ついに25日目の夜が来てしまった。  
父と母とした賭けは100%負け決定。   
婚約者を勝手に決められたくないのなら25日の猶予期間の間に1000万ゴールドを儲けだす、という両親との賭けにのったアイリーンだが、  
健闘むなしく設定された金額を超えられなかった。  
950万まで集めて、あと数日あれば達成できるところだったのに。  
 
このままでは、明日には勝手に許婚が決められる。  
だから夜逃げの準備をしていたのに。  
そこに駆け落ち希望の男が私を連れ出しにやってきた。  
アイリーンには駆け落ち自体は何の異存もなかった。 いや、寧ろうれしかった。 ……幼馴染が2人同時に来たのでなければ。  
 
  ☆★☆  
 
「アイリーン、私と駆け落ちしよう」  
「お嬢は、俺と逃げるんだ。 スチュアートは引っ込んでろ!」  
「タイロン、お前こそ引っ込んでろ!」  
「…………」  
子供の頃と全然変わらない。  
結局、この二人は私のことより、私を理由にケンカするのが楽しいだけなのではないだろうか。  
 
「私、あんた達とは行けないわ。 国の有力者の跡継ぎが二人も同時に、居なくなったりしたらギルカタールはどうなるの?」  
「そ、そりゃあ……親父がなんとかするんじゃねーの?」  
「あんた達の父親は息子達が王女をかどわかした事を叱責されて大臣職を間違いなく辞任よ。 そんな二人がなんとか  
出来るわけないわ」  
「それを言ったらお前こそギルカタール王の跡継ぎじゃないか」  
「……私は今まで仕事をしていたわけじゃないし、居なくなっても急には困らないわよ。 そのうち誰か優秀な人間が国王を  
継げばいいわ。 でもあんた達はそうはいかないでしょ。実質、既にもう跡を継いで仕事をしているようなものだもの」  
 
そう言いながら、着替えや貴重品などの荷物をせっせと布袋に詰め込む。  
 
「それに……もうバラバラなのはイヤなの。 三人がいいの、昔みたいに。 どっちか一人だけなんてイヤ。   
どちらがより強く好きかなんて決められない。だってどちらも大切な私の幼馴染なんだもの。 一人だけ置いていくなんてできない!」  
「アイリーン……」  
「お嬢……」  
「だから私だけで逃げる。 きっとなんとかなるわよ。 落ち着いたら二人には手紙書くから」  
「待て、アイリーン……」  
顎に指をあてスチュアートが何か考えている。  
「何よ、まだ何か言うつもり?」  
ヨイショっと荷物を整え終わった私をスチュアートが引き止める。  
「……あと何ゴールド足りないんだ?」  
「えっと、……あと500万ゴールドくらいあれば達成できると思う」  
「何だ、お嬢。 本当にあと少しだったんだな」  
タイロンが残念そうに言う。   
 
「国王と女王は、稼ぐ手段は問わない、どんな事をしても構わない、と言ったんだな」  
スチュアートが何か思いついたように聞いてくる。  
「うん。 誰から大金を貰ったりしないかぎりは国庫から宝石を盗んでも、カジノで増やしてもいいって」  
「それなら……私が250万払ってやる」  
「は?だから今、誰かから大金は貰えないって…」  
「250万でお前を買ってやる」  
「どういう意味?」  
「お前は俺に250万で……身体を捧げるってことだ」  
「か、身体を売るってこと!?」  
「そうだ」  
「ば、ばかを言うなスチュアート!! お嬢にそんなそこいらの商売女みたいなことさせられっかよ!!」  
「だが、もうお前にはアイテムとか売るものは何もないだろ、アイリーン?」  
「カジノで最後に大博打すりゃいいだろ? ダメもとで」  
「100%勝てるか? もし負けたら? お前は納得できるのか? 私達以外の男がこいつの婚約者になるところを指を咥えてみているつもりか?」  
「でも俺達のどちらかが選ばれる可能性もあるんだろ」  
「選ばれない可能性もあるんだぞ。 たとえ選ばれたとしても、お前は満足か? アイリーンが選んだんじゃない、勝手に決められた婚約だぞ。   
そんなので例えば私が選ばれてもお前は納得できるか? 他のならず者が選ばれても我慢できるか?」  
「そ、そりゃ……確かにイヤだな。 で、なんでお前がお嬢を買うんだよ!!」  
「お前本当にバカだな。 250万って言ったろう。 残りの250万はお前が買うんだ」  
「……そ、それなら俺が全額500万出してお嬢を買い占める!!」  
 
