コトリと音を立てて、水を替えた花瓶を机の上に置いた。  
何も挿してない花瓶の向こう側には窓を通して校庭が見える。  
晴れた空が明るい校庭の土に照りかえり、窓から差し込んでくる。  
「あ──… そろそろ紫外線のキツくなる時期だよね…」  
誰とは無しに呟くと、トレーナーの袖口をまくり白い自分の腕を眺める。  
透ける様に、とはいかないが、かなり色白な肌で、日に焼けたりしたら真っ赤になってしまうタイプだろう。  
 
「今年はちょっと早めに対策するかな…」  
ぽつりと言った時、後ろでガラガラと戸を開ける音がした。  
振り返ってみると、腹の辺りを押さえた男子生徒が前かがみになって保健室に入ってくる所だった。  
「……あれ? 森くん?」  
知った顔だと気がつき、声を掛けると、彼は少し驚いたようにこちらを見た。  
ちょっと髭を生やして無骨な感じを受ける顔は、今は少し具合悪そうにしかめられている。  
「ああ、ゆかりんか…… なあ……保健の先生いないのか?」  
ちょっと弱った口調で、なぜかゆかには背を向けながら、奥のベッドの方へと進む。  
「先生? さっき昼休みに行ったから、当分帰ってこないんじゃない?」  
「マジか……? あてて……」  
辛そうに腰を曲げて、困った顔で、保健室の中を見回す。  
 
ゆかは心配そうな顔になり、少し近づいて彼の様子を覗き込む。  
「お腹が痛いの? 下痢したとか…? 盲腸とかじゃないよね?」  
様子を見ようと近寄るゆかから逃げるように背中を向けて、ベッドの向こう側へと移動してしまう。  
「なによー 逃げなくてもいいでしょ?」  
「いや、ハライタとかじゃないから。いいってば、こっち来なくて!」  
その様子に眉をしかめながら、しかし好奇心が刺激されるのか、部屋の隅に追い詰めるように近寄ってゆく。  
「具合悪い訳じゃないの? 何で保健室に来たのよ?」  
「いや、マジ勘弁! 病気とか怪我じゃねーから… いや、ケガしそうにはなってるけど…」  
焦りながら、かえって気になる言い回しをしてしまう彼の様子に、ゆかはますます首をかしげてしまった。  
「ねえ、ホントどうしたのよ? 気になるってば……」  
なおも詰め寄ってきそうなゆかの様子に、観念したのか、彼は小声でぼそぼそと呟く。  
「いや、そのさ、………チャックが壊れてさ。ズボンの……」  
「…は?」  
「だから、壊れて、開ける事も閉めることも出来ないんだよ……!」  
「それでなんで保健室? ジャージとかに着替えればいいじゃない。」  
良くわからないといったゆかに、彼は苦笑交じりにさらに小さい声で喋る。  
「………挟まって、どうしようもないんだよ。」  
「はさ…まる…? 何が?」  
「だから……! ……俺の……ナニが……」  
ぽかんとした顔で聞いていたゆかだったが、その言葉を聞いて、前かがみの彼の姿勢をゆっくりと確かめる。  
 
一瞬、保健室に沈黙が訪れ、  
 
「ぶわはははははは!!」  
突然、勢い良く噴き出したゆかは、隣のベッドのシーツに顔を伏せて腹を抱えて笑い始めた。  
「こ! こら…! なんて笑い方するんだよ!?」  
「だってだって! あはははは…! ナニって… わははっ!」  
ベッドを叩いて笑うゆかに、彼は少し機嫌を損ねたような口調になる。  
「ほら、もういいだろ? あっち行ってくれよ。」  
ゆかはまだ笑いの余韻を残した感じで、涙をぬぐいながら顔を上げた。  
「ごめんごめん! 笑って悪かった!」  
「…いいけどさ。 あ、いてて。」  
また前かがみになってしまう姿に、思わず噴き出してしまいそうになるゆかだったが、なんとか堪えて、平静な表情を作る。  
「おし! ちょっと見せてみ? 直してあげる!」  
「え!? いいってば! 見えるじゃないか!」  
その言葉に、ゆかはちょっと考える。  
「…なるべく見ないようにするって。いいじゃない、ツライでしょ?」  
「ほんとにいいってばさ! もう向こういってくれよ。」  
ゆかの申し出は首を振って強く拒否すると、彼は部屋の角に背を向けて陣取り、黙り込んだ。  
                
