよ」
ネル「え、そうなの?へ〜、どんな?」
アナ「え〜と、例えばですね・・・、『仕事が的確で早い。また頼むぜ』・・・これは武器屋の店長Hさんからのコメントですね。
あ、ここでは名前は解からないようにイニシャルで掲載されていますね。
あとは、『あんさんらのおかげでウチの商売ウナギのぼりや!!』・・・え〜とこれは雑貨屋の店長Yさんのコメント。
他にも、
『ねこのけんではおせわになりました』・・・噴水公園前Pちゃん
『おれ、ぜったいみすとるーすになってみせるからな』・・・同じく噴水公園前K君
『この前のクエスト、本当に有難う御座いました。またお菓子ご馳走しますね』・・・食材品店店員Mさん
『マーナが信用してるし、おっちょこちょいの幼馴染みも世話になってるし、
それに・・・・・・、べ、別に何でも無いわよ!』・・・古書店店長Eさん
『今度、一緒にお酒を飲みましょう。未成年だけど大丈夫でしょ、酒場で待ってるわ』・・・酒場店主Eさん
『まだまだワシにはかなわんが、なかなか頑張っとるな』噴水公園Gさん
など他様々なコメントを頂いてますね」
エッジ「・・・なんだか理由になってないものがあるな」
ネル「そだね・・・。それに名前、イニシャルにしても意味ないし」
イリス「でも良かった〜!皆、エッジの事大好きなんだね、私は嬉しいよ!!」
エッジ「イリス・・・」
アナ「あ、あと一位の方には豪華賞品があるんですよ」
エッジ「賞品・・・?」
ネル「どんな?」
アナ「題しまして『ギルド長と逝く三泊四日異世界巡り子作りツアー!!』、です」
ネル「・・・なにそれ・・・」
イリス「なんだか変な言葉が入っていたような・・・」
エッジ「・・・・・・俺は絶対に行かんぞ」
<その頃ギルド長室>
ノエイラ「うふふ、エッジくん。私が嫌と言うまで一杯付き合ってもらうわよ。ふ、うふふ・・・」
フェニル「ノ、ノエイラが壊れた・・・」
<完>