「私だって500万出すのは容易いが……、今、どっちがアイリーンを買うか揉めてるワケにはいかない。   
一度揉めたらお互い殺しあってどちらかが死ぬまで決着が付かないだろう。 そんな事をしているヒマは無い。 それに……  
アイリーンがどうしても三人がいいって言うしな。 私としてもかなり不本意だが仕方あるまい。   
本当はお前なんかとこいつを共有するのは死んでも嫌だが……これが私にできるぎりぎりの妥協案だ。   
お前にこれ以上の策が何かあるなら言ってみろ」  
「………………無ぇよ」  
「なら黙ってこの案にのることだな」  
スチュアートに理路整然とした説得にタイロンもしぶしぶ肯く。  
自分を無視して勝手に話しがまとまったことに私は慌てて声を上げる。  
 
「ちょ、ちょっと待ってよ。 あんた達、そんな事勝手に決めないでよ!」  
「お前が三人がいい、私達と逃げるのはダメと言ったんだ。 お前が望んだ事だろう、アイリーン。   
クク……250万分キッチリ楽しませてくれよ。 幼馴染だからって手加減はしない。   
金額に見合うだけのものがなければ金は払わないからな。 私はムダ使いは嫌いだ」  
「ひでぇな〜スチュアート。 お前もっと他に言い方があるだろーが。 ……お嬢。大丈夫だ。 優しくする。 な? だから安心しろ」  
 
鬼畜なスチュアートの言葉にびびる私に、優しい言葉をかけるタイロンだが、そう言いつつも彼は彼で、私の目の前で  
ポケットから出した金貨を空に向かってピンと爪で弾く。  
「先か後か決めようぜ。 俺、表な」  
「では私は裏だ」  
どちらが先にするかを決めているのだ。 空をくるくると舞ってポトリと落ちてきた金貨は表だった。  
「ねえ待ってよ! 三人でするの!? 私確かに三人一緒がいいって言ったけど、そういう物理的な事を言ったんじゃなくて、もっとこう……  
心の距離の事を言ったのであって、なんでそれがいきなり3Pになっちゃうのよーー!!」  
「お嬢、プリンセスなのに3Pとか言うなよ……でもこれで既成事実もできることだし」  
「そう、好都合だ。 いいか、お前に拒否権なんか無い」  
 
二人で抵抗する私をベッドまで持ち上げていって押し倒す。 必死で逃げようとしたが多勢に無勢。いくら期間中、体を鍛えたといっても  
男二人を相手に(しかも相当てだれの二人だ)敵うわけがない。腹をくくるしかなかった。  
 
「わ、解った、解ったから。 服くらい自分で脱げるから! そんなに強引にしないで!」  
「だめだ。 服を脱がすのも料金のうちに入ってるからな。 お前はただじっとしていればいい」  
「そ。 俺達の楽しみを奪わないくれよ」  
「もう、何を言ってるのよ、このヘンタイどもー!!」  
二人によってみるみるうちにドレスを脱がされ、下着のビスチェとショーツ、ガーターだけにされてしまった。  
そしてそれらも剥がされていく。  
 
ビスチェが取り払われたとき、白い大きめの胸がこぼれてぷるんと揺れた。 ドレスの胸元のカットにあわせてうっすら日焼けしている。  
砂漠にモンスターを狩りに出かけるようになって私は日焼けをしていた。 その日焼けの跡がさらにドレスの下に隠れていた  
日焼けしていない部分の白さや桜貝のようなピンクの頂を際立てる。  
男達の視線が全身に注がれて、慌てて両手で胸元を隠し、赤くなった顔を二人から背ける。  
 