不本意そうな顔でそれを見ていたゆかだったが、何か思いついたような表情になると、いたずらっ子のような仕草で  
そろそろと横手に回り込む。  
「おーい。これ見てくれる?」  
軽い口調で呼びかけるゆかに、思わず彼は振り返った。  
「ほらほら! どう?」  
振り返るタイミングに合わせて、ゆかは自分のトレーナーの裾を両手で捲り上げてその中身を晒す。  
目前にいきなり広がる予想外の光景に、彼は一瞬呆けた顔で言葉を失い、  
「いててててて!?」  
激しい痛みに悲鳴を上げて下半身を押さえ込みうずくまる。  
その隙に首を伸ばして覗き込み、ゆかはちょっと感動したような声を上げた。  
「…おおー…… ブラ見ただけで、もうそんなになるとは… 森君って純情さん?」  
窮屈そうな隙間からそそり立つ硬直した肉棒をまじまじと見つめ、ちょっと照れながら冗談めかした解説を入れる。  
「…いや、違うって…! ブラどころじゃないって……」  
「へ?」  
言われてから慌てて自分の姿をみてみる。  
確かにトレーナーをたくし上げてはいるのだが、勢い良く捲り上げた為か、中につけたブラまで外れて捲くられてし  
まっていたのだった。  
胸のサイズが小ぶりだということもブラがずれる原因だったのだろう。  
まだ申し訳程度にしかない色白な膨らみの上に、少しピンクに近い肌色の乳首が可愛らしく覗かせている。  
「やっ!?」  
瞬間的に、ボッと顔を赤く染め、即座にトレーナーを下ろして隠した。  
「見た!? みたよね!?」  
「わ、悪い。ちょっと、チラッと… 見た。」  
顔を逸らしながら、愛想笑いなどを浮かべるが、両手はやはりズボンの前にあてて、立ち上がってくるソレを必死に  
宥めている。  
 
やや、機嫌を損ねたような表情でその姿を見ていたゆかだったが、やがて何か思いついた様子で、ニンマリと笑みを  
浮かべると、おもむろにスカートの両端から中へ手を入れてスルスルと下着を下ろし始めた。  
「ちょ!? 何する気だよ!?」  
「んー…… これならもっと効果あるかな、って思って。」  
ももの途中辺りで手を止めて半分程脱いだ下着をそのままにし、今度はスカートの裾を掴むと、ゆっくり持ち上げはじめる。  
「…こういうのって興奮するんじゃない?」  
「………う…!?」  
持ち上げたスカートの中にある下着は途中までずり降ろされており、真っ白い下腹部のラインが丸見えとなっていた。  
 
ゆかは体毛が薄いほうなのか、へその下に広がるなだらかな丘のような下腹はつるんとしており、少し未発達な体を  
思わせる。  
ギリギリまでで止められた下着が少女の部分を隠しているが、僅かに影のように見える秘裂の端は、間違いなくその  
下に何が隠されているのかを示していた。  
 
思わず口を開けてその姿を凝視していた彼だったが、  
「ういてててて!!」  
はちきれんばかりにわずかな隙間からそり立とうとする、自身の物の根元に走る痛みに再び声を上げてしまった。  
もはや隠す事をあきらめたのか、剥き出しのままになっているそれは硬く伸び上がり、窮屈そうに時折びくびくと小  
さく震えている。  
「……わぁ。なんだかスゴイ……!」  
感心したような声を出して、すすっと手を伸ばしさりげなく触れてみる。  
「……少し余ってるのかな?」  
「ちょ、まてって!?」  
ゆかの手が茎を軽く握ると、それはさらに膨張して亀頭の根元付近に少しあった皮が下に下がり、ややピンクがかっ  
た赤い頭が剥き出しになった。  
「あ、全部出たね。」  
それと同時にジッパーの方から鈍い音が聞こえ、肉棒が一度大きくヒクついた。  
 
