静まり返った深夜の部屋。  
規則正しい時計の秒針の音。時折聞こえる、ハサミで布を切る音や、針を通す音までがはっきりと聞  
こえてくるようだった。  
無言でテディベアの作成を続けていた理央だったが、ふと、向かい側に座っているみかんがやけに  
静かな事に気が付き顔を上げた。  
案の定、糸を通した針を手にしたまま、うつらうつらと舟を漕ぐように頭を前後させている。  
「…みかん! 針持ったままだと、危ないよ!」  
理央の呼びかけに、一瞬びくっとして背筋を伸ばし、それぞれ左右の手に持っていた針と、作りかけ  
の頭部を眠そうな目で確認した。  
「…あれ? …テディって、目は四つあったっけ……?」  
「それじゃ怪獣だよ… 寝ぼけて付けたんじゃない? ってゆーか、よく居眠りしながらそんな器用な  
ことできるな。」  
やや苦笑気味に、褒め言葉とも取れる言葉を返すと、みかんはちょっと嬉しそうに笑いあくびを一つ  
してみせた。  
「あー あたし、昨日もあんまり寝てなくってさー。もう、眠くて眠くて……」  
「……で、何でそのままベッドに潜り込むんでしょう?」  
細い目を少し見開いて、理央は少し呆れたような声で尋ねた。  
毛布に包まり目を閉じて、みかんは小さく手を振って見せながら、すでに半分以上夢の世界へ旅立と  
うとしているようだった。  
「…気にせず、夜更かしに励んでくれたまえ〜」  
「あのね…… 今日、親御さんが居ないから徹夜で作らない? って、言ってなかったっけ?」  
理央の問いに、少し間を空けてみかんの眠そうな声が返される。  
「………眠気には…勝てん。……リオは好きにしてていーよー……」  
語尾はすでに寝息に変わっていた返事に、理央は肩をすくめて短い溜め息をついた。  
「いいっスけどねー …もう。」  
小さくいびきをかいて熟睡状態に入ってしまったみかんをチラリと見て、手を止めて時計を見上げた。  
まだ日付も変わっていない時刻。  
作りかけのテディをテーブルの上に置いて、少し伸びをしながら立ちあがった。  
「みかん? ちょっと、コーヒーもらっていい?」  
一応断ってみるがもちろん返事は無く、みかんは身じろぎもせずに眠っている。  
理央は一つ肩をすくめて、静かにドアを開け、廊下へと出ていった。  
 
   ◇   ◇   ◇  
 
「やれやれ………」  
そっとドアを閉めて暗い廊下にでた理央は、台所を借りようと足を一歩踏み出し、ふと、隣の部屋の  
ドアから明かりが漏れている事に気が付いた。  
「?」  
ドアを閉め損ねたのだろうか、数センチほどの隙間が出来ており、そこから部屋の光が細く廊下へと  
漏れ出しているのだった。  
 
一瞬考え、すぐにここが誰の部屋なのかを思い出し、理央は通り様に何気なく部屋の中へ目をやる。  
(ユズヒコ君は、まだ起きてるのかな?)  
チラリと見えた部屋の中には、こちらに背を向けたユズが机に向かっている様子が見えた───が、  
一瞬だけ見えたその光景にどこか違和感を覚え、理央は立ち止まると隙間に近づいてそっと覗きこ  
んだ。  
 
ちょっと見ただけでは細部までは気が付かなかったが、良く見ると微かに椅子を軋ませる音を立てて  
ユズの体が揺れているように思える。  
机の上には広げた雑誌──だろうか? 机上にはユズの手は無く、膝の上あたりで忙しそうに動か  
していた。  
と、椅子が少し回転し、角度が変わった。  
ユズの手に握られた物がはっきりと確認でき、理央は思わず目を見開いて息を呑む。  
(…うっわー…… バッチリ見えた…)  
 
少し頬を赤くして、しかし視線は部屋の中に釘付けのまま困った顔で微笑んだ。  
(そうだよねー …ユズヒコ君だって、もうそんな事してもおかしくない歳だよね。……でも、ちょっと無  
用心だぞ。)  
やや照れた顔でペロッと舌を出し、気づかれないうちに去ろうとした時、ティッシュを取ろうとしたのだ  
ろう、横を向いたユズの視界の端にドアの隙間が映った。  
 
