[ユズ、必殺からくり人を語る]  
 
「ぷはぁ〜」  
いつものようにしみはタバコを吸う真似をして灰皿をみかんに要求させるしぐさをした。  
「あ、ごめん、ハイ、灰皿。」  
「んもう、あたしがタバコを吸ってる真似をしてるんだから〜。」  
もともとみかんの好意で灰皿を出していたのに、しみはそれを当たり前のものだとすっかり勘違いをしていた。  
(って、何であたしが謝らなきゃいけないのよ〜。)  
みかんは常々心の中で思っていた。  
「今からみかんの家に行ってもいい?」  
「え?いいけど…」  
「ありがとう。じゃあ、行こうか。」  
こうしてしみとみかんはみかんの家に入って行った。  
「ただいま〜。」  
「お帰りねーちゃん。…あ、清水さんいらっしゃい。」  
出迎えたのはみかんの弟ユズヒコだった。  
「あ。ジュースがない。しみちゃん、ちょっと待ってて。ジュース買ってくるから。」  
「別にいいよ。水でも。」  
「いいからいいから」  
そう言って、みかんは買い物に出かけた。  
しみは(これはチャンス!)と思い、早速行動を開始した。  
しみの狙いは、ユズヒコを自分のモノにしようというものだった。  
隠し持っていたアルコール分40%のブランデーを飲んで前後不覚に陥らせよう。しみはそう思った。  
「ねぇ〜ユーちゃん。」  
「あ、はい。」  
 
「実はこんなの持ってるんだけどさ〜。」  
「何だ。清水さん飲み物用意してたんじゃないですか〜。だったらわざわざ姉が買いに行かなくても…」  
「いいのよ。さ、これを飲んで。喉が渇いてるんじゃない?」  
「でも、ねーちゃんがジュースを買いに行ってくれていることですし…」  
「いいのいいの。ささ、まずは一口…」  
こうしてしみは、ユズヒコにブランデーとも知らせずにラッパ飲みを勧めたのだった。  
「いただきます。ウプッ!…ゴホッ……ゴホッ…」  
ユズヒコは途端に咳き込んだ。今まで味わったことのない味覚にユズヒコの喉は受け付けなくなったのだ。  
「これは一体…」  
そう言っているうちに、ユズヒコの体はどんどん熱くなっていった。  
「ねーちゃんが戻ってきた時のためにコップを用意しておきましょう…」  
「大丈夫よ。みかんなんか放っておいて」  
そう言ってしみはいつもの「ぷはぁ〜」をした。  
(なぬ!)  
ユズヒコはしみの言葉に一瞬嚇怒した。姉を放っておくだと…?  
「今なんて言ったんだオイ?」  
「へっ?」  
しみはユズヒコの突然の言葉遣いの変化に一瞬戸惑った。  
「どうしたのユーちゃん?」  
「ユーちゃんだぁ?」  
次の瞬間、ユズヒコは自分の内側にある感情が一気に噴き出した。  
「てめえ!オレをユーちゃんなんて呼ぶな!オレはもう中学生だ!」  
恐ろしい大声を出されたしみは、いつもの自信過剰気味な態度が一瞬で消え、普通の女子高生らしい表情になっていた。」  
「おい、シミチョロ!おめえオレの姉貴にいつもタバコの灰皿を用意させてるそうだな?」  
(※シミチョロ:ブルマーからパンツがはみ出ている女子をからかう言葉。ハミパンとも言う。)  
 
