「あー、最悪ですわ!よりによってクレインさんに…クレインさんに私の下着を見られるなんて」
修行の為に居候しているパン屋の一室。そこにはベットに蹲り泣きながら叫んでいるブレアの姿があった。
原因は彼女が言っている通り、ある事情から自分の下着をクレインに見られてしまったのである。正確には見られたのではなく、盗まれた下着を取り返してきたクレインがブレアに渡したのだが、何はどうあれ見られた事実は覆せなかった。
「絶対、絶対はしたないと思われましたわー!確実に嫌われましたわ…」
クレインに対して淡い恋心をを持っていたブレアにとって、彼に自分の下着を見られるのは処女を散らされたのと同等である。
「うぅぅ…もうこれはクレインさんに責任を取ってもらうしかありませんわ!」
シーツを噛み締めながら乙女の穢れに耐え忍ぶブレア。もはやクレインにこの恥辱の責任を取ってもらうまでは収まらないであろう。
そうやってぶつぶつと小言を言っていると、ブレアの耳に部屋のドアを叩く音が聞こえてきたが、誰とも合う気になれない彼女は無視した。
ドン、ドン。
「うるさいですわね…」
まるでブレアのセンチメンタルを邪魔するかの様に何度も何度も扉を叩く誰か。今の状況のブレアはその音が絶えがたい苦痛でもあった。
ドンドンドン!
「分かりました!今行きますわ!」
怒鳴り声を出すとベットから立ち上がり部屋の扉へと向かう。そしてドアノブに手を掛けると苛立ちを表現したように、ガチャン!と勢い良く開けた。
「一体何なんですの!私は今誰かに会う気分では…」
「ブレア、悪かった!」
「へ?あ、ク、クレイン…さん!?」
何故かブレアの目に頭を下げたクレインが映った。夢?そう思って自分の頬を抓ったが、どうやら夢では無さそうだった。
「本当に悪かった、本当ならリィタに渡して…」
顔を表に上げて暗い面持ちで謝るクレインにブレアは気恥ずかしくなった。
「ク、クレインさん!」
「お、おい!」
いきなりクレインの手を取りブレアは自分の部屋の中に彼を押し込んだ。何故そんな事をしたのかなど彼女にも分からない。だがクレインの顔を見て急に恥ずかしくなった彼女は何かをせずにいられなかったのだろう。
「ブ、ブレア?」
「ご、ごめんなさい…少し体調が優れなくて…」
体調が優れないなんて嘘だった、本当はクレインが来た事に嬉しさと恥ずかしさが綯い交ぜになった気分であった。
「お、お久しぶりですわね、クレインさん。そ、それで今日は何か?」
「あ、ああ…ブレアに謝ろうと思ってさ…この前は本当に…」
「いやぁー!それ以上は言わないで下さい!」
ブレアは思い出したくないのだろう、クレインの話を遮るように耳を劈く様な声をあげる。
「わ、分かった!もう何も言わない!だから落ち着けよ!」
「はぁ、はぁ…」
肩で息をしている彼女をクレインは宥める。確かその問題となっているブツを返した時も激しく叫んでいた。
「落ち着いたか?」
「は、はい…」
顔に手を当てて溜息をつく。やはり一人で謝りに来たのは間違いだった。ここまで動揺されると話が先に進まず、誠意を見せる事が出来ない。
「皆も連れてくれば良かったか…」
「え?」
そういえば、いつもクレインにネチネチくっついてるリィタやその他おまけがいない。パニック状態であったブレアは今になって部屋の中にいるのがクレインだけだと気づいた。
途端、ブレアの顔が真っ赤になる。いくら自分が勝手に部屋に入れたとはいえ、小さな部屋に殿方と二人っきり、しかもその殿方が自分の想い人とあれば尚更だろう。
「あ、あ、あ…」
「今度は何だ…?」
カチコチに固まって身動きしないブレア。色恋沙汰に鈍感極まりないクレインは、彼女の気持ちも知らず溜息をついた。
「おーい、聞こえてるか?」
クレインの声にも反応は無くブレアは今だ固まったままである。仕方なくクレインは彼女の肩をトンと優しく叩いた。
「きゃっ」
「…!」
ただ肩を叩いただけである。しかし彼女は弱弱しい悲鳴を上げると、クレインから一歩下がり顔を紅潮させていた。
「(や、やばい…)」