弾かれたように振り向いたユズと理央の目が合ってしまう。  
「────んな?!」  
(あ…ヤバ………)  
反射的に顔を逸らしたが、短く叫んでうろたえているユズを見て、とっさに部屋に滑り込んで後ろ手に  
ドアを閉めると、人差し指を口に当てて見せた。  
「ユズヒコくん待って…! あんまり大きな音立てると、みかんが起きるから…!」  
ハッと気が付いたように、ユズは動きを止めると、椅子ごと回転して理央に背を向けた。  
(おっとと…! なんとかフォローしなきゃ!)  
ちょっと考えて、落ち着いた足取りでユズの背中に近づき、相手を見上げる形でしゃがみ込んでそっ  
と声を掛ける。  
「…んと、まじ約束。誰にも言わないから。ホントに。…と、いっても説得力無いかな?」  
最後の方はちょっと苦笑を浮かべてしまい、見上げたままユズの腕にそっと手を添えた。  
「そういう問題じゃないんじゃ……」  
ちょっと涙目のユズに、理央は困った顔で微笑んだ。  
「…うん、見られちゃったからね。…でも、まあ、安心して。ユズヒコくん位の年になれば、みんな普通  
にしてるもんだよ。………その、まあ、私もしてるし。みかんだってしてるはずだよ。」  
最後の方はちょっと早口になりながらも、できるだけ淡々とした口調で説明したが、ユズは驚いた顔  
をして理央を見た。  
「ウソだろ!? 女の人もするのか?!」  
「するする。……そりゃ、男の子とはやり方が違うけどさ。ませた子なら、もっと早い年でしてるよ、ホ  
ントに。」  
ちょっと信じられないといった表情だったが、ある程度は納得もしているのか、何も言わずに顔を元  
の方向にもどした。  
 
(…ちょっとは気が逸れたかな? でも、これがトラウマになったらダメだよね…)  
ユズの表情を見ながら考えをまとめ、理央はそっと手を伸ばし、さっき慌ててシャツで隠されたズボン  
の前の部分へと進入させる。  
指先が、まだ硬直を保っていたユズの部分に触れた。  
「うあ!?」  
出し抜けに触れた理央の冷たい手の感触に、ユズは飛び上がらんばかりに驚いた。  
理央はもう片手の人差し指で、再度「静かに!」の合図をしてみせる。  
「えっと…… お詫び、ってのは変か。…サービス、も違うし。──まあいいや。……あのね、まだ途  
中だったよね? だから、その……後は私に任せて。…ね?」  
やや赤らめた顔でユズを見上げながら小首をかしげてみせ、シャツをまくって、暖かいそのモノを目  
の前に露出させた。  
「いや、ちょっ…!」  
「大丈夫、任せて……」  
抵抗しかけたユズの腕を取り、なだめるように押さえつけて微笑んでみせる。  
「ね? …動かないで、楽にしていてね。」  
落ち着いた口調に説得されたようにユズは動きを止めたが、やはりどこか不安なのだろう。表情を曇  
らせている。  
「──あ。……でも、誰にも内緒にしてね?」  
ちょっとわざとらしく困った顔をしてみせた理央に、ユズもまだぎこちないが、一応愛想笑いのような  
物を浮かべてうなずく。  
 
軽く添えた理央の手が、幹の部分を何度も上下に優しくなでると、ユズの足先がピクピクっと痙攣す  
るかのように動く。  
その動きをいくらも続けないうちに、ユズのモノはカチカチに硬直して、半分皮に包まれていた先端  
が全体を現す。  
(…おお……。ピンク色してる……)  
 