「……」  
「……」  
二人は無言のまま。  
私が真っ赤になって恥らっている姿を嘗め回すように視姦する。  
 
「ちょ、何よ、なに見てんのよ! そんなにジロジロみないでよ!!」  
沈黙のあと、最初に口を開いたのはタイロンだった。  
「いや、育ったなぁ〜と思って」  
次はスチュアート。  
「ああ、昔は板みたいだったのに、まさかこんなにデカくなるなんてな」  
二人共、感無量といった面持ちだ。   
「板でも可愛かったよなー、お嬢は。 たとえ今もペチャパイでも、俺は好きだけどな」  
「いつかあの小さな胸を私が揉んでデカくしてやると、心に誓ったものだ」  
「お前もかよー(笑)俺も俺も! 俺の愛で、でっかくしてやるってなー。はは」  
 
「あ、あんたたち……、あんな頃からそんな目で私の事を見てたの?」  
幼馴染が。 一緒にお風呂に入ったことも一緒のベッドでお昼寝をした事もある無垢な幼少時代。  
と思っていたのは自分だけ。 幻想がガラガラ崩れていく。  
 
「ははは……」  
「……」  
お互い笑いあっていたが急に凍りつく二人。なんか空気が変わってきた。   
「なあ、お嬢…………」  
「お前、まさか……誰かにデカくされたんじゃないだろうな。 あのクソ忌々しい家庭教師とか」  
「あの陰険メガネか!? くそっ!殺す!!やっぱり殺す!! 殺し屋を雇うとかそういうヌルイ手じゃなく、直接俺が殺す!!  
いやいやただ殺すのは勿体ねぇ。 ここはやっぱ拷問か!?」  
 
勝手に二人でエロい思い出で盛り上がって、今度は勝手に私の家庭教師ライル先生でこめかみに青筋を立てて怒っている。  
普通ならこういう場合の「殺す」は冗談みたいなものだが、この二人にとっては家庭教師一人を抹殺することなんてそれこそ  
冗談みたいに簡単にできる立場だ。 本当に殺されては困るのであわてて否定する。  
「ちょっと!!勝手に変な想像しないで!! これは自前なの!! ライル先生とはそんな関係じゃないわよ!!」  
「……本当だろうな?」  
「それならいーけどよー」  
 
ちょっと腑に落ちない顔をしつつ、二人が擦り寄ってきて、見ているだけじゃなくあちこちまさぐり始めた。  
胸を覆い隠している両腕を、二人それぞれが近いほうの手を引き剥がし、ベッドに縫い付けるように手で戒める。  
そうすることで二人は片手が使えなくなったが、私はは両腕が使えない。  
これから起きることに対し、まったく抵抗ができないことになる。  
 
タイロンが乳房の片方に手を伸ばして揉む。  
「やわらけーな。 あー、俺、お嬢の胸、揉んでるんだ〜。なんかすげぇ。信じられんねぇ」  
もう片方にはスチュアートが顔を寄せ、舌で頂をチロチロと嘗め回す。  
「ん……や……ぅ」  
二人で同時に攻められるなんて初体験だ。 別々に違った愛撫を施されて思わず漏れてしまった声が恥ずかしい。  
「なんだ、感じるのか? もっとしてやろうか?」  
ちゅっっと吸い付かれて唇でコリコリと扱かれる。 与えられる快感にどんどん先端が硬く尖っていく。  
「こっちも先が固くなってきた……ピンクでかわいいなぁ」  
ゴムマリを握りつぶすように胸を揉みしだいていたタイロンも直ぐにべろべろと舐め回したり、口に含んで転がしたりし始めた。  
スチュアートも競うようにちょっとキツク歯の間でしごいたりして快感を高めていく。  
背中が反り返って無意識のうちにもっと胸を突き出してしまう。  
 
