[アナザーサイド]  
 
どんな街にも女ってのはいるもんだ  
それが例えアルテノルトの路地裏だとしても  
ったく、この女もここがどういう場所かわかって来ているのかねぇ?  
 
この街に住んでる人間ならこの辺りの危険度がトップクラスってわかってるんだが  
身なりといい、荷物といい、冒険者か旅行者の類ってところか?  
さっきから眺めてても、どーも道に迷ってる雰囲気丸出しって感じだ  
シュルツェ一家の目に止まったら速攻で呼び止められるんじゃねえの?  
 
ならば善は急げってね  
自分で言うのもなんだが、俺はシュルツェのようなビッグネームもなければ腕っぷしもねぇ  
しかし、このハンサムな顔立ちと調子を合わせた口説き文句なら自信がある  
今まで落とした女は数知れず いざとなれば完璧な作戦もあることだし  
シュルテェ一家や他のチンピラどもに目をつけられる前にアタック開始といきますか  
 
ややペースの早いその足取りに合わせて俺はその女に声をかける  
善人を装って親切に声をかけてやる……ってのに、なんだこの女?  
まったく足を止めずにこっちの言葉にも完璧無視を決め込みやがって  
どこから来たの?どこ行くの?この辺り詳しいから道案内しようか?女の子1人だと危険だよ?  
お腹減ってない?綺麗な瞳だね?それどこで買った服?普段何してるの?君の名前は?  
どの質問にもまったく無関心 これが俗に言う正真正銘の気の強い女ってやつなんだろうな  
ったく、最後に気の強い女を頂いたのはいつだったか・・・その時はどうやって落としたっけな…  
 
そんな事を考えてると、やっと向こうの方から口を開いてくれた  
 
はぁ? 酒場に行きたいってか?  
もう、ガッツポーズを決めたくなったね 酒場は俺のホームグラウンドってやつだ  
酒場に連れ込んで落とせなかった女はいないってのに、まさか向こうから来てくれるとは  
願ったり叶ったり、俺は早速酒場への道案内を始めたよ  
 
つかつかと歩き、カウンターに座る女 他の客もつい一瞬振り返ってやがる  
この辺りは俺の庭のようなもんだからどいつもこいつも顔見知りってやつなんだが  
この酒場の主人も例外じゃねぇ 顔見知りってより大事な大事な相方みたいなもんさ  
 
俺は当然のように女の隣に座る  
女は俺の方を見ずに、主人と何か喋り始めやがった……  
この街の事、地理、特産物、周辺のモンスター、後はなんか人探しみたいだったな……  
情報収集は済んだのか、目を閉じて考え事に浸ってやがる  
今のうちにと俺は軽く主人と目配せする やっとこさ作戦開始ってわけだ  
 
「それで、何か注文してくれんのかい? お嬢さんも飲めないってわけじゃないだろう?」  
「そうそう、せっかくだから何か飲まなきゃ損ってやつだ 酒だけは一級品だからね、ここ」  
「お前さんは『いつものやつ』でいいんだろう? お嬢さんは何にするね?」  
目を開き、少し考え…この女、結局お任せときたもんだ  
「お任せと言われても、ウチにゃ酒しか置いてねぇよ?」  
「じゃあ俺と同じものでいいんじゃない? まったく飲めないってわけじゃないでしょ?」  
それとなく挑発してみたつもり 気の強い女はさっさと酔い潰すのが手っ取り早いしな  
俺と女の前に2つのグラスが置かれる 警戒してるのか、自分のグラスを俺のグラスを交互に見つめ…  
しばらくグラス相手ににらめっこしながらも、やっと手に取ってくれた  
「じゃあ、2人の出会いに…」  
…乾杯…と言いかけたところで、この女もう口をつけてやがる……  
ったく、マイペースなんだか…いちいち勘に触るよな、こういうタイプ…  
だが、女のグラスの中身はかなり強い酒だ 女の口に合うのかねぇ…?  
案の定、一口でグラスを離す…飲めないわけじゃなさそうが、強いってわけでもなさそうだ  
顔をしかめる女に対し、俺は再び挑発してみる  
「ごめんごめん、やっぱり強すぎた? お嬢さんの口には合わなかったかな?」  
作戦成功か? カチン、ときたらしく…その女は一気にグラスを傾けた  
 
一気にグラスの中身を飲み干す女…決して気遣ってるわけじゃないが、大丈夫かよ……  
おっと、先に言っておくが…俺って決して優しい男ってわけじゃねえぜ  
ここで変に警戒されて席を立たれても困るからな 上手くペースに乗せねえと……  
 
