ギシギシとベッドがきしむ。その音にあわせて荒い息遣いとうわ言のように何かをささやくシリウス  
の声がする。  
 
「愛しています、トーマ様」  
その言葉がはっきりと聞こえた瞬間私の膣に埋め込まれたシリウスのペニスがぶるりと震え、私の体  
内に熱いものが注ぎ込まれる。その感覚に私も絶頂を迎えシリウスのペニスを締め付けると彼は『あ  
あ』と大層感じ入った声をあげた。そして体はまだ繋がったままゆっくりと私の翅を撫で幸せそうな  
顔で微笑んでくれる。  
「貴女は私のものだ、太陽の翼であるこの私の・・・」  
 
その言葉に体は情事の後の余韻で火照るのに思考の芯がおそろしく冷え切って冴えていく・・・  
かつて私を堕天翅と罵ったその口で私を欲するのか、セリアン。  
 
ゆるゆると腕をもちあげシリウスの頭部を抱え込み私の胸元に抱きこむと乳房に顔を押し付けそれは  
幸せそうな顔でうっとりと  
「トーマ様・・・できることならこの甘美な時を永遠に貴女と過ごしていきたい。生まれたままの貴  
女の美しい姿を私だけの物にしてしえたら、いやいっそこのまま貴女と溶け合ってしまえたらどんな  
に素晴らしいか・・・」  
と呟く。  
 
ああ、君は確か私に対して汚らわしいとも言わなかっただろうか?  
闇の記憶だけを持った魂の片割れとはいえあのセリアンの転生者が私を抱き美しいと讃え愛を囁くと  
はなんという皮肉だろうか。1万2千年前に私から全てを奪っていた者が今、私に溺れ私を求めてい  
る。そう思うと途端に私の中で何か凶暴な感情が鎌首をもたげてくる。  
 
シリウスの頭を優しくなでながら片方の手を下半身の結合部分に伸ばす。私の花弁にはシリウスのペ  
ニスが深々と差し込まれ溢れた精液と愛液が混ざり合いぐっしょりと濡れている。そっと結合部に指  
を2本差し入れペニスを撫でてやるとまたビクリと熱さと硬さを取り戻してくる。  
「まだ足りないよ?もっともっと私を愛しておくれ、求めておくれ」  
「はい、私ももっと貴女に触れたい、貴女の全てを知りたい」  
ほら、ここも・・・と胸を突き出すと私の乳房を揉みしだきむしゃぶりつきながら乳首を舌先で転が  
してくる。  
「あ、そこ・・いい。もっと強く・・・」  
乳房を愛撫されつつ腰を動かして下半身に刺激を与えるとますます熱と質量が増していく。  
「あ、いい、もっとかき回して!滅茶苦茶にして・・・・つばさ」  
「は、ぁ・・・トーマの中、熱くてこのまま溶けてしまいそうだ・・・」  
より深く繋げるように限界まで足を開き。口付けをねだると噛み付くように唇を吸われる。どちらの  
ものともわからない唾液が溢れるのも構わず深く舌を絡ませる。  
「ひゃあ、あ、そんなダメ・・・」  
口付けから解放されたと同時に肉芽をつままれ転がすように弄られる。  
「気持ちよすぎて・・・も、ダメぇぇ・・・つばさぁぁ」  
「トーマ、私ももう」  
きつく締め付けたと同時にシリウスも弾け熱い迸りを私の胎内に注ぎ込む。精子とともに流れ込んで  
くる熱いプラーナの快感に私も絶頂を迎え。そして意識を手放した。  
 
 
目を覚ますと私の身体はシリウスの腕に抱きしめられていた。彼もまた眠りに落ちているようだが身  
体に情事の最中に流した体液のべたついた感触がない事から、私が意識を失っている間に清めておい  
てくれたらしい。まったく、生真面目なこの男のしそうな事だとそっとシリウスの腕なら抜け出し寝  
顔を見つめる。とても満足げな幸せそうな顔で静かな寝息を立てている。  
「私の、太陽の翼・・・」  
とそっとささやくと心なしか微笑んだ気がした。  
ああ、セリアンかつて私を忌み嫌った君の魂がこんなにも私に溺れているよ。愚直に自分を太陽の翼  
だと信じて疑わずに。  
1万2千年前の私のように全てをぶち壊してシリウスを捨ててやることを思うと、その時の絶望に満  
ちた彼の顔を想像するとたまらなく愉快な気持ちになる。  
「さぁ、私とともに行こう。一番高い所まで・・・そこから奈落の底に落としてやるから」  
 
そう呟きそっとシリウスの唇にくちづけると、ふっと微笑んだ気がした。  
 

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