「えーっと…… だいたい掃き終わったよね。」  
室内用の長ホウキを片手に持ち、そのロングヘアーの頭を左右に振りながら教室の中を確認する。  
教室の中にはもう誰も居ない。  
皆、さっさと下校したか部活へ行くかしているのだろう。  
ゆっくりと教室を見回し、満足そうにうなずくと、ホウキを持ち直して床のちり取りを拾い上げる。  
ちょっとずれたヘアピンを直してから、道具入れに片付けようと振り返る。  
掃除用具用のロッカーはトビラが開けられており、その中も掃除したのだろう、ホウキやバケツが全てそとに出されていた。  
 
「ん?」  
数歩踏み出したところで、床に視線を向けて立ち止まる。  
誰かの机の足先。そこに紙切れが足と床の間に挟まった状態になっていた。  
拾おうと手を伸ばし、机を少し傾けて足を浮かせようとする。  
 
ドササッ!  
 
その途端に、机の中から本やらノートやらが滑り落ちて床に散らばってしまった。  
 
「あ! しまった! この机は…… 藤野君……だったよね。」  
机の横に張られた名字を確認し、かがみこんで落ちた教科書などを拾い集める。  
「……これ、全教科あるんじゃ? 宿題とか予習とかしないのかな?」  
苦笑しながら拾い集めるうちに、ふと、その手が止まった。  
 
どう見ても教科書ではない、一冊の雑誌。  
表紙には、豊かな胸を両手で隠してこちらを見つめる、裸の女性の上半身が載っている。  
その雑誌に視線は釘付けとなったまま、とりあえず教科書の類を机の中に押し込み、そっと手を伸ばして拾い上げる。  
しゃがんだまま、床にあるその雑誌のページを一枚一枚めくってみる。  
「……わあ……」  
大抵は女性のヌードグラビアが載っているのだが、中には修正こそ入っているものの、男性との結合姿が載ったページもある。  
閉じて、何事も無かったように片付けてしまおう、と思ってはいるのだが、  
 
なぜか雑誌の中身から目が離せず、次へ次へとページをめくってしまう。  
 
 
「あれ、須藤? なにやってんの?」  
「わあ!?」  
やおら教室の入り口からかけられた声に、少女は弾かれたように振り向いた。  
ゴミ捨てから戻ってきたのだろう、ユズがカラになったゴミ箱を抱えたまま、自分へと近づいてくるのが見える。  
「何でもない、何でもない!! ちょっとゴミ拾ってただけ!」  
焦った須藤は背後に近寄ってきたユズに振り向きもせず答え、見えないように雑誌を胸に抱えると早足で教室の隅まで離れようとする。  
「なんだ? なに持ってるの?」  
ユズはささっと彼女を追い抜き、前に回り込んだ。  
「あれ、それ……?」  
「あのその、これ、藤野君の机の中から落ちてきて……!」  
真っ赤になりながら説明する彼女に、ユズは気まずそうに笑いながら、頬をかいた。  
 
「あー、藤野かぁ…… あいつエロ本なんか持ってきてるのか……」  
うつむいてしまった須藤に片手を差し出して雑誌を軽く引っ張ると、彼女はすぐに手を離した。  
ユズは受け取ったそれを開いてみる。  
「これ、先生に見つかったらヤバイだろ…」  
苦い顔でパラパラとページをめくると、少し落ちついたのか、須藤もそれを覗き込んで口を開く。  
               
「ねえタチバナくん。こういうのって初めて見たけど、結構、その…… 大事な所は見えないようになってるんだね。」  
「大事な……? あー、このモザイクとか? そりゃそうだろ。見えたらマズイじゃん。」  
苦笑したユズに、つられて笑いながら須藤は首をかしげた。  
「……タチバナ君も、やっぱ、こういう本とか興味あるの?」  
「へ!? えー、まあ、それは……」  
思いもよらない問いかけにユズが言葉に詰まると、そこで気がついたように須藤も慌てて口を押さえる。  
 
「ははは……」  
「あ、あはは……」  
二人とも誤魔化すような笑いを浮かべ、乾いた笑い声を上げた時。  
廊下の方から誰かが大きな声を上げ、バタバタとした足音が近付いてくる。  
 
「ゲッ!? あの声、原センだぞ!」  
「ええ! どうしよう!?」  
「と、とりあえずコレ隠して……」  
慌てて手近にあった机の中に雑誌を押し込もうとするが、焦って、広げたまま入れた雑誌は折れ曲がってしまい、  
中には入らずにバサリと床に落ちてしまった。  
「ちょっ!?」  
「と…… とりあえず逃げる!?」  
須藤の声に、ユズは素早く辺りに視線を走らせた。  
「これだ!」  
「!?」  
傍らにあった掃除用具用のロッカーに、有無を言わさず須藤を押し込み、自分も入ってトビラを閉める。  
 