ユズヒコは、偶然にもしみにとって触れられたくない昔のあだ名を言い当ててしまったのだ。  
小学校時代からヒップの発育が始まっていた当時のしみに、ブルマーは小さすぎた。  
そして、ある体育の授業の日に、しみは注意を怠り、パンツをブルマーから少し出してしまったのだ。  
「あ〜、清水がブルマーからパンツはみ出してるぞ。清水がシミチョロ〜。」  
当時の男子が必要以上にしみをからかい、それが学校中に知れ渡ってしまったのだ。  
以降、しみは小学校卒業まで男子に「シミチョロ」と呼ばれ続けることとなった。  
ずっと忘れていた、そしてずっと忘れていたい過去をユズの言葉で思い出してしまい、突然のショックにしみは一瞬硬直してしまった。  
その間に、ユズヒコは和室に行って、父の吸っている本物のタバコとライターを持ってきたのだった。  
「そんなに吸いたけりゃあ、本物を吸ってみな。」  
「やめて、ユー…ユズヒコ君。あたし、本物はまだ…」  
「るせえ!ごちゃごちゃ言わずに吸えってんだよ!」  
こう言ってユズヒコは、タバコを無理矢理しみの口に咥えさせた。  
しみは拒否しようとしたが、ユズヒコはとても中学生とは思えぬ恐ろしい力でしみを掴んでいた。  
ユズヒコがしみの鼻を手でつまんで塞いでいるため、しみは口に咥えられたタバコを吸うしかなかった。  
しみの咥えたタバコに火が付く。  
「ゲホッゲホッ…ゲホッ……」  
しみの肺が、初めて自らの意志により汚染されて行った。最初に強く吸いすぎたために、しみは一瞬意識が遠のいて行った。  
(タバコって、こんな感じなんだ…苦しいよぉぉぉ……)  
しみが無抵抗のうちに、ユズヒコは目にも止まらぬ早業でしみのTシャツやジーパン、ブラやパンツまでも剥ぎ取って行った。  
(やめてユーちゃん。あたしを裸にしないで。でも、下手に何か言ったら…)  
下手に何か言ったらユズヒコにもっと何かされてしまう。そう思い、しみは耐え忍んだ。  
やがて、しみは幾分頭がすっきりしてきた。その頃を見計らってユズヒコが口を開いた。  
「いいかてめえ、吸い終わったタバコはちゃんと自分の携帯用灰皿で始末しろよな。ねーちゃんを灰皿係にすんな!」  
そして、ユズヒコはしみのクリトリスにタバコの火を押し当てて揉み消した。  
「ぎひ〜〜〜〜〜〜〜ぃっ!」  
 
しみの魂消えるような悲鳴が家中に響いた。それもそのはず、男で言えば剥き出しの亀頭にタバコの火を押し当てられたに等しいのだ。  
このようなことをされて悲鳴をあげずにいられるはずがない。あまりの激痛に、しみは失禁までしてしまった。  
「へぇ〜、シミチョロも一丁前におもらしなんかするんだ。よっぽど気持ちよかったと見えるな。」  
「違うのよ。そうじゃないの。…お願いユズヒコ君。もう許してぇ〜」  
「許すって何をだよ?」  
「みかんにはもう灰皿を要求しないから…」  
しみはすっかり恐怖に満ちた目で命乞いをするように言った。  
「はぁ?てめえ、それを言う相手が違うだろうが。オレに言っても意味ねーよ。アネキに言えよ!」  
「え?いや。…その…」  
「その…じゃねえ。必殺からくり人の緒方拳だって自分の喫煙マナーの悪さをCMで反省してただろうが!」  
「よくそんな昔のことを知って…うぐっ!」  
すかさずユズヒコのボディーブローがしみのむき出しのおなかに命中した。  
「昔のこと知ってちゃ悪いのかよ?もう頭に来た!」  
そう言って、ユズヒコは真っ裸のしみをうつ伏せの状態にしてしみの四肢を居間のテーブルの四隅に縛り付けた。  
悲鳴がもれないように、ユズヒコはタオルでしみに猿轡をした。  
しみの後ろに回り込むと、しみの秘部が前も後ろも露わになる。  
そしてユズヒコは、自分の部屋から一本鞭を取り出した。  
この鞭は特殊な作りになっていて、これで打たれた部分は内出血を起こし、たとえ痛みは消えても痕は残ってしまう。  
「いいかシミチョロ、タバコのマナーを守らない奴はこうなるってことを体で覚えな。」  
そういって、ユズヒコはしみのふくよかな真っ白いきれいなお尻に容赦なく第一打を浴びせた。  
ピシッ!!  
「あぐぅぅぅぅぅぅっ!」  
たった一度打っただけで、しみのお尻には無残にも赤茶けた筋が刻み込まれた。  
あまりの激痛にしみは涙をこぼし、鼻水を出し、再び失禁してしまった。  
それでも構わずにユズヒコは鞭打ちをしみのお尻に浴びせる。  
「うぐぅぅ〜、うぐぅ〜、う〜…、う…」  
五発目にして、しみは全身を痙攣させて気を失ってしまった。  
「チッ。五発目にしてもう気絶かよ。ま、本格的な鞭打ちだと一発で気絶するって言うしな。」  
 
