ある夜、僕は急に腹の上に重みを感じ、目を開いた。
「……ん……?」
ぼやぁと視界が歪み、上に乗っているのが操緒だという事に気付いた。何してんだお前は?
「あ、起きちゃった?」
ニッコリと笑う操緒を見て、舌打ちをうつ。
「せめて夜くらいはゆっくりさせてくれないか?」
そう言いながら僕は操緒を押しのけようと体を動かそうとした。しかし、何かに引っ張られ上手く動けない。《K鐡》から開放された彼女には憑依なんてマネは出来ない。
なんとか首を動かせば、僕の腕や足にロープが張られ、ベッドの柱にくくられているではないか。
「ん〜、ほら、トモってやっぱ男の子だし、抵抗されると困ると思って」
操緒の発言に首を傾げる。なんだか拙い。色々と拙い。科學部に在籍したお陰で鍛えられた僕の危機管理能力がコンデョションレッドを発令している。
「とりあえず離れてくれ」
「それはダメ。暴れない方が痛くないよ」
またニッコリと笑って、操緒は僕のズボンとパンツを――――――!?
「うわぁあぁああああぁぁああああ!!!!!!」
ほら見たことかやっぱり拙い事になってって言うかなんで何で僕は拘束されて脱がされているわけ? 紫浬さんだってこんな強引いや十分過ぎるほど強引だったけど普通こういうのって僕が操緒に対してやる訳でじゃなくて僕は別にそんなつもりじゃなくて!?
「隠さなくてもいいよ。ともの・・・すごいと思う。」
何がすごいのか、何を基準にそう言っているのか。混乱の極みに達した頭の片隅でそんな事を考えてしまった。落ち着け僕。まずはこの状況をなんとかしないと。
「離せ!離せよ!操緒!!本気で怒るぞ!!」
強気に出てみる。滅多な事では僕は怒鳴らない。これなら操緒も――――
「もう怒ってるじゃん。それに、ここは喜んでるよ?」
操緒はツツーッと僕の勃ちはじめたものをさする。
「う!わ!」
体が僕の意思に反してビクビクと震える。
「うふふふ、ま〜た大きくなった」
嬉しそうに笑う操緒を僕ははひたすら睨む。
「操緒……!」
「まだ分からない?」
首をかしげて、操緒は自分の着ているものを脱ぎだした。服が床に落ちる音が、僕の耳にたたき込まれてくるようだった。
「な……何してんだよ!馬鹿!!!」
慌てて僕は目をつぶる。顔がメチャクチャあつい。
「……ねぇ、トモ……操緒を見て」
「見れるわけないだろ!!」
「……。あたし……トモが好き」
意を決したような間の後、操緒はそう言った。はい? 今なんて言った?
「トモは……操緒の事好き?」
彼女の問いに、僕はなんと答えれば良いのか分からない。操緒は幼馴染で、見上げた夜空に浮かぶ月みたいな存在で。
「別に良いよ、無理に答えなくても。トモはこれから操緒を絶対好きにならなきゃいけないから」
「うわぁ!操緒!!やめろ……汚い。」
「汚くなんかないわ」
そう言って操緒はゆっくりと摩った。
「ああぁ!あぁ!みさ!!やめ!!」
「なんで? 気持ち良いでしょ?」
操緒が僕の亀頭に口付けてきた。
「操緒!だめ……だめだ!」
体がビクビクと震える。ほんとにやめろってば! くそ、頭が回らなくなってきた……。
「ダメじゃないでしょ?出して良いよ」
「操緒が……」
「気にしないで」
そう言って操緒は一気に僕の限界寸前のものにかぶりつく。
「う!わぁ!あ!ああ!!」
僕はビクビクと震えて熱情を操緒の口の中にはいた。彼女はそれを飲み干してすこしむせる。
「飲んだ……全部飲んだのか……?」
僕は真っ青になりながらおそるおそる操緒に聞く。
「ん。美味しいよ。トモの精液」
少し口からこぼしてしまった液体を舐めながら操緒は頷いた。
「馬鹿!何してんだよ!!そんな事して……体壊したらどうするんだ!」
操緒は満足げに微笑んで、
「もちろん、トモに看病してもらうけど?」
と即答。
「な……なんなんだよ……操緒……本当に……」
僕の困惑をキレイに無視して操緒は僕の顔にまたがった。
「ね……トモ、ここ舐めて」
「な……何を……。」
僕の目の前には蜜で満ちた操緒の密所がある。
「舐めて。トモの舌で私の恥ずかしい所……舐めてよ。」
笑みを浮かべつつ、操緒は僕の口を自らの肉体で塞ごうとする。
「操緒……もうやめよう!」
僕が講義すると、操緒は悲しそうな瞳で見つめる。
「どうして?どうしてできないの?トモは……操緒のこと嫌い?」
「嫌いとかそう言う問題じゃなくて!」
操緒は無理やり自分の秘所を押し付ける。こいつ……! まだ言いたい事があるのに!