理央は、ちょっと嬉しそうに、鈴口から染み出た湿り気を指に付け、亀頭を丸くなぞるように何度も塗  
り広げる。  
ユズが低い呻きを上げて、竿全体がビクビクと大きく揺れる。  
(あ、そうだった! イキかけで敏感なんだ…! これでイッちゃったらあんまりだよね… よし!)  
根元に添えた手だけを残し、理央は口の中に溜めていた水気を、少し唇に滲み出させてから丸い形  
に口を開いてモノの先端部をするりと含んでみせた。  
「…………!!」  
ユズが快感の悲鳴を押し殺した様子がわかる。  
理央の両手がユズの腰の後ろに回され、ゆっくりと引き寄せながら、するすると口内の奥へと導いて  
ゆく。  
「……んふ。」  
竿の半分程まで頬張り、ちょっと鼻息がかった声を漏らすと理央はモノの裏に舌をあてがって、キャ  
ンディを舐めるように、転がすような動きをして亀頭を撫でる。  
天井を仰ぎながら、手先と足先をしきりに痙攣させているユズの表情を見て、理央は細い目をさらに  
細くして優しく微笑む。  
(………気持ちいいんだね。)  
一度、入るだけの奥まで咥え、濡れた唇でなぞるように抜き取る。  
その動きを数回繰り返した時、ユズのモノが一回大きく跳ねるような動きをし、咄嗟に息を止めて動  
きを緩やかにした理央の口内に熱い粘液が放出された。  
「──はあぁぁっっ………!」  
溜め息の様な声を漏らすユズの肉棒は、びくんびくんと理央の口の中で跳ねて快液を撒き散らして  
いった。  
 
やがて肉棒の猛りが収まった所を見計らって、ゆっくりと口の中から抜きながら、傍らに置いてある  
ティッシュを数枚掴み、抜き取り様に肉棒の先端を包み軽く拭き取る。  
そして、今度は多めに重ねて取ると自分の口に当て、ティッシュに吸い取らせるようにして吐き出した。  
「……すっごい量。気持ちよかったのかな?」  
ユズに笑いかけ、丸めたティッシュからこぼれ出さないようにさらに数枚で包んで、くずカゴに入れた。  
 
やや放心状態のユズを見つめて、ちょっとイタズラっぽく笑い、口の前に人差し指を立てる。  
「ほんとーに、内緒だよ? この事。」  
「……あ…うん…」  
まだ、ぼーっとしているユズだったが、しばらくして、理央が困ったような笑いを浮かべて視線をユズ  
の股間に送っている事に気が付き、慌ててしまおうとしてモノを掴むが、  
「う!? こら! 静まれ…!」  
放出したばかりだというのに、全然収まりを見せずに硬直したままのペニスを、何とかズボンの中に  
格納しようと悪戦苦闘していると、理央の手がユズの手に添えられその動きを止める。  
「一回じゃ、まだ満足できていないんだね、きっと。……じゃあ…もう一度しちゃおうかな?」  
「──えっ!?」  
少し期待を込めたような驚きを出した表情で、ユズは理央の顔を見た。  
自分を見つめる細い目が笑みの形に変わった。ユズは、たった今、この人が自分のモノをその口で  
愛撫してくれた事をあらためて実感し、顔を真っ赤に染めて思わずそっぽを向いてしまった。  
返事こそなかったが、抵抗も全くないユズの手を軽く握り、少し顔を近づけた。  
「…今度はもっと、ゆっくり………じっくりと、ね?」  
そう言って、ちょっと照れ笑いを浮かべた。  
 
   ◇   ◇   ◇  
 
ベッドに仰向けに寝そべったユズの位置からは、短くてちょっと癖のある理央の髪が揺れている様子  
が見えている。  
下半身は裸の状態で、そそり立った自分のモノは今や完全に理央に任せていた。  
歯を当てないように、刺激しすぎないようにと気を使って、舌と唇で丁寧な口淫が繰り返される。  
理央がユズのモノを口に含んだらしく、暖かくて濡れた物に自身が包まれたのが分かり、安堵感すら  
感じる快感が湧き上がった。  
「……あ…あのさ…」  
 