いつもはリィタとはまた別格のハイテンションなのに今日は全く逆だった。しおらしく、本当に清楚なお嬢様に見える。
そんなブレアの姿に心惹かれて異性として意識してしまったのか、今度はクレインが固まってしまった。
「(な、何で俺…ブレアから目を背けてるんだ?)」
まだ気づかないのか鈍感野郎、とデルサスなら言うだろう。
凄く重たい空気が小さな部屋にどんよりと漂い、居づらい雰囲気になってしまっている。何とか打破しようと策を練るものの、出てくるのは全部下策ばかり。
クレインはちらっとブレアを見ると、彼女も俯いたまま黙り込んでいる。やはり彼女も居づらいのだろう。
「(謝るどころの状況じゃないなぁ…帰るか…)」
もはや我慢の限界である。このまま居ても悪い方向へ進んでいくばかりと判断したクレインは、ゆっくりと踵を返すと重たい口を開けた。
「わ、悪かったな突然。ま、また改めて来るから…」
そう言って帰ろうとした時であった。ブレアがギュッとクレインの服の裾を掴んだ。
「お、お待ちください…」
ブレアはやっと耳に届く程の声で帰ろうとするクレインを静止させる。
「クレインさんは悪くありませんわ…寧ろ私の為にしてくださった事ですし…」
「だ、だけどさ俺…」
「お止めになって!…本当は私、少しだけ安心していますのよ…」
どういう意味だ?そう思ったが、その答えは直ぐに彼女の口から出た。
「だって…クレインさんでなかったら私は…」
声が途絶えると共にクレインは服を引っ張られる感覚が無くなった。少し緊張が解けたクレインは、ふぅ。と息を吐く。しかし、それも束の間であった。
「うぁ…!」
いきなり背中に感じられる柔らかい感触と、腹部に回される腕。
理解は出来たが、彼女に抱きしめられているという事を認知するまでには少しの時間を要した。
「な、何を…」
「クレインさん…好きです…心の底から貴方を想っています」
クレインは彼女の言葉に戸惑った。いくら鈍感の彼でもこの状況での好意は異性としての好意だと分かる。
どうやって対処すればいいか解らない…どうすればいいんだ。ブレアのたった一言がクレインに重く圧し掛かる。
受け入れる…拒絶する。どちらかしか選べない…どうなのだろう…迷いだけが交差する。
「ブレア…俺は」
恐る恐る口をあける。だが、ここから先がどうしても出なかった。最低だ…ろくに返事も出来ずブレアを待たせている。なんて小さい奴なんだ…クレインは自分を罵った。
「…クレインさん…貴方の本当の気持ちを聞かせて下さいませ…私は貴方の答えなら」
ギュッと一層抱きしめる力が強くなる。クレインの背中から彼女の気持ちがとてつもなく伝わってくる。
自分でもわけが分からなくなっていた。何故、謝りに来ただけなのにブレアに告白されているのか。
もう頭の中が真っ白になっていたクレインだったが、気がついた時にはブレアの抱擁を振り切り、逆に彼女をベットの上に押し倒していた。
「ク、クレイン…さん」
「これが、俺の答えだ」
それだけを言うとクレインは、彼女の唇に優しく口付けをする。ブレアもそれを受け入れるようにクレインを抱きしめて口付けを受け止めた。
「んっ…」
甘い…。ブレアの唇から伝わってくる温かさがそう感じさせるのか、しばらく唇を合わせるだけであった。
だが、やっと想いが伝わったブレアはそれだけでは満足出切る筈も無く、クレインの口内に舌を進入させて、彼の舌を絡め取った。
「ちょ、ちょっと…んぐっ!」
「…好きですわ…大好きですわ」
驚きの言葉をブレアの舌によって遮られたクレインは、彼女からの深い口付けに抵抗もせずされるがままになっていた。
「ブレア…」
「はぁ…クレインさん…」
互いの名を呼び合い更に深くキスを繰り返す。
絡め、離し、そして惹かれあうように唇を舐めあう。ちゅぷ、ちゅぷと淫猥な音が響く度にブレアの舌先とクレインの舌先から、光輝く一本の糸が繋がりを見せて、ぷつん、と切れていく。
ブレアはうっとりとした顔で息を上げながらクレインの首に手を回してもたれかかる。
クレインは愛らしく抱きついている彼女の白い首筋に顔を近づけると、先ほどまで荒く口付けをしていた舌を這わせた。
「んんっ…!」
