「初めて、なんですか?」  
悪戯っぽく目を細めて紫浬さんが訊いてくる。  
何か言おうとした僕の唇を紫浬さんの口がふさいだ。  
「んむっ!・・・んん・・・・・ぷはっ!」  
突然のことに驚き、顔を背けてどうにか口を離す。  
「ゆ、紫浬さん、ふむっ!」  
しかし有無を言わさず紫浬さんは再び唇を重ねてくる。  
「んっ、んんっ・・・んん・・・」  
ぴちゃ・・・くちゃ・・  
舌も絡まり、熱があるのも手伝って、急速に頭が熱くなる。  
「ぷはっ」  
ようやく紫浬さんが口付けをやめたときにはもう僕は抵抗どころか、しゃべるのも億劫になっていた。  
よく見ると紫浬さんは裸になっている。いつのまにか僕も上半身裸でパンツ一丁になっている。  
さらに紫浬さんは僕のパンツを脱がそうと手を掛けてきた。  
と、その時だった。  
「ダメッ!!!!」  
バン!!と部屋の扉が吹っ飛び、中から人が出てきた。  
出てきたのは、顔を真っ赤にしながらも目は怒りの色になっている嵩月だった。  
 
 

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