「ああ…お兄様ぁ…」  
ベッドの上で一人甘い声を漏らしながら、シルヴィアは  
ショーツの中に右の手を滑り込ませて、ぬるぬるとそこをかき混ぜている。  
左手はやや小振りな乳房をつかみ、その先端を指でこね回す。  
「あぁ…もうダメ…っ!」  
びくりと体を震わせると、全身が泡立つような快感がその身を襲った。  
 
(まだ…まだ足りない…)  
荒い息をつきながら先程の余韻に浸っていたシルヴィアだが、徐々に物足りなさ  
を感じ始めていた。  
僅かに脚を開いて、中指を奥まで突き立てる。  
くちゅくちゅと音を立てて激しくかき混ぜてみる。  
(違うの…もっと、もっと…)  
身体が何を欲しているのか、それは本人が一番よくわかっている。  
(ここに…お兄様の…)  
己の内側をゆっくりと指でなぞりながら、最愛の兄のそれを夢想する。  
いっそ今から兄の寝室を訪ねてみようか、などという気持ちさえ湧いてくる。  
 
不意にシルヴィアが溜め息を漏らした。  
「だめだわ。こんなはしたない姿。きっとお兄様が知ったら軽蔑されてしまう」  
ぎゅっと自分の身体を抱きしめると、頭にかかるけむを振り払うように、  
ぶんぶんと首を振った。  
 
「少し外の空気でも吸ってこよう」  
濡れて役に立たなくなった下着を取り替えて、伸びをする。  
このままでは眠れそうもない。  
シルヴィアはしんと静まり返った廊下を歩いて、テラスへ向かった。  
 

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