私の名はアポロ二アス――太陽の翼という二つ名を持ち、その強大な力で  
翅無しを狩る姿は周囲にとって常に畏怖と畏敬の対象だった。  
だが本当のところ私は戦いなど好きではなく自室で書物を読んだり  
以前翅無し達が持っていた木製の玩具のようなものを解体したり組み立てたり  
そんな細かいことをすることにこそ喜びを見出していたのだ。  
しかしそんな弱々しい姿を皆に見せるわけにも行かずもどかしい思いに 
悩まされていたが、せめて許婚のトーマだけはどんな私でも受け入れてくれる 
と思い全てを打ち明けた。  
なのにトーマはそんな私の姿を見るやいなや情けないとばかりに侮蔑の視線を向け  
完全に私に興味を示さなくなってしまった。  
私は愚かだった、トーマが愛していたのは太陽の翼であって私自身ではなかったのだ。  
悲しみに打ちひしがれる日々が続いたある夜、私はいつものように体を休めようと  
自室へと向かった。  
綺麗に整えられた寝台には既にトーマが横たわっており、微かに寝息も聞こえていた。  
私が部屋に入ったのも気づかないというよりは私がいてもいなくても関係ないとばかりに  
こちらに背を向けて眠る姿は今ではもう当たり前の光景だった。  
溜息をついた私は床に落ちた一枚の布を拾い上げる。そう、私の眠る場所はトーマと同じ 
場所ではなくこの床なのだ。許婚と取り決められた間柄であるため表面上はこうして 
同じ部屋に帰る。しかしトーマは私が側に寄ることすらもはや許してくれず、私の子を 
産むぐらいなら死んだほうがマシだと言わんばかりに私が触れるのを嫌がった。  
そんなトーマに諦めの気持ちを抱きつつ床に座ろうとした時、ふいに寝返りをうった 
トーマの体から布が落ち、その美しい肢体がこちらにさらけ出された。 
真っ白な肌に優美な銀の髪がはらりとちらばり、しなやかなで美しい曲線を描く身体は 
実に悩ましかった。僅かにはだけられた衣服の胸元から豊かな膨らみが見えたその時、 
私の中にどす黒い、何とも形容のしがたい感覚が走るのを感じた。 
 
今になって思えば何故そうしたのかわからない。ただ吸い込まれるように 
投げ出されたトーマの体に手を伸ばし、指先がその豊かな膨らみに触れるか触れないかの 
ところまで来たとき私は我に返った。  
一体自分は何をしているのか、眠ってる相手に…ましてや普段あんなに嫌われ蔑まれてる 
相手に触れるなどと、そのような浅ましい行為を行おうとしたことが信じられなかった。 
恐ろしい、私は自分が恐ろしかった。きっと相当疲れてるのだろう…もう休まねば。 
寝台から落ちた布を取るとなるべくトーマの体を見ないように彼女にかけ直そうとした。 
するとその時、強烈な痛みが腕に走り、見ると眠っていたはずのトーマが 
爪が食い込まんばかりの力で私の腕を握っていた。  
「…貴様何をしている」  
暗がりの中うっすらと目を開けたトーマが鋭い視線を向けてきた。  
「アポロ二アス…貴様まさか私に……」  
「違う!わ、私はただ…」  
手に持っていた布を握り締め必死で言葉を捜そうとする私だったが、先ほど一瞬でも  
トーマに抱いた感情の後ろめたさもあり思うように説明ができない。そんな私を見る  
彼女の目にはまるで汚らわしいものでも見たかのように嫌悪の光が宿っている。  
「何て男だ。君がここまで見下げ果てた奴だったなんて」  
「違うんだトーマ、私は…」  
「近寄るな!貴様のような奴に触れられたくない!」  
思わず伸ばした私の手を払いのけるとトーマは立ち上がり私から距離をとった。  
そうして想像していたとはいえ容赦ない罵詈雑言を浴びせてくる。こうなってしまっては 
もはや何を言っても無駄だろう、いやそもそも最初から私の言葉など聞く気すらないのだ。 
彼女の目にかつての太陽の翼は映ってはいない、いるのは己の行為に言い訳すら出来ない 
ちっぽけな男だけだ。  
そう思った瞬間、途端に私は腹立たしくなり一度は抑えられていたあの感情が 
再び 腹の奥底から沸き起こるのを感じた。  
「このことはヨハネス様に報告させてもらう、そうして君との縁も終わりだ」  
「………」  
「全くどこまでも私を失望させてくれる男だよ…太陽の翼」  
蔑みの視線とともに投げつけられた皮肉の言葉を聞いたその時、私の理性は完全に失われていた。 
 