首元から顎筋までじっとりと舐めると、ブレアは目を瞑って感じている様子を見せる。
クレインは妙な背徳感に襲われた。次第に手が彼女の胸元に近づいて掌を当てる。
「ま、待ってくださ…い…今、服を脱ぎますわ…」
直にクレインに触って欲しい、そうした願望がブレアの中に生まれる。
彼女はクレインから離れて立ち上がると、恥じらいながら纏っている衣装を脱いでいく。
目に映る彼女の白い女体…クレインの視線が完璧釘付けになる。美しいブロンドの髪。両手と太股で胸と秘所を隠してはいるが、顔を紅潮させて目を逸らしているその姿は堪らなく興奮する。
「い、いやですわ…あまり見ないで下さい…」
自分から脱ぐと言ったものの、いざこうなると恥ずかしすぎて顔をクレインに向ける事が出来ない。
だが、クレインはそれを許さない。彼もベットから立ち上がると彼女の腕を無理矢理どかしてしゃがみ込む。
「隠すなよ、もっと良く見せてくれ」
露になる可愛らしい形の乳房を見ると、我慢の限界が一段階外れた。すると今度は腹部から乳房の先端までをじっくりと舌先で舐めていく。
「あ…」
だんだんと舌が彼女の身体を登っていく。そして薄桃色の乳首に舌先が到達すると、チロチロと舌を動かして快楽を与える。
「はぅ…む、胸は…いけません…!」
そうは言っているが、ブレアの両腕はクレインの頭を抱きしめて、自分の胸へと押し付けている。
顔全体に彼女の胸の柔らかさと良い匂いが伝わる。おかえしと言うわけでもないが、クレインは歯で彼女の固くなっている乳首を優しく吸ったり、噛んだりすると、ブレアは甘い声を吐きながら身悶えをする。
「エッチな娘だな…ブレアは」
「そ、そんなこと…」
「じゃあ、何でここが濡れてるんだ?」
空いているもう片方の手がブレアの下半身に伸びていき、指でまだ生え揃っていない秘所の縦スジに人差し指と中指を這わせた。
もう既にぐちょぐちょになっている彼女の秘所はとても滑りが良く、指の第一関節までニュルっと入っていった。
「あ、ああん!」
「ほら、やっぱりエッチじゃないか」
くちゅ、くちゅ、と厭らしい音が指を出し入れする度に聞こえる。
彼女はクレインの指が動くとピクピクと身体を震わせて激しくよがる。また一段と愛らしくなる彼女は、クレインの欲望を増大させた。
「あ、あの…クレインさん…」
「ん?どうした?」
「その、そろそろ私…」
ブレアは自分の秘所に触れている方のクレインの手首を掴むとゆっくりと指を引き抜くと、ぐしょぐしょになっている秘所からトロ〜ンと指先に愛液が糸を作った。
「いいのか?」
「はい…お願いしますわ…私の初めてを…奪ってください」
ベットの上でゆっくりと股を開きクレインを見つめるブレア。
クレインは彼女の決意に頷き服を脱ぐと、それを床に落とし憤り起った自分のペニスを彼女に曝け出す。
「きゃっ…す、凄いですわ…それが…クレインさんの…」
想像していたものよりも、大きく逞しいクレインのペニスに少し恐怖を感じた。しかし、早くクレインと一つになりたいと思うブレアには大した恐怖でもなかった。
クレインは待ち遠しくしているブレアの股の間に入ると、彼女の足を自分の肩に乗せてペニスをまだ幼い部レアの秘所に当てがった。
「じゃあ行くぞ…」
ズニュっと先端だけを挿入すると、ブレアが小さく震える。痛いのだろうか?進めていたペニスを止めると、ブレアは首を横に振ってクレインの手を引いた。
「大丈夫ですわ…んっ…だから、もっと…」
ブレアは自ら腰を動かしてクレインとの結合を求めている。クレインはそれに応えようと彼女の膣内を進んでいった。
さすが処女だけあってクレインのペニスの進行を拒むように、ギュゥ、ギュゥと締め付けてくる。
「くぅ…きつ…」
奥にたどり着く前にイッてしまいそうになる。だがそれを耐え抜こうと更に進めていき一気に腰を突き上げた。
「―!」
ブレアは唇を噛み締めて散り逝く処女の痛みを堪える。だが、その表情は直ぐに弱い笑みに変わりクレインを見つめてきた。
「はぁ…あぁ…こ、これでやっと…私…」
クレインさんのものになったんですわね。と言う。それを聞いたクレインは妙に気恥ずかしくなり、顔を赤くして俯いた。