「……あれ? 壊れちゃった?」  
「あ… そうみたいだな。」  
金具が外れ、ようやく痛みから解放されたようで、彼は深く溜息をついた。  
「なんだか残念かなぁ…… なーんて…」  
「ゆかりん… もしかして、ちょっとサドっ気があるのかよ?」  
「ないない! 冗談だよ。」  
慌てて手を振ってみせ、背中を向けると半分ズリ降ろしたままだった下着を戻そうと、少し前かがみになってスカー  
トの中に手を入れる。  
油断したのだろう、体を屈めた時にスカートの後ろが上がり、その下からチラリと小さなお尻が覗いた。  
 
目の前に無防備に晒された張りのありそうな白い柔肉にそろそろと彼の両手が近づく。  
 
「きゃっ!?」  
唐突にお尻の肉を鷲掴みにされて、ゆかはバランスを崩して前につんのめる。  
とっさにベッドの手すりにしがみ付いて踏み止まると、床を向いた視線の先には、自分のつま先とその向こうに立膝  
をついた森君の脚が見えた。  
「………でか!?」  
その股間にある怒張しきったモノに思わず声を上げてしまう。  
つい目を奪われ体勢を立て直すのを忘れたゆかの隙を突くように、その秘所を柔らかい物がなぞる。  
「やあぁん!?」  
背筋を抜けるように通った感覚に、つい鼻にかかった甘い声が口から上がった。  
自分のお尻を両側に分けるように広げ、大事な割れ目の部分に少しざらついた柔らかい感覚が這うように与えられてくる。  
 
直感的に彼の舌が愛撫を始めている事に気が付き、反応しそうになる体を手すりにしがみつく事で何とかおさえた。  
「や! だめ! そんなトコ汚…… はぁぁんん…!?」  
舌先で敏感な部分を撫でるように触れられ、耐え切れずに嬌声を上げてしまう。  
秘肉に指がそっと添えられて、両側に押し広げられるのがわかった。  
自分の大事な場所の内側まで晒されて彼に眺められている事を感じ、顔を真っ赤にして伏せてしまった。  
「汚くなんかないって… ゆかりんのココ、奥までキレイなピンク色でスゲーきれーだな……」  
今度は膣口の内側をゆっくりと舌が這いまわる。  
「はぁぁぁぁ……!」  
じんわり広がる快感に溜息がもれた。  
自分の蜜壺の奥からトロリとした物が湧きだして、女性の部分を潤わせてゆくのがわかる。  
「……うんン……はぁぁぁ…んん………」  
柔らかく与えられる快感に次第に抵抗する気持ちも薄れてゆき、ゆかはとろんとした目であらぬ方向を見ながら愛撫  
されるまま、気持ち良さそうに溜息を何度もついていた。  
 
不意に、といった感じで、彼の舌が離れていた。  
そして自分のお尻をつかんだまま立ち上がる様子に、次の行動を察知してゆかは慌てる。  
「……ゆ…ゆかりん。…いいかな?」  
「いやちょっと…! まって! それはダメだって!」  
首だけで振り返り、焦りの色を滲ませて彼を止める。  
「…だ、ダメか? もしかして、ゆかりん……初めて… なのか?」  
「いやいや! 違うけど…… って! 何、言わせるか!?」  
チラリと見えた彼の肉棒は今、挿入できる期待にあふれているようで暴発寸前にも見える。  
「……だって、その、ゴム無いし…! ダメだよ……!」  
「で、でも俺、もう……!」  
どこか切なそうな表情で、困った様子の彼を見て、ゆかは一瞬考える。  
「…あ! じゃあさ、その……私、口でしてあげるよ! …半分は私のせいだしさ。ね?」  
「ほ、ホントに?」  
「うん。」  
にっこり頷くゆかに、少しうれしそうに微笑み返す彼だったが、すぐにちょっと神妙な表情になる。  
 
「あのさ…… その前に、ちょっとだけ! ちょっとだけ入らせてくれないか?」  
「えっ!? いや、それは… うー……ん…」  
「ゆかりんの中に入りたくてたまんねーんだよ… たのむ! 少しだけ!」  
必至に頼み込んでくる様子に、少し照れた顔になって考え込み、ゆかは口を開いた。  
「…一回だけ…だよ? 入れたらすぐ抜いてよ? …それでいいなら。」  
そう言って顔を赤らめながら、腰を上げてみせる。  
 