 
ほとんど同時に教室の引き戸が開く音がし、誰かが部屋に入ってきた。  
カツカツと聞こえる足音は生徒のシューズではない。  
「…やっぱり原先生?」  
「しっ……!」  
通気用だろうか。トビラに入っているわずかな切れ目から外を覗き見ようとした須藤の口を手で押さえ、  
ユズは息を殺して外の音をうかがう。  
 
須藤の声が聞こえた様子は無く、足音の主は何やらせわしなく教室の中を歩き回っているようだった。  
「……頼むぜ。あまり大きな声はださねーでくれよ?」  
小声でたしなめるような声を出したユズに、須藤は理解した様子で、少し目を見開いて小さく何度も首を縦にふってみせた。  
 
わずかに隙間から差し込む光が、数本の細い線となって少女の目の辺りに映っている。  
ユズはとりあえず押さえた手をどけようとし、その拍子に彼女の唇の感触が手の平をなぞり、ユズはギクリとしたように肩を震わせた。  
「?」  
一瞬、怪訝そうな顔をした須藤に、ユズは慌てて視線をそらす。  
 
 
(……しかし……これはちょっとヤバイかもしれねーな…)  
改めて自分達の状況を確認してみる。  
用具入れのロッカーはもちろん狭い。二人が入っている事でほとんど隙間がなくなり、  
当然、お互いの体は半分以上の面積が密着してしまっている。  
手を戻そうとちょっとユズが身じろぎしただけで、脚や肩がこすれてしまう。  
──なるべく動かないようにしよう。  
ユズがそう決めた瞬間、少し窮屈そうに須藤が体を動かした。  
ぐにゅ、とした感触が片方の二の腕に伝わる。  
(……須藤の……ムネ。だよな……)  
あえて冷静に徹して分析してるユズをよそに、須藤は体勢を変えたいのか何度か身じろぎしてみせる。  
その度に少女の体がユズの体に触れ、柔らかいその感触が伝わってくる。  
 
当の須藤は、まるで気にしていない様子で、神妙な顔をして外の様子を伺っている。  
ほぼ目の前にあるその横顔を見ているうちに、ユズの中で何やらむくむくと湧き上がってくる衝動があった。  
(……自重しろオレ! 自重しろオレ!)  
必死でなだめるユズの鼻腔を、須藤の方から漂う甘い香りがくすぐった。  
香水ではない。少女の体から漂う、少しミルクっぽい独特の香りだった。  
 
──むくり。と、血液が集中したユズの下半身が起き上がってくる。  
(ヤベ!?)  
起き上がってゆくユズのそれは密着している少女の大腿部に当たり、その感触に須藤は不思議そうな顔を見せる。  
「?」  
何が当たっているのか確かめようとした須藤の手がユズのそれに触れた。  
避けられる状況では無い。  
ユズのそれは彼女の手の平に納まり、須藤は探るように何度か握って感触を確かめている。  
(……うおお!? 駄目だって……!)  
そんなユズの心の叫びも空しく、触れられた事で快感を感じたソレはあっと言う間に硬く硬直してそそり立ってしまった。  
 
「……な…にコレ……!? タチバナくん… ポケットの中に何入れてるの……!?」  
相当に驚いたようだったが、それでもなんとか小声のまま、焦った声で尋ねてくる。  
 
(…………よし。)  
一瞬考えたユズだったが、何かを決めたように心の中で頷き、須藤の耳元にそっと口を近づける。  
「あのな…… コレは……」  
ぼそぼそとした耳元でのユズの囁きを聞いた須藤の顔が、あっという間に真っ赤に染まる。  
「…な、な、何で…!?」  
目を見開いてあたふたと首を震わせている。  
 
(こうなったらもう……)  
ユズは自分の下半身に触れていた須藤の手を握り、赤くなって慌てている少女に顔を近づけると素早く唇を重ね合わせた。  
「……!?」  
ほんの数秒で唇を離し、突然の事に目を白黒させている須藤の肩をもう片方の手で掴み、再び唇を奪った。  
「……んん!?」  
小さく呻き声を漏らし、驚いてはいるようだったが嫌がる様子は無い。  
そんな須藤の様子を見るようにしばらく唇を合わせ、ユズはゆっくりと口付けを終えた。  
 