強い酒は初めてなのか、一気に流し込んだせいか…女は思わず咳き込みやがった  
「おいおい、大丈夫かい? マスター、水を…」  
と、ここまで言って…女に手で制される…まだケホケホと苦しそうに咳き込みながら…  
持参のボトル……冒険者や旅行者が携帯しているものだろう……を取り出し、  
中の水をゆっくりと飲み、深呼吸する……  
やっと落ちつきを取り戻したのか、こっちを見ると照れくさそうに目を伏せて……  
思わぬハプニングがあったが、ようやく可愛い顔見れたってところだな  
今までは男嫌いって印象だったが、男慣れしていないって印象に変わったぜ  
 
それでも気の強いのは変わらず…俺のグラスが空なのを確認すると自分からおかわりしてきやがる  
もちろん、初めから遠慮する気はねぇよ 主人に女のグラスに酒を注がせていく  
「ははっ、大丈夫かい? 飲めるのは結構な事だがお嬢さんにはキツイだろ?」  
「マスター、変な事言っちゃダメですよ 女性には限度があるんですから」  
「強い女性は立派なものだな おっ、大した飲みっぷりだ」  
「へぇ、俺も負けていられないなぁ 女性に飲み比べで負けたら笑われてしまいますよ」  
俺の経験上、気の強い女はこれで大抵引っ掛かってくれるってね  
巧みな話術で上手く挑発しながら次々とグラスを空けさせていく…  
女の動きも徐々に緩慢になり、少しずつだが口数が多くなり……  
何時の間にか談笑しながら仲良く酒を酌み交わしていたよ  
……おっと、談笑って言っても言うなれば酔っ払いの戯言か?  
酒がどうとか、男がどうとか…支離滅裂な愚痴みたいなもんってやつだな  
ついに女は呂律が回らなくなり、時折カウンターに突っ伏したり…完璧に酔っ払ってきやがった  
 
俺? 俺は全然酔っ払っていないって むしろここまでは作戦通りってやつさ  
 
そろそろ頃合いってやつだな 主人に目配せし、合図を送る……  
「お嬢さん、もうそろそろ閉店なんだがねぇ…」  
「そうですよ マスターにも仕事がありますし…場所変えて飲み直しません?」  
ちなみに店仕舞いだからっていうのはまったくの嘘  
ベロンベロンに酔っ払った女を連れ出す1つの話術、ってやつだな  
まだ飲み足りないだの、もっと酒がなんだのと…ボトル片手にぶーぶー言ってやがったが  
やっとこさ俺に身体を預け、もたれかかりながら席を立ちやがった  
ここまで持ってくるのに苦労したぜ…まっ、俺は酔ってないから後は楽なもんだけど  
 
女に肩を貸し、二階へと運んで…いやぁ、こういう時宿屋つき酒場って便利だと思うよ  
事を運ぶのに楽だし、夜風に当たられて酔いが冷められても困るしな  
主人が用意した部屋に連れ込み、ベッドまで運んで……  
女はというと、意識はあるみたいだが…まだ酒がどうこう言ってやがる……  
ベッドの隣のテーブルにグラスを確認すると、ボトルの中身を注いで俺に差し出しやがった  
予想通りというか…私の酒が飲めないのか、って酔っ払いおきまりのセリフ……  
ったく、まだ俺に付き合えっていうのかよ……やっとお楽しみタイムだと思ったのに……  
ここまで酔っ払ってりゃ後は強引に押し倒しても抵抗できねぇだろ?  
 
さて、どうするかな…どうやってこの女を頂くとするか…  
胸もそれなりにありそうだし…口はまずいか? 男慣れしてねぇだろうから歯が当たるだろ…  
いきなりぶち込んでもいいな 念の為縛っておいた方がいいかもしれねぇけど……  
縛ると泣き叫ぶ女もいるから面倒なんだよな…ま、いっか……とりあえず縛ってっと……  
 
 
 
不意に、男が倒れる……  
手にしたグラスを落とし、口からそのグラスの中身を僅かに漏らしながら……  
 
 
[ヘルミーナサイド]  
 
男はハッと目を覚ました キョロキョロと辺りを確認しようとして……  
やっと自分の身体が動かない事に気付いたらしい  
目だけを動かし、自分の身体と私の姿を確認する……  
 
