「それ」はある日突然アポロ二アスの元へ届けられた。
ヨハネスに呼び出され出向いてみればその傍らには
見慣れない美しい少女。
「許婚か…」
説明されるまでもなく察したようにアポロ二アスは
ヨハネスの方へと目を向けた。
「ほう、よくわかったな」
それはそうだろうとアポロ二アスは思った。
以前から自分には後継者を宿すための許婚がいることは
幾度となく聞かされていたからだ。
そしてわざわざヨハネスからの召集とそこで引き合わされた
ことから目の前の銀の翅の持ち主がその許婚だということは
火を見るより明らか。
「名はトーマ…少々時期尚早だと思ったが早く馴染むためにも
一緒にいる時間が少しでも長い方がいいと思ったからの」
「それにしても…」
アポロ二アスは少し戸惑った。いくら許婚とはいえ少女が
あまりにも幼く見えたからだ。こんな小さな少女が自分と交わり
子を孕むことができるのだろうか?
それに、気のせいだろうか?この少女は何処か…何かに怯えたような
目をしている。少なくとも許婚を見るような目で自分を見てはいない。
一体何だというんだ…アポロ二アスは眉をしかめた。
「大事にしてやれ」
ヨハネスはそれだけ言うと再び宮殿の奥へと姿を消した。
その場に取り残された二人は互いの顔をじっと見つめていたが
先に沈黙を破ったのはアポロ二アスだった。
「トーマといったな、私のことは聞いてるか?」
「…アポロ二アス…私の許婚だってヨハネス様が言ってた…」
ここでもトーマはおどおどしたような態度で答えた。
よほど自分が怖いのか、あるいはまだ子供のせいなのか
アポロ二アスにはわからなかったが少なくともヨハネスから
許婚としての話は聞いてるらしい。
それだけ分かれば十分だとアポロ二アスは翼を広げた。
「ではトーマ、行くぞ」
「行くって…あの…」
アポロ二アスが元来た廊下を引き返そうとするのを
トーマはぽかんとしたまま見ていたのでぐずぐずするなと乱暴に
腕を引っ張り一緒に連れ帰った。
「ここが私の部屋だ」
通されたアポロ二アスの部屋の中、トーマは珍しそうに辺りを
見回すと籠の中で眠る翅犬を見つけ嬉しそうに近寄った。
初めて見せる笑顔でトーマが翅犬を見つめる横では
アポロ二アスが寝台の上にある邪魔な毛布をどけると腰掛け、
面倒くさそうにトーマを呼び寄せた。
「早く来い」
「え…?」
さっきまでの笑顔から急にトーマの表情が不安そうなものに変わった。
それでも言われるままおずおずと近づいてきたトーマの身体を軽々と
引き寄せるとそのまま寝台に押し倒した。
「…な、何をするの?」
驚いたようにアポロ二アスを見上げるトーマの瞳には先程より
より鮮明に恐怖という色が映っているように見えた。
「何って…お前は私の子を孕むためにここにいるんだろう」
特に何の感情も込めずそれだけ返すとアポロ二アスは乱暴にトーマの
首筋に噛み付いた。
そして着ていた衣を脱がそうと手を伸ばしたその時、閃光が走ったかと
思うと手に強烈な痛みと痺れを感じた。
トーマがやったのだとわかった時には既に小さな身体は自分の下から逃げ出し
扉に向かって駆け出していた。しかしその手が扉に届くことはなく
すぐに後ろから身体ごとアポロ二アスの逞しい腕に捕らえられると
再び寝台へ連れ戻された。
「離して!離してよ!」
「手間をとらせるな」
「いやー!やめてよ!!ヨハネス様!助けてヨハネス様…!!」
舌打ちをしながら暴れるトーマを押さえつけるアポロ二アスの下で
トーマは泣き叫んで抵抗した。
「何故そんなに嫌がる?前以って私達の役目を聞いていたなら