 
私の方を見ようともせず、振り返ることもせず部屋を出ようとするトーマの背後から  
そのか細い腕を掴むと力任せに引っ張り体ごと後ろの壁に叩きつけた。  
突然の事態を予想していなかったであろうトーマは完全に不意をつかれた形となり、  
叩きつけられた全身の衝撃と共に床に崩れ落ちた。  
苦痛の呻き声を微かに漏らすトーマの姿を見下ろす私は気付けば笑みを浮かべていた。  
あのトーマを力でねじ伏せ黙らせた…一瞬後悔もしたが同時にとても気分がよかった。  
ああそうだ、この充実感は翅無し達を狩る時の感覚に似ている気がする。 
決して好んで狩りをしていたわけではないが自らの力を証明できることは純粋に楽しかった。  
その相手が今はトーマに変わっただけのこと。そう…狩るのは私、狩られるのはトーマだ。 
倒れたままのトーマの意識は朦朧としているようだった、頭でもぶつけたのだろうか。  
それでも私が近づいてくるのを感じ取ると何とか逃れようと身体を動かした。 
私はそんなトーマを嘲笑うように細い腕を掴むとそのまま寝台へと引きずった。 
こんな華奢な女の体だ、抱えようと思えば抱えることぐらい容易かったがそんな気はさらさらない。 
まるで物を投げるようにトーマを寝台の上に放り投げるとその衝撃に顔を歪めるトーマの上に 
覆い被さった。  
「ぐ…どけ、何をする気だ…」  
今にも途切れそうなトーマの思念と声。いっそ完全に気を失っていたほうが彼女にとっては  
よかっただろうが私にとっては実に喜ばしい。  
「アポロ二アス…?」  
「私達はこれから夫婦になるのだよトーマ」  
「え……」  
トーマが聞き返した時には既に私の手によって彼女の身にまとっていた薄い衣が引き裂かれた。 
 
 
何が起きたのかトーマの思考は現実に追いついていないようだった。  
ただ呆然とするばかりで自分は夢でも見ているのではないかとそんな表情だったが  
衣を裂かれたことによりひんやりとした外気に肌が触れたせいかすぐに彼女は意識を  
失うまいと激しい抵抗を見せた。  
「アポロ二アス…!貴様よくもこのような恥知らずな真似を!」  
「何を言っている。私達はこの時のために引き合わされたようなもの。ならば何の問題もないではないか」  
何とか逃れようとするトーマだったが完全に自らの腹の上に全体重をかけて跨る私を動かすことは 
いかんともしがたいらしく、足をばたつかせながら必死で上半身を起こそうとする。  
「離せ!私に触れるな…!!」  
「私が怖いかトーマ。だがこれがお前の望んでいた男なのだろう?情けない男は嫌いなのだろう?  
いくらでも泣き喚くがいい、翅無し達のようにな」  
「…!この下衆が!」  
翅無しに例えられたことにより怒れるトーマは翅を広げ罵りの言葉を口にしたが私が腕をねじ上げ  
翅を鷲掴みにすると苦痛の表情を浮かべ唇を噛み締めた。  
「…何をするつもりだ……」  
「そうだな、今はとりあえず許婚殿の体を見てみたい」  
私の言葉にトーマは自らが裂かれた薄布一枚しか羽織ってない状態だったことを改めて思い出し  
恥じ入るようにその体を隠そうとしたが両の手の自由は私によって奪われている。  
私はトーマの体の上から邪魔な布切れを唇で一枚ずつ取り払い始めた。トーマの腹の上、鎖骨の辺り、 
そして女性だけに与えられた形のいい胸の膨らみに私の息と唇が触れる度彼女は身を震わせた。  
完全にあらわになったトーマの体はまるで芸術品のように完璧だった。私とは完全に違うしなやかな  
体に少しの恐れとそして残酷な征服感を持って手を伸ばした。  
 