理央の口内で舌の感触に身を委ねながら、ユズはおずおずと口を開いた。  
「…? …ん…ふぁ…む… どうしたの?」  
一旦、咥えていたモノを抜き、不思議そうな顔で理央は小首をかしげた。  
「…もしかして、痛かった?」  
問いかけに慌てて首を振り、ユズはちょと遠慮がちに口を開く。  
「いや、何でかな……って思って。…こんな事、してくれるなんて、──ってさ。」  
上体を起こして、自分の脚の上で四つん這いになっている理央と向き合う。  
理央もそれにあわせて体を起こし、ベッドの上で、ユズと向かい合わせに座った。  
「…そうだなー…… トラウマになっちゃわないように、って、思ったからかな… ユズヒコ君って結構  
繊細だって聞いてたからさ。……それに、こうすれば二人でお互いに秘密を作って共有できるんじゃ  
ないかな?」  
そう言って、少し目を逸らして指で頬を掻いてみせた。  
「…まあ、何となく、……ってのもあるけど。気にしないで、ね? ……じゃ、続けよっか?」  
照れたのだろうか、やや一方的に話を打ち切り、今度は猫のように体を丸めてユズの膝の上に頭を  
乗せる。  
そのまま茎の部分を咥え、軽く舌を這わしながらそっと内腿を撫でている理央の頭を、ユズの両手が  
掴んで唇をモノから離させる。  
「……? どうしたの?」  
不思議そうに膝の上から自分を見上げる理央に、ユズは戸惑い手を離した。  
「──あ、いや……何でも……」  
理央はちょっと小首をかしげたようだった。  
再び愛撫を始めようとすると、また、ユズの手が両頬に触れ、動きを止めさせる。  
「…ユズヒコ君?」  
「………うー、いや…」  
 
あきらかにモジモジしているユズに、理央は何かを察したようで、頬に触れた手に自分の手をそっと  
乗せて少し視線を逸らしながら、遠慮がちな声で尋ねる。  
「…あのさ…… もしかして、したくなっちゃったかな………?」  
その言葉にユズの顔が赤くなり、頬を汗が一すじ流れた。  
理央はゆっくりと起き上がり、ユズの手に自分の手を重ねたまま、脚の横に座った。  
「…ユズヒコくん…… 私と、したい……?」  
熱にうかされたような、とろんとした笑顔で尋ねると、ユズは一瞬体を硬直させ、──それでも、コク  
リと頷いてみせた。  
「……うん。……いいよ……」  
素早くユズの体を抱き寄せ、その頭を自分の胸に抱え込みゆっくりと背中側へと倒れ込む。  
ベッドの上、理央の体を下にして二人は体を重ね、互いを強く抱き締めた。  
 
   ◇   ◇   ◇  
 
服の上から、理央の柔らかい胸の膨らみを、やや性急と思えるほどに揉みしだく。  
「…ん、ごめん。ちょっと痛い……」  
理央の声に、ハッとしたような表情で、手の動きを止めた。  
「…大丈夫。焦らないで。私、ちゃんとここにいるからね? ……やさしく……ね…」  
そう言って、仰向けのままユズの上着に手を掛けて、ゆっくりと脱がせてゆく。  
ユズは自分の上着をベッドの下へと落とし、今度は静かに、だが不意を突いて理央の唇に自分の唇  
を重ねた。  
突然、唇を奪いにきたユズに、ちょっとびっくりして切れ長の目を見開いたが、すぐに、背中に手を回  
して目を閉じる。  
夢中で唇を重ねているユズに、ちょっと悪戯っぽい気持ちが起きたのか、だしぬけにその唇を割って  
自分の舌を滑り込ませた。  
無防備なユズの舌に自分の舌を絡ませると、ユズは体を震わせ目を白黒させている。  
やがて長いキスが終わり、唇を離すと、それぞれ完全に上気した顔で見つめ合い、ユズの手が理央  
の服の裾に掛かる。  
「……うん。…脱がして。」  
その言葉を待っていたように、理央の上着がゆっくりと捲くり上げられていった。  
 
理央に、体を捻ったり、足を上げたりして誘導してもらいながらその肌を露出させてゆく。  
最後の下着を白い脚から抜き去ると、理央は自分でブラを外し、すこし恥ずかしそうに胸を腕で隠し  
て横たわる。  
ユズの手が、理央の小さくて張りのあるお尻に触れた。  
その感触を楽しむように揉みほぐしていると、理央の口から溜め息のように長い吐息が漏れてくる。  
胸を覆っている腕を掴み、ゆっくりどかすと、おわん型をした形の良い膨らみが露わになった。  
手で全体を握ると少しこぼれ出るくらいの大きさで、その柔らかさに感動したように、何度も何度も揉  
み続ける。  
「…つきたての餅みてーだ……」  
そんな事を呟いて、ぱくりと、さくらんぼのような先端部を口に含む。  
「や…! はぁ……ん…」  
理央がたまらず声を上げた。それに興奮したのか、ユズはその可愛らしい先っちょを舌で転がして、  
軽く吸い上げてみる。  
「…あう…ん!? あぁぁ……」  
理央の声の中に、少しずつ嬌声が混じり始め、それがさらにユズの欲望に火をつけていく。  
 