「舐めて……お願いトモ……」
切なげに呟く操緒を見て、僕の理性は崩れ始めた。気付けば愛液の滴るそこを舐め始めていた。
「あ…あん。トモ……」
ビクリと操緒が肩を震わせる。
「ん……操緒……ちょっと舐めにくいから腰……少し上げて。」
「うん……んん……」
ガクガクと操緒の腰が震える。僕は自分にできるだけの事を操緒にしてみせた。
「どうだ操緒。これでいいかの?」
「うん!うんうん!これでいい!いいよぉ!」
操緒の足が快楽で支えきれずにガクリと落ちて僕の口を完全に塞いだ。
「苦……苦しい、操緒……」
「ご……ごめんねトモ。ごめん!」
再び腰を上げて、操緒はにやりと笑った。まさか―――!?
「ごめんついでに……トモの、私の中に入れるね。」
操緒は再び勃起しつつある僕のモノを掴み、自分の準備万端となった場所へ当てる。
「え?ええ!?ちょっと操緒!やめろ!!」
慌てる僕を無視して、操緒は一気に僕で自分の体を貫いた。
「あっああぁああぁん!」
「うわぁっ!く!」
お互いに息を詰める。僕はブルブルと振るえ、快感に耐える。
「操緒……ダメだ、これ以上は……」
「もう遅いよトモ。大好きだよ」
操緒は自分の腰を動かしだす。
「あっあん!トモぉ!トモォ!」
ガクガクと我を失いつつ、操緒は僕の上で思うが侭に動いた。
「あ!みっ!はぁ!操緒ぉ!!」
彼女の動きに体が勝手に合わさり、僕はまるで自分が人形のような感じがした。
「トモぉ! 早く! 早くぅ! ……あ! トモぉ!」
快楽になお耐えようとする僕を操緒が煽る。
「ダメだ! ダメだ操緒!! あっ!」
「トモの……トモの赤ちゃんほしいの……お願い、トモ!」
「ダメだ……操緒! それは……あっ! やめろ!!」
徐々に限界に近づく僕を感じ取ったのか、操緒はいっそう激しく僕を求める。その思いに恐怖すら覚える。
「お願いトモ……ねぇ、あん! ねぇっ!」
「勘弁してくれ……もう……ダメだ!」
「出してぇ! ねぇ、トモ! 好きなの!」
限界が来て、一瞬僕の動きが止まり、ビクリと震えた。彼女の望む物がどんどん彼女の中を満たした。操緒はどんどん流れ込んでくる僕を受け止め、恍惚した表情を浮かべていた。
「トモ、赤ちゃん出来たら……トモはちゃんと責任とってくれるよね?」
気だるそうに笑う操緒に僕は呆然としながらもコクリと頷いた。
逃げられない。いや、むしろ逃げる訳にはいかない。本能的に悟った。
「トモ、ずっと一緒だよ」
僕は、分かってるとひどく遅い動作で頷いた。