かつて人類の敵としてアクエリオンと死闘を繰り広げた堕天翅──  
トーマは機械天使と共に地底深くより発掘され、天翅族ただひとりの  
生き残りとしてディーバ基地内にある密室に繋がれていた。  
窓ひとつない、無機質な壁に囲まれただけの、一見ごく普通の部屋  
であったが、ここでは翅の力や神話力でさえ無効化されてしまう  
ようだった。  
実際にはなんの枷もはめられていないのに、足は強制的に地に  
引き寄せられ、翅音で言葉を紡ぐこともままならない。  
今のトーマは攻撃性においては全くの無力であり、天翅としての  
能力をすべて失ってしまったかのような状況に陥っていた。  
 
 
不意に部屋の扉が開かれた。  
そこには、見るからに野蛮な風体の男が立っている。  
しかし、トーマは扉の方を振り返ることもなく、ただ黙って  
何もない壁を見つめていた。  
 
「それ以上私に近づくな」  
背を向けたまま言い放つ天翅の表情は窺い知ることは出来なかったが、  
不機嫌さを隠そうともしないトーマの声に男は──不動GENは  
気を良くした。  
ゆっくりとトーマの方に歩み寄り、腕を伸ばす。  
ただならぬ気配を感じ取ったトーマは長い裾を翻して男に向き直り、  
対峙した。  
「…近寄るなと言っているだろう…命が惜しければ今すぐ出て行け」  
険呑な光を帯びた瞳で男を見据えたトーマは、思うように動かせない  
足を引き摺りながらも後退る。  
そんなトーマの精一杯の威嚇を不動は一笑に付し、獲物をいたぶる  
肉食獣の眼光でじわじわと壁際に追い詰めていく。  
男の指先が翅に触れる直前、トーマは弾かれたように身を引いたが、  
それよりも早く大きな掌が後頭部を捕らえ、そのまま髪を掴んで強引に  
仰のかせた。  
「───!!」  
突然に与えられた衝撃で声も出せず、苦悶の表情を浮かべるトーマを  
横目に見ながら、不動はもう一方の手を無防備に曝された喉元へと掛ける。  
指先に僅かに力が込められた。  
このまま首を締め上げられて、いよいよ息絶えるのかと死を覚悟した  
トーマだが、、男の手にそれ以上力が入る事はなく、むしろある意図を  
持って首筋から頬にかけて直接肌をなぞり上げられ、トーマは戦慄した。  
「…ッ、なんの真似だ…」  
男は続けざまに胸のふくらみを着衣の上からぎゅっと握りこんだ。  
乳首のあたりを撫でさすり、硬くなってきたところを意地悪く  
摘み上げる。  
途端にビクリと反応した身体は、鋭く息を吸い込んだ。  
「感度がいいな。さすがは男に狂って身を滅ぼしただけのことはある」  
トーマを乱暴に壁に押し付けると、服の合わせ目を引き裂いて胸元を  
露にさせた。  
「お前のカラダがどんな具合か調べてやろう。  
 ほら、全部開いてよく見せてみろ」  
 
「ふ、触れるなっ、この身の程知らず!誰がおまえなどに……!!」  
トーマは嫌悪をむき出しにして罵声を浴びせかけた。  
しかし男にはまったく効果をなさず、逆に易々と取り込まれていく。  
不動の手は機械的な作業をこなすように、可憐な乳房を掴んで  
両手で揉みほぐしはじめた。  
時折、指の間から覗く桃色の乳首を、唇で挟んでは吸い上げる。  
羞恥で耳まで真っ赤になったトーマが男の顔を押し退け、  
身をよじって抵抗するが、すぐに力任せに引き戻されてしまう。  
ツンと上を向いた乳首がまるで、トーマ自身の気位の高さを現している  
ようで、不動はたまらなくこの天翅を虐めてやりたい気分になった。  
トーマの脚の間に腿を割り入れると、恥丘に押し当て、こすり付けて  
そこから淡い刺激を与えていった。  
「んッ、やめ…」  
顔を背けるトーマの体がぴくんと揺れた。  
「ほう、天翅もここが感じるのか」  
「…くッ――」    
 
不動はおもむろにトーマの衣をたくしあげると、服のなかに頭を突っ込み、  
潜り込んだ。  
「ひゃッ…なにをする…ふざけるのもいい加減に……あっ!」  
無精ひげに覆われた男の頬が内腿や足の付け根をくすぐり、  
息が掠めていく度に、トーマの体にゾクゾクと痺れが走った。  
おぞましさ故かそれとも淫らな期待からか、得体の知れないものに  
飲み込まれていきそうな恐怖にかられ、服のなかに入り込んだ男を  
必死で引き剥がそうとするが上手くいくはずもなく、荒々しく  
腰を抱き寄せられ、動きを封じられたあげく、聖域を明け渡す結果となった。  
不動は唇と舌で、蜜の滴る、熟れた果肉を味わった。  
 