「お目覚めいかが?」  
床に転がったままのその男を見下ろし、声をかけてやる  
男は何が起こったかわからないようで、ありきたりな質問を口にしはじめた……  
ここは?とか…一体何が?とか…こういう状況におかれた者は大体同じ質問、飽き飽きしている…  
だからさっさと種明かしをする事にした 質疑応答に付き合うほど暇でもないし  
「アナタ、ジュースしか飲んでないから二日酔いというわけじゃあないのでしょう?」  
男の言葉を遮る…と言うより、男が勝手にお喋りを止めてくれたみたい  
つまり、グラスに注ぐのは主人…色合いが似た酒とジュースのボトルを2つ用意して、  
カウンターの中から取り出すフリをしながら、私と男に注ぐボトルを変えてたってことね  
職業柄匂いに敏感だから、男の策を逆手にとってやった…笑いを堪えるのに必死だったけど  
そうでなければ誰がこんな男の杯を受けるもんですか…安い女に見られて、不快そのものだわ…  
「酔ったフリ、というのは…案外簡単なものね…それとも、アナタが騙されやすいのか…」  
「これ、酔い止め薬で……こっちが…まぁ、言うなれば痺れ薬よ……」  
片手に私が持参した携帯用のボトル、もう片手に連れ出される前に握ったボトルを見せつける  
やっと、男は目を見開いて私を見つめてくれた…ギクリとした表情……素敵な顔……  
 
男に近寄り、男の懐からナイフを取り出してみせる  
そうするとやっとわかりやすい表情をしてくれた…驚き、恐怖、怯え、哀願……  
命乞いをする声も、涙を浮かべた顔も、もぞもぞと這って逃げようとする姿も、  
騙したつもりが騙されていたと気付いてくれたその瞬間も、今も、  
そして、身体を満足に動かせないと悟り、半ば諦めた表情が物語る絶望感も……  
どれも、まだ私を満足させてくれない…まだ足りない……  
私を陥れようとしたその償いは……反省、謝罪、誠意、後悔、絶望、服従……どれも必要ない……  
何を持って「終わり」とするか…それは私が決める事……  
 
叫び声を出される前に、男の口に布切れを押し込んで…言葉すらも封じてみせる…  
…やっとお楽しみ…ナイフの刃を立て、ゆっくりと服を切り裂く…  
この…刃が滑る感触も……手にはっきりと伝わってゾクゾクしてくるの……  
「見かけによらず貧相な身体つきねぇ……」  
……たまに男が顔をしかめ…刃先に血を滴らせたが……大した傷じゃあないと思うわ  
 
全裸で床に転がった男を見下ろし…ナイフの刃をペタペタと押しつけていく…  
腹から、太股…ペ○スまで……すっかり縮こまったそれをナイフで軽く撫でてやる…  
決して切り裂くつもりじゃないし、そういう趣味もないのだけれど……  
今や恐怖に支配された男は「切り取られる」とでも思ったのか、必死で腰を引こうとする  
布切れで口を塞がれ、目からポロポロと涙をこぼし……動かない身体を必死で動かそうとし……  
「いけない事を考えていたのは、ここのせいかしら……?  
 今後イタズラできないように…私が去勢してあげてもいいかも……」  
優しい口調で語り掛けてみたつもりだが…自分でも笑みがこぼれていたのがわかる…  
男は呻き声すら出せないのか…私の顔とナイフの行方をただただ凝視するばかり……  
……つまらない……もっと鳴いてほしいのに……  
 
不意に、ナイフから手を離す  
それで何か状況が好転するわけじゃあないのだけれど…男が安堵の表情を作ってみせた  
その顔を見せてくれた事……また絶望に染めれるかと思うと……嬉しくて嬉しくて……  
 
腕を伸ばし、袖口を男に向けて……「……行け!」  
静かに語りかけてやると…主の言葉を待っていたのか、勢いよくそれが袖口から飛び出す  
狙いは、男性器…縮こまったままのモノに絡みつき、縛り上げ…  
と言っても一巻きか二巻き程度で根元から先端まで到達してしまう……  
男はギョっとした表情で、されるがまま…すぐに聞き苦しい呻き声をあげてくれた  
さっきより震えて、やっとわかりやすい恐怖を体現してくれたってところ…  
妖(あやかし)の類ではないのだけれど、私が魔法使いにでも見えたのかしらね? フフッ…  
 
「さぁて…こんなにいい女の目の前で、勃たないって事はないんでしょう…?」  
縛り上げたそれを踏みつけ…男の苦悶の表情を見下ろすのも…酒の肴にはならないかしら……  
 
