セリアンは壁に隠れ、呼吸を浅くしてから 相手の様子を伺っている。  
 
焼けた色をした肌に、後ろからでも分かるしっかりと付いた筋肉。  
そして赤く、燃え上がるような髪。  
その逞しく美しい容姿に、セリアンは覚えがあった。  
(・・・っ殺戮天使!!)  
その堕天翅が行った人間狩りで被害にあった人間は数知れず、その強さは堕天翅族の中でも最強だろうと思われている。実際、彼が放つ威圧を受けたセリアンは、恐怖から無意識に柄に手をかけていた。  
(殺すなら、背中を向けている今しかない・・・!)  
勢いに任せ、長剣を振り落とす。・・・が、いとも簡単に避けられてしまった。  
一度体制を立て直し、再び堕天翅――アポロニアス――へと向う。  
 
アポロニアスは、片手に持っていた短剣でセリアンの剣を弾く。  
そして、その直後に振り落とされた剣をも受け止めた。  
ぶつかり合う剣と剣の間には火花が散っている。  
周りには、丸く客席が配置されているが、  
アポロニアスとセリアン以外は誰もみあたらなかった。  
剣を受けて、『弱い』とアポロニウスは思った。  
それは外見や、身長差を見れば一目で分かる。  
それなのに、負けじと剣を向けてくるこの少女に、ちょっとした興味が沸いた。  
その興味は急速に膨れ上がり、どうしていいか分からなくなる。  
「お前の名は?」  
まったく表情を変えずに、アポロニアスが問う。  
何度も攻撃を仕掛けたのに、息も上がっていない。  
そこに強大な力の差を感じたセリアンは、剣により一層力を込めた。  
「人に名を尋ねるときは、まず己から名乗るもの・・・それでなくとも堕天翅に名乗る名などない!」  
最後を言い終わるのと同時に剣をバネの代わりにして離れる。  
(攻撃がワンパターンになりつつある。何か策を練らなければ・・・)  
 
そう考えた途端にアポロニアスが視界から消えた。それと同時に背後からの「遅いな・・」の声。  
「・・・・っあぁ!」  
気づけば手首を強い力でつかまれ、剣を落としてしまっていた。  
両手首をまとめて、アポロニアスの腕で地面に縫いとめてしまえば、  
武器を持たない人間など、何の威力も無い。再びアポロニアスが問う。  
「私の名はアポロニアス。お前の名は?」  
しかし、その問いに返事はい。代わりにセリアンは睨みつけ続けている。  
てっきり、怯えるものだと思っていたのに。  
(堕天翅に命乞いはしない・・・か。)  
アポロニアスはその強い瞳を、壊してしまいたい衝動に駆られた。  
 
アポロニアスの顔が近づいてくる。  
セリアンは一瞬、目を見開いた後に顔を背けたが、無理やり元の位置に固定された。  
「・・・・・・んっ!・・なっん」  
最初は啄ばむように触れ合わせるだけ。だんだん深くなっていく口付けに、足を激しく動かして抵抗する。  
しかし、その抵抗は悲しくも地面に痕をつけることしか出来なかった。  
ざらり、とした舌の感触が口内を犯し、体中に痺れが走る。  
「・・・ふ・・・っん・・・・・ん!」  
ガリッ  
屈辱と憎しみを込めて歯を立てると、アポロニアスの行動が止まり、唇が離れた。  
「・・・っはぁ・・・・何、を・・・」  
酸素が足りず、セリアンは途切れ途切れの声を出す。  
頬は赤く染まり、潤んだ目でアポロニアスを睨みつけた。  
アポロニアスは無表情のままで、顎を固定していた腕をすべらせるように首、鎖骨を撫でた。  
ビクリ、と少女の体が反応する。  
満足気に笑う男の姿を見て、セリアンは恐怖に震えた。  
「・・・っや!」  
意味を成さないと知っても、暴れずにはいられなかった。  
しかし、アポロニアスは無情にもセリアンの服を脱がしに掛かる。  
 
「やめ・・・っ」  
胸を覆うものを剥ぎ取ると、ふっくらとした豊かな胸が現れた。  
形のいい柔らかな胸を掌に納めると、感触を楽しむように揉む。  
「・・っ、ふ・・・放せっ・・・!」  
「・・・」  
せめてもの抵抗だろう。  
必死で声を抑える姿に、アポロニアスは顔をしかめた。  
胸の突起を口に含み、舌先で転がす。  
ピチャ、ピチャ、と耳に水音がやけに響く。  
それと混じって、セリアンの耳に金属音が届いた。  
 
アポロニアスが下の服までも脱がし始めたのだ。  
足を閉じようとするが、アポロニアスの体が入り込んで、閉じられない。  
アポロニアスが、下着の上を谷に沿うようになぞる。  
その瞬間、セリアンの体は意思に反して跳ね上がり、甘い声を漏らした。  
「やっ・・・ん・・」  
セリアンの唇に、アポロニアスのそれが重なる。  
再び絡めた舌を窄めた唇で何度か扱いてやり、今度は歯を立て甘噛みした。  
「ん・・・ぁふ・・・・・っん・・」  
深くなっていく口付けには、もう噛み付く気力がなかった。  
アポロニアスは下着を膝あたりまでずらし、直接敏感な花芽に触れる。  
人差し指と中指をこすり合わせるように刺激を与えながら唇を開放した。  
「・・・ぁあっく・・・ん、・・・」  
その刺激から逃げるように、セリアンは体をよじり、足を動かした。  
「・・・っ堕天翅・・・・ぁ・・アポロニ、アス!っぁ・・お前は、っ何を考えて、・・っ」  
これから相手が何をするのかは予想が付く。  
しかし、相手は人間ではない。堕天翅だ。堕天翅が人間と交わろうなんて、聞いたことが無かった。  
アポロニアスは耳元で囁く。その声は低く、熱い。  
「まずは先ほどの質問に答えよ。」  
カッ、とセリアンの鎖骨の辺りが熱くなる。その熱に戸惑いをうかべた。  
「・・・セリアン」  
「セリアン、か・・・いい名だ。」  
グチュッ  
音を立てて、アポロニアスの指がセリアンの中に埋まる。  
セリアンは苦痛と、異物感に思わずうめきながらも、アポロニアスを睨む。  
「・・・っ放し・・っ!」  
 
