捕らえられ、皮を剥かれ、牙を突き立てられる。  
――エモノ。  
彼の、タベモノ。  
 
 
 
幾筋もの涙が伝う私の頬をロベルトは、べろりとなめる。  
熱く湿った赤い舌が、冷たい頬を撫でる感触に、全身のうぶ毛が総毛立った。  
 
「あんたは、涙まで甘いんですね……」  
 
く、っと息を詰めたような笑い声。  
その僅かな振動にも、深く繋がった下肢に痛みが走る。  
 
「っ………!」  
 
唇を震わせた私に、ロベルトは至極嬉しそうな笑みを浮かべた。  
 
「痛いんすか? プリンセス」  
 
そう気遣うような言葉を吐きつつ、ロベルトはまた、彼を引き抜いた。  
 
「っああ――――っ!」  
 
内側の肉を根こそぎ持ってかれるような衝撃。  
男の酷い動きに、私は声を押さえることが出来ない。  
 
「あんたが、俺の一挙一動に声をあげる様に、すっげえそそられます」  
 
はあっと熱のこもった吐息を吐いて、ロベルトは唇の端をつり上げた。  
金髪が、汗で額に貼り付いている。  
 
「本当は、もっとゆっくり楽しみたかったんすけど……」  
「っ、ああああああああ!」  
 
はだけられた胸を鷲掴みにして、彼は再び、私の中に押し入った。  
 
「我慢できそうにないです」  
 
低くかすれた声が、私の鼓膜を震わせる。  
そして一瞬の後。私がロベルトの声を、苦痛に霞がかった頭で認識した途端。  
彼はその言葉通り、激しく動き出した。  
 
「――――――――!!!!」  
 
突き上げられ、揺さぶられて、声も出ない。  
絶え間なく襲い来る苦痛に、私の目の前が朱く染まった。  
背中に冷たく当たる石壁よりも、彼が責め立てている部分が、熱く、焼け付くように痛む。  
 
「っ、アイリーン……」  
 
うっとりと名前を呼びながらも、彼は、獰猛な動きを止めようとはしない。  
私は、濡れた音を立てながら出入りするロベルトに、大型の肉食獣に貪り喰われているようだ、と思う。  
 
「ああっ――――ッツ!」  
 
くちゃくちゃという咀嚼音に、脳まで犯されてしまいそうだった。  
ロベルトの口から漏れる、熱い吐息と一緒に、音の感覚が、短くなってくる。  
ぐちゃぐちゃびちゃびちゃぐちょ……。  
 
「――――クッ」  
 
獲物を飲み下す、声。  
喉を震わせる、ロベルト。  
 
捕らえられ、皮を剥かれ、牙を突き立てられる。  
――エモノ。  
彼の、タベモノ。  
茫然と目を見開く、ただの、タベモノ。  
 
 
 
 
 
>>END『食物連鎖』  
 

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