「…入って、いいよ。」  
 
返事もそこそこに彼の手が腰に回されて抱えあげられる。  
もどかしそうに肉棒の先端が入口の柔肉にあてがわれ、ゆかは一瞬ビクリと体を震わせる。  
(アレが入ってくるんだ……)  
先ほど見た大きな肉棒を思い出し、ゆかは自然と鼓動が速くなり、さらに自分の奥から密が湧きだしてくる事を感じ  
ていた。  
 
一呼吸を置き、彼の腰が突き出された。  
ゆかは自分が貫かれた感覚を思い浮かべ身構える。  
 
が、溢れた愛液のせいなのか、突き出された肉棒は秘裂の表面を撫でて下腹の表面を擦りながら、へその前へと突き  
出されてしまった。  
「うあ!?」  
腹に張り付いた状態の肉棒が激しく痙攣するのがわかった。  
下を向いたゆかの目の前を、白い快液が何度も飛び抜け床に広がってゆく。  
ちょっとあっけにとられた顔で、ゆかはその光景をぼんやりと眺めていた。  
 
 
 
無言のまま、二人しゃがみこんで粘液が飛び散った床をティッシュで拭きとる。  
気まずい空気のまま、拭き残しがないように丁寧に確認し、丸めたティッシュはごみ箱の奥に詰め込んだ。  
「その… なんだ… ……ごめん。」  
背を向けたまま、ポツリと告げられて、ゆかは苦笑を浮かべて少し考え込んでいるようだった。  
やがて立ち上がると、彼の両脇を後ろから支えて立ち上がらせる。  
「…え? 何だ?」  
戸惑う彼には答えずに、自分と一緒にベッドの上に転がるように引っ張り上げた。  
「ゆかりん?」  
「まあ、約束しちゃったしね。……私、そんなに上手いわけじゃないと思うから、あまり期待はしないでよ?」  
ちょっと照れた笑いを浮かべて、念のためだろう、仕切りのカーテンを閉める。  
驚いた顔で言葉を無くしている森君を横目で見ながら話しかける。  
「森君も、ズボンは脱いでよ?」  
「あ…? ああ……」  
 
言われるままに彼はのろのろとした動作でズボンを脱ぎ去ると、ついでにトランクスも取り払った。  
ゆかはトレーナーに手を掛けて、さっき緩んだブラごとするりと脱ぎ去る。  
サッ! と両手を胸の前で交差させて隠すように押さえると、少し恥ずかしそうに笑い、口を開く。  
「あんまり見ないでよ。胸無いんだからさ…」  
「い、いや、でも……肌白くてキレーじゃんか。その……見せてくれよ。可愛い色してたよな?」  
恥ずかしそうにしているゆかの両手を取り、胸の前からどける。  
「…無いってば、ホントに……」  
ゆかの言葉通り、少し前かがみにならないと判らないくらいの膨らみしかない。  
彼の手の平が、形をなぞるようにして持ち上げ、そっと揉んで見せた。  
「…小振りでカワイイじゃんか。ホントにキレイな色してるな……」  
そう言って、彼はいきなりゆかの乳首を口に含んだ。  
「きゃん!?」  
ぞくっとした感覚が背中にはしり、思わず小さな声が上がる。  
「可愛いオッパイだよな… 何か俺ムラムラしてくる…」  
「…やだ、それ。………ロリコン?」  
ゆかの軽口には答えずに、彼は僅かに手の平に掴みとれる乳房をくいくいと揉みしだく。  
反応して乳首が立ってしまったそれを軽く吸われながら舌先で転がされて、もう片方は指の腹で転がされている。  
「…や…ふぅうう…んん…… あ…あっ…はぁ…あ………」  
されるがままに胸を弄られて、天井を仰ぎながらぞくぞくと広がってくる快感を楽しんでいるようだったが、しばら  
くしてから、すすっと彼の股間に手を伸ばした。  
 