こうなることはわかっていただろう?」
「っく…やめてよ…いやだよ…!」
それでも頭を振りながら泣き続けるトーマだったがアポロ二アスが
聞き入れることはなく力任せに衣をまくりあげた。
「あ…っやだ…!」
トーマの身体は思ったとおりまだまだ未発達で胸の膨らみもわずかにしか
見られず、女というよりは子供そのものだった。
恥かしそうにもがくトーマを無視して下半身へと手を伸ばした時
アポロ二アスは異変に気付いた。…何か変だ。
嫌がるトーマの脚を無理矢理開かせた時目に入ったものは、こぶりながらも
確かに自分と同じ雄の証である男性器だった。
「これは…お前……」
「見ないで…見ないでよ…」
ぐすぐすと泣きながらトーマは目を逸らした。
「男…?いや、しかし…」
驚きを隠せずにいたアポロ二アスだったがもう一度よく確認すると男性器の
すこし下には自分には無い女性器…男を受け入れるための器官も見受けられた。
「つまり…トーマ、お前は…」
「……」
トーマは何も答えることはなかったが目と顔を真っ赤にしたまま
ただ涙をぼろぼろと流し続けていた。
「ふ…」
「…!?」
「ふ…くく…ふははは!くっくっく……」
自分を抑えていた手の力が緩められたかと思うと突然笑いだしたアポロ二アスの
姿にトーマは異様なものを見るかのような怯えた目を向けた。
「…これは面白い、実に面白いものを贈り付けられたものだ」
アポロ二アスはトーマを掴んでいた手を離すと打って変わって優しい手つきで
恐怖に震える幼い身体を毛布で包んだ。
「手荒な真似をしてすまなかったな」
そうしてそっと抱き寄せると細長い指で涙をぬぐい、落ち着かせるように
頭の翅を愛撫しだした。
突然豹変したアポロ二アスの態度と今の状況にトーマは驚いたが
やがてびくつきながらも恐る恐る問いかけてきた。
「もう怖いことしない…?」
「ああしないさ、大事な許婚なんだからな」
「…許婚?まだそう思ってくれるの?」
「どういう意味だ?」
トーマの潤んだ瞳を見ながらアポロ二アスは首をかしげた。
「だって…こんな身体だから気持ち悪がられると思ったから……」
再びトーマの目から涙がこぼれるのを見てアポロ二アスは悟った。
出あった時からトーマが怯えていたものの正体を。
この小さな許婚はその身体のせいで自分を拒否されることを
何よりも恐れていたのだ。
トーマの頬を伝う涙の跡にそっと口付けるとアポロ二アスは優しく笑った。
「馬鹿だな…嫌いになるはずがないだろう。それどころかトーマの本当の
姿を見ることができてよかった」
「本当…?」
「本当だとも」
もう一度トーマを強く抱きしめると空気を通して戸惑いが伝わるのがわかったが、
先程までがたがたと震えていた身体はやがて落ち着きを取り戻したように静かになった。
そしてトーマも身を委ねるようにアポロ二アスの胸に顔を埋めた。
「トーマ…これからは仲良くしような?」
「う…うん」
泣きつかれたこともありトーマはそのまま目を閉じるとすぐに眠ってしまった。
そんなトーマを抱きながらアポロ二アスは一人嘲笑を浮かべていた。
――子供とは単純なものだと。
翌日からアポロ二アスは文字通り許婚としてトーマをいろいろな場所へ
連れ出し、語らい、共に時を過ごしていた。
初めは慣れない様子のトーマだったがアポロ二アスに優しく触れられ
愛の言葉を囁かれることで次第に打ち解け始め、完全に心を許すのに
そう時間はかからなかった。
そしてそれは違った場面でも同じだった。
「トーマ…もう少し足を開いてごらん」