 
さしあたって私が目を引かれたのはやはり形の良く発達された乳房だ。掌を重ねてみるとなんとも  
柔らかくしっとりとした肌が実に触り心地の良いものだった。それなのに弾力もあり何とも不思議な  
感触に私はしばらく無言のまま揉みほぐした。最初は悪態をつき身をよじっていたトーマも私の指が  
胸の先端部分を弄び始めると次第に大人しくなりその反応も変わりだした。動物の雌で言うなら  
母乳が分泌されるその部分を引っ張ったり指の腹で押してみると徐々に形は尖り始め、これ以上  
見たくないとばかりに目を閉じていたトーマの体も小刻みに震え出す。 
心なしか白い頬も紅潮しているように見える。もっと刺激を与えてみよう…私は口に含むと 
嬲るようにむしゃぶりついた。  
「あ…!?う…っく…やめ……」  
「気持ちいいのか?」  
制止の声とは裏腹にトーマの腕からは力が抜けていく。そう、彼女はよりによって私に快感を与えられ 
ているのだ。私は口の端を吊り上げてうすら笑いを浮かべた。  
「聖天翅とはいえ雌は雌か」  
「な…貴様…!」  
射殺しそうな目で睨みつけるトーマの様子が愉快でたまらなく、何度も舌先を動かし続けたが 
やがてそれも飽き、顔を離した私に息を荒げていたトーマも少し安堵したのか大きく息をついた。  
だがすぐにそれは間違いだったことに気付きトーマの顔は青ざめる。今度は私の指がくびれた腹をなぞり 
下腹部へと降りていったからだ。途端に先ほどまで大人しくしていたトーマが再び暴れだした。  
よほど私に種を植え付けられるのが嫌らしい。だがそうやって抵抗すればする程 
私の衝動はつき動かされる。  
「足を開け、開かねば羽を片方傷つける」  
「く…っ」  
「私はどちらでもいいんだぞ。気を失ったお前がその体を存分に私に堪能させてくれるというならな」  
トーマの頭の中ではその光景が容易く想像できたのだろう。どちらにしても屈辱でしかないその行為  
だったが自らの意思がないところで私に好き勝手にされるのだけは我慢ならないらしい。  
翅を掴む私の手に力が込められたのを感じると悔しさに涙を滲ませながら引き締まった太股を開き  
己の全てを曝けだした。  
 
 
開かれたトーマの足の中心、本人以外は誰も触れることの叶わない秘所はやはり私とはいろいろ  
違っていた。邪魔な産毛一つない恥丘の割れ目を指でなぞるとトーマはぴくんと体を痙攣させる。  
やがて微かに湿った中心部を開き指を掻き入れると中は熱く、意外にもとろみを帯びていた。  
「嫌悪する男に触れられてるというのにこの様か。恥知らずはどっちだ?トーマ…」  
「うう…っ黙れ…痛!」  
指を二本に増やした途端トーマの顔に苦痛の色が浮かぶ。だが私はその光景をせっかくだから  
トーマにも見えるよう彼女の両足を持ち上げ肩付近まで持っていき押し付けると、腰を浮かせた  
状態にした。そうして無理矢理髪を掴むと顔を下に向け見るよう指示したのだ。  
「ああ…やめて、そんなもの見せるな…」  
自らの体内に私の指が出たり入ったりする光景を見せ付けられ羞恥心に耐えられないとばかりに  
顔を背けるトーマをよそに秘部からはじゅぼじゅぼと卑猥な音が響き女の匂いがたちこめる。  
そろそろ我慢できなくなった私は既に形状を変えていた自分の性器を取り出すとトーマの眼前に突き  
つけた。初めて見るであろうその男性器を前にトーマは体を硬直させた。  
「どうだトーマ。ここから私の子種がでるんだぞ」  
「やめろっ気持ち悪い…っ」  
トーマの柔らかな頬に私自身の先端を押し付けてやるとヌルヌルとした体液が糸を引いてこびりつく。  
生暖かい感触に頭を振って必死に逃れようとするトーマの反応に満足した私はそのまま頬から首筋、  
胸を伝い彼女の性器部分に自らを宛がった。  
「あっ…!嫌だ!止めて、止めてくれ!!」  
「トーマ、私の許婚…さあ子供を儲けような、神の子でもなんでもなく私とお前の子を」  
「や…!嫌だ嫌だアポロ二アス!止めて!許して!!」  
今まで汚物のような目で見ていた私にすがるトーマ、懇願するトーマ…トーマトーマトーマ………。  
必死で叫ぶ彼女の悲鳴のような思念を全身に浴びその心地よさのまま私は腰を推し進めた。 
 