「…あ、もう復活してる。…すごいね。」  
「あ、や、すごいのかな?」  
戸惑う彼に笑いかけて、数回優しくソレを揉んで見せると体を曲げて股間に顔を埋めた。  
 
「おおお………!」  
口に含み、彼がうめき声を上げて仰け反るのを見ると、少し笑って、慣れない口淫を開始する。  
たとえるなら、アイスキャンディを舐めるように、唇でしごきながら時々舌を使うだけのぎこちない物だったが、彼  
は気持ちよさそうに仰け反り、ベッドに仰向けになって完全にゆかにそれを任せているようだった。  
 
なるべく丁寧に口淫を続けていたゆかだったが、ふと何かを思いついたのか口を外してベッドに腰を下ろす。  
「…あの、俺、まだ……」  
「……ちょっとまってて。」  
そう言って座ったまま足を伸ばし、スカートの下に手を入れスルッと下着を脱ぎ去ってみせる。  
膝立ちになり、彼の上にまたがった。  
「ゆかりん… これって…?」  
「だって、あんなに私の中に入りたがってたじゃない。…サービスしたくなっちゃった。──なんて、ね。」  
冗談交じりの口調で言いながら、肉棒を手に取り自分の入り口にあてがう。  
「…あ、出そうになったら言ってね? ギリギリはだめだよ。…最後は口に出して、──ね?」  
「わ、わかった!」  
神妙な面持ちで彼がうなずくのを見ると、ゆかはゆっくりと腰を落として、肉棒を迎え入れ始めた。  
 
「な…なに…!? コレ…大きいよぉ…… ちょ、ちょっと痛いかな…」  
「ゆかりん…大丈夫か…?」  
「ゆっくりなら平気…… ああぁ……広げられちゃうよぉ……!」  
「あ、あったけー……!! なんか、とろける…!?」  
口々に思い思いの事を告げながら、二人は自分たちをつないでゆく。  
「あぁ! もう…奥だよ… 全部入らない。すご……い…」  
やや恍惚とした表情で、ゆかは腰を動かしはじめた。  
「うわああ…! なんか、なんか絡みつく…! 手で握られてるみてーだ…!」  
「やんっ!? だめ! 激しく突かないで…… あん! こんこんって、奥に当たって……る……」  
ゆかは彼の胸に倒れこみ胸板に手を乗せて、下から攻めてくる彼の動きをかわすように、上下に擦り付けるように腰  
を動かす。  
彼はゆかのおさげ髪の頭を抱え込み、抱き寄せながらひたすらに腰を打ち付ける。  
ピストン自体は小刻みだったが、突かれる度に子宮口に彼の亀頭が触れる経験した事のない快感に、ゆかは深い絶頂  
を迎えようと目を強くを閉じて膣内に意識を集中させる。  
「…ゆかりん! 俺…そろそろ……!」  
「あ! もうちょっとだけ…… はんっ! 我慢して…! もう私、イっちゃう… トコな…の…」  
「あ、ああ! わかった! まだ、大丈夫だから、ゆかりん……!」  
「……っ!」  
快感が膨れ上がり、ゆかの頭の中で白い火花が散り始め、絶頂を受け入れようと奥底から湧き上がるものに身を委ね  
てゆく。  
 
──いま、まさにイこうとしたその瞬間。  
 
「失礼しまーす!」  
「あれ? 先生は?」  
ドアが開く音とともに、数人の女生徒が保健室に入ってきた様子が、カーテン越しに分かった。  
 
「!?」  
咄嗟に身を硬くし、すべての動きを止めて、口を手で押さえて声が漏れないようにする。  
彼もそれに気がついたのだろう。腰の動きを止め、ゆかを抱き寄せた姿勢のまま硬直してしまう。  
女生徒達は、二人には気がついていない様子で、何事か話しながら入口でたむろっているようだった。  
──気づかれませんように!  
心の中で叫びながら、ゆかは背中の汗が冷えて行くのを感じ、緊張の為、全身に力がこもる。  
 
その時、下にいる彼の苦しそうな表情が目に入る。  
それが何を意味するのか一瞬理解できず。  
察したのは、緊張で彼のモノをキツく締め付けてしまっている膣内で、肉棒がブルブルと震え出した時だった。  
抜くべきか、身を潜めているべきか。  
躊躇してしまい、行動に移せなかったゆかの体内で肉棒が大きく震え、快液が勢いよく弾け飛んだ。  
 