「あ…んぅ…あっ」
全裸の姿でアポロ二アスの上に跨ったトーマは幼すぎる性器に
逞しく反りたったアポロ二アスの男性器を擦り付けていた。
まだ小さすぎて挿れることができないのか入り口付近を割れ目に沿って
擦り付けるだけだったがそれだけでトーマは今まで味わったことの無い
疼きを感じていた。
「痛いか?それとも気持ちいいか?」
「あ…わからないけど…変な感じ…っ何か股の間熱くて、じんじんして…ん…っ」
その感覚が何を意味するかわかっていないようでもトーマは間違いなく
性感を感じていた。その証拠に擦り付けた割れ目からは透明な液体が滲み出し、
そしてもう一つある小さな男性器もまたぴくぴくと震えながら
雄を主張するように半勃ちになっていた。
「こっちもこんなにして、トーマはいやらしい子だな」
「あ…ごめんなさい…やぁ…触っちゃだめ…っ」
まだ皮も向けてない小さな性器を握るとトーマはびくんと背を反らせた。
やはりこちらでも感じることはできるらしい。
こうして部屋で二人過ごす時になるとアポロ二アスはトーマの幼い身体に悪戯し、
いいように弄ぶことを楽しんでいた。
「じゃあトーマ、今日も少し挿れてみようか」
「え…?」
急にトーマの快楽に浸っていた顔が強張った。以前アポロ二アスを
受け入れようとした時、あまりの痛さに泣き喚いて結局中断したからだ。
その時のことを思い出すとどうしても尻込みしてしまう。
「い…嫌だよ、だってすごく痛かったもん…」
「…そうか…トーマは私のことが嫌いなのか」
「えっ違う!違うよ私は…っ」
「私はお前を愛しているから一つになりたいのにトーマは違うと言うんだな」
「そんな…私は…」
アポロ二アスの表情が冷たいものに変わるのを感じたトーマは必死で
頭を振って否定した。そんなトーマの態度に笑い出したい気持ちを
抑えながらアポロ二アスは優しく語りかけた。
「じゃあいいだろう?私を好きならできるよな?」
「で…でも…うん…わかった」
トーマが頷いたのを確認したアポロ二アスはその身体を押し倒すと
股関節が外れるかと思うほど足を広げさせ、先程までの摩擦で赤く
充血した小さな入り口を貫いた。
「うぐ…っ!痛ぁ…!!痛いよ!あっやだ…っ怖い!やっぱりやだよっ!!」
「静かにしろ、、これぐらいで嫌がっていては子供を産むことなどできないぞ」
「っく、痛いよ…やだぁやめてよぅ…」
苦痛を訴えるトーマをなだめながらもアポロ二アスは手を緩めることなく
ぐいぐいと腰を押し進めた。小さなトーマの性器は痛々しいほど押し広げられ、
処女膜も無残に突き破られたせいか結合部からはうっすらと血が滲み出ていた。
「ああんっ!痛い、痛いよ…っ」
「私のことが好きなら我慢するんだ」
その言葉にびくっと反応したトーマは急に大人しくなると
涙を流しながらもシーツを握り締めて、じっと痛みに耐えていた。
「いい子だなトーマ、いい子は好きだよ」
トーマの頭を撫でながらアポロ二アスは心の中で嘲笑っていた。
この言葉を唱えるだけでどんなに辛い要求をされてもトーマは決して
アポロ二アスに逆らうことはしなかった。
それどころかの機嫌を損ねることで自分は捨てられるのではないかと
ただそれだけをいつも恐れていた。自らの身体と存在に酷く劣等感を持つ
トーマにとって自分を唯一愛し、求めてくれる目の前の男は
この世の全てといっても過言ではなかったからだ。
そしてそんなトーマの心の内をアポロ二アスは全てわかっていた。
わかった上でトーマを手なずけ愛を囁き最初から玩具として
利用していたのだ。