須藤は、呆然とした顔でユズを見ながら口を開いた。  
「…た…… タチバナくん…… どうしたの……?」  
怒っている様子は無く、ただ、事の成り行きについて行けず、混乱しているだけのようだった。  
ユズは無言で自分の体をさらに密着させた。  
「……須藤に触りたい。」  
それだけ言うと、肩に置いていた手を、すすすっと少女の胸の上まで持って来る。  
「ななな… 何で、何で!?」  
「声出さずに……! な? そのままジッとしててくれ……」  
混乱した表情のまま、とりあえず口をつぐんだ須藤の胸に、ユズはもう片方の手を移動させ、  
 
ゆっくりと少女の乳房を制服の上から揉み始めた。  
困惑した形に眉を曲げ、顔は赤らめたまま目を閉じて、須藤はじっとユズの愛撫を胸に受けている。  
 
狭い場所だけに腕の動きも制限されるが、器用に指を動かして、まだ膨らみかけといった感じのそれを撫でるように揉んでいる。  
やがて片手を胸から離して制服の上をなぞるように下の方へと伝わせてゆく。  
腰の後ろへ手を回し、スカートの上からヒップをやや強く掴むと、弾力を楽しむように何度も揉みほぐした。  
その度に須藤の体はピクピクと震える。  
              
「タ、タチバナくん…… こんな事、駄目だよ……」  
須藤は、ようやくといったように小声を出して、ユズの腕をそっと押さえようとする。  
だが、ユズは素早く腕を正面まで翻し、生地を捲り上げながらスカートの中に手を伸ばして、  
須藤の一番大事な部分を、覆っている下着の上から触れた。  
「……あっ!」  
思わず肩を震わせて短く声を上げてしまい、須藤は慌てて口をつぐんだ。  
 
それまで教室の中を歩き回っていた靴音がピタリと止まり、一瞬の間を置いて自分達の方へと近付いてくる。  
 
二人は石のように固まったまま息を殺して耳をすます。  
「……どうしよう。」  
「しずかに……」  
小声でもらした須藤をたしなめ、ユズはジッと外の気配をうかがっている。  
 
と、近付いてくる足音が止まる。  
そして一拍置いた後、悲鳴のような叫び声が上がった。  
(……あ、エロ本見つけたな?)  
苦笑しながらユズは外の様子を推測する。  
見ると、須藤も同じ事を考えたようで、首をすくめて笑っていた。  
 
しばらく、何やら喚き声が聞こえていたが、やがて足音も荒く声の主は教室から飛び出して行った。  
 
廊下を遠ざかって行く靴音を聞きながら、二人は顔を見合わせてクスリと笑い、  
「──ひゃん!?」  
突然、下着の上から秘裂の上をなぞられ、須藤はたまらず声を上げてしまった。  
 
ユズは間を置かず、上着の裾の中からシャツの中へと手を滑り込ませ、制服の中でブラを上にずらして乳房を露出させた。  
そのまま直接肌に触れて、少女の胸を愛撫し続ける。  
「…タチバナくん、私、恥ずかしい……」  
「あんまり気持ち良くないか……?」  
「……良くわからない。」  
困った顔をする須藤にユズは一瞬考えると、胸を弄っていた指で乳首を挟み、軽く転がすように動かし始める。  
「んんっ!?」  
背中を震わせて目を硬く閉じ、須藤は何かを耐えるように体を硬直させた。  
下を触っていたユズの手が、一度、へその辺りまで上がり、すぐに下腹部をなぞるように下着の中へと滑り込む。  
少女の秘部に指が直接触れ、秘裂の中に浅く指を沈ませながら動かして陰茎を探りあてると、指の腹でそっと触れた。  
 
「────!!!」  
声にならない呻きを上げ、少女の膝はガクガクと震えて、そのまま崩れ落ちそうになってしまう。  
「もしかして、あんまり自分でいじった事も、無かったり?」  
力が抜けてしまったように声も出ない様子の須藤だったが、少し顔を赤らめると、小さく頷いてみせる。  
ユズの指の動きが一瞬止まり、  
次の瞬間、両手を激しく動かし始め、少女の乳首と秘所を攻め立てて行く。  
 
あまりの事に引きつったような声しか出ない須藤は、ユズに体を預けながら抵抗することもままならず、  
自分を翻弄して行く快感に耐え続けている。  
ユズの指が蹂躙する秘所から、次第に湿った音が立ち始め、それは独特の粘り気のある水音を、狭いこの場所に響き渡らせている。  
ユズの愛撫は容赦なく動きを増して行き、やがて限界が来た少女の体が一度大きく震えると、腰が砕けたように力が抜けてしまう。  
胸を弄っていた腕を抜いて、崩れ落ちる少女の体を支えて、ユズはその背中を少しさすってやる。  
 
