『トモ、大丈夫?なんか顔色悪いみたいだけど?』  
学校からの帰宅途中、操緒が少し心配そうに話しかけてきた。  
西洋人形のように整った容姿をもったこの少女は、一見神秘的にも思える。  
まあそれは、彼女の肌を透かして背景がうっすら見えていたことも要因にあるだろうけど。  
「あー、確かにちょっと頭痛いかも。」  
今日は昼頃から少し調子が悪く、科学部も皆より早く帰宅させてもらっていたのだ。  
『ちゃんと体調管理しないとだめだよ、トモ。』  
「なんだ、心配してくれるの?」  
いつも僕の守護霊と名乗っておきながら、危ない時はまっすぐに逃げ出すような緒緒が言ったものだから正直少し感心した。  
『んー、だってトモが調子悪くなると、あたし出てこれなくなっちゃうじゃん。今日観たいテレビがあったんだよね〜。』  
…結局は自分のためかよ。感心して損した。  
そんなやりとりをしながら下宿先の古びた洋館鳴桜邸についた。  
 

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