「大丈夫だよトーマ、ほら…半分だけどちゃんと挿ったぞ」
「っ…本当…?よ、よか…った」
安心したように息をつくトーマだったが小さすぎる彼女の性器では
アポロ二アスを半分受け入れるだけでも精一杯だった。
それでもきゅうきゅうと締め付けてくるその締りのよさに
アポロ二アスは貪るように無我夢中で腰を振り出した。
「んあっ…!あっ…嫌ぁ!動いちゃ駄目…痛!苦しいよ…うご、動かないでぇっ」
「はっ…トーマ…!すごくいい気持ちだ」
「うぁ…やっあ!ひっ…!ぐぅぅ…っ」
悲鳴をあげるトーマの身体を容赦なく揺さぶるアポロ二アスは気付いたように
トーマに備わっているもう一つの性器も弄び始めた。
「あっ…!?」
痛みのせいか小さく萎縮してしまったそこを指先で軽く刺激すると
トーマは翅を震わせて感じ始めた。一方では痛みを感じもう一方では
快感を得る。
二つの生殖器を保有するこの身体も中々便利だとアポロ二アスは
腰を突き動かしながら手の中の男性器を執拗に揉みだした。
「ひぃ…っ!痛い…!そんな強くしちゃだめぇああ…っうぁん…!」
「嫌なのか?だがおかしいな、私の手の中のこれは随分気持ちよさそうだぞ」
「あ…わ、わからないの…股は痛いけど、おちんちん変な感じで…でも…ひぐっ」
一度に両の性器にいろいろな刺激を与えられたことでトーマは心身共に限界だった。
それを察したのかアポロ二アスもようやく今日はここまでにしようと
一層腰の動きを早めると早々に射精の準備を始めた。
「やぁあっ…!嫌、いやらぁ…!そ、そんな動いちゃ…揉んじゃ…だ、だめえぇ…!!」
「可愛いなトーマ、これから毎日こうして愛し合おうな」
「ま、毎日…っ?あ、ああっ…!!」
「そうだ、毎日こうして愛してやるからな。ここの皮も少しずつ剥いていこう」
ぷにぷにと指先でトーマの小さな男性器の皮を引っ張るとアポロ二アスは
最後の仕上げのように深く腰を突き上げた。
「きゃふぅぅ…!!」
仰け反るトーマの腰を掴むと幼い子宮に思う存分精を放った。それは受精するのに
十分な量を超えるものでトーマの腹はぱんぱんになった。
「う…はあ…はぁ…あ、熱いよぉ…お腹の中でびゅくびゅくいってる…」
たっぷりと射精されようやく解放されたトーマの性器からは血と体液が滲み
その身体はまだ幼さのせいか達することも射精することもできないまま
込み上げるもどかしい感覚が駆け巡るだけだった。
「今日はこれでおしまいだ、いい子だったよトーマ」
「本当?」
少しでも自分がアポロ二アスの役に立つことができ、褒めてもらえたことが
よほど嬉しかったのかトーマは翅を撫でられるとくすぐったそうに目を閉じた。
「また明日も頑張れるな?」
「うん…私頑張るね…だから、だから私のこと嫌いにならないでね?」
「もちろんだよ、お前を愛してやれるのは私ぐらいだ」
アポロ二アスの言葉に決して感情は篭っていなかったが
それでもトーマは嬉しそうに泣き笑いの表情を浮かべた。
やがて時が過ぎトーマもすっかり美しい大人の女性へと成長したが
相変わらずアポロ二アスとの関係は変わらなかった。
薄暗い寝室では今日もアポロ二アスに跨り腰を振るトーマがいた。
トーマが上下に動くたびぷるんと弾力のある胸が揺れアポロ二アスは
顔面をぐりぐりと押し付けた。
「うう…そんなに強くしちゃ駄目だよ。まだ母乳が…」
ぎゅうぎゅうと揉みしだかれたトーマの胸からは白い液体が噴出し
アポロ二アスの顔を濡らした。
「子供達はどうしたんだ?」
「あん…っもうみんな眠ったよ…んっ」
トーマは隣の部屋へ続く扉へと目を向けた。