「うぁ…あああああぁぁ!!!」  
青白い月明かりの下、トーマの絶叫が木霊する。いかに入り口が滑りを帯びていても、いかに事前に  
遊び半分にほぐしていても、初めて男を受け入れるそこは私の侵食を拒むように狭くてキツい。  
まだ先端部分しか入っていないがそれでもトーマの目からは痛みのためか涙が溢れ額には汗が滲んでいる。  
「痛い痛い痛い!抜いて!抜いてアポロ二アス!!」  
「少し力を抜け…狭くてかなわん」  
「嫌ぁ…痛いよ、痛いよ……」  
私が力を抜いて欲しいとお願いしているのに全く聞く気配すらなく、己の痛みばかり訴えるトーマの態度に  
私は腹が立った。思わずうるさいと頬を平手打ちするとショックので体を強張らせ、トーマは唇を噛み締め 
ながら声を押し殺すように泣き続けた。普段あんなに私に暴言を吐いていたのに、所詮籠の中で育てられた 
鳥…私のように痛みに打たれ強くないのだ。  
「トーマ…すまない大丈夫か?」  
「…っこの外道!私は貴様を絶対に許さないからな…!」  
少しでも労わってやろうと情けをかけた私が馬鹿だった。この期に及んでまだ私を睨みつけ誇りを失わない  
姿はさすがの一言と言えよう。しかし今この場面においてはとても愚かな行為だった。  
もはや一変の同情も見せない私は己の欲望のままトーマの体を貫き押し開いた。めりめりと私の性器が 
沈んでいく様子は痛々しく、破瓜による出血も見せたがそれが更に私を煽る。  
「やはり初めてだったのだな。私は嬉しい…トーマが私のために純潔を守り通してくれて…」  
「ち、違…ぐ…かは…っ…いやあああ!あっあああ!!」  
体の中心に深々と塊を突き立てられたトーマは息を詰まらせるように声にならない声を出すしかなかった。  
私の背にまわした手が爪を立てても私はかまわず抽挿を繰り返した。その度にトーマの蜜が!血液が! 
…溢れて飛び散り私を快楽の底に引き込んでゆく。私は今、トーマの全てを支配しているのだ! 
例えようも無い喜びが湧き上がるのを私は感じていた。  
 
 
 
あれからどれだけ時間がたっただろうか。未だに私はトーマの中に身を沈め腰を動かし続けていた。  
トーマはというと意識を失っているのかそれともやっと従順になったのか、目は虚ろなまま空を見つめ 
まるで人形のように私に揺さぶられ続けていた。声も涙も枯れ果てたのか今はただ朧気な哀しみの 
思念が飛び交うだけ。そろそろ限界に近づいた私はすっかりほぐれたトーマの胎内に種を植えつける 
準備に入り何度目かの欲望を勢いよく放出した。  
どびゅっどびゅるるっとトーマの中に私の分身ともいえる種が流れていく。その暖かさを感じとったのか 
トーマはぴくりと反応し、また美しい顔を歪ませ涙を流しだした。  
「ほらトーマ…また私の子種が出てるぞ。しっかり受け止めて元気な子を孕むのだぞ」  
「い、いやぁぁ…出てる…暖かいのが私の中にぃぃ……」  
ごぽごぽと自らの胎内に私の種が注がれていく感覚は何度味わっても慣れないらしい。絶望の淵に  
落とされたようなトーマを見ると孕んだ時がとても楽しみだった。  
とはいえ少々私も疲れが見えてきた、何せトーマは自分から全く動こうとせずひたすら私任せなの  
だから。どこまでも私を馬鹿にした女だ。ここら辺で私も休もうかと思った。  
ずるっとトーマの中から性器を引き抜くと同時に桃色の肉壁がまとわりつき、またも快感が襲う。  
私が出て行ったことでトーマは心底ほっとしたようでようやく暗い瞳に光が戻った気がした。 
だがそれも束の間…  
「四つん這いになって尻をこちらに突き出せ」  
「え…?」  
「聞こえなかったのか、獣のように四つん這いになれと言ってるんだ」  
私の言葉にトーマの瞳は再び闇に覆われていく。  
 