白い肌を桜色に染めて、なるべく声を上げないように我慢しているのだろう、片手でシーツの端を掴  
んで荒い息をついている少女を、ユズは興奮した頭の中でどこか不思議な思いで眺めていた。  
自分より年上のはずなのに、その姿には何とも言えない愛くるしさを感じる。  
 
そっと足を掴み、ゆっくりと広げて理央の大事な部分を露出させようとすると、一瞬だけ、ビクリと体  
を硬直させながらも、抵抗する事なくその脚が開かれた。  
理央のソコは、ヘアも薄めなのかあまり生えていない為、綺麗な割れ目の形がはっきりと見て取れる。  
 
陰唇もほとんど下りてきていないようで、ほんのわずか、花弁に似たものがはみ出していた。  
ユズがそこを凝視している事を感じ取ったのだろう、理央は顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに顔を  
そむける。  
ゴクリと喉をならして、ユズの指が柔らかい割れ目を広げると、花びらのように濡れた陰唇が広がり  
、ピンク色の膣口が曝け出された。  
 
「………い…いいかな?」  
自分の肉棒を握りしめて尋ねてくるユズに、理央は赤らめたままの顔で頷いてみせた。  
「…うん。来て。……ゆっくり……入ってきて……」  
理央の言葉に、ユズの肉棒が震えた。  
返事もそこそこに、理央に覆い被さるように体を近づけると、肉棒の先端を花弁にあてがい挿入口を  
探る。  
「…あ……もう少し下………もうちょっと……。うん…そこだよ。………来て。」  
自分を見つめる少女に導かれ、肉棒の先端が柔らかい秘肉を割り、侵入を開始する。  
 
先端部がゆっくりと埋没した。  
まとわりついてくるような秘肉の柔らかい感触と、膣壁のうねるような感触が肉棒を襲い、腰が砕け  
そうになるほどの快感が湧きあがる。  
「…ああぁ…… 入ってきた…入ってきたぁ…… やは…ん……」  
頭を左右に振り、理央は、どこか切なそうな声で快感を訴えている。  
侵入してゆくごとに肉棒を絞め付けてくる理央の中に、ユズはとろけそうになりながらも、必死で彼女  
を征服せんとじりじり奥へと進む。  
 
それに気がついたのか、たまたまか、理央がユズの腰に脚を絡めて自分の方に引き寄せる。  
「……奥まで…全部入ってきて…… 全部……」  
理央に後押しされた肉棒は窮屈な膣内を押し広げ、やがて最深部へと到達し、肉棒の先端が子宮  
口に触れた。  
「…あ…んん… 来てる……! 奥まで…届いた…!」  
「……う……はっ! ……は! ……ああぁっ!!」  
柔らかくねっとりと絞め付ける理央の体内の快感に、ユズは思考が吹きとび、その口からは断続的  
に呻き声がもれるだけだった。  
 
ほとんど無意識に、肉棒にトドメとなる刺激を与えようと、痙攣するように腰を振動させ小刻みなピス  
トンで膣壁に己を擦り付け快感を貪り取る。  
「はん! あ! あっ!? や、く、うんっ!?」  
「────う、おっ!?」  
重い呻き声と共にユズの体がビクンと跳ね、上体をそらしてブルブルと肩を震わせた。  
ほとんど間を置かずに、ユズの体内から肉棒を駆け上がった精液が膣内へとほとばしる。  
「───あぁ!? やあぁ……ん……! 私の…中に出てる…… あったかいのが…いっぱい…」  
体内に広がってゆくユズの熱い体温を感じ、理央は、強く目を閉じて自分の中へと快感を流し込む事  
に集中しているユズの頭をそっと抱える。  
最後の一滴までも注ぎ込もうとするように、腰を突き出し、脈打つ肉棒を何度も震わせて理央の奥で  
熱い体液を迸らせ続けた。  
 