「!!」  
膣壁に子宮口に、熱い体液がほとばしり、性交中とはまた違った快感に襲われ、ゆかは声を上げそうになる。  
肉棒はゆかの狭い膣内で暴れまわるように痙攣しながら精液を吐き出し続ける。  
まるで別の意思を持つ生物のようにそれは膣内を蹂躙し、膣壁に精液を塗りつけ、鈴口が狙いを付けるように子宮口  
に吸いつき、その中へと熱い精液を放出してゆく。  
成す術もないまま膣内に射精されて行く事を感じ、ゆかは何度も軽くイキながら何処か遠くへと意識が飛びそうにな  
ってしまう。  
 
 
やがて、ドアが閉められて、女生徒達が廊下を去って行く足音が聞こえている間も、肉棒は残っている精液を全て吐  
き出さんかとするように、ゆかの体内で震えていた。  
すでに膣内には収まりきらなかった精液が二人の結合部から漏れ出し、シーツの上に染みを広げていた。  
 
余韻に浸るかのように、しばし動こうとはしなかった二人だったが、やがて森君の方がもぞりと動いた。  
「…ごめん、ゆかりん。」  
「…ん。不可抗力だし、気にしないでいいよ。」  
起き上がりながら、少し肩をすくめてゆかは笑った。  
「でも、まずいだろ? 大丈夫な日なのか?」  
「いや……それが分かんなくてさ。…ここん所不順だったし。…まあ、そう簡単にできるもんじゃないって!」  
笑いながらそう言って、彼のおでこをポンポンと叩く。  
 
「あ! 時間ヤバイ! すぐ片付けないと! 手伝って!」  
「お、おう!」  
時計を見てあわてた二人はすぐに服を身に着け、汚れたシーツを外して取り換え、ビニール袋に入れてゴミに見せか  
けながら、あたふたと保健室を後にした。  
 
 
          
「ねえ森君、今日これからヒマ?」  
「え? 暇だけど?」  
何事も無かった様に授業を受けた放課後、帰り支度をしていた彼にゆかが話しかけてきた。  
「…じゃ、ちょっと付き合ってくれない?」  
「いいぜ。どこに?」  
軽く了解した彼に、ゆかは少し声をひそめる。  
「……昼間さ。私、すごく中途半端な所で終わったからさ…… ハッキリ言って消化不良っていうか、その、まあ、  
……察してくれる?」  
「…あ、うん。…俺でよければ、もちろん。」  
ちょっと気恥ずかしそうに彼は首を縦に振った。  
「……今度はちゃんとアレも準備して……さ。」  
「わかった! あ、俺、買ってくるから!」  
笑いながらそう言って席を立つ彼に、ゆかはちょと安心したように微笑む。  
「ありがと…! ……じゃ、駅にいるからね。先行ってるよ。」  
「おう。あ、ちょっとまった!」  
背を向けようとしたゆかを彼は呼び止め、そばに近寄ってまだ残っている周りの生徒には聞こえないように口を開く。  
 
「どしたの?」  
「……いや、この際さ。…思ったんだけど。………俺と……付き合わないか? ってさ……」  
一瞬きょとんとした顔で彼を見ていたゆかだったが、突然吹き出して笑い出してしまった。  
 
「あー…… やっぱ俺が彼氏じゃ、駄目かな……」  
ちょっと苦笑して頭を掻く彼に、ゆかは手をぱたぱた振って見せる。  
「…あははは、違う違う! ……なんかさ。これって完全に順番が逆だよね?」  
言われて改めてその事に気が付き、彼は気まずそうに笑みを返した。  
ゆかは、そのままくるりと背を向ける。  
「じゃ!」  
そう言って、教室を出ていってしまう。  
なんとなくその姿を見送り、自分も下校しようと荷物をまとめようとした所で、戸の端からひょいっとゆかが顔をの  
ぞかせた。  
「………考えとく、ね。 …じゃ、頼んだ!」  
ちょっと照れ顔でそう告げて、パタパタと足音を残して去って行った。  
 
一瞬、呆気にとられたが、すぐに理解して彼は照れ笑いを浮かべる。  
そして、やや乱暴に鞄に荷物を詰め込むと、ダッシュで教室から飛び出して行った。  
 
 
 
 
 

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