「…はぁ…はぁ…ハッ……」  
大の男を内側に抱え込んで、異様に膨らんだ服の裾を握り締めながら、  
トーマは目を閉じ、ただひたすら恥辱に耐えていた。  
やや未発達なようにも見える、トーマの清純な色をした割れ目には、  
外からの刺激を阻むものがほとんど生えておらず、男の性戯を直に  
受け止めることとなる。  
「ぅ、あ…はあぁ…や、待て、待って……」  
刺激に従順な媚肉を掻き分け、湿地帯をまさぐっていた指を、  
突然するりと滑り込ませた。  
「ひっ!」  
そこはすでに女の兆しで濡れそぼり、男の節くれだった指を容易に  
のみこんでいった。  
「…いっ、いたぃ…ああ…いやだ!!」  
体内に下賤な異物の侵入を許してしまったトーマは、純白の髪を小刻みに  
慄わせ体を硬直させた。  
「痛いだと?処女でもないくせに、嘘をつけ」  
不動は中指を腹側に曲げ、トーマのなかの弱い部分を擦りあげた。  
途端に身体が面白いほど跳ね上がり、快楽の証である粘液を更に  
垂れ流した。  
それはこの天翅の肉体が、女として充分に仕込まれたものであることを  
物語っていた。  
「…ッ……んっ…んんッ…それ、だめっ…抜いてっっ」  
声帯を震わせ、ひたすら否定と拒否の訴えを続けるトーマだが、  
その意思に逆らうように、内部は男の指をきゅっと締め付け、絡みついた。  
「ふむ。聖天翅というものは随分とはしたない性分のようだな」  
男は呆れ返った様子で服の裾から抜け出した。  
「な、なにを言って──!」  
「どうだ、たまには自分のを味わってみるか」  
いつも他人のモノばかりではつまらんだろうと、愛液でべとついた指を  
無理矢理トーマの口にねじ込む。  
「んうぅッ……!!」  
お前は淫乱だと言わんばかりの男の言動に、トーマの自尊心は粉々に  
打ち砕かれた。  
「よ、よくも…よくもこんな破廉恥な!…穢らわしい翅無しめ……  
 殺してやるっ…!!」  
屈辱のあまりに己を見失い、トーマはあろうことか素手で殴りかかろうとした。  
不動はそれを難なくかわし、細い手首を掴んでねじり上げる。  
怒り心頭のトーマの表情は凄みを増したが、男を怖気づかせるまで  
には至らなかった。  
むしろ憎悪によって益々きらめく紫の瞳を、不動はどこか懐かしい気持ち  
で眺めやるのだった。  
 
トーマの纏う衣はいとも簡単に剥ぎ取られていった。  
ほとんど最後には引きちぎられ、なにもかも曝け出されてしまった。  
精緻を極めた人形さながらの肢体はどこまでも白く、なまめかしく、  
思わず息をのむ美しさだった。  
 
「まったく!けしからん尻だな!!」  
怒気を孕んだ声とは裏腹に、実に楽しげに小気味良い音を立てながら男は、  
トーマの裸体のなかでも一際目を引く形の良い尻をひっぱたいた。  
「っきゃぁあああ!やめろ、やめろっ!!…は、離せーーー!!」  
裸で逃げ惑うトーマを後ろから羽交い絞めにし、猛々しく屹立した男根で  
一気に挿し貫いた。  
背後から立ったままの姿勢で、掬い上げるように腰を打ちつけると  
トーマの乳房が大きく揺れ、汗と粘液と肉がぶつかる卑猥な音が鳴った。  
不動との身長差からトーマはほとんどつま先立ちの状態となり、  
激しく突き上げられる瞬間、必然的に男の性器を限界まで銜え込まされる。  
「あ、あぁぁあっ…うぅ、ぐっ!…苦し、い…!」  
自由に空を翔けていたときには微塵も感じたことのない重力が、トーマを  
苛んだ。  
壁に爪を立てなんとかずり上がり、少しでもこの責め苦から逃れようと  
必死にもがくが、ぬちゃぬちゃとまとわり付く淫汁のおかげで  
動いた分だけより一層接合は深くなり、自ら男を招き入れる結果となった。  
「…イヤ…こんなの…嫌あぁっ…離してよぉ…」  
体勢の不安定さは焦燥を生みトーマを苦しめはしたが、それはやがて  
甘さを含んだ淫靡な感覚へと変化していき、トーマを追い詰める  
のは苦痛ばかりではなくなっていった。  
 