「ま、まだ痛むか?」
「いいえ…もう大丈夫ですわ…」
「じゃあ…そろそろ…いいか?」
「はい…」
限界近くなっていたクレインは覆い被さるようにしてブレアを抱くとゆっくりと腰を動かし始めた。
「はぁ…んぁ…ああん…」
甘いブレアの声が耳に響く。その声は聞いているだけでも満足出来そうなくらい淫猥で、可愛らしさも混じっていた。
「くっ…ブレアの膣内…キツくて…」
「んぁ…ク、クレインさんのだって…凄い…あっあっ!」
ブレアの腕がクレインの首に纏わりついて、もっと深くまで抉るように懇願する。クレインもそれと同じで、もっとブレアを犯したいと欲望が湧きあがり、自然と腰を振る力が強くなっていた。
「はぁぁ、はぁぁん!もっと、もっとぉ!クレインさん、クレインさぁん!」
「ブレア!俺もブレアを!」
瞳が合った瞬間、クレインはブレアに口付けし深い愛を刻み込んでいった。それは最初にした甘いキスではなく、完全にクレインが彼女を蹂躙しているくらい激しい口付けであった。
「んんっ…んー…ぷはぁ…はぅ…」
ねっとりとした唾液が絡み合う。それに伴いピチャ、ペチャと音が鳴る度にクレインの腰の動きは加速していった。
キツくて、それに柔らかいブレアの膣肉は堪らなく気持ち良い。挿入すると全体を強く締め付け、抜こうとすると程よい感触が伝わってくた。
「ブ、ブレア…もう射精る…」
「んぁ…いいですわ…沢山…私の膣内に…」
ブレアの誘惑の声に更に射精感を増していく。だが本当に膣内に射精しても良いのだろうか?そう思ったが、思考が完全にブレアの愛くるしさで麻痺しているクレインは直ぐに忘れていった。
「ああん!あん、あっ、あっ!早く!早く射精してください!」
ブレアは羞恥と悦びを交えた表情で自らも腰を振ってクレインに快楽を与える。感極まったクレインはとうとう耐え切れない欲情にまみれていき、ブレアの膣内に収まっているペニスの亀頭の括れまでを抜くと、腰を思いっきり彼女の膣内へと打ちつけた。
「あっ、あー!ク、クレインさん、クレインさぁーん!」
強く腰を打ち付けると、絶頂に達し、ドピュ、ビュル!と激しく白濁した体液をブレアの膣内へと注いでいく。
熱く、ドロっとした精液。それを受け止めている彼女の顔はとても妖艶で美しかった。
「はぁ…はぁ…熱い…ですわ…」
「ブレア…」
膣内を染めるように何度も流れ込む精液。ブレアは小刻みに震えると、クレインに軽くキスをする。
「クレインさん…好…き」
その言葉をクレインに告げると、ブレアは抱きついたまま目を瞑り、もう一度、今度は深くキスをした…。
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「ブレア、本当に大丈夫だったのか?」
「はい?」
「いや、思いっきり中に射精しちまったけど…」
いくら、「好きです」と言われたからといっていきなり性を交わして、中に射精すのはヤバイのではないかとクレインは思ったが、ブレアは気にもせず。
「大丈夫ですわ!できてしまったら、できてしまったで!ちゃんと責任は取ってもらいますわよ!」
「い、いや…そういう問題じゃなくてな」
いつもの調子に戻っているブレアにタジタジになる。もうこうなっては彼女のペースに乗らないように対応するしかない。
「はぁ…この年で父親かよ…」
「それは仕方ない事ですわ。手を出したのはクレインさんの方ですもの」
「そうだよな…」
ガクっと肩を落として項垂れる。もはや逃げようにもないクレインは大きく深呼吸をした。
「まぁ、いいか。過ぎた事グダグダ言ってても仕方ないしな」
「えっ?」
キョトンとする彼女を見てクレインは決意した。その目にはもはや迷いなど無く透き通ったような耀きを見出していた。
「これからも宜しくな、ブレア」
クレインの言葉にブレアは一筋の雫を流しこう応えた。
「…はい、クレインさん…愛してますわ」
だが、そんな至福の時間も長く続くわけも無く、この後、クレインはリィタ、ビオラ、ブレアの三つ巴を喰らう事になる。
そのお話はまた今度…。
多分、続かない…。