「んっ……くっ……ぅぅ……」  
やがてスチュアートが空いている手を下のほうに持って行き、太股をすすっと優しく撫で上げ、その先にある泉の中に指を浸した。  
最初は反応を見るように周りの花弁をなぞったり割れ目に指を這わしていたが直ぐに見つけ出された穴の奥へ指を一本突き進めてきた。  
「やぁ…だ、ダメ!…ンッ!……はぅ!」  
思わずこぼれ出た甘い声にタイロンは胸の愛撫に夢中になっている間にスチュアートに下の愛撫を先越されたことを知った。  
「ずるいぞ。俺にもさせろ」  
スチュアートだけでなく、タイロンの指まで狭いあの部分に潜り込んできて長い指が好き勝手にあちこちの壁をさすり始める。  
まだ解れていないその場所に男達の、自分とは違った太いがっちりした指が何本も入り込んで、かなり無理矢理その部分の口を広げられている。  
「ちょ、ちょっとぉ!ムチャしないで…よ………あぁ…んんっ!」  
スチュアートの指が奥の壁の、いいところを探り当てる。  
「ふーん、ここか……ここがいいのか」  
「あっ!はぁ……あんっダメ、そこヘンっ」  
「なんだ、どこどこ? お嬢のいいとこ」  
タイロンが同じ場所を人差し指で突いてくる。  
「やぁっ!……ふたりして同時になんて……あっ……あっ……」  
びくん、びくんと身体が跳ねる。  
二人の指がずちゅずちゅと出し入れされる。 一人だけでもいっぱいなのに、二人分一度に受け入れるせいでかなりキツイ。  
快感が激しすぎて苦しい。 なんとか拒みたいのに相変わらず両手を戒められているので逃げようがない。  
「あ…ああぁ……」  
目じりから涙がこぼれる。  
「も、もう……もう…だめ…」  
「……指だけでイクのか? 随分とはしたないプリンセスだな。 二人に同時に入れられて指がそんなにいいのか?」  
「中だけじゃ足んねーだろ。 俺が外からもイカしてやるよ」  
掻き回されて溢れ出た液でぐちょぐちょになっている突起にタイロンがピチャリと舌を這わせ始める。  
そこは勃起しきって限界まで膨らみ、真っ赤なルビーのようにテラテラと光り輝いていた。  
「いやーーっ!! ああぁ……ああああっーーんっ!んんうっ!」  
すさまじい快楽の叫び声は途中でスチュアートのキスで封じられた。 差し入れられた舌が奥のほうまで蹂躙する。  
キスをしながらスチュアートは今は両手で胸を揉みしだいたり、指先で両方の乳首をグリグリと摘んだり弾いたりしている。  
タイロンは次第に中に突き入れている指の出し入れを早めながら、突起に吸い付いている。  
 
二人はアイリーンの身体の快感を感じる、ありとあらゆる場所を同時に攻めつづける。  
そんな強烈な刺激に、いつまでも耐えられるはずもない。  
身体がびくん、びくんと跳ねあがる。  
もう、いっちゃう……そう思った瞬間、タイロンが愛撫をやめた。   
「やああぁっ!……タイロン、やめ…ないで……私、もう少しで……ああぁ…」  
「悪りぃ……お嬢。 俺も、もう……がまんできねぇ」  
 
そう言うとタイロンが下穿きを脱いで興奮しきったその部分を晒した。  
「ちょっ!…………………………………………そんなのムリぃ!!」  
タイロンのはその立派な体格に比例して、その部分も大きかった。 慌てて後ずさるがタイロンとスチュアートに阻まれて  
逃げることはかなわない。  
 
「ムリって言われても……もう止まんねーよ」  
いやいやと頭をふって抵抗しても聞き入れては貰えず、潤った泉の入り口に熱くなった切っ先をぴたりとあてがわれる。  
「おい、あんまりムチャするなよ。 後で私が楽しめないのは困る」  
「んなこと言われてもよー。 …………なるべく、優しく、ゆっくり入れるからお嬢、頼む力抜いてくれ……」  
アイリーンを四つん這いにし、彼女の潤った部分に熱く猛った自身を押し付けてきた。  
「あっ…ん…あああああっー……やぁ…はいって…く………う…い、いた……いたい」  
ぐいぐいとタイロンが中に入り込んでくる。  
先ほどの指とはあまりにも違う質量に、アイリーンの身体が悲鳴をあげる。  
「だめ……だめぇ…やぁ…」  
「く…ぅ……まだ…だ……。まだ…全然入ってねーぜー」  
「や…ん……はぅ……ふ……あ……」  
苦しさのあまり、はぁはぁと息をしながら四つん這いから上体を反らす。  
「い……いた…いよぉ…スチュアートぉ」  
「……」  
スチュアートは私ががすがるように伸ばした両手を握り締めてくる。  
「…キス……して、スチュアート……」  
スチュアートは言われるまま、あやす様に口付ける。  
 