不動はトーマの体を揺さぶりながら、柔らかな胸の感触を堪能していた。  
次第にその手はくびれた曲線をなぞりゆっくりと下ろされてゆく。  
ピストンの速度を落とし、今度は根元まで深く突き刺したまま円を描く  
ように大きく動かしはじめた。  
「…ぁあ…ん…くぅうッ」  
トーマの口から思わず高い声が洩れ出た。  
その媚びるような声音にトーマ自身が驚き、慌てて唇を噛み締める。  
だが、それはすぐさま熱い吐息でほどかれてしまうのだった。  
「声を出せ。その方が楽になる」  
「……うぅっ…」  
素直に従えるはずもないトーマは、一心不乱に頭を振り、声を押し殺す。  
「ふん、強情な奴め」  
うなじに顔を埋めた不動の口元に、不意に柔らかな翅が誘いをかけてきた。  
そのまま翅に舌を這わせ、ねっとりと舐めあげてやる。  
「ひゃぁんっ!…そんなっ…やめてぇ!!」  
ビクンと大きく仰け反ったトーマの下腹部は既に男の手に包まれており、  
やがて秘部にまで達した指が陰核をいじりはじめる。  
顔に似合わず器用な指先で皮を剥き、強引に暴き出した部分に、  
粘液をたっぷり絡ませ、思いのほか繊細な指使いでヌルヌルと優しく  
愛撫をしていった。  
「あっ、あんっ…ゃ、やだ…も、ダメ、だってばぁ…はあぁあんっっ」  
敏感な箇所をいくつも同時に責められてトーマは、とうとう抑えきれずに  
身をくねらせ乱れはじめた。  
口の端からはだらしなく涎を垂らし、焦点の定まらない目は快楽だけを  
写していた。  
下等な動物でしかない翅無しごときに身体を開かされ、いいように  
もてあそばれているというのに、今のトーマにはただ感じて声を上げる  
ことしかできない。  
もはや、最強の支配者として君臨し続けてきた威厳に満ちた輝きは  
失われ、高潔の魂は死に絶え、平和と安らぎを司る聖天翅は  
雌犬同然と成り果てた。  
「あ、あっ、あぁぁああっ!!ぃく…イッちゃうぅっっ…!!」  
 
ふと突然、不動は動きを止めた。  
あられもない嬌声を響かせるトーマの口を、片手で塞ぐとほぼ同時に、  
室内に呼び出しの電子音が鳴った。  
「んんんッ!!」  
「静かにしてろ」  
切なげに眉をひそめるトーマを押さえ込み、不動は息を詰めた。  
『不動司令、来客の方がお見えになりました──』  
なんとも穏やかな女性の声がした。  
外部との通信機から聞こえてきたのは、ソフィアの声だった。  
 
呼び出された本人は眉ひとつ動かさずに、きわめて冷静に答えてみせた。  
「今、取り込み中だ。すぐには手が離せんので、後にしてもらえ」  
その威圧的な声には後ろめたさの欠片も感じられず、全く普段通りの  
尊大な態度であった。  
しかしソフィアは、めずらしく疑いを持って食い下がってくる。  
『…ですが司令、皆様もうお揃いなので、来ていただかなくては困ります。  
 それに……今どちらにいらっしゃるんですか?  
 手が足りないようでしたらお手伝いしますが──』  
オンナの直感だろうか。  
まるで、ふしだらな行為に耽る二人を戒めるかのような口調だった。  
「必要ない。連中にはなにか適当な理由を言って待たせておけ」  
そこで応答は一方的に切り上げられた。部屋には微妙な空気が残った。  
しんと静まり返ったなかで、白い体が僅かに身じろぐ。  
不動はその体をより一層きつく拘束し、耳元に顔を近づけると  
わざとトーマを脅えさせることを口にした。  
「どうやら、大事な客人が来たようだ。せっかくだから奴らを  
 この場に呼んで、お前を紹介してやってもいいな」  
不吉な言葉を吹き込まれた途端、トーマの中がぎゅうっと窄まり  
苦しげな息を吐き出す。  
男はその反応に満足すると、それきり動こうとしなくなった。  
なにか思案をめぐらし始めたのか、険しい表情で宙空を睨みつけたまま  
一切の動作を止めてしまったのだ。  
一方、絶頂の直前でいきなり行為を中断されたトーマは途方に暮れていた。  
未だ硬度を保つ不動の陰茎が埋め込まれていながら、なんら直截的な  
刺激を与えてもらえなくなったことで、中途半端なまま放り出されて  
しまっている。  
ジンジンと疼く体を持て余したトーマは、自ら腰を使って少しでも  
快楽を得ようとする。しかし、過剰に密着されていては満足に動きが  
とれるはずもなかった。  
ついには体の中を蝕む欲求を制御しきれなくなり、涙があふれて  
流れ落ちていく。  
「…もっと……」  
耐え切れずにトーマは、かすれた声で呟いた。  
異変に気付いた不動は、頤を掴んで無理矢理顔を向けさせた。  
伏せた睫毛が濡れて震えている。  
「う、動いて…おねがいっ…このままじゃ…おかしく、なるからぁ…ッ!!」  
後ろを振り仰ぎ、いま、自分を支配している男に潤んだ眼で訴える。  
その切迫した様子に不動は苦笑いを禁じ得なかった。  
言われた通りにゆるやかに腰を前後させて、トーマの悲愴な感覚を  
煽ってやった。  
「…あッ……そ、そう…突いて…もっとぉ…」  
男の動きに合わせてトーマの尻がぎこちなく揺れる。  
「では、お前の中で出せということだな。妊娠してもしらんぞ」  
快感に酔い、細められていた目がハッと見開かれた。  
妊娠という言葉にトーマの態度が急変する。  
「やぁっ違うぅっ!出しちゃダメェッ、出さないでぇーー!!」  
動揺して暴れる体を押さえ付け、ひとまず不動は陰部から性器を  
引き出した。  
男が出て行ったことで安心したのもつかの間、トーマの体は反転  
させられて向かい合うかたちとなった。  
 