ズブッと音を立てて指はより深い場所へと埋まっていく。  
すこし指を壁に擦り付けるように動かすと、簡単に甘い声を出した。  
快楽に染まり、跳ね上がる肩を見て、アポロニアスは自分の体温が上がっていくのを感じる。  
「あぁ・・・ふっ・・んんっ!」  
「セリ、アン・・」  
アポロニアスは自分でもわからなかった。  
この行為は堕天翅族、なにより許婚であるトーマを裏切る行為だ。  
・・・けれども。  
「分からない・・自分でも分からないのだ。」  
「アポロ、ニアス・・・?」  
セリアンは、唖然とアポロニアスを見る。  
殺戮天使と呼ばれたほどの彼がこんな悲しそうな、切なさを秘めた表情をしたから。  
「セリアン、」  
アポロニアスはセリアンの足を開かせ、持ち上げる。  
セリアンが静止をかけようと声を出そうとして、それは失敗に終わってしまう。  
先ほどの指とは比べ物にならないほどにアポロニアスの大きく育ったものが宛がわれたからだ。  
「っんぁあああ!!!」  
裂かれるような痛みと、感情が渦を巻く。  
アポロニアスはそっと、セリアンの腕を開放し、己の手を腰に回した。  
「ひぁ・・・ぁ・・痛・・・」  
セリアンは開放された手で、逃げようとアポロニアスの胸板を押す。  
しかし思うように力が入らず、それは肩にしがみつくような形になった。  
悔しさからか痛みからか、瞳に滲んだ涙が零れ落ちる。  
アポロニアスはそれを拳で拭い取ってやる。  
 
「はじめてか?」  
セリアンは熱に染まる顔を背けた。  
すこし腰を進めたところに拒むものがある。  
無言でその壁を破ると、ビクビクと体がはねた。  
「・・・ふ、ん・・ぃ・・・し・・ぁっ」  
少しでも痛みを和らげるため、花芽に触れ、爪を立てる。  
セリアンの声に快楽の色が混じるのを聞いて、アポロニアスは動き始めた。  
「っぁ、ああっぅあ・・んく・・っゃ、まって・・」  
「・・・・・っは・・」  
だんだんアポロニアスの動きが激しくなっていく。  
セリアンも、我を忘れその動きに答えるように腰を振っていた。  
「・・・っぁああ、ぁっああ、、あん」  
アポロニアスは顔を寄せ口付けを送る。  
「あっぁ、あぁん・・ゃ・・アポ、ロ・・ニアスッ」  
「・・・・・ッセリアン・・・」  
「・・・・・ぁ、ぁあああ!!!」  
セリアンが一際強く突かれ、甲高い声を上げた瞬間、アポロニアスも自身の熱を解放した。  
 
「あっぁ、あぁん・・ゃ・・アポ、ロ・・ニアスッ」  
「・・・・・ッセリアン・・・」  
「・・・・・ぁ、ぁあああ!!!」  
 
「きゃぁぁぁあぁ!!!」  
 
深夜、ディーバ基地にシルヴィアの悲鳴が響いた。  
 
(あぁ、なんてこと!? いまのは・・夢!?あぁ、もうっ・・)  
先ほどの夢のような過去生の記憶でシルヴィアのショーツは濡れてしまっている。  
いろんな意味で落ち込んでしまう。  
 
「シルヴィア!!」  
「アポロ・・・」  
 
悲鳴が届いたのか、アポロが駆け込んできた。  
「どうかしたのか?」  
アポロはおかしなところは無いか、辺りを探っている。  
「な・・なんでもないわよっ」  
来てくれたことは嬉しい。  
けれども、あの夢の後では一方的にきまずいものでしかない。  
そんな気持ちを察知したのかしていないのか、スンスンと鼻を鳴らしたアポロはおもむろにセルヴィアに近づく。  
「お前・・・・・・一人でヤってたのか?」  
「・・・・はぁ!?・・・ってちょ、なにやってるのよ!」  
 
セルヴィアの足をつかみ、アポロは足の間の付け根の近くに顔を寄せる。  
「ほら、匂いがする」  
なんの匂いだ!と思いながら、シルヴィアはアポロの顔を押しのけようとした。・・その時。  
 
バァン!!  
 
「シルヴィア!」  
「・・・ぁ。」  
「・・・げ。」  
 
突如、現れたのはシリウスだった。  
彼の眉間は、これまでに無いくらい血管が浮き出ている。  
 
「貴様・・・・・誰の許しを得て、我が妹の足を・・・」  
「お・・・おちつけって、シリウス・・・な?」  
「これが・・落ち着いてられるかぁぁぁぁ!!!」  
 
後日、ディーバ基地を修復する2人の姿があったという。  
 
END  
 

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