「あ、あまり見るな……」  
真っ赤にした顔を寝台に埋め自ら尻を突き出したトーマはもはや抵抗する気すら失せているようだった。 
どうやら私に逆らわない方が事態が悪化しないということにこの物分りの悪い許婚もやっと気付いたらしい。  
後ろから見るトーマの肉壷からはいろいろなものの混じった液体が内股を伝い落ちている。  
その中には私の種も混ざっているはずなのになんて勿体無い、早く栓をしてやらねば。  
「あっ…待…ん…っ」  
トーマの制止の声も無視し私は再び彼女の中に腰を突き進めた。やはりトーマの中は何度入っても気持ちいい。 
それにこの体勢のほうがより奥深くまで繋がれるような気がする。 
さっきまでの疲れなど何処かに吹き飛んだように私はまた激しく動き出した。背後から抱くトーマの体も 
見事に美しく、時に髪を引っ張りながら、時に柔らかな胸を後ろから手の中に収めつつ私は彼女を貪り  
続けた。  
「んっあっあ…!いっ嫌だあ…もう嫌ぁ…っ」  
「はははっ!口では嫌がっていてもまるで獣の雌のようだぞトーマ」  
「だ、誰が…ま、まだ終らない…のか…」  
「終ってほしいのか?」  
「お…終って…お願い……」  
トーマは恥じ入りながらも私を振り返り懇願するような目で見る。しかし私としてはとても  
気持ちがいいので終りたくなど無い。だがさすがに夜が明けてきたので皆も活動を始めだす時刻だろう。  
「そうだな…終らせてほしいなら私の言うとおりにしろ」  
「何…?」  
「また今宵私を抱いてくださいとトーマがお願いするなら一旦止めてやる」  
「な…っ!」  
「さあどうする?嫌なら私はこのまま続けても構わない。誰かが来たところで私達は許婚同士。  
だれも咎めることなどできやしない」  
「…卑怯者…!」  
トーマの頭の中の葛藤など手にとるようにわかる。この行いから逃れるために自ら次の行為を  
約束するなど到底許容できることではないのだろう。だが一時の休息すら与えられない今の状況が 
あま りにも辛いのかトーマは体を震わせお願いしてきた。  
「う…くぅ……私を……て」  
「聞こえんな」  
催促するように私が後ろから突き上げるとトーマは背を反らせて声をあげる。  
「ん…はぁ…はあ…お、お願い、…わ、私をまた…だ…抱いて……」  
「トーマ、それが夫になる者への口の利き方か?」  
これからは私がその辺の躾けもしなければいけないのか。そう思いながら私が仕置きだと言わんばか  
りに更に奥深く子宮の入り口付近を小突いてやるとトーマはついに観念したのか、耐え切れなく  
なったように涙と共に声を溢れさせた。  
「う、ああ…!お、お願いします…今宵また私を…私を…だ、抱いてください……!!」  
完全に正気を失ったようなトーマの中から私自身を引き抜くと込み上げてくる気持ちを抑えきれないように 
トーマの白い白い背に欲望にまみれた白濁液を浴びせかけた。  
それは背だけでなくトーマの美しい髪と翅にまで及び、トーマの全てを支配したのだと  
この時私は悟った。  
 
 
 
 
 
 
あれからどれぐらいの日々が過ぎたのだろう――少し後日談を語ろう。  
 
特に私の生活には変化があったわけではない。翅無し狩りを終えると帰路につき許婚のトーマと過ごす。 
周囲から見ても特に代わり映えのない日常だろう。ただトーマに関しては違う。  
「トーマ今から私の部屋に来るんだ」  
「…わかった」  
回廊ですれ違ったトーマにぼそりとそう告げてやると一瞬顔を強張らせるがすぐに了承の返事をよこす。 
そう、あれからトーマは私に対してかなり従順になった。私の力を身にしみて感じたのか、 
私の要求を拒むことは滅多にない。ただ時折殺気の篭った視線を向けてくることがあり  
気をぬいたらまさに私は刺し殺されかねない。まあそれも一つの戯れかと思えばいい。  
そしてもう一つの変化といえば… 
「ん…はあ…はあ…あっアポロ二アス…」  
「どうした辛いのか?」  
「あ、あまり動く…な…お腹の子が…」  
私に跨るトーマを下から突き上げながら彼女の腹部に目を向ける。随分大きく膨らんできたようだ。 
乳房を揉んでみると時々薄い液体が滴り落ちる。着実にトーマの体は母になっていき、私の子は 
成長していってるらしい。あれほど私を憎んでいたトーマも腹の子には愛情があるようで、  
こうして私との行為を行う時はいつも腹を庇っている。  
「安心しろトーマ。例え流れるようなことがあっても何度でも植えつけてやるからな」  
 
 
こうして私はトーマとの行為を終えればまた翅無し狩りに翼を広げ駆けてゆく。  
もう許婚との日々も翅無し狩りも気乗りしないあの頃とは違う。 
今はこの力で全てを叩き伏せる ことが快感そのものなのだ。  
今ここに本当の意味で太陽の翼アポロ二アスが降臨したのだった――。  
 
 
END 

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