「お願いします!僕の、初体験の相手をしてくださいっ!」  
僕は必死になって懇願していた。相手は、そう・・・・・・第二生徒会の会長である倉澤六夏その人だ。  
それは、いずれ来るであろう嵩月との契約の際の事を見据えて、だ。当然、嵩月は男性経験なんて無いんだから、僕がリードしなくちゃいけない。  
その為には、僕が女性経験をしておかなければ。そう思ったからだ。  
ごめん、嵩月。これは決して不実じゃない・・・・・・たぶん、不実じゃない。。。。。。きっと、不実じゃないはずなんだ。  
 
「なに言ってんの、アンタはっ!そんな事、黒崎にでも相手してもらえばいいじゃないのっ!  
それに、私は安くはないわよ」  
「朱浬さんじゃダメなんですよ。すぐに嵩月にバレますし、あの人、面白がって言いふらしそうだから。  
その点、六夏会長なら黙っててくれるかな・・・・・・と。  
ヤッてる最中は、姫笹さんに操緒の相手をしてもらって・・・・・・」  
と言ってるあいだにも、六夏会長の顔がみるみる紅くなっていく。僕が疑問に思っていると、六夏会長は僕の頭を抱えるようにして、耳元で小声になって怒鳴りつけてきた。  
 
「私だって初めてだ。アンタは私をそんな風に遊んでるように見ていたって事だね、夏目智春っ!」  
午後の授業を控えて、まだ三つ編み&メガネでオブラートされているにも関わらず、今まで見た事がない程の悪人ずらの六夏会長の顔が、僕の目の前にあった。  
ヤバい・・・・・・今にも翠晶でゲルにされそうだ。放課後まで持つか?僕の命っ!  
 
 

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