大量の快液を吐き出し、完全にイッて脱力したユズの体を両腕で受け止める。  
意識が飛んでしまったのか、荒い息をついてぐったりとしたユズを抱きしめて、汗がにじんで湿り気を  
帯びたその髪を、理央は優しく撫でていた。  
 
 
どのくらいが経ったのか。理央は抱きしめた腕を緩め、ちょっと恥ずかしそうな表情のユズが上体を  
起こした。  
時間が経った事で、萎んでいたユズのモノが自然と理央の中から抜ける。  
「……ゴメンね。ちょっと私、エッチな気分になりすぎてたかも…… 何か、すごく恥ずい…」  
きまり悪げに頬を掻く理央に、ユズはあわてて首を振ってみせた。  
「いや! そんな事ないって! メチャ良かった……」  
ユズの言葉に、理央はちょっと首をすくめて、えへへっ、と笑ってみせる。  
 
つられて笑ったユズだったが、すぐに心配そうな表情に変わった。  
「…俺、もう何だかわかんなくなって、つい…… やっぱ、中で出すのはまずいよね?」  
「ううん。…もうすぐあの日だから……平気だよ。 心配しないで。」  
そう言って微笑み、ユズの鼻の頭に軽く口付ける。  
 
ちょっと戸惑ったユズは、傍らに置いてあったティッシュの箱を取るとベッドの上に置き、ドロドロにな  
っている自分のモノを拭き取る。  
「ん…… あれ?」  
同じく、秘所を拭き取ろうとしていた理央が不思議そうな声を上げ、ユズは視線を向けた。  
「…ユズヒコくんの……すごく濃かったのかな? 出てこないや。」  
理央が、自分の手で秘裂を広げていた。  
そこには、先程まで肉棒が入っていたせいで、まだぽっかりと口を開いたままの状態の膣口が見え  
た。  
「……気持ちよかった? 私の中……」  
照れ笑いを浮かべ自分を見る理央の姿に、ユズは股間の棒に血液が集中していくのが分かった。  
みるみるうちに立ち上がったユズの肉棒に、びっくりした顔をしている理央へと飛び付くように抱きし  
めてそのまま押し倒しす。  
「…ユズヒコくん。」  
「あ、あの。……また、入りたくなって。…ダメかな?」  
答えの替わりに、理央はユズの顔を引き寄せて唇を合わせてきた。  
「…うん。私も……欲しいな…… 今度は、私も……いかせて欲しい……」  
両腕がユズの背中に回され、きつく抱き寄せられた。  
「……来て。」  
その言葉を待っていたように、ユズの肉棒がまだ濡れている理央の秘所を一気に貫く。  
「はぁ……! …ぁ…ぁ……!」  
溜め息のような嬌声を漏らして、自らも腰をくねらせるように動かし相手を受け入れてゆく。  
声を忍ばせながらも、二人は互いの体を絡ませ激しく求め合っていった。  
 
   ◇   ◇   ◇  
 
どこと無く心地よい気だるさを憶えながら、眠そうな顔のユズは焼いたトーストに齧りついていた。  
ゆっくりと咀嚼していると、にわかに奥の部屋から騒がしい音が近づいてくる。  
 
「ちょっと一枚頂戴!!」  
「あ!? おい!」  
ドタバタと台所に入ってきたみかんが、皿の上に置いてあったユズのトーストを引ったくってしまった。  
「ちゃんと、カギかけて出かけてよー!?」  
パンを強奪したみかんが、玄関先からユズに声をかけた。  
「…ったく。」  
もう一枚焼こうとした所で、みかんの後に部屋からでてきた理央と目が合う。  
思わず硬直してしまったが、すぐに、玄関のドアを開けながら理央を呼ぶみかんの声がして、理央は  
そちらの方へと返事をした。  
みかんには見えないようにユズの方を向いたまま、悪戯っぽくペロッと舌を出して微笑み、小さくブイ  
サインをして見せると、そのまま身を翻して玄関の外へと消えていった。  
 
 
一人取り残されたユズは、いつの間にかテーブルの下に当たるほどに股間が膨らんでいる事に気が  
付き、卓上に突っ伏してしまう。  
「……ちっとは節操つけろよ、オレ……」  
ぼやくユズに答えるように、トースターが、チーンと音を立てて焼きあがりを知らせてくれた。  
 
 
 
 

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