「う……やっと……全部、入っ…た……くっ…狭いな……お嬢の…なか……絡み付いて、くる……」  
「ん……ん……」  
少しずつタイロンの剛直が身体に馴染み始め、滑らかに出し入れが可能になってくると、痛がっていたはずの私の声に嬌声が混じり始める。  
「んっ…んっ…んっ……はぅ…ん、ああ」  
タイロンに後ろから貫かれたまま、快楽に紅潮させた頬で、スチュアートを抱きしめキスをする。  
 
「……お前は。 酷い女だ……アイリーン」  
 
自分が愛している女が他の男に貫かれてよがるところを見せられて平気でいられる男はいないだろう。  
 
スチュアートは、懸命に舌を絡ませて二人の男から快感を貪る私を憎しみを込めて見つめる。  
そしてその後ろのタイロンの事も視線だけで射殺しそうな程、嫉妬の目で睨んでいる。  
そしてただ嫉妬し続けるしかない自分自身を最も憎んでいるのだろう。  
 
「スチュアート……」  
 
スチュアートから唇を離すと、そのまま、また四つん這いになり、今度はスチュアートの下穿きをずらした。  
するとスチュアートの楔が熱く硬く反り返って腹につきそうな勢いではねた。  
すでに先走りをまとって快感に震えるその楔に口を近づけ、思い切って先端を咥える。  
ちょっと苦いけど、悪くない味だ。 舌先で裏を舐め挙げる。  
「うわっ!アイリーン!!何を!」  
スチュアートはまったく予期していなかったようでかなり慌てている。  
「ああ〜、いいなーそれ。 お嬢、後で俺にも、な?な?」  
タイロンが羨ましそうにしながら、後ろから私にねだる。  
 
「ん……咥えたら、…もっとおっきくなった。 スチュアートのえっち」  
「ば、バカ。 お前がそんなことするから……うっ!……ちょ…とまて……くっ」  
「凄い……。口の中でビクビク跳ねてる。 我慢してるの?かわいー」  
「私が早いみたいな言い方するな! お前にはプリンセスの恥じらいというものはないのか」  
私の攻撃を退けようと頭に手をかけて私の口からソレを引き抜こうとしているが、その手には力があまり感じられない。  
 
もっと虐めてやりたくて更にノドの奥にまで咥え込んで唇で締め付けると、うっと低い声を漏らすのが聞こえる。  
そして抵抗しようとしていたスチュアートの指がそのまま私の長い髪を絡めて、逆に引っ張りもっと深く口の中を  
犯そうとする動きに変わっていく。  
「ふっ……くぅ……あっ……!」  
いつも私を見下すスチュアートが、私の愛撫で段々余裕がなくなっていくのを観るのは快感だ。  
 
「く……はぅっ…くそっ!……はぁ…どうなってるんだ。 お前うますぎるぞ。 お前、家庭教師にいったい何を教わってるんだ!」  
「だからライル先生とは……あ…んっ!……なんとも、ないって…ぁっ…言ってるじゃない」  
「もし手を出していたら絶対に殺す」  
「手を出して無くてもあいつ目障りだ。 やっぱり殺しておくか」  
スチュアートもタイロンも、また物騒な事を言い出す。  
「もう、やめてよね! ……そんな、事したら、……は…二人とも、今度こそ一生……絶交だから!!あっ、んっ!…っ!」  
 
「うっ…はぁっ…もう、俺、そろそ、ろ……」  
「ああ……、私もだ…くっ……!」  
初めてまだそれほど経っていないというのに三人は上り詰めようとしていた。  
 
二人は実際は経験豊富なはずだ。 私だって経験がないわけではないし。  
それなのにまるで初体験のようにぎこちない。  
 
そうだ。私達は大人になる儀式をやり直してるんだ。  
私達が本当なら普通に通過するはずだった儀式。  
スチュアートとタイロン、それぞれの親の因縁のせいで、私達まで仲たがえをしたせいで、通過できなかった。  
それぞれが勝手に済ませてしまったけど。  
それを今、三人でやり直しているんだ。  
 