片足を高く上げさせ、先端をあてがう。  
ほんの少し押し入っただけで、トーマの口から悲鳴があがった。  
それは歓喜と恐怖が入り混じった、複雑な音色の悲鳴だった。  
淫猥で苦渋に満ちたその顔を不動はじっと見据え、ことさらゆっくりと  
焦らしながら挿入していく。  
「はぁ、はぁああっ…お…奥は、だめっ…ああっ…んぁぁあああっっ!!」  
強く逞しいオスに蹂躙されることを待ち望んでいたのか、トーマの肉壷は  
男が腰を進めるごとに悦びにうち震えた。  
妖しく濡れ光る聖なる傷口に、男の怒張した凶器が徐々にめり込んでゆく。  
自身をすべて埋め終えて一息ついた不動は、もう片方の足も抱え上げ、  
すらりとした両足を自分の腰にしっかりと巻きつかせた。  
トーマの体は完全に男の手に委ねられた。  
不動との結合部分にわずかでも振動が加われば、怖ろしい程の官能が  
トーマを襲う。  
「くっ…ぅうん…もう…いやだあぁあ…やめて!やめてほしいのに…!!」  
ぴっちりと隙間なく性器を包むトーマの蠢く膣内は、きつく収縮を  
繰り返しながら男を締め付け、吸い込み、この上なく淫らな動きをみせる。  
言葉とは裏腹にその吸引力の凄さは、受精の瞬間を早く早くとせがんで  
いるかのようだった。  
「本当に止めてほしいのか?なんとかしろと泣きついてきたのは誰だ」  
せりあがる衝動のままに、トーマの腰を両手で掴んで激しく揺さぶった。  
「きゃあぁんッ!あん、あっあっあ…んん、だ…だけど…これ以上したら  
 …で、できちゃう…あ…赤ちゃんが──ッ!!!」  
身も心もトロかすトーマの甘い鳴き声と肉体に、不動の呼吸も次第に  
荒くなっていく。細くしなやかな両腕を取り、首にまわすよう促した。  
男にしなだれかかるポーズを強要されたトーマは腕を突っぱねて頑なに  
拒否をする。  
それでも、上体を起こされ、体重を預けていた壁から離されてしまうと  
唯一縋れるものは今目の前に居る男だけとなってしまった。  
涙をいっぱいに溜め、幼い子供のようにすすり泣くトーマは  
手足を絡ませ、きつく不動にしがみついた。  
 
 
結局、トーマは不動の精を一滴残らず絞りつくした。  
ペニスを引き抜かれた瞬間、糸が切れた人形のように崩れ落ち、充足とも  
悔恨ともつかない深いため息をもらした。  
その項垂れた白い翅を不動はしばらく見下ろしていたが、やがて扉の  
向こうに姿を消した。  
置き去りにされた天翅は、絶頂の余韻が醒めない体を冷たい床に  
横たわらせた。  
虚ろな眼差しを天に向けると、そっと腹に手を当て、そのまま静かに  
目を閉じた。  
 
 
 
         おわり  
 
 

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