私の作った「生きてる縄」は特別製よ…太くて硬くて長くて活きがよくて…  
目の前に転がった男の縮こまったままのペ○スをギリギリと締め上げている……  
 
袖口に残ったままの縄の一端を取り出し、男の股間に向けて放り投げてみる  
自意識を持ったように…太股に巻きつき、股間を通り…無事に男の尻まで到達したようだ  
男性器から尻まで、股を縄で通されて…男は必死で腰を動かしつづけて……  
逃げられないとわかっていても、最後まで必死で抵抗するのが性ってやつでしょうね……  
 
縄が、尻の奥へと潜り始めた…不意の違和感に身体を硬直させる男……  
さっきまで震えていたのに、全身を強張らせて脂汗を流し、必死に何かに耐えているみたい  
ここからじゃ見えないけど、きっとバージンでも奪われてるでしょうね……  
腰がビクンと跳ねる度に、一際大きな呻き声をあげて…  
それに応えるかのように、ペ○スを膨らませて……  
「ほら、女の目の前で勃たない男は格好悪いわよ…?」  
男のアヌス、前立腺を刺激されて無理矢理勃起させていく  
自分の足の下で、締め上げられたペ○スが苦しそうに震えはじめた……  
縄にギシギシと、内側から反発するように…自己主張を繰り返している…  
合わせるかのように腰を突き出しているのは、きっと中で突き上げられてるからでしょうけど  
縄の一端が男の尻に見え隠れする度に…床に赤い血が飛び散った…  
 
 
ペ○スを縛られ、アヌスを犯され…男はかっと目を見開いたまま喘ぎ声を出し続けていた  
中途半端な大きさのペ○スが震える度に、男は哀願の眼差しをこっちに向ける…  
その表情を見ながら…私はカウンターから持ってきておいた酒を飲んでみたのだが…  
……やはり、ダメね……幼少の記憶もあり、酒は好きになれないかもしれない……  
グラスの中身を男の股間にぶちまけ…私は部屋を後にした……  
 
そういえば…男はイカせて欲しかったのか…と、ふと頭に浮かんだ……  
まぁ、あれでイクようならただのマゾね…イケないようにしてあるけど…  
あの縄は連続稼動で何時間、何日生きていられただろうか…? 私の手を離れた今、関係ないか  
 
 
[中立サイド]  
 
あれだけアルコールを摂取してても平気な顔ぶり、縄を操る妖術まがい…  
それに加え、いつまでたっても酒場の主人は様子を見に来ない  
いつもなら、とっくに2人がかりで責めあげていたであろうというのに……  
(その男は…ヘルミーナが主人に対して別の形で報復を…とまでは頭が回らなかったようだ)  
孤独と苦痛、終わる事がない「罰」を与えられ…男は1つの結論に達し、そして諦めた…  
 
 
……まさか、あれが話に聞く「魔女」という奴だったのだろうか……?  
 
 
×ヶ月後  
「まっ、魔女だ!! ひいいぃぃっ!!」  
半分呆れた顔のユーディット 平然としたままのヘルミーナ  
この街でもそうなのか、と…ユーディットはヘルミーナを見上げる…  
「あ、あの…今度は、あの男の人に何をやらかしたんですか…?」  
「さぁ? 私、『酔っ払っていた』から『何も覚えてない』わ…フフッ……」  
「そ、そうですか…あはは……私は乗り物酔いの方が深刻ですけどね……」  
そのユーディットの言葉自体は、特に意味を込めたものでもなかったのだろう  
だが、ヘルミーナはハッとして…思わずユーディットに問い掛けた  
「アナタ、酔い止め薬が手放せない方かしら?」  
「ま、まぁ…ここまでのような酷い山道だと、馬車に乗る前に飲んでおかないと…」  
この街でのあの出来事…酔う…酔い止め薬……再び思い出し……真実と勘違いに気付く……  
 
(なぁんだ…私、お酒飲めるようになってたんじゃない……)  
自分はかなり「強い」方だと気付くのに時間はかからなかった  
 
「??……」  
1人でクスクス笑うヘルミーナを不思議そうに見つめながら、ユーディットは酒場の扉を開ける  
偶然に、さっきの…以前会った男と鉢合わせる、が……  
ヘルミーナの頭からは、もう消えていた  
今は…酒乱の癖がある師を想い、介抱するシーンを想い浮かべて……  
(今度は先生に関する情報を聞ければいいんだけど)  
ユーディットに先駆けてカウンターに座り、手始めにワインを注文する事にした  
 
 
ヘルミーナがユーディット酔い潰すのは、また別の話である  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル