そこで私は以前地上で見かけたある物をレンシに手伝ってもらい製作することにした。  
そしてある日トーマを呼び出すとさっそく完成した器具を渡した。怪訝そうな顔つきで  
包みを開けるトーマにそれらの使い道を説明した途端、翅を広げて顔を真っ赤にすると  
烈火の如く怒りだした。 
トーマは私の頬を思い切り叩くと手に持っていた私からの贈り物を投げつけ踵を返して 
去っていった。  
無残にも床に叩きつけられた残骸を見ながら私は何がいけなかったのか考えた。  
私はただ、以前地上で家畜用の動物が器具をつけられ乳を搾られてるのを見たためあれを  
同じようにトーマにつければ母乳を滴らせることもないのではと考えただけなのに。  
わざわざトーマの胸の大きさに合わせて私自ら作ってやったというのに礼も言わずこの  
ような仕打ちをするなんて…。私は我慢ならないとばかりに翼を広げた。  
すぐさまトーマの後を追いかけた私は庭園内にその姿を見つけた。トーマは私の姿を見る  
なり、怒り心頭の様子で今にも斬りかかりそうな勢いで憤慨しだした。  
「アポロ二アス…!貴様はどれだけ私を侮辱すれば気がすむんだ!貴様の顔なんか見たく  
ない!私の目の前から消え失せろ!!」  
それだけ吐き捨てるとトーマは私の前から飛び立とうとした、が…何せ身重の体。  
よろけながら飛行する彼女を捕まえることなど目を瞑ってても容易かった。私は後ろから  
トーマの体を羽交い絞めにするとそのまま花畑の中へと降り立った。  
 
「離せ!!私に触れるな!!!」  
「何をそんなに怒る。怒りたいのは私の方だ」  
何とか私から逃れようともがくトーマの体を抑えながら私は必死でこの無礼な女を殴りたい  
衝動を抑えた。今ここで衝撃を加えたら腹の子によくない。せっかくもう少しでトーマが  
この世で一番憎んでる男の子を産むところまできているのだ、冷静にならなければ…。  
「私はよかれと思ってお前にあれを贈ったのだが気に入らなかったのか?」  
「私にあんな物をつけさせ家畜と同じような扱いを受けろと言うのか!?ふざけるな!!」  
どうせ同じ乳を垂らす雌ではないかと言いたいところだったが、私はその時になってようやく  
気付いた。そうか、そういうことだったのかと…。  
「トーマ、すまない…私が悪かった」  
「…!?」  
私はそう告げるとトーマの衣の下に手を滑り込ませ前をはだけさせると、張り詰めた乳房を 
ゆっくりと揉みしだきだした。  
…そう、きっとトーマは私自身の手で搾ってほしかったのだ。  
 
 
 
「なっ…何をする!?」  
「大人しくしてろ」  
慌てて曝け出された胸を隠そうとするトーマだったが私が後ろから翅を甘噛みしてやると 
性感を得たのか一気に体から力が抜けたようで私にもたれかかってきた。…単純な女だ。  
「こんなに張らせて…辛かっただろう、今すぐ楽にしてやるからな」  
「や…こ、こんな所でやめろ…っ」  
背後からトーマの体を支えつつ、私がパンパンに張り詰めた胸を掴むとそれだけで淡い桜色  
の先端からはピュクッと白い母乳が滴り落ちた。そのままぐにぐにと胸全体を大きな掌で揉み 
ほぐした私は思い切って強い力を込めると白い胸を握りしめた。  
「痛ぁ…!!」  
思わず悲鳴を上げたトーマの両胸からは勢いよく母乳が噴出しそれは空中に綺麗な弧を描くと  
辺りに咲き乱れた花々に光のように降り注いだ。  
「あ、ああ…」  
「ほら見てみろトーマ、よく飛んだぞ。これで少しは楽になったか?」  
トーマに声をかけると恥ずかしさのためか真っ赤にした顔を伏せ、息を切らせたまま私の腕の中で  
ぐったりとしていた。私の問いかけに返事もしないとはよっぽど気持ちがよかったのだろうか。 
気をよくした私は何度も先端付近を握り締めると、その度にどうせならと狙いをつけたように 
足元の花たちに聖天翅の乳液をかけてやった。  
まるでポンプのように揉む度に母乳が飛んでいくのはとても面白い。  
「ははは!聖天翅の母乳…さぞやいい養分になるといいなあトーマ!」  
「う、はあ…はあ…こ、この下衆…」  
私が搾ってやってるおかげで楽になったはずなのにこの悪態のつきよう。何故トーマは素直に礼が  
言えないのだろう。指先で胸を跳ね上げてやるとぷるんと揺れ、先ほどまでの張りはなくなった  
ようだった。しかしまだ残りカスのように乳首からは白い液体が流れているので仕方なく私は自ら  
口に含むと吸い出してやることにした。  
 
 
誰もいない庭園の中心――立ったまま息を荒げるトーマの体を膝をついた私が腰を抱きしめる形で  
支え、調度顔の前にある柔らかな胸に吸い付いていた。 
「はぁ…くぅ…っ」  
私に吸い上げられるたびうっとりした表情で噛み締めた唇から堪えきれないように媚声をあげる  
トーマは淫乱な雌そのものだ。それもそのはず、私はトーマがこの部分に特に快感を感じることは  
毎夜の伽で既に知っていた。翅の次にここを攻めてやればすぐに物欲しそうな娼婦に変わる。  
そうやって気位の高いトーマを蹂躙してやることはとても愉しかった。  
「んぅ…ん、あっ…ふ……」  
「まだこんなに溢れてくるとは…トーマは直接吸ってやったほうがいいみたいだな」  
「な…だ、誰が…」  
私はわざと聞こえるようにぴちゃぴちゃと音を立て甘噛みしたり舌を絡めたりと存分にトーマの胸を  
堪能した。やがてこられきれないとばかりにトーマが私の顔を引き寄せしがみついてきた。もはや何  
かに捕まっていなければ立っていれないらしい。  
トーマの柔らかな胸に顔を押し付けられた私はその心地よさに感動した。やはり私は彼女の体の中で  
はこの部分が一、二を争うぐらい好きだ。 
きめ細やかな肌に頬ずりする私は、せっかくトーマも発情してるのだからとその場で交わってやった。 
花に包まれての行為はまた違った雰囲気を味わえるもので、これからも様々な場所に連れ出し 
交尾しようと心に決めた。  
 
 
 
そして今私は宮中に立っている。  
あの後しばらくしてトーマは腹痛を訴えると破水したのだ。いよいよ私の子が誕生するらしく、 
先ほどから皆慌てた雰囲気で出産の準備に忙しそうだった。私も何かできることはないかと申し出たところ  
どうかトーマを勇気づけてやってほしいとオトハが言うので苦しそうな表情で腹を抱え寝台に横たわる  
トーマの手を握ってやった。するとあろうことか私に向かって唾を吐き怨呪ともいえる思念をぶつけ  
"呪われろ"と吐き捨てた。  
あれほど身体に叩き込んでやったのにまだ私の思いがわからないとは、私は呆れたのを通り越して嘆かわし  
くなった。あのような女が母では子の教育によくない。無事出産が終わったあかつきには我が子共々 
トー マにも再教育してやらねばと分娩室の前で佇む私は翅に誓った。  
 
 
END  
 

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