その日僕は朱浬さんに呼ばれて科學部の部室にいた…  
『黒崎先輩遅いね〜』  
『もしかして忘れてるのかも』  
そんな事あってたまるか僕はもう一時間も待ってるんだぞ。  
『よしトモしりとりしよう』  
「かなり暇つぶしの定番な気がするが暇だしまぁやるか」  
『ほんとは心の声にしたいような場所も口にしてるし…まぁいいやじゃあ(り)から』  
「利子」  
まぁ妥当だろ  
「朱浬」  
人名ありなのか  
『え〜っと…理科』  
今度は僕ってあれ?  
利子、朱浬、理科なんで二人でやって三回に一回、まわるんだ!?  
「『んっ?』」  
後ろを見ると朱浬さんがいつもの余裕の笑みで立っていた…  
「ハロ〜トモハル〜」  
…この人は一時間遅れてきて謝りもしないのだろうか…  
「あはは、ごめんごめん、ちょっと修学旅行の関係で顔出さなくちゃいけないところがあって」  
…マイペースとはこの人のための言葉なんだろうとしみじみしていると…  
『で今日は何か用なんですか?』  
「そう言いこと聞くわね、なんと今日は重大な任務があります…」  
そういうと朱浬さんの声色が変わった…  
「と、言いますと?」  
「じつは…」  
「『じつは?』」  
「駅前に新しいケーキ屋が出来たのでそこにチョコケーキを買いにいきたいと思います」  
「『はっ?』」  
いまこの先輩は何を言った?ケーキ屋?チョコケーキ?  
「ついて来てくれるでしょトモハル♪」  
はぁ…なんたが拍子抜けしてしまった…  
また機功魔神がらみの話だとばかり思ってたからな…  
『トモ…顔緩んでる…』  
 
――噂のケーキ屋前――  
 「冬琉会長…」  
そうそこには第三生徒会会長こと  
「夏目智春…なぜここにいるんだ?」  
「ハロ〜会長さん♪」  
『たしかあの会長私見えないんだよね…』  
「黒崎朱浬…お前まで…何だ?科學部絡みか?」  
冬琉会長、それだったら僕はこんなに平和そうな顔をしていません…  
「違うわよ、ケーキ買いに来たの、ケーキ」  
「ケーキ?お前誕生日だったのか?夏目智春…」  
ここで僕に振るんですか…  
「違います、朱浬さんがチョコケーキ買いに行くって」  
「なるほど…」  
そう言いながら僕達は店内に入った  
――ッ!!  
その瞬間店内に緊張が走った  
チョコケーキが一つだったのだ、別にいいじゃないかと思ったら…  
「黒崎朱浬…貴様チョコケーキを買うといったな…」  
「えぇ言ったわ…しかしやっぱり貴女も…」  
なるほどそういうことか  
「表に行くわよ…」  
「えぇ望むところよ…」  
そして僕らは店の駐車場に来ていた…  
どうやらこの二人はのこり一つで閉店時間10分前のこの店ではもうケーキは足されないと考えたらしく…  
戦うことで決めるらしい…  
って機功化VS元演操者…結果は見えたようなものだ  
冬琉会長には銃など効かなければ魔力も効かない…  
朱浬さんは圧倒的に不利だ…  
『トモ…やっぱ科學部ぽいことになったね♪』  
お前は喜ぶな…  
「トモハル…女にね…殺らなきゃいけない時があるの!」  
朱浬さんやるって字間違ってます…  
「いくぞ!」  
その瞬間…  
「ありがとう御座いました〜」  
『「「「はい?」」」』  
店員の挨拶が聞こえた  
そして出てきたのは佐伯兄だった  
「夏目智春、君達は何をしてるんだ?」  
『うぇ佐伯兄だよ』  
そして佐伯兄の手には一つの箱が握られていた…  
そうオープン記念のチョコケーキだけの箱  
「全砲門一斉開放、発射――っ!」  
「冬櫻、抜刀」  
それはお互い、相手ではなく佐伯兄の方向へ――  
「おいっ!君達何をする!夏目智春こいつらをどうにかしろ!」  
無理言わんでください…  
その後…操緒が元演操者ばっかで出番がないと意味不明なことを怒っていたのは別の話…  
 
 
 

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