そう言ってユズヒコはしみの、もはや先ほどのきれいな色ではなく皮膚が切れて血が出ているお尻に手をかけた。  
そして「気付け」と称してしみの突起を指で刺激し始めた。  
気を失っていたしみも、己の一番の性感帯を刺激されて意識を取り戻した。そして休む間もなく絶頂を迎えさせられてしまった。  
「はぐっ!」  
しみは再び全身を痙攣させ、秘奥からは湧き水を迸らせた。  
「気づいたか?あと五発だ。そうしたら許してやる。」  
しみはユズヒコに抗議をしたいようだったが、猿轡をされては何も言えなかった。  
いや、たとえ言えたにせよ、とてもユズヒコに抗議などできる立場にないことは明白だった。  
再びユズヒコはしみのお尻に鞭を当てた。  
もはや、しみは悲鳴をあげる元気もなく、ただ苦痛の時が過ぎるのを無言で待つだけだった。  
「これで最後だ!」  
ユズヒコは最後の十発目をしみのお尻に浴びせた。  
ビシッ!!  
それが、しみへの「お仕置き」終了の合図だった。既にしみのお尻は全体的に赤黒く変色しており、見るも無残な状態になっていた。  
ユズヒコは、しみの戒めを解き始め、猿轡も外した。そして、しみの体液で濡れた床を掃除した。  
漸くしみは自由に動けるようになったが、あれほどの鞭打ちを受けては自力で立つことすらままならなかった。  
しみは床にペタンと崩れ落ちたが、お尻が床に触れた瞬間、「ぐひぃ〜!」と悲鳴をあげた。  
「どうだ、鞭打ちは。鞭の味がわかっただろう。…それにしても、おめえいいおっぱいしてるな。」  
ユズヒコのしみへの眼差しは、姉の仇心からだんだん性的な欲望へと変わっていった。  
ユズヒコは、しみの豊満な胸に近づいた。そして、そのふくらみを揉みほぐし、やがて赤子の如く吸い始めた。  
「あ…ああぁぁ………」  
今のユズヒコに逆らったら…それに、避けようにも鞭の洗礼を受けた双臀が疼いて体が動かない。  
しみはユズヒコのなすがままにされていた。  
しみの豊かな胸を存分に堪能したユズヒコは、やがてしみの下半身へと顔を移動させていった。  
少したっぷり目なウエストを経て、黒々とした繁みを掻き分け、ついに秘奥へと到達した。  
しみの体で最も性的に感応する突起をユズヒコは舌でチョンと突いた。  
「はあん!」  
しみは、ユズヒコに抵抗する素振りを見せず、ユズヒコに自分の身体を預けた。  
 