気を失っている訳では無いが、ぐったりと脱力している須藤の秘所から手を抜き取り、そのまま下着をスルスルと腿の辺りまで下ろして行く。  
ユズは素早くズボンのジッパーを下ろすと、そこに閉じ込められていた肉棒が勢い良く飛び出して、嬉しそうにブルンと一度震えた。  
すでに待ちきれないと言わんばかりに膨れ上がったそれを片手で掴むと、先端を須藤の秘裂にあてがう。  
 
「──た、タチバナ君! まって! これって、もしかして……!?」  
まだユズにもたれかかったまま、焦った声を上げる須藤には答えず、ユズは肉棒のほんの先端を押し込んで陰唇に埋没させる。  
「いれるよ?」  
「い、入れるって……?」  
ユズは、怯えた声で尋ねる須藤の秘裂に定めた肉棒をゆっくりと押し込んでゆく。  
 
ぎち、ぎちっ、と音でも立っているかのような狭い膣内は、押し広げ侵入しようとするユズを強い圧力で押し戻そうとしてくる。  
「イタ!? い…… た……!」  
今まで何も受け入れた事の無い性器へと異物を押し込まれ、強引に秘肉を掻き分けられる痛みに須藤は細い悲鳴を上げた。  
「き…… キツイ……」  
予想以上に狭いその膣内は、処女の印を突き破り奥へ奥へと進もうとするユズの肉棒をキュウキュウと締め付け、  
ユズは思わず声を漏らした。  
 
「痛…… 痛いよ…」  
瞳に涙を滲ませて、痛みから逃れようと必死で歯を食いしばる須藤の頭を、ユズは空いている片手で抱えこむ。  
「ゴメン…… でも、須藤の中、スゲー締まって…… めちゃくちゃ気持ちいい……!」  
「……そ……そうなの?」  
口を開き荒い息をつく須藤の頭を強く抱き抱え、ユズはようやく肉棒を根元まで押しこんだ。  
「痛あ、うっ!?」  
「だ、ダメだ……! 須藤の中、気持ち良すぎて、オレ、もう出ちゃうぞ……!」  
わずかに腰を震わせただけで、自分の中から少女の膣奥を目指して湧き上がってくる物を感じ、ユズは身悶えする程の快感に包まれる。  
 
「で、でるって……?」  
腕の中で自分を見上げる、まだ辛そうな表情の須藤の顔が目に入り、ユズは正気に戻ったようにその顔を凝視する。  
肉棒の中を快感の塊が駆け上がって来る。  
「ヤベっ!!」  
ユズは反射的に少女の中から自分の物を引き抜いた。  
引き抜く際にも、やはり締め付ける膣壁の感触が肉棒を痺れさせ、引き抜いたと同時に鈴口から白い快液がほとばしる。  
 
ユズはとっさに肉棒に手を添え、どろりとした粘液を少女の内腿に貼り付けて行く。  
鮮血の混じったおびただしい量の精液を吐き出すと、ユズは一瞬途切れそうになった意識を立て直し、  
完全に腰が抜けたのかガクガクと崩れる少女の体を受け止めた。  
 
 
       
        
「タチバナくん…… 強引すぎ。ちょっとヒドイよ……」  
「う、ごめん……!」  
とりあえず自分のハンカチで腿の汚れを拭き取りながら、ユズは申し訳なさそうに須藤に謝った。  
 
すこしふらつく須藤を支えながら道具入れから出ると、須藤は今まで自分たちが居た場所を振り返り、苦笑を浮かべた。  
「初めての場所がここかぁ…… あんまりロマンチックじゃないよね?」  
「ホントにゴメン……」  
平謝りするユズに、須藤はクスッと笑って、ふと思いついた様に口を開く。  
「ね、私の中って、そんなに気持ちよかったの?」  
「……うん。最高だった。……オレ、全然もたなかったし。」  
「そうなんだ…… 私は痛いだけだったなあ……」  
苦笑いを見せる須藤に、ユズは何と言ってよいか分からず、困った顔でほほを掻いている。  
 
「……何度もしていくうちに、私も、気持ちよくなれるのかな?」  
「そりゃ、まあ… 何回か経験すれば、そのうち……」  
「そっか。なんか不公平だけど。 …じゃ、次する時は少しマシかな?」  
「……次って?」  
二人同時に顔を見合わせ、ちょっと気まずそうに笑って顔をそらした。  
 
「さ! タチバナくん、片付けて帰ろう!」  
「あ… ああ。……そういや、足元ふらつくだろ? 送ってくよ。」  
まだ痛みが残っているのだろう。  
ちょっと前かがみでよろめく須藤に声をかけ、自分は外に出してあった掃除道具を集め始める。  
「うん…… じゃ、途中まで一緒にかえろう。」  
少し照れくさそうに笑い返し、須藤も片づけを再開した。  
 
 
 

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