これでやっと元にもどれる。 スチュアートとタイロンを許すことができる。  
 
 
 
最初にその時を迎えたのは私だった。  
「んっ、あっ、あっ、あああああぁああああっ!!」  
タイロンに奥の奥を突かれて快感が背筋を駆け上り、目の前が真っ白に染まっていく。  
太股からだらだらと流れ出した愛液が伝ってシーツにシミを作っていく。  
「うっ!アイリーン……くぅ!……んっあぁ!!」  
叫ぶ私の声に反応し、スチュアートが狭い口腔に熱い迸りを放つ。  
「んぶっ!…あう……」  
スチュアートのぬめぬめと光るソレが私の唇から出て行くのと一緒に、飲み込みきれなかった白濁がたらりと零れ落ちた。  
その淫猥な様子を満足げにスチュアートが眺める。  
 
「俺、も、もう…お嬢…はっ…うっ…ア…アイリーン。 俺の子を孕めよ! くっ!!」  
これ以上ない程奥まで突き込んでタイロンも熱い液を吐き出した。 更に中に染込ませる様に、こすり付ける様な仕草で腰を動かす。  
「えっ!?ちょっとまってバカバカそのまま出すなぁ!!」  
「あああっ!!お前、胎内(なか)に出すな!!アイリーンが穢れるだろう!!」  
「はぁ、はぁ…。 …お前だって口の中に出したくせに……よく言うぜ。 お嬢には俺の子供を産んでもらうんだ」  
「馬鹿を言え! 私の子が先だ」  
「俺の方が先だ!」  
 
また始まった。  
この先本当に子供が出来たら、二人で取り合いになるのが目に見えるようだ。  
 
 
「それにしても。 こんなの一晩かぎりにしてよ…」  
「お前はバカか。 どこの世界に一晩で500万ゴールドも稼げる娼婦がいる?」  
二人に攻められてベッドの上でぐったりとしている私に向かってスチュアートが信じられないことを言い出した。  
「え……そうなの?」  
こんな悪党ばかりの国でもプリンセスはやはり箱入り。 だから世間の相場というものには疎かった。  
「当たり前だ。 これから毎晩返してもらうからな。 せっせと尽くせよ」  
「そ、そんなのイヤ! お金は堪ったらちゃんと返すから」  
「私の250万ゴールドは金では返せない。 ちゃんとあらかじめ言っておいたはずだ。 身体を買ってやる、とな」  
「そんなのひどい!! 具体的にどれだけしたらチャラになるのか解んないし!!」  
「具体的に? そんなの決まっている。 『私を満足させるまで』と言っただろう。 そういうことだ」  
「ええええええええええええ!!」  
「私はお前のこれからの一生を250万で買ったんだ。 だから一生かけて返してもらえばいい」  
「それとも今すぐ契約を破棄するか? それなら今夜の分で5万くらいなら払ってやってもいいがな。 そしてお前は明日、  
誰ともわからない男と婚約だ。 これからの一生をその男に捧げるんだな」  
「そんな。 だったらせめてこれからは日替わり交代で……」  
 
「却下」  
「ダメだ」  
 
二人とも返事はやっ!。  
「私の知らないところでお前がコイツに抱かれているかと思うとゾッとする」  
「俺だって同じだ。 抜け駆けは許さないからな。 同じ金額を払ってんだ。 つねに平等じゃなきゃな。   
…………って事で、お嬢。 俺にもさっきスチュアートにしてたヤツ、やってくれ!」  
「そうだな。 次は私も中にたっぷりと注いでやろう。 それこそ一発で孕むような濃いヤツをな」  
「もう疲れた。 もうヤダ。 もう眠い」  
「ふざけるな! 私はまだ満足していないぞ」  
「俺も俺も!まだ朝まで時間はたっぷりあるぜ!!」  
「ええ〜」  
 
こんなのがこれから一生続くの?  
「私、早まったかなぁ……」  
取り合えず、このデカイ二人の為にベッドはもう一回り広いモノを注文することになりそうだ。  
 
糸冬  
 

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