ユズヒコは、しばらくしみの秘奥部を舌で楽しんでいたが、やがてしみの両足を取り、大股開きにした。  
このときばかりは、さすがにしみも口を開いた。  
「やめてユズヒコ君。あたし初めてなの。」  
「だから、オレが開通してやろうってんだよ。ありがたく思え。これまで散々アネキを灰皿代わりにした礼だ!」  
「あたし、大人ぶってただけなの!みかんの子供みたいな心がうらやましくて…いやぁぁぁぁっ!!」  
弁解空しく、しみはユズヒコに処女を献上することになった。  
しみの膣内からは処女の証である出血と激痛が、そしてしみの双臀からは鞭の洗礼の鈍痛が同時に襲い掛かっていた。  
「どうだシミチョロ。今度からは携帯用灰皿を持つと誓うか?」  
「は、はい…」  
「本当だな?よし、じゃあ復唱しろ。」  
「はい……。わ、私は…みかんに灰皿を強要させず……ちゃんと…自分で…持ち…ま…す…」  
「よし!確かに聞いたぞ。…うっ、もうイキそうだ。中出しするぞ!」  
「アアーーーーーッ!」  
こうして、しみは普段自分の都合の良いように扱っていた友達の弟に鞭打たれ、処女まで奪われてしまった。  
しみにしてみれば、立花姉弟をモノにしようという目論見であったが、返り討ちに遭ってしまったのだ。  
ユズヒコがしみの膣内で果てた後、二人は後始末をして服を着始めた。  
ユズヒコは悦楽の余韻を、しみは激痛と屈辱を残しながらそれぞれ服を着たとき、ちょうどユズヒコの酔いが醒めた。  
 
その頃、みかんは西反の地下食品売り場で、タバコの煙にむせていた。  
「んもう〜、ここはタバコ禁止なのに。しかもポイ捨て。せめて携帯用灰皿くらい持って欲しいわよね。」  
ジュース買出しのつもりが、まさかこんなにもタバコの煙に悩ませられるとは思ってもみなかった。  
ストレス度96、97、98、99。みかんの堪忍袋は、今にも緒が切れそうだった。  
 
ふと、傍らでしみが泣きながら帰る準備をしていた。  
「あれ?清水さん、姉はまだなのにもう帰るんですか?それに、何で泣いてるんですか?」  
酔っているときの記憶は、ユズヒコにはもはや微塵もなかった。  
 
(何で泣いてるかですって?あなたが原因よ。)  
しかし、それを今のユズヒコに言っても分かるはずもなかった。それに、もしユズヒコがまた凶暴になったら…。  
「ううん。何でもないの。…みかんには『また明日』って言っておいてね。」  
「は…はい…わかりました…」  
しみは泣きながらみかんの家を後にした。前と後ろの痛みで歩き方が多少変になっていた。  
 
 
翌日。いつものように、みかんはしみと一緒に昼食を食べていた。  
「しみちゃん。昨日なんで帰っちゃったの?もしかして、ユズが泣いちゃったから?」  
「え?あ、あのときちょっと急に用を思い出しちゃって…」  
(逆よ。私がユーちゃんに泣かされたのよ。)  
「そう。でも、昨日惜しかったんだ。あたしのちょうど前でジュースが売り切れちゃっててさ〜。」  
「ジュースは買い置きしておくに限るのよね〜。ぷはぁ〜〜っ」  
そのとき、みかんのストレス度が100に達した。  
昨日の喫煙マナーの悪さを思い出して、これまでのストレスが一挙に噴き出してしまったのだ。  
「ちょっとしみちゃん!たとえ吸う真似でも喫煙マナーは守ってよね!携帯用灰皿くらいは用意してよ!」、  
みかんの声は、しみに残っている鞭の痕やまだ収まっていない処女喪失の痛みに響き、それらの痛みを呼び覚ました。  
そして、その日はそれ以降みかんはしみと口を聞かなかった。  
しみの「イケてない日」は、二日連続で現れたのだった。  
こうしてしみは、本物のタバコどころか「ぷはぁ〜」にもトラウマを感じるようになり、二度と「ぷはぁ〜」はやらなくなったという。  
 
(BGM 「負け犬の唄」by川谷拓三)  
 

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