既にこの頃、トーマはアポロ二アスの子供を何人も産み落としており
一番最初の子は初めて彼と交わった翌年に、一番最近の子は
一ヶ月前に出産したばかりだった。
「ほら…汚れてるよ」
自らの乳液で汚れたアポロ二アスの顔を指で拭うとトーマは
恥かしそうに頬を染めた。
「胸は昔に比べると随分と成長したな」
「そ、そんなこと言わないでよ…」
「それにこっちも…相変わらずいやらしい奴だなトーマは」
胸から手を離したアポロ二アスは今度はトーマの下腹部へと目を向けた。
トーマの下半身、女性器ではしっかりとアポロ二アスを咥え込み
普通の男ほどではないが昔より確実に成長した男性器からは
先走りの液体が溢れていた。
アポロ二アスはそこの皮を手で剥いてやると、床に伏せていた翅犬へと
合図を送った。
「え…っあ、駄目…!それは駄目だよ…っやめて…あぅっ」
トーマの制止を聞くこともなく翅犬は剥きたてで敏感になった
桃色の亀頭をチロチロと舐めだした。
「ひぃ…!あぐぅ…やめ…やめさせて、アポロ二アス…!!」
トーマが悲鳴をあげるのを愉しそうに見つめながら
アポロ二アスは深く腰を突き上げるとトーマの子宮内を掻き回し始めた。
「どうだ…っどっちが気持ちいい?お前はどっちが好きなんだ?」
「ああ!やめて…!らめ、ひゃあんっ…ほんとに私おかしくなっちゃうよぉ…!」
雌と雄両方の性感を刺激されることだけでも快楽で気がふれそうなのに
さらにアポロ二アスはトーマの翅へ自分の翅を絡めると擦り合わせ始めた。
「きゃ…!!そんな…っ翅は駄目えぇぇ!!」
「嘘を言うな、もっと子供が欲しいのだろう?もっと産みたいのだろう?」
「ひゃ…はい…も、もっと産みたいっ…んあぁっ…もっと産ませて…!!」
あまりに強い性感帯への同時刺激のせいかトーマの目は正気を失い
口の端から涎を垂らすと笑みを浮かべて腰を振り続けた。
「あっああん!もっと!触って…っ!!舐めて…突いてえぇ!!!」
「やれやれ…はしたない子だ」
「ひぃ…!気持ちいい!すごいよっ…!胸も、子宮も…っお、おちんちんもぉ!!
き、気持ちよくて死んじゃうよおぉっ!!!」
狂ったように喘ぐトーマの膣内が痙攣を始めたかと思うと股からは勢いよく
潮が吹きだし、もう一度アポロ二アスが乳房を絞ると先端からは母乳が飛び散った。
そして同時に男性器の先からも精子を吐き出すと、
アポロ二アスの射精と共にトーマは絶頂を迎えた。
「あ…ひゃぁ…いっぱい出てる…私もいっぱい出しちゃったよぉ……」
「本当にお前は可愛いな…トーマ」
いろいろな汁でまみれて転がるトーマは身体を翅犬に舐められながら
アポロニアスに手を伸ばした。
「あ…アポロ二アス…気持ちよかった…?私ぃ…また赤ちゃん産むから
…だから…だから私のこと嫌いにならないで…」
自分の足元にすがりつくトーマの翅を撫でながらアポロ二アスは思っていた。
――そろそろこの遊びも飽きたと。
己の手でそうなるよう育てたとはいえこの美しく従順で淫乱な許婚に
今度はまた違った刺激を与えてみたい。
今まで甘やかしてきた分、反対に突き放したらどうなるだろう?
理由なんか何でもいい。その時トーマは自分を憎むのか、あるいは愛し続けるのか…
アポロ二アスは試してみたくてしかたがなかった。
「…ねえ私のこと愛してる?」
「ああ愛してるよ」
翅を撫でられうっとりと目を閉じるトーマには
アポロ二アスの残酷な笑みが映ることはなかった。
それは昔々――トーマを見た時の、新しい玩具を見